AIでテキストからアニメーションを自動生成!?「Stable Animation SDK」を使ってみた

子供の頃「アニメを作りたい」と思ったことはありませんか? 今回はそんな幼少期の夢を叶えてくれるかもしれないアニメーションの自動生成AIツール「Stable Animation SDK」を紹介します。これを使いこなせば、テキストや画像から簡単にアニメーション制作が可能に!? 具体的な使い方を紹介します。

ライター:CLIP編集部

「Stable Animation SDK」とは?

「Stable Animation SDK」はテキストや画像、動画からアニメーションを生成できるAIツールです。2023年5月11日に、画像生成AI「Stable Diffusion」の開発などをしていたAIスタートアップ企業Stability AIによってリリースされました。

アニメーション制作は「テキストから生成」のほかに、「オリジナルの初期画像とテキストを使用した生成」、「動画とテキストによる生成」という3つの方法があるようです。
アニメーション制作には、Stable AnimationやStable Diffusionを使うためのオンラインプラットフォーム「DreamStudio」でアカウントを作成し、そこで購入したクレジットを使用します。少しではありますがアカウント作成時に無料でクレジットが貰えるので、簡単なアニメーションであれば追加費用なしで作れるかもしれません。

実際に使ってみた

インストール・登録方法

まずはインストール用のプログラムが用意されているStability AIの開発者プラットホームを開きます。インストールを実行するプログラムはPythonとよばれるプログラミング言語が用いられているため、「Open in Colab」をクリックし、このプログラミング言語を実行できるColab(Google Colaboratory)に移行します。

「Open in Colab」をクリック

その際開かれたページでは、システムへの変更をうまく反映できないことがあるため「ドライブにコピーを保存」してから行うのがおすすめです。

「ドライブにコピーを保存」

次にStability AIのオンラインプラットフォームDreamStudioにログイン。アカウント持っていない方は「Sign up」からアカウントを作成し、アカウントページからAPIキーをコピーします。

Stability AIのオンラインプラットフォームにログイン。アカウント持っていない方は「Sign up」からアカウントを作成し、アカウントページからAPIキーをコピー
「ctrl+f9」ですべてのセルを実行

その後Colabのページに戻り、「ctrl+f9」ですべてのセルを実行します。その際「Connect to the Stability API」というセルでAPIキーの入力が求められるので、先ほどコピーしたAPIキーを貼り付けてEnter。

「Connect to the Stability API」というセルでAPIキーの入力が求められるので、先ほどコピーしたAPIキーを貼り付けてEnter。

全てのセルが問題なく実行されれば、最後にURLが表示されるのでそれをクリックし、Stable Animation の操作画面へ。

最後にURLが表示されるのでそれをクリックし、Stable Animation の操作画面へ。

テキストによるアニメーション作成

アニメーションを生成するためには、まず「Load Projects」をクリックし、プロジェクトを作成します。必要に応じて「Name」を変更し、「Create」をクリック。

「Load Projects」をクリック
「Name」を変更し、「Create」をクリック。

「Render」タブからアニメーション制作の指示を入力します。
まずは「Animation prompts」からどのようなアニメーションを作りたいか英語で入力。今回は「{0: “a photo of an asian girl”,40:” a photo of a smiling asian woman”,}」と入力しました。これは「アニメーションとなる画像の39枚目までは『アジア系の女の子の写真』、40枚目以降は『微笑むアジア系の女性の写真』」にしてほしいという指示です。

次に「これだけはしないでほしい」ということを「Negative prompt」欄で指示します。
デフォルトでは「blurry(ぼやけた)」と「 low resolution(低解像度)」が入力されているので、必要に応じて指示を追加しましょう。
今回制作した際は人物の腕が途切れていたり、指の本数が合っていなかったりしたので「missing arms(腕が欠けている)」や「mutated hands(手が変形している)」などの指示を追加しました。

「Render」タブからアニメーション制作の指示を入力

次に「Config」タブでさらに細かく指示をします。
変更することが特に多いであろう項目を簡単にまとめたのでご確認ください。

  • 「Animation mode」:2Dや3Dなどアニメーションのタイプが選べます
  • 「Max frames」:アニメーション全体で使用する画像枚数
  • 「Width」:アニメーションの横幅
  • 「Height」:アニメーションの高さ
  • 「Guidance scale」:どの程度指示に従うか。数値が高いほど忠実に「Prompts」に従います
「Config」タブでさらに細かく指示

次に「Camera」からアニメーションのアングルを指定。
アングルを固定しておきたい場合は既定値のままで問題ありませんが、どこかにズームしていきたい場合などは「()」内の数値を変換しましょう。

「Camera」からアニメーションのアングルを指定

最後に「Output」タブの「FPS」で1秒間に何枚の画像を切り替えるかを設定します。このFPSが高ければ高いほどアニメーションが滑らかになります。しかし、例えばMax framesが60に対しFPSを30にしてしまうと、アニメーションの再生時間が2秒になってしまいます。この場合Max framesの数値を上げることで再生時間を延ばせますが、その分使用するクレジットも増えるので要注意。

金額の目安についてはStability AIの開発者プラットホームに記載されているので、そちらを確認しましょう。

「Output」タブの「FPS」で1秒間に何枚の画像を切り替えるかを設定

全ての設定が終われば「Render」をクリック。アニメーションの規模にもよりますが数秒程度で指示に応じたアニメーションが生成されます。

今回の指示では、道に立っている女の人の雰囲気が何度も変わるアニメーションが生成されました。よく見ると女性の顔は全て異なっています。どうやら全く同じ人物を動かすことは困難なよう。作りたいアニメーションのイメージを持っていない初心者の方は、Stable Animationの公式PR動画を参考に、まずはいろいろ試してみてはいかがでしょうか。

注意!著作権について

基本的にStable AnimationやStable Diffusionで作成されたものは商用利用可能とされています。しかしアニメーションや画像の生成時に、オリジナルではない画像を読み込ませた場合は著作権侵害に当たる可能性も。AIによって生み出された作品を公開する場合は細心の注意を払いましょう。

・関連記事:生成AI「Adobe Firefly」の特徴と使い方
・関連記事:画像生成AI「Midjourney」とは?利用方法や注意点

まとめ

AIを用いたアニメーション制作は誰でも挑戦でき、短時間で仕上げることができます。しかし中には、利用する際に膨大な量のデータ通信が行われることも。生成AIを楽しみたい方は、ご自宅に光回線を導入するなど、インターネット環境を見直してみてはいかがでしょうか。


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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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