ルーターとは、複数のデジタルデバイスとインターネット回線をつなげる機器のことです。ルーターにはさまざまな種類がありますが、私たちが日常的に利用しているのは、Wi-Fiとスマートフォン・パソコンを接続するWi-Fiルーターです。今回は、Wi-Fiルーターの寿命や買い替えの目安について紹介します。
Wi-Fiルーターの寿命
ルーターの寿命や買い替えのタイミングについて解説します。
「Wi-Fiルーターの寿命」と一口に言っても、「Wi-Fiルーター本体」「通信規格」「セキュリティー」と3つの寿命があります。それぞれを混同しないように注意しましょう。
なお、「寿命」として紹介している年数で必ずしも機器が使えなくなるわけではありません。買い替え時期の目安として参考にしてみてください。
Wi-Fiルーター本体の寿命:5~10年
本体寿命とは、Wi-Fiルーター本体の耐用年数のことです。耐用年数はメーカーによって異なりますが、多くの場合は5〜10年間の保証を想定して設計されています。ただ機器の劣化は、利用時間・利用機器・利用環境によって異なるため、買い替えを検討するひとつの目安として捉えるのが良いでしょう。
通信規格の寿命:2~6年
Wi-Fiの通信規格は、2〜6年の周期で更新されます。この更新周期を「通信規格の寿命」と呼ぶことがありますが、新企画が登場したからといってすぐに旧規格が使えなくなる訳ではありません。最新の規格にこだわらない場合は、特に気にする必要はないでしょう。
セキュリティーの寿命:2~5年
Wi-Fiは、外部からの不正アクセスを防ぐために暗号化されています。この暗号化方式の更新タイミングを「セキュリティーの寿命」と呼ぶことがあります。暗号化方式は、2~5年の周期で更新されます。お使いのWi-Fiルーターが最新の暗号化方式に対応していない場合は、買い替えを検討しても良いかもしれません。
関連記事:ルーターのベストな買い替え時期の目安は?
Wi-Fiルーターの不具合で買い替えを検討する目安
以下のような不具合が発生した場合や明らかに耐用年数が過ぎていると思われる場合は、新しいWi-Fiルーターへの交換を検討してみてください。
通信速度の低下・接続が不安定
Wi-Fiルーターの通信速度が著しく低下したり、接続が頻繁に途切れたりする場合、本体の機能が衰えている可能性があります。再起動や設定の変更、位置の移動で解消する場合もあります。
Wi-Fiルーターの電源が入らない
電源が全く入らない、または頻繁に電源が落ちる場合、本体の電源部品に問題がある可能性があります。
ランプや画面が正常に動作しない
Wi-Fiルーターのランプやディスプレイが正常に機能しない場合、本体の機能が衰えている可能性があります。ランプの色や点滅パターンが正常でないと、ネットワーク接続の状態やルーター自体の状態を把握できなくなるため、新しいWi-Fiルーターへの交換を検討してみてください。
Wi-Fiルーターに不具合が発生したときの対処法・確認すべきこと
Wi-Fiルーターに不具合が発生した場合、買い替えを検討する前に、まずは自分でできる次にご紹介する対処方法を試してみてください。それでも不具合が解消されない場合は、買い替えの検討も視野に入れましょう。
Wi-Fiルーターに接続する端末を減らす
Wi-Fiルーターは複数の端末とWi-Fiを接続する機器ですが、同時接続数が多すぎると不具合が発生しやすくなります。通信速度の低下といった不具合が発生している場合、一部のデバイスの接続を切って、Wi-Fiルーターへの負荷を軽減させましょう。
Wi-Fiルーターのソフトウェアをアップデートする
Wi-Fiルーターにはファームウェアというソフトが搭載されています。このファームウェアを更新することでWi-Fiルーターが最新版にアップデートされます。古いファームウェアが不具合の原因になっている可能性があるため、以下の方法でアップデートしてみましょう。
- Wi-Fiに接続しているスマートフォン・パソコンで設定画面を表示する
- 設定・管理画面からファームウェア更新を選択する
- 更新可能なファームウェア一覧から、最新バージョンにチェックを入れる
- 更新を実行する
ファームウェアの更新方法はメーカーによって異なるため、詳しくはお使いのWi-Fiルーターの取扱説明書などを確認してみてください。また、可能ならファームウェアの自動更新設定を有効にしておきましょう。
Wi-Fiルーター・ONU・モデムを再起動してみる
