PC・スマートフォンでの調べもの・買い物などに欠かせないWebブラウザー。そもそもブラウザーとは何か、またビジネスやゲームなど目的に合ったおすすめのブラウザー9選を紹介します。
ライター:荒井啓仁
- 1 そもそもブラウザーとは?
- 2 おすすめのブラウザーの選び方
- 3 目的別のおすすめブラウザー9選
- 3.1 1.【Google Chrome】ビジネス利用におすすめ
- 3.2 2.【Microsoft Edge】カスタマイズ不要なWindows標準ブラウザー
- 3.3 3.【Safari】Appleユーザーにおすすめ!標準ブラウザーながらも高性能
- 3.4 4.【Mozilla Firefox】軽さ、安全性が気になる方におすすめ
- 3.5 5.【Opera】独自の機能満載!ゲーマー向け別ブラウザーも配信
- 3.6 6.【Brave】広告ブロック機能に長けたブラウザー
- 3.7 7.【Vivaldi】多機能・カスタマイズ性の高いブラウザー
- 3.8 8.【Sidekick】仕事や作業におすすめの生産性向上ブラウザー
- 3.9 9.【Arc】見やすさと使いやすさを両立したChrome系ブラウザー
- 4 まとめ
そもそもブラウザーとは?
Webサイトは、HTMLやCSS、JavaScriptなどのコードでプログラミングされ、画像・動画などその他のデータはサーバーやデータセンターといわれるコンピュータに保管されています。
ブラウザーはサーバーとHTTP(HyperTextTransferProtocol)通信を行い、コードやデータを私たちが見やすいように翻訳・描画してくれるソフトウェア。「立ち読みする人・拾い読みをする人」という意味の英単語「browser」が語源です。
1991年にWeb=WWW(WorldWideWeb)の誕生とともに同名のブラウザーが登場。1995年には「Internet Explorer」がWindows95に搭載され、2002年には世界シェア95%を占めるなど人気を集めました。後続のブラウザーも続々と登場し、たびたび「ブラウザー戦争」とも呼ばれるシェア争いが起こります。
2024年10月現在ではGoogle Chromeが世界シェア65.25%と圧倒的で、次いでMicrosoftEdgeが13.55%。Safariが9.04%、Mozilla Firefoxが6.38%となっています。(StatCounterより。ソースの情報は更新されていきます)。
おすすめのブラウザーの選び方
ビジネスや日常の調べもの、動画視聴、ゲームなど目的別におすすめブラウザーのブラウザーを選ぶポイントを解説します。
1.速度
ブラウザーの立ち上がりや、操作のレスポンス、Webページにアクセスするスピードは重要です。
高性能なブラウザーほど、メモリの使用量が多く動作が重くなる傾向があります。回線速度が速くても、ブラウザー自体が重いとページの表示が遅れることも。動画視聴やゲームが目的であれば、動作の軽いブラウザーがおすすめです。
2.操作性・UI
各種ボタンの位置や設定、使えるショートカットなどはブラウザーごとに異なります。日々使うブラウザーだからこそ、見やすく操作しやすいUI(ユーザー・インターフェース)のブラウザーを選びましょう。
3.拡張性
ブラウザーによっては機能拡張が可能です。動画を小さいウィンドウで常に全面に表示したり、特定のサイトをブロックしたりと便利な拡張機能があります。
4.広告・トラッキングブロック
記事の途中に挿入されていたり、前面に飛び出してきたりとブラウジング中に現れるWeb広告。
プライバシー設定の変更や、広告トラッキングをブロックするなどブラウザーごとに違いがあります。
5.スマートフォンやタブレットとの連携
代表的なブラウザーではスマホやタブレットでも同じ設定が引き継げることがほとんどですが、連携に必要な手順やスムーズさは各ブラウザーによって異なります。
使用頻度の高いデバイスに合わせてブラウザーを選べば、日々のブラウジングもより快適になるでしょう。
6.セキュリティー
Webサイトはスパイウェアやウィルスの侵入経路となることがあります。
ブラウザーを選ぶ際はセキュリティー対策がどれほどされているかもチェックしておきましょう。
目的別のおすすめブラウザー9選
1.【Google Chrome】ビジネス利用におすすめ
Google Chromeは拡張機能の豊富さと、クラウドソフトとの連係が便利な点が特徴のGoogle製のブラウザーで、市場シェアもトップを独走中です。
