ルーターの正しい再起動の方法と、再起動後もトラブルが解消しない場合の対処法

Wi-Fi利用中に回線速度が遅くなった、インターネットに繋がらないといったトラブルで困ったことはありませんか? Wi-Fiの不具合は、ルーターの再起動によって解消されることがあります。今回はルーターの正しい再起動方法とその際に注意すべき点、さらにルーターを再起動してもトラブルが解消しない場合の対処法について解説します。

ライター:CLIP編集部

ルーター再起動のやり方は2つ

ルーターの再起動のやり方は、次の2つです。

  1. 設定ツールか再起動ボタンを使う
  2. コンセントを差し直す

順番に解説します。

ルーターのみを再起動する場合:設定ツールか再起動ボタンを使う

ルーターのモデルによっては、パソコンやスマートフォンの設定ツールを利用することで再起動できます。またルーターに再起動ボタンがある場合はそれを押すことでも可能です。
しかし、設定ツールや再起動ボタンを利用するとルーターがすぐに再起動され、放熱が十分に行われない懸念があります。ルーターに熱がこもると不具合が発生する可能性があるため、ルーターが熱いと感じた場合は、設定ツールを使わずに手動でコンセント抜き差しをして再起動をしましょう。

ルーターのみの再起動で不調が直らない、または設定ツールや再起動ボタンがない場合:コンセントを差し直す

設定ツールがなかったりルーターに再起動ボタンがない場合、またはルーターに熱がこもっていたりする場合は、コンセントを差し直して再起動しましょう。

ルーターがONU(光回線終端装置)に接続されている場合

ルーターがONU(光回線終端装置)に接続されている場合は、次の手順で再起動しましょう。

  1. ルーター・ONUのコンセントを順番に抜く
  2. 5分ほど放置する
  3. ONUのコンセントを差し込む
  4. ランプが正常に点灯し安定したらルーターのコンセントを差し込む

ルーターが壁のLANポートに接続されている場合

光回線終端装置(ONU)一体型ルーター(ホームゲートウェイ)のような、壁のLANポートにルーターを繋げている場合は次の手順で再起動しましょう。

  1. ルーターのコンセントを抜く
  2. 20秒ほど放置する
  3. ルーターのコンセントを差し込む

再起動の際、LANポートとルーターを繋いでいるケーブルを抜く必要はありません。

ルーターの再起動によって得られる3つの効果

ルーターの再起動によって得られる3つの効果

ルーターを再起動させることによって効果が3つ得られます。それぞれの効果について詳しく説明します。

ルーター本体内部の放熱

Wi-Fi不調の原因として多いのが、ルーター機器本体の過熱です。複数のデバイスを接続しWi-Fiを長時間使用していると、フル稼働状態で本体に熱が籠ります。電子機器は熱に弱く、溜まった熱によって電波障害を起こすことがあるため、「電源を落として一定時間放置する」ことで熱くなったルーター本体から熱を放出できます。
熱がこもって不具合が発生しないように、定期的に再起動してルーター内の熱を放出しましょう。

電波干渉・チャネルの修正

電波干渉とはルーターが発する電波と、周りにある電化製品が発する電波がお互いに干渉し合うことによって起こる不具合です。不具合の内容は「通信速度が落ちる」「接続が不安定になる」などがあります。ルーターの電源を落とすことで電波を一度遮断させ、電波干渉を解消し通信を安定させる効果があります。
また1つのルーターに対して複数のデバイスを繋いでいると、チャネル(信号の伝達・流通経路)の混線が起きて回線に不具合が出る場合があります。ルーターを長期間稼働させ続けていると、電波干渉やチャネルの重複による回線不調も出やすくなるため、定期的なルーターの再起動がおすすめです。

