Web3とは?わかりやすく解説。メタバース、NFT・DAOも

2021年から2022年にかけて「Web3」という言葉をよく耳にするようになってきました。
情報発信が一方通行だったインターネット黎明期のWeb1.0から、ソーシャルネットワークなど双方向コミュニケーションが加速したWeb2.0になり、「Web3」は分散型の時代になるといわれています。「メタバース」同様、記事執筆時点でも定義は揺れていますが、WEB3 RESEARCH LABを主催する米田智彦さんは「Web2.0は『中央集権的で2D』Web3は『自律分散的で3D』になる」と捉えられています。
Web3と一緒に語られることが多い「メタバース」「NFT」や「DAO」と合わせ、分かりやすく解説します。

ライター:平田提

Web3とは?分散型ネットワークが注目を集める理由

WEB3 RESEACH LABを主宰する、株式会社WALKON CEOの米田智彦さんは「簡単に言えば、従来までのWeb2.0は『中央集権的で2D(2次元)』で、Web3は『自律分散的で3D(3次元)』になるでしょう」と語ります。
Web3とはもともと2014年に暗号通貨(分散型アプリケーションプラットフォーム)イーサリアムの共同創始者ギャビン・ウッド氏が提唱した概念(※1)です。ウッド氏によるWeb3の定義の一つが「分散化され暗号化された情報公開システム」。
その前提となるWeb1.0から振り返ってみましょう。

※1……「Webの父」と呼ばれるティム・バーナーズ・リー氏によるものという説も。

Web1.0:一方通行/パソコン・ガラケー

インターネット黎明期~1990年代後半はhtmlを中心とした言語/ファイルでサーバーからクライアント(ブラウザ、デバイスなど)に一方的な情報発信が行われていました(Web1.0)。
主にインターネットへのアクセスはパソコンやフィーチャーフォン(ガラケー)によるものでした。

Web2.0:双方向/スマホ

2000年代前半になりTwitterやFacebookなどソーシャル・ネットワークが隆盛をきわめ、ユーザーが自由に発信でき、双方向のコミュニケーションが可能な時代になりました(Web2.0)。Web2.0の成長を加速させたのがAppleのiPhoneに代表されるスマートフォンです。
一方で広告やECをビジネスモデルの中心としたWeb2.0では、GAFAM (Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)と呼ばれるような限定的な巨大企業がユーザーのデータを独占管理することが問題になりました。

Web3.0:分散型/XR

Web3はこういった中央集権的なWeb2.0に対して、自律分散型のネットワークとされています。デバイスはVRゴーグルやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などXR(クロス・リアリティ)と呼ばれるVR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)・SR(代替現実)の統合技術が想定されます。

「Web3の根底にあるのがブロックチェーン技術です。ブロックチェーンはインターネット上のやり取り、取引データを台帳に記録する仕組みです。台帳によりデータの改ざんや複製等不正が行われた場合にすぐ検出できる仕組みになっています。ブロックチェーンはビットコインなどの暗号通貨や、銀行や証券会社を通さずに金融取引ができる分散型金融DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)などに活用されています。ブロックチェーンにおいてデータは特定の企業・サーバーに置かれるわけではなく、P2P(Peer to Peer)の分散型で管理されます」(米田さん)

Web2.0Web3
データ/ガバナンス(組織)中央集権的自律分散的
デバイスモバイル/スマホXR/メタバース
データ管理・分析クラウドAI
コミュニケーション双方向分散型
広告検索、ソーシャルAR、行動広告

Web2.0で何か調べ物をするとき、スマホやパソコンを立ち上げGoogleなどの検索エンジンにキーワードを入れて検索します。その検索結果やWebサイトに広告が貼られ、企業やプラットフォームはそこをユーザーとの接点・収益手段の一つにしてきました。

一方、例えばWeb3ブラウザと呼ばれる「Brave」では通常は広告が非表示になる仕様になっています。ユーザーが広告を許可すると、広告を見た度合いに応じて、Braveが発行するトークン(後述)の報酬が与えられます。

IoT(モノのインターネット)がより進み、スマホでのAR(拡張現実)アクセスがよりスムーズになれば、人と人、人と企業などとの接点は検索エンジンやプラットフォームだけではなく、生活空間の中に生まれていく可能性があります。

・関連記事:【2022年版】おすすめブラウザー 6選。安全性・速度での選び方

NFTとは?ゲームやメタバース内でも活用

NFT

Braveのくだりで出てきた「トークン」とは、「象徴」「しるし」といった意味ですが、Web3の文脈では多くの場合ブロックチェーンを元にした暗号通貨のことを指します。

ビットコインなどの暗号通貨はFT(Fungible Token / 代替可能トークン)です。100円玉と同じように(発行年度などの違いはあれど)1つのビットコインの価値は変わらず交換可能です。
一方で「NFT」は(Non Fungible Token/非代替性トークン)で、オリジナルの所有者が誰か、デジタル権利証といった形で台帳に記録されます。これにより本物かどうかが分かり、所有権を売買することもできます。

2021年3月9日に、Twitter社の創業者の一人、ジャック・ドーシー氏の「世界初のツイート」がNFTとして出品され、約3億円で購入されました。
日本でも大手エンタメ企業やクリエイターが次々にNFTアートを出品し始めています。NFTはクリエイターが個人で収益を上げる手段としても注目されています。

メタバースで活用されるNFT・暗号通貨。オンライン会議もメタバース上に?