Wi-Fiルーター・ONU・モデムといった、Wi-Fi接続に関連する機器が原因で不具合が発生している可能性があります。一度これらの電源を落とし、再起動することで不具合が解消されることがあります。Wi-Fiルーター・ONU・モデムの再起動は、以下の手順で行ってみてください。「電源を切る」「再起動する」という2ステップで実行します。
【電源を切る】
- スマートフォン・パソコンなどの端末の電源を切る
- Wi-Fiルーターの電源を切りプラグをコンセントから抜く
- ONUの電源を切り、プラグをコンセントから抜く
- 機器を休ませるために30秒程度放置する
【再起動する】
- ONUのプラグをコンセントに挿して電源を入れる
- ルーターのプラグをコンセントに挿して電源を入れる
- ONU、ルーターの電源ランプが正常に点灯しているかを確認する
- スマートフォン・パソコンなどの端末の電源を入れる
・参考:突然インターネットがつながらなくなった場合の解決方法
・関連記事:Wi-Fiルーターの正しい再起動のやり方、リセットとの違い
接続帯域の変更をしてみる
接続帯域とはWi-Fiの周波数のことで、「2.4GHz・5GHz」の2種類があります。
● 2.4GHz
2.4GHzは、壁や床といった障害物に強く、電波が遠くまで届きやすい周波数です。「他の端末からの電波の影響を受けやすい」「複数の端末を接続すると混雑しやすい」といった傾向があります。
● 5GHz
5GHzは、Wi-Fiルーター専用で使われている周波数です。2.4GHzより通信速度が速く、電波干渉も受けづらい周波数ですが、端末との間に障害物があったり端末との距離が離れすぎたりすると繋がりにくくなります。
どちらの周波数にも得意不得意があり、住環境に合わせて選ぶのがおすすめです。不具合が発生している方は、一度周波数を変更してみましょう。以下の手順で変更してみてください。
- 端末の「設定」で受信可能なWi-Fiを確認する
- 受診可能なWi-Fiから繋ぎたい周波数を選択する(※ネットワーク名の途中や末尾に「g(G)」があれば2.4GHz、「a(A)」があれば5GHzが多い)
- 保護された通信の場合はパスワードを入力して接続する
変更方法や周波数はメーカーによって異なる場合があるため、詳しくは取扱説明書やルーターの側面に貼られているシールを確認しましょう。
・関連記事:Wi-Fiの電波干渉、何が原因?主な家電と対処法を解説
・関連記事:Wi-Fiの2.4GHzと5GHzの違いとは?どちらを使えばいいか解説
周辺機器の確認・買い替えの検討
ご紹介した対処方法でもWi-Fiの不具合が解消されない場合は、Wi-Fiルーターの他、ONU・モデムといった周辺機器本体の故障の可能性があります。耐用年数を過ぎて、長く使っている場合は特に買い替えを検討してもよいでしょう。
寿命以外で買い替えを検討すべきタイミングは?
機能の寿命や不具合以外でも、以下のような場合はWi-Fiルーターの買い替えを検討してみるとよいでしょう。
端末の買い替え
最新のWi-Fi規格に対応するスマートフォンやパソコンを購入した際、同じ規格に対応したWi-Fiルーターでなければ、機能を十分に活用することができません。自宅のWi-Fiルーターが旧規格にしか対応していない場合は、買い替えを検討しましょう。
・関連記事:Wi-Fi6とは?メリット・デメリット、対応端末や従来との違いを解説
・関連記事:最新規格Wi-Fi7とは。いつから利用できる?進化する機能を解説
接続端末数が増えるとき
接続端末数が増えた場合、お使いのWi-Fiルーターに大きく負荷がかかる可能性があります。通信速度の低下や接続が不安定といった不具合が発生した場合は、高負荷にも対応できるWi-Fiルーターに買い替えましょう。
引っ越しをするとき
引っ越しで住環境が新しくなった場合、お使いのWi-Fiルーターではカバーできない範囲が生じる可能性があります。「リビングから他の部屋に移動すると接続が不安定になってしまう」といった不具合が発生する場合は、Wi-Fiルーターの買い替え検討が必要かもしれません。
回線契約を変更したとき
回線契約を更新した場合(例えば、ADSLから光回線へのアップグレードなど)、新しい回線速度に古いWi-Fiルーターが対応できず、機能を十分に活用できない可能性があります。このような場合は、アップグレード後の回線に対応した新しいWi-Fiルーターへの買い替えを検討しましょう。
・関連記事:ルーターのベストな買い替え時期の目安は?