関連記事:Wi-Fiの電波干渉、何が原因?主な家電と対処法を解説

アクセスログの削除

端末がWi-Fiに接続した履歴を「アクセスログ」といいます。長期間1台のWi-Fiで複数の端末を使用していると、膨大なアクセスログが蓄積されます。アクセスログを蓄積させすぎるとWi-Fiの不調に繋がりやすいため、定期的に削除することをおすすめします。電源をオフにし電波が遮断されることで通信記録であるアクセスログが消去されます。

ルーターを再起動する際の注意点4つ

ルーターを再起動する際、いくつか注意点があります。注意すべき4つのポイントを解説します。

1.設定値を保存してから行う

ルーターを再起動する前に設定値を保存しておきましょう。パスワードの変更などの内容を保存しておくことで、再起動後に面倒な設定作業を省くことができます。

2.プラグの抜き差しの順番は必ず守る

再起動する際、電源プラグの抜き差しは必ず順番を守って行いましょう。順番を間違えると、電流の逆流やルーター故障の原因になります。電源を落とす際は「ルーター→ONU」、電源を入れる際は「ONU→ルーター」の順で電源を入れ直しましょう。

3.電源を切る時間、放置する時間は十分に取る

電源を落とした後、電源を入れるまで放置する時間は十分に取ることが大切です。最短でも30秒、できれば10分程度放置しましょう。放置する時間が短すぎると機器本体が十分に放熱されず、せっかく再起動しても不調が直らない可能性があります。放置する時間を十分に取ることで、バッテリーの負荷軽減にもつながります。

4.アップデートする場合は、完了してから再起動を行う

ルーター本体やONUがアップデート中の場合、ランプの色、もしくはランプの点滅の仕方が変わります。機種によって違いがあるため説明書を参考にして、アップデート中はアップデートが完了したことを確認してから再起動しましょう。

再起動しても不調が直らない場合の原因は?

再起動しても不調が直らない場合の原因は?

その他に考えられるWi-Fiの不調の原因について解説します。

端末の不具合

ルーターではなく、利用している端末の不具合が原因の可能性もあります。端末内のWi-Fi設定がオンになっているか、機内モードになってしまっていないか設定画面から確認をしましょう。またWi-Fi設定がオンになっていても一度オフにしてからオンにする、同じように機内モードのオン・オフも試してみましょう。端末の設定を見直しても不調が直らない場合は端末自体の再起動を試してみてください。

ONU(光回線終端装置)の不具合

ONUには「認証」、「UNI」、「光回線」、「電源」と4つのランプがあります。インターネット利用中は全てのランプが緑点灯あるいは、3つが緑点灯・UNIのみ点滅していたら正常です。再起動しても点灯しないランプがある場合、ONUに不具合が起きている可能性があります。場合によっては機器の交換などが必要になります。

プロバイダ・回線事業者側の不具合

プロバイダ・回線事業者側で不具合が発生している、またはメンテナンス中でネットが繋がらないという場合もあります。メンテナンスは事前にアナウンスされるため、その時間を避けて再起動などの対策を試してみましょう。他に考えられる原因として「ユーザーが集中する時間のため回線速度が低下している」、「料金の未払いによって回線を止められている」などがあります。夜間はインターネットを利用するユーザーが多いため、回線が混み合い速度が落ちることがあります。

SSID/パスワードの入力ミス

ルーターのSSID・パスワードの入力ミスがないか確認しましょう。ルーターの側面などにSSIDと初期のパスワードが記載されています。初期パスワードから変更した場合は設定したパスワードを正しく入力しましょう。

参考記事:eoコラム-スマホ・パソコンがWi-Fiに繋がらない!原因とすぐにできる対処法を紹介

接続している端末が多い

ルーターに接続している端末が多いと、回線が混み合って通信の不具合が起こる可能性があります。
ルーターによって最大接続台数は異なるため、現在利用しているWi-Fiルーターの最大接続台数を確認し、上限を超えている場合は接続する台数を減らしましょう。最大接続台数は、ルーターの商品ページや説明書などに記載されています。
最大接続台数が足りないと感じる場合は、多くのデバイスを接続できるルーターへの買い替えを検討してみてください。

