Podcastの始め方。 必要機材・配信プラットフォーム

音声をインターネット上で配信するサービスとして親しまれているPodcast。さまざまな音声配信プラットフォームも登場し、収益化なども行われているなど、さらなる注目が集まっています。
この記事では、自身が配信者としてPodcastを初めてみたい方にむけて、Podcastを始めるために必要な機材や配信プラットフォームを紹介します。

Podcastの概要については関連記事をご覧ください。

関連記事:Podcast(ポッドキャスト)とは?わかりやすく解説

ライター:荒井啓仁

Podcastを始めるには?

Podcastを始めるには?

スマートフォン一台あれば手軽に始められるPodcast。品質にこだわりたい場合や編集などを行いたい場合はパソコンなどの機材も必要です。Podcastを始めるために必要なステップを紹介します。

配信する内容を固める

機材や配信先を決める前に、どういった配信を行いたいかを固めることが大切です。「何を話したいか・何を伝えたいか」を決めたら、「どういうリスナーに届けたいか」もぜひ考えましょう。身近な人を設定するか、仮想の人物像を設定し、その人に興味を持ってもらえるような番組作りを始めると、伝えたいことの軸がブレにくくなります。

録音に利用する機器を決める

Podcastを始めるためには、スマートフォンかパソコンが必要になります。手軽さや品質、配信したい内容によって配信機器を決めると良いでしょう。スマートフォンとパソコン、Podcastを使う際にはどちらが良いのか? メリットとデメリットを紹介します。

スマートフォン

スマートフォンではマイクが内蔵されているので、気軽に始められるのが魅力。スマートフォン一台で編集もできる配信プラットフォームもあるため、初期費用も少なく済むのも特徴です。気軽にPodcastを始められるスマートフォンですが、品質や編集のしやすさではパソコンに劣ってしまう点には注意しましょう。
とりあえず始めてみて、続きそうであれば機材足すかパソコンへの切り替えを検討するのもいいでしょう。

パソコン

より本格的に収録・編集・配信を行いたいならパソコンがおすすめです。マイクやミキサーなど、機材の選択肢も幅広く、音声編集もスマートフォンより簡単に行えます。「ラジオ番組のようなきれいな音質で録音したい。」、「複数人で声が混ざらないように配信したい。」という方はパソコンの利用を検討すると良いでしょう。
パソコンのデメリットは、パソコン本体や機材の購入に費用がかかってしまう点。動画編集と違い、パソコン自体に高いスペックは必要ありませんが、マイクやミキサー、周辺機材も揃えるとなるとかなりの出費になってしまいます。

配信先を決める

配信サービスによっては、他サービスへの配信が一切行えないものもあります。ブランディングの要素として1つのサービスに特化するのもいいですが、配信先はできる限り増やしておいた方がリスナーの間口も広がります。間口を広げたい場合は、複数のサービスに配信できるプラットフォームを選ぶと良いでしょう。

Podcastを始めるために必要な機材

Podcastを始めるために必要な機材

スマートフォン1台あれば録音から配信まで行えますが、品質を求めるならマイクなどの機材は必須。Podcastを始めるために揃えたい機材を紹介します。

マイク

番組のテーマも大切ですが、Podcastは声に集中するメディア。どんなに内容が面白くても、耳障りの悪い音声では聞き終わる前に離脱する人も増えてしまいます。
スマートフォンに内蔵されているマイクでも収録はできますが、内蔵マイクは本来通話用のスペックです。少しでも聞きやすい音声に整えるにはノイズ除去などの処理が必要になってしまいます。自分で録音した音声を聞いてみて、気になるようであれば外部マイクの購入を検討するといいでしょう。アプリで収録する場合も、接続しているマイクが音声を拾ってくれるため、特別な設定は必要ありません。
口を開いた際に発生する水音(リップノイズ)やマイクに息がかかる音を防ぎたい場合は、「ポップガード」の購入や作成も検討すると良いでしょう。

単一指向性と全指向性の違いとは

マイクのスペックに記載してある「指向性」とは、音を取り込む方向を指す言葉。単一指向性とは、マイクの前面や上部など、一方からのみの音声を取り込む方式です。周囲の不必要な音を最低限に抑えてくれるため、聞き取りやすい音声が収録できます。
全指向性(無指向性)とは、マイク周辺の音声を取り込んでくれる方式です。複数人での収録を1台のマイクで収録可能ですが、 雑音を拾ってしまうことや、音声が被ってしまうなど欠点もあります。

ヘッドホン

聞き取りやすくストレスの少ない配信を目指したい場合は、ヘッドホンも必要です。マイクとの距離、話すスピード、滑舌、ノイズなどを確認するためにもヘッドホンは是非用意しましょう。複数人で収録する場合は、相手の声がマイクに入らないよう、ヘッドホンから相手の声を聞きつつ収録すると品質向上につながります。

編集ソフト

生放送ではなく、番組形式で配信するなら編集ソフトも必要になるでしょう。有料の場合、Adobe Auditionなどが有名です。

Macをお使いの方はあらかじめインストールされている「Garageband」がおすすめ。音声の切り貼りや効果音の挿入、フェード・イン/アウトも簡単に行えます。
Windowsの場合は、「Clipchamp」「Audacity」等で簡単な編集が可能です。Windowsをお使いで音声編集を行う場合は、有料無料問わず多くのソフトがあるのでダウンロードして利用するのも1つの手段です。スマートフォンを利用している場合、アプリ上で編集できる配信サービスもあるため、気に留めておくと良いでしょう。