NFTは暗号通貨と交換することができ、ゲームやメタバース内のアバターやアイテムに利用されています。NFTを持つことは何かへの応援を意味したり、投票権を得るなどデジタル資産としてだけでなく、コミュニティーへの参加権を持つことにもなります。ゲームやメタバースは新たな経済活用の場所として大企業に注目されています。

2021年10月にFacebook社から社名変更したMeta社はメタバース「Horizon Worlds」を拡大しています。2022年1月にマイクロソフト社はゲーム大手アクティビジョン・ブリザードを687憶ドルという巨額で買収、またコミュニケーションツール「Teams」を同社のメタバースサービス「Mesh」と連携できるようにしています。

「マイクロソフト創業者のビル・ゲイツも『あと2、3年でオンライン会議はメタバースが中心になる』と言います。Zoomで会話していても、言葉を被せたり複数人がしゃべったりするのは難しいですよね。それがアバターを使った、3D空間でのやり取りになればよりしぐさや表情でコミュニケーションしやすくなる。『Mesh for Microsoft Teams』が狙っているのはそういったニーズだと思います。
またナイキやグッチなど、大手のスポーツメーカーやアパレルブランドがメタバースに参入しています。例えばリアルにパリコレを見ることなく、バーチャルのランウェイを見て新作を買うことができます。購入するのは服の設計情報やリアルな商品の所有権のNFTですね。
不動産の内見などでもVR空間が活用され始めています。このような、プラットフォームに依存しすぎない、3DでのコミュニケーションもWeb3の特長といえます」(米田さん)

・関連記事:メタバースとは?わかりやすく解説。注目の理由&できること

DAOとは?コロナ禍で進んだ非中央集権的組織への興味

ところでなぜ2021年以降、「Web3」が注目されるようになったのでしょうか。米田さんはこう分析します。

「新型コロナウイルスの影響で外に出られずリモートワークやフリーランスの人が増えたのも一因ではないでしょうか。Web3とセットで語られる、DAO(Decentralized Autonomous Organization/分散型自律組織)などはまさにその流れをくんでいます。DAOは株式会社のようなトップダウン型ではなく、ブロックチェーンやトークンを利用して世界中の人々が自分たちで管理運営する組織です。例えばイーサリアムはDApps(Decentralized Applications、分散型アプリケーション)を構築するためのプラットフォームであり、巨大なDAOです。DAOには中央管理者がおらず、多くの場合DAOへの貢献度に応じてトークンが支払われ、発言権が増します。
現状、世界一のWeb上の百科事典であるWikipediaは寄付で成り立っていますが、DAOになれば貢献度によって項目の編集者・執筆者にフィードバックするなど組織やサービスの在り方を変える可能性があります」(米田さん) 

Web3の今後は。日本ではまずDXを

Web3

Web3は今後どういった動きを迎え、普及していくのでしょうか。

「スタートアップでは、暗号資産で資金調達するところが増えてきています。サッカー界のスーパースター、リオネル・メッシ選手がパリ・サンジェルマンに移籍する際、契約金の一部がファントークンで支払われました。ドルや円よりもトークンのほうが値上がりする可能性があり、DAOのように発言権にもつながるからでしょう。一般レベルでもより暗号通貨の利用機会が増えていくべきだと思います。そのために『ガス代』と呼ばれる、イーサリアムの高額な取引手数料が下がるなど改革も必要でしょう」(米田さん)

ただ日本での普及は、DX(デジタルトランスフォーメーション)が先決だと米田さんは語ります。

「日本ではまず企業がデータのやり取りや意思決定、コミュニケーションなど、Web3以前のDXをより速く進めていくべきでしょう。さらに、個人的に『Web2.5』と呼んでいますが、Web3のメリットを伝えるために、その前の段階を踏む必要があると考えています。
企業のWebサイトやECサイトはメタバースに変化していく必要があります。店舗経営者の方は、メタバースでの店舗経営や暗号通貨での支払いに対応していかなければいけないかもしれません。
Web3については本やネットの記事を読むより、暗号通貨やNFTを自分で購入したり、スマホのアプリなどでメタバースを体験してみるなど、実際に試してみて覚えていくことが速いと思います」(米田さん)

まとめ

「Web3.0」ではなく「Web3」と呼ばれるのは、イーサリアムネットワーク上のデータを扱えるJavaScriptのライブラリ「web3.js」があったためであったり、バージョンの差分ではなく定義を更新する意味合いがあったりするようです。
いずれにしろ私たちの生活や仕事を徐々に変えていき、関わりが増えていく可能性があるWeb3。まずはHMDをレンタル・購入してメタバース空間に入ってみたり、NFTの売買マーケット「OpenSea」にアクセスしてみるなどするのが最初の一歩として良いかもしれません。

参考文献:
『テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』伊藤穰一(SBクリエイティブ)
『メタバースとWeb3 Kindle版』國光宏尚 (エムディエヌコーポレーション)
『メタバース さよならアトムの時代 』加藤直人(集英社)


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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • 編集者・ライター

    平田提

    株式会社TOGL代表取締役。秋田県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。メディアの編集や、経営者・映画監督・音楽家・漫画家らへのインタビュー、アニメ・エンジニア関連のコラム執筆等を行う。

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