新しい通信規格が登場したとき
最新のWi-Fi規格を利用したい場合は、その規格に対応した新しいWi-Fiルーターが必要です。
Wi-Fiの通信規格は新しいものほど通信速度が速く、インターネットをより快適に利用できます。そのため、Wi-Fiに新しい通信規格が登場したタイミングでルーターの買い替えを検討するのもよいでしょう。
Wi-Fiルーターを買い替える際に確認したいポイント
Wi-Fiルーターを買い替える際には、以下のポイントに注意して選びましょう。
Wi-Fiの規格
Wi-Fiルーターを選ぶ際に、まずは対応するWi-Fiの規格を確認しましょう。特にこだわりがない場合は、「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」か、今現在の最新規格である「IEEE 802.11be(Wi-Fi 7)」に対応したタイプがおすすめです。最新規格のWi-Fiルーターは旧規格とも互換性があるため、端末が古くても問題なく利用できます。
通信速度
Wi-Fiルーターの通信速度は「通信規格」と「アンテナ(ストリーム)の本数」に左右されます。
● 通信規格
通信規格に関しては最新版がもっとも速いため、速度にこだわる場合は前述した最新規格の「 IEEE802.11be(Wi-Fi 7)」がよいですが(2024年7月時点)、Windows 11/10ではWi-Fi 7は現在利用できない、Wi-Fi 7機器が高価などの注意点もあるため、現在メイン規格として利用されている「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」を選択するのが現状おすすめです。
● アンテナ(ストリーム)の本数
アンテナ(ストリーム)の本数が多ければ多いほど、通信速度が速くなり、より遠くまで電波を発信してくれます。Wi-Fiルーターのパッケージやカタログなどに「5GHz=アンテナ(ストリーム)8本」「2.4GHz=アンテナ(ストリーム)4本」など、周波数ごとの本数が記載されているので、購入前に確認しましょう。
接続可能台数
Wi-Fiルーターには、接続可能台数の上限があります。上限を超えて端末を接続すると、回線速度が低下したり、接続が不安定になったりするため、必ず確認するようにしましょう。一人暮らしでスマートフォンしか使わないという方は、そこまで気にする必要はありませんが、2人以上の住まいでそれぞれ複数の端末を利用するという方は、10台以上など、なるべく接続台数が多いタイプがよいでしょう。
住環境に合わせたWi-Fiルーターを選ぶ
Wi-Fiルーターのパッケージやカタログには「1LDK向け・2LDK」など、メーカーが推奨する間取りが記載されています。部屋の隅々まで電波を届かせたい場合は、メーカー推奨よりも少し余裕を持たせて選ぶのがおすすめです。「1LDKに住んでいる場合は2LDKを選ぶ」など、少し余裕を持たせることで、どのような環境であっても通信が安定しやすくなります。
また、以下のような機能が搭載されたWi-Fiルーターを選ぶことで、より快適にWi-Fiを利用できます。
● ビームフォーミング
特定の機器を狙って電波を発射する技術。
● バンドステアリング
通信環境や電波状況に応じて、ルーターと端末の周波数を自動で切り替える機能。
● メッシュWi-Fi
Wi-Fiを網目のように張り巡らせて、空間全体に電波を行き渡らせる技術。
このような機能が搭載されたWi-Fiルーターを選ぶことで、通信環境がより快適になります。住環境に合わせて、ご自身に適した機能を搭載したタイプを選びましょう。
まとめ
Wi-Fiルーターの寿命には、「Wi-Fiルーター本体」「通信規格」「セキュリティー」それぞれ3つのタイミングが考えられます。機器本体や通信にトラブルが発生した場合は、今回ご紹介した対処方法を参考に、本当に使えなくなっているのかどうかを確認しましょう。何を試しても不具合が解消されない場合は、Wi-Fiルーターの買い替えを検討してみてください。
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