【Q】生成AIってなに?

最近よく目や耳にする「生成AI」。それって何?と疑問をお持ちの方に向けて、わかりやすく説明します。

ライター:吉岡勇哉

【A】生成AIとは、学習データをもとに新たなコンテンツを生み出すAI(人工知能)のこと。

「生成AI(Generative AI:ジェネレーティブAI)」とは、データの関係性や過去の傾向などの学習データを元に、文章・画像・動画・音楽などさまざまなコンテンツやアイデアを新たに生み出すAI(人工知能)のことです。コンテンツの種類によって「画像生成AI」「音声生成AI」「テキスト生成AI」「動画生成AI」などと表現されることもあります。
注目のきっかけは「ChatGPT」「Stable Diffusion」「Midjourney」の登場。どれも扱いやすく、素人が試しても高度な回答が得られたことで話題となりました。

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従来のAIとの違い

従来のAIがデータの学習に基づいた予測や回答を出すのに対し、生成AIは「Generative(生成力がある)」の名のとおり、これまでになかった新しいコンテンツを生み出すことができます。また、コンテンツ生成の過程で与えられた情報を都度学習し、成長を続けるのも大きな特徴です。

生成AIでできること

生成AIで生み出せるコンテンツは主に文章、画像、音声、音楽、動画などです。
2024年4月現在、代表的な生成AIサービスChatGPTの有料版では、テキストや音声、画像で条件を提示すれば、それに応じた文章や画像、プログラムコードが生成可能。さらにやり取りのなかで入力された情報を学習していくことで、回答精度は向上し続けていきます。

生成AIのなかでもテキスト生成AIの技術は特に高く、すでに一部企業のカスタマーサポートなどでは、自動チャットボットに導入されています。
画像や動画の生成技術も着実に日々進歩しており、近年では画像提供サービスのAdobe Stockで生成AIが作成した画像が採用されていたり、AIタレントを起用したCMが放映されたりしています。

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生成AIを利用する際の注意点

非常に便利な生成AIですが、主に3つのリスクが存在します。

1.情報の外部漏洩

1つ目が生成AIの利用時に使用したデータが、AIに学習されてしまい外部に漏れてしまうリスクです。情報漏洩を防ぐためにも、周囲に知られたくない重要なデータは提供しないようにしましょう。どうしても重要なデータを使用する必要があるときは、生成AIサービスの設定を変更し、入出力するデータをAIモデルの学習に利用させないようにするのがおすすめです。

2.著作権·肖像権の侵害

2つ目が生成されたデータが、既存作品と類似性·依拠性を認められた場合には、著作権や肖像権の侵害にあたるというリスク。生成された画像や動画には、元となるデータが存在します。元とされたデータ数が少なかったりして、生成されたデータが既存作品に類似したりしている場合、その生成データを商用利用すると、著作権や肖像権に関するトラブルに巻き込まれてしまう危険性があります。商用利用する場合は、著作権をクリアした生成AIサービスを選んで利用するとよいでしょう。

3.虚偽の回答

3つ目が、生成AIが生成した虚偽の回答に騙されてしまうリスクです。生成AIに質問をした場合、あたかも真実かのように虚偽の内容が含まれていることがあります。
生成AIから得た情報はうのみにせず、どこから得た情報かなど、エビデンスの確認をするよう心がけましょう。

生成AIの最新動向

生成AIは現在も積極的に開発が進められています。なかでもアメリカのMicrosoft社は2023年の四半期に1兆5,000億円の投資をしており、つい先日の4月10日には日本国内のAI(人工知能)及びクラウド基盤の強化を目的に約4400億円を投資すると発表しています。

さらに2024年2 月には、経済産業省が国内の生成AI(人工知能)開発を支援すると正式に発表。言語や自動運転などに使う国産AIの開発を促すために、Google Cloudからデータ学習用クラウドサービスを84億円で借り上げ、新興企業や大学などの7事業者に同年2月から8月までの半年間、無償で提供しているそうです。
これからも進化を続ける生成AI。使用する際はトラブルに巻き込まれないよう、利用時のリスクと対処法をよく理解してから使いましょう。


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  • 1996年、奈良生まれ。大学卒業後、内装建築会社に就職。2年後カナダにて留学という名の余暇を過ごし、その後ライターの道へ。現在はジャンルを問わずさまざまな執筆を行う。

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