ルーターの設置場所が悪い

ルーターの設置場所の関係で、通信に不具合が発生している可能性も考えられます。
ルーターの近くに障害物があると、電波が遮られて接続しているデバイスまで届きにくくなり、通信が不安定になる場合があります。そのため、ルーターを設置する際は、周辺に壁や電子機器などの障害物がない場所を選びましょう。

ルーター再起動しても不具合が解消されないときの対処法

ルーターを再起動しても不具合が解消されないときは、次の対処法を試してみてください。

  • ルーターの設置場所を変える
  • 周波数帯を変更する
  • 初期化を行う

ルーターの設置場所を変える

まずは、ルーターの設置場所を変えてみましょう。
ルーターの電波は360度に飛んでいるため、できるだけ部屋の中心に設置するのがおすすめです。また、ルーターを床に置くと電波がうまく広がりません。そのため、部屋の中心かつ床から1、2メートルほど高い場所に設置してみてください。
2階建ての住宅の場合は、2階の中心にあたる部屋に設置すると、住宅内に効率的に電波を飛ばせるため、通信の不具合を解消できる可能性があります。
1階建ての住宅の場合は、頻繁に通信する部屋に設置するとよいでしょう。

・関連記事:ルーターの最適な置き場所は?Wi-Fiを繋がりやすくするには

周波数帯を変更する

ルーターと通信する際に周波数帯を気にしていなかった方は、普段利用していない周波数帯で通信してみましょう。
基本的に、ルーターは2.4GHz帯と5GHz帯の2種類の周波数帯が利用できます。それぞれの特徴を簡単にまとめると、次のとおりです。

2.4GHz帯・遠くまで電波が届きやすい
・家電や電子機器と電波が干渉して通信が不安定になりやすい
5GHz帯・2.4GHzほど遠くまで電波が届かない
・5GHzの周波数帯を利用している機器が少なく通信が安定しやすい

普段、どちらかの周波数帯のみを利用している方は、周波数帯を変更することで通信の不具合が解消される場合があるため、一度試してみてください。

・関連記事:Wi-Fiの2.4GHzと5GHzの違いとは。どちらを使えばいい?

初期化を行う

再起動しても不具合が解消されない場合は、ルーターの初期化を実行し、内部の設定を工場出荷状態にリセットしましょう。
ルーターに何らかの不具合が発生している場合は、すべての設定をリセットすることで解消できる可能性があります。初期化の手順はルーターの種類によって異なるため、説明書を参考に実行してみてください。
しかし、ルーターを初期化するとすべての設定まで初期化されるため、ここまで紹介してきた対処法を先に実践し、それでも不具合が解消されない場合にのみ初期化しましょう。
初期化しても不具合が解消されない場合は、ルーターの故障が疑われます。契約している回線事業者からルーターをレンタルしている場合は事業者に連絡し、自身で準備した場合は買い替えを検討しましょう。

再起動とリセットはどう違う?

ルーターを再起動しても不具合が解消されない場合の対処法として、初期化によってルーターをリセットする方法を紹介しましたが、「再起動」と「リセット」の違いが気になる方も多いでしょう。
「再起動」と「リセット」の大きな違いは「初期化されるかどうか」という点です。電源をオフにして、その後オンにする動作としてはほとんど同じですが「再起動」は内部の設定などはそのままで再び起動するのに対して、「リセット」は設定などが全て工場出荷時の状態になる、つまり“初期化”されてしまいます。

まとめ

Wi-Fiの不調は、ルーターの再起動によって解消されるケースも多くあります。ルーターやその他の機器を再起動させる際は、今回ご紹介した方法を参考にしてみてください。ルーターの再起動を行っても不調が改善されない場合は、端末や回線機器、回線事業者に不具合が起きていないかなど確認し、今回紹介した対処法を試してみましょう。それでも不調が改善されない場合は、機器の交換や回線契約の変更なども検討するのがおすすめです。


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