ビジネスシーンでも使用頻度が高いGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、クラウドストレージ「Googleドライブ」などがブラウザー上で利用できます。Googleアカウントで紐付ければデバイス間でのデータ共有も可能。ビジネスシーンはもちろん、日常的な利用にもおすすめです。
拡張機能も豊富ですが、インストールしすぎるとブラウザーの動きが遅くなったり、セキュリティ上のリスクが大きくなったりする可能性があるため注意しましょう。
「Google Search labs」機能をオンにすれば、単語を検索した際に検索結果の概要をAIが要約してくれます。Google製AIの「Gemini」もアドレスバーから直接アクセス可能です。
・関連記事:【初心者向け】Google ドライブの基本機能と使い方
・関連記事:Googleの生成AI「Gemini」とは?料金プランや使い方、活用事例を解説
・関連記事:Google Search labsの活用方法は?設定や注意点
・公式サイト:https://www.google.com/intl/ja_jp/chrome/
2.【Microsoft Edge】カスタマイズ不要なWindows標準ブラウザー
Microsoft EdgeはデバイスやOSを選ばず利用可能で、WindowsPCにはWindows10から標準搭載されています。
EdgeはChromeと同じくGoogleのオープンソース「Chromium」がベースで、タブを縦に並べる、デザインテーマを変更するなどChrome拡張で実現できる多くの機能が最初から利用できます。欲しい機能はアドオンやChrome拡張機能で追加できます。
Microsoft Officeソフトとの連携ができるアドオンもあるので、Office製品をよく使う方や、Internet Explorerをよく使われていた方にもおすすめです。
また、「Edge」はMicrosoft製のAI「Copilot」との連携が強くなっています。増えすぎたタブを自動命名やAIによる音声読み上げなど、AI機能も使いこなせます。サイドバーから「Copilot」を呼び出せるため、ダウンロードや特定のサイトを訪れる必要もないため気軽に利用可能なのもうれしいポイントです。
・関連記事:Microsoft EdgeとGoogle Chromeの比較。特徴やメリット・デメリットは?
・関連記事:Microsoft Copilot(コパイロット)とは?個人向け・組織向けの違い
・関連記事:Microsoft Edgeのおすすめ設定・便利ワザ18選
・公式サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/edge/?form=MA13FJ
EdgeはInternet Explorerの後継ブラウザー
EdgeはInternet Explorer(IE)の後継ブラウザー。IEは長年世界的にも圧倒的なシェアを誇っていましたが、2022年6月にサポート終了しました。セキュリティー上の脆弱性が指摘されており、Microsoft社からも利用を推奨しないアナウンスが出ているため、利用し続けるのは危険です。Internet Explorerをまだ利用している方は、Microsoft Edgeへの変更を急ぎましょう。
3.【Safari】Appleユーザーにおすすめ!標準ブラウザーながらも高性能
SafariはiPhoneやMacをお使いの方にはおなじみのApple製ブラウザーです。
電池やメモリの消費はiPhoneやMacに合わせて設計されているため、iPhoneやMacbookなどでの利用に最適です。iCloudによるデバイス間の連携もスムーズ。
9月17日に配信したスマートフォン版「Safari18」と、9月16日に配信したmacOS「Sequioia」以降のSafariでは、「気をそらす項目を非表示」の機能、Webサイト上の広告などをAIが判別して消してくれます。
4.【Mozilla Firefox】軽さ、安全性が気になる方におすすめ
Mozilla社のFirefoxは安全性が高く、動作の軽いブラウザー。Firefoxはオープンソースでソフトウェア自体の透明性が高いのが特長です。ハッキング対策やセキュリティーホールの修正も頻繁に行われ、トラッキングのブロック基準も厳しいブラウザーです。
動作も軽く、Chromeと比べてメモリの消費が少ないのもポイント。拡張機能やデバイス間の連携もできます。快適に作業をしたい、安全なブラウジングをしたい方におすすめブラウザーです。
ver130.0から、Firefoxでもブラウザー上でAI機能が使えるようになりました。設定をオンにすると、「ChatGPT」や「Anthropic Claude」など5種類のチャットAIが画面左側に常駐してくれます。