配信プラットフォームを決める

スマートフォン、パソコンともに複数配信できるプラットフォームは多くあります。配信プラットフォーム上で設定しないと外部への配信は行ってくれないため、各プラットフォームへの紐づけは事前に行っておきましょう。
プラットフォームによっては配信に人気が出れば収益化を行えるサービスもあるので、選ぶ際の基準にしてもいいかもしれません。

Apple Podcast

Apple社製のiPhoneやMacにあらかじめインストールされている「Podcast」や「iTunes」から楽しめるプラットフォームがApple Podcast。配信はパソコンから音声ファイルをアップロードのみ可能で、スマートフォンから配信したい場合は他のサービスを経由して番組を登録する必要があります。番組を登録する際は審査が必要で、登録から配信開始まで多少日数がかかってしまう点には注意が必要です。月額や無料期間、月額会員の特典を細かく設定することで、有料番組として配信もできます。

公式サイト:Apple Podcast for Creators

Spotify for Podcasters(旧Anchor)

・パソコン/スマートフォン対応
Podcast配信ソフトとして人気のあった「Anchor」ですが、2023年8月に「Spotify for Podcast」に統合されました。使い勝手は変わらず、スマートフォンアプリでは収録から編集、配信まで可能です。パソコン版ではあらかじめ録音した音声ファイルをアップロードすることで配信できます。外部サービスに配信したい場合、発行されたRSSのURLをコピーすることで連携可能。収益化は2024年の2月14日で終了しているため、注意しましょう。

公式サイト:Say it all with Anchor

Radiotalk

・パソコン/スマートフォン対応
スマートフォンは、アプリ上で収録から配信まで設定可能。パソコンでも音声ファイルをアップロードすることで番組の配信が行えます。会員登録とチャンネル開設をスマートフォンアプリで行う必要があり、両方が完了していないとパソコンでは配信できないので注意しましょう。こちらもRSSにURLをコピーすることで各種Podcastサービスと連携可能です。収益化に関してはリスナーからの「投げ銭」機能があるため、ライブ配信に特化したい方におすすめのサービスです。

公式サイト:Radiotalk

Stand.fm

・パソコン/スマートフォン対応
スマートフォンはアプリ上で収録・編集・配信まで行えるサービス。遠隔地にいる相手とも、通話アプリなどを介さずにアプリ上で収録や配信が行える「コラボ配信」機能を搭載しています。パソコン版は音声ファイルのアップロードのみ可能で、こちらも発行したRSSのURLで外部サービスと連携可能です。番組の再生回数に応じた収益化プログラムやライブ配信の「投げ銭」機能もあるため、収益化の幅が広いのが特徴です。

公式サイト:stand.fm | 収録とライブを1人でも複数人でも

Voicy

・専用アプリからの配信のみ可能
審査に合格したユーザーが「パーソナリティ」として配信可能なサービス。パーソナリティ専用のアプリでのみ収録と編集、配信が行え、一部の許可を得たパーソナリティだけ音声ファイルのアップロードが可能です。
審査に通り、配信後有名になれば、リスナーからの差し入れや月額課金、スポンサー制度もあるため、収益を上げる道のりが多いサービスです。

公式サイト:Voicy

複数人で配信する場合は

複数人で配信する場合は

複数人で配信する場合、全指向性のマイクを使えば一台で済みますが、雑音を拾ってしまう可能性もあります。音質を重視したい場合は、単一指向性のマイクを複数用意するのがいいでしょう
。マイクを接続する場合、話し手の声のボリュームや声の質に合わせて音量を調整する必要があるため、ミキサーなどの機材を使うか、それぞれの音声を別々にパソコンに取り込みましょう。

OBS(Open Broadcaster Software)を使って複数人で録音する場合

複数のマイクで録音をする場合、動画配信などでよく使われている無料ソフト「OBS」でも録音できます。パソコンに「複数のマイク入力端子がある/USBマイクを複数つなげられる」場合は、OBS内で音量の調節も可能です。ミキサーで音量を調節して、OBS上で録音もできます。

複数のマイクで録音をする場合、動画配信などでよく使われている無料ソフト「OBS」でも録音できます。

OBSで録音する場合、録音する機材をOBS側で設定しましょう。[ソース]ウィンドウ(画像①)左下の[+](画像②)ボタンを押し、メニューが開いたら[音声入力キャプチャ]を開きます。

OBSで録音する場合、録音する機材をOBS側で設定しましょう。[ソース]ウィンドウ(画像①)左下の[+](画像②)ボタンを押し、メニューが開いたら[音声入力キャプチャ]を開きます。

[新規作成]を押すとウィンドウが開くので、[デバイス]から接続しているマイクやミキサーを選びましょう。追加したままでは「音声入力キャプチャ」と表示されてしまうので、右クリックから[名前を変更]で名前を変えておけば分かりやすくなります。
[録画開始]を押せば、画面を収録しつつ音声の録音が開始されます。OBSで出力されるファイルは動画形式の「MP4」のため、配信するプラットフォームの対応ファイルに合わせて変換する必要があるため注意しましょう。

公式サイト:OBS

まとめ

スマートフォン1台あれば手軽に発信できるPodcast。無料で複数のプラットフォームに配信できるため参入のハードルは低い一方、音声だけのメディアなので音質やトーク内容など、気をつける点も多くあります。Podcastは配信する楽しさと合わせて、聴く楽しさもあるメディア。まずは、いろんな配信者の番組を楽しむところから始めてみてはいかがでしょうか?
Podcastを配信するには、安定したインターネット回線が不可欠。速度や安定性に不安がある場合は、回線契約の見直しを検討してみるのもおすすめです。


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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • ライター

    荒井啓仁

    映画・アニメ・漫画が大好きで、Web漫画を15年以上ヘビーに毎日読み続ける。俳優として活動中で、演技者の目線からコラムを書く。

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