5.【Opera】独自の機能満載!ゲーマー向け別ブラウザーも配信
Operaはお気に入りのサイトに素早くアクセスできたり、省電力モードがあったりと独自性の高さが魅力のブラウザー。
スマートフォン版は片手での操作に特化しており、「ファスト・アクション・ボタン」という大きなメニューからお気に入りのサイトなどにアクセスできます。
足りない機能はOperaアドオン、Chromeの拡張機能から追加でき、カスタマイズ性能が高いのも特長。
ゲーミングブラウザーとして「Opera GX」という別ブラウザーも配信されています。ブラウザーが使用するCPUのリソースを制限できたり、配信サイトとの連係、効果音も設定できたりと、PCでゲームをする方にはおすすめです。
Operaには「ChatGPT」をベースにしたAI「Aria」が搭載されました。画像生成や質問への回答、Webサイトの要約などを行ってくれます。Webサイトへのアクセスやダウンロードも必要なく、サイドバーから利用可能です。
・公式サイト:https://www.opera.com/ja
6.【Brave】広告ブロック機能に長けたブラウザー
Braveは2019年から配信されている、トラッキング防止や広告ブロック機能に長けた新興ブラウザー。
拡張機能を追加しなくてもGoogleなどのサードパーティー製の広告を無料でブロックしてくれますが、代わりにBrave自体の収益源として独自の広告が表示されます。
面倒な設定はしたくないけど、スムーズにブラウジング・動画視聴したい方にはおすすめです。
Braveに搭載されているAIアシスタント「Brave Leo」はBraveが提供するAI。安全性やプライバシーに重きを置くBraveらしく、ユーザーとのチャットはのサーバに永続保存されないということです。生成された返信も生成後に破棄され、モデルのトレーニングに使用されることはないとのこと。プライバシー保護の観点で生成AIを避けていた方にも使いやすいブラウザーといえるでしょう。
BraveについてはWeb3に絡め、以下の関連記事でも解説しています。
・関連記事:Web3とは何か?メタバース、NFT·DAOと合わせ分かりやすく解説
・関連記事:次世代ブラウザーBrave。広告をブロック、暗号資産が手に入る?
・公式サイト:https://brave.com/ja/
7.【Vivaldi】多機能・カスタマイズ性の高いブラウザー
多機能・カスタマイズ性の高いブラウザーを探している方におすすめなのが「Vivaldi」。上下左右の画面分割や、「右クリック+スクロール」でタブの切り替えが可能など、高い操作性を誇ります。ブラウザー内のメモ機能にブックマークに分かりやすい名前をつける「ニックネーム機能」、右クリックメニューのカスタマイズも可能と、多機能なブラウザーです。
8.【Sidekick】仕事や作業におすすめの生産性向上ブラウザー
「Sidekick」は、仕事用のブラウザーを探している方や作業の効率化を測りたい方におすすめのブラウザー。タブとは別に複数の作業環境を管理する「セッション」機能や不要な通知のミュート、コンテンツブロック機能など、生産性向上の一助になるような機能が多く搭載されています。サイドバーもシンプルで見やすいのもおすすめポイントです。
9.【Arc】見やすさと使いやすさを両立したChrome系ブラウザー
「Arc」は、AIアシスタントを搭載した新興ブラウザー。頻繁に使うサイトを「お気に入り(Favarite)、一旦保存しておきたいサイトを「ブックマーク(Pinned)」、その日開いたサイトは「Today」と、サイドバーで見やすく管理可能です。作業環境を分けておける機能に加え、ブラウザーのウィンドウ内での画面分割など、さまざまなニーズを満たしたブラウザーといえるでしょう。Google Chromeと同じくChromiumをベースとしているため、Chromeのブックマークや拡張機能も引き継げます。
ArcのAI「Arc Max」は、「保存したファイル名の自動変更」や「検索結果に表示されるタイトルから要約を作成」など、ブラウジングを助けてくれる機能が搭載されています。
・公式サイト:https://arc.net/
まとめ
生成AIの台頭でAI機能を搭載したブラウザーも多くなりました。生活に密着したブラウザーだからこそ、目的に合ったブラウザーを探すことが大切です。速度や拡張機能だけでなく、セキュリティーも考慮してぜひブラウザーを選んでみることをおすすめします。
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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。