メタバースとは?わかりやすく解説。注目の理由&できること

最近話題の「メタバース」。2021年10月にFacebook社が「Meta」に社名変更したように、メタバース界隈の開発や投資が盛んになってきています。メタバースはVR等を通じた仮想空間を表す言葉で、一時期話題になった「セカンドライフ」や、最近では『あつまれ どうぶつの森』『フォートナイト』などのゲームもメタバースと呼ばれることがあります。新型コロナウィルスの影響で外出自粛が続く中、交流・イベントなどが行える点もですが、新しい経済活動の場所としても再注目されています。
この記事では「メタバース」についてわかりやすく解説します。

ライター:CLIP編集部

「メタバース」とは?

「メタバース」とは?

2022年現在注目を集めているメタバースとは、仮想空間自体やそこでコミュニケーションが行えるサービス・プロダクト全般を指す言葉。現実世界の自分を仮想空間のアバターに託し、VRのヘッドセット等を利用して(利用しない場合も)バーチャルオフィスやリモート会議、チャット、ゲームなどを行います。

現実の一部をそっくりそのままデジタルに複製する「デジタルツイン」を拡張した「ミラーワールド」で現実に影響するコミュニケーションや経済活動を行うこともできますが、ゲーム『フォートナイト』『あつまれ動物の森』のようなフィクションの仮想空間もメタバースに含まれます。

メタバース周辺の用語は進化途中でまだ定義が不明確のため、今後も変化していくでしょう。

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なぜメタバースは注目されているのか?

大手企業がこぞってメタバースに出展するなど2003年代に流行った「セカンドライフ」に近い動きが見られますが、大きく違うのはVRのヘッドセットの進化とブロックチェーン技術を利用した「NFT(非代替性トークン)」による経済活動でしょうか。

「NFT」はいわば現実のアート作品のように「1点モノ」をデジタル所有できる技術で、複製不可能でその所有権を証明することができます。

メタバース内は同じくブロックチェーン技術による暗号通貨での取引が多く、アバターやアイテムなどを売買可能です。

例えばスポーツメーカー大手のNIKE(ナイキ)は、鬼ごっこで遊べる「NIKELAND(ナイキランド)」を、子供向けゲームプラットフォーム「Roblox」上に開設。キャラクター向けのNIKE製アイテムも提供しているなど、PRと実際の購入をメタバース上で可能にしています。

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Facebook社は2021年10月付で社名を「Meta」に変更し2021年にこの分野への1兆円規模の投資を約束しました。Meta社はVRヘッドセット大手の「Oculus Rift」のOculus社を2014年を買収していますが、デバイスとサービスをひとつなぎで抑えています。

デジタルツインを含めるとメタバースで行われる経済活動の成長が予想されるため、GoogleやAppleを始め国内外の企業がこぞって投資を開始しています。

「メタバース」初出はSF小説

「メタバース」は「メタ(meta=超越)」「バース(verse=宇宙)」という造語。2018年の映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の「バース」もこの「verse」で、「多元宇宙、複数の宇宙(マルチバース、multi-verse)」など創作の世界ではよく使われる言葉の一つ。

「メタバース」という言葉の始まりは、アメリカの作家、ニール・スティーヴンスンによる小説『スノウ・クラッシュ(1992年)』に登場する、インターネット上の仮想世界とされています。

近年の「メタバース」は『スノウ・クラッシュ』やこれから紹介する先駆者的サービスのイメージを受け継ぎつつも、「次のインターネット」「新しい世界」を意味する言葉として使われていそうです。

過去にも存在した「メタバース」

「メタバース」は近年生まれたサービスと思われがちですが、97年にはNTTデータ通信より「まちこ」という女性向けのバーチャルモールサービスが開設されるなど、インターネットの発展と共にさまざまなサービスが国内外で配信されてきました。

中には早期に終了してしまったサービスが多くありますが、現在でも続いているサービスもあります。

「セカンドライフ」

「セカンドライフ」はLinden Lab社より2003年からスタートしたサービス。
仮想空間内での交流を目的としたサービスで、物品やサービスの売買がゲーム内の通貨で行えるのが特徴です。
ゲーム内で稼いだ通貨を現実の通貨に換金出来ることも大きな特徴でした。
ゲーム内の土地を高額で転売できることなどがきっかけで世界的なブームになりましたが、サーバー環境などが追いつかず、免許制にし接続人数を絞ったところブームが去ってしまいました。
2021年3月現在もサービス継続中です。

「アメーバピグ」

「アメーバピグ」はサイバーエージェント社が2009年より運営しているサービス。
アバター「ピグ」を使い、渋谷や浅草など実在の街をもした広場でチャットなどを楽しめました。
自分の「ピグ」を使える関連サービスも多く、サービス開始1ヶ月で登録数が10万人を超えるなど大変な人気を集めましたが、2019年にAdobe Flashの廃止に併せてPC版・モバイル版のサービスを終了。
スマートフォン版は2021年3月現在もサービス継続中です。

「アメーバピグ」

現在注目を集めている「メタバース」

20年近く前から隆盛を繰り返してきた「メタバース」志向のサービスですが、2010年代以降、家庭用PCやゲーム機のスペックが向上したことにより、CGで表現できる世界の規模がより大きく、より精細に。インターネット回線の高速化で同時接続人数を増やすことが可能になり、近年再び注目を集めています。
またPS VRやOculusシリーズなど、低価格なHMD(ヘッドマウントディスプレイ)機器の登場で、没入感を高められるサービスも人気です。

『フォートナイト』

EpicGames社より2017年から配信されているシューティングゲーム、『フォートナイト』は、理想的な「メタバース」に最も近いと言われています。
『フォートナイト』はアメリカンコミックのようなポップなビジュアルと、対応プラットフォームの多さで、2020年5月にはユーザー数が3億5千万人突破するなどバトルロワイヤルゲームとして世界的に人気を集めています。

最近追加された『フォートナイト』の2つの新しいモードは『フォートナイト』をシューティングゲームとしてだけではなくメタバースに発展させました。
プレイヤーが自由に島(=区切られた空間)が作られる「クリエイティブモード」と、戦う事が出来ない代わりに、仮想空間ライブや映画鑑賞などを楽しめる「パーティロイヤルモード」です。
これらのモードの登場が『フォートナイト』を遊びの場・コミュニケーションの場・仮想空間体験のプラットフォームとしています。

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『あつまれ どうぶつの森』

『あつまれ どうぶつの森』は任天堂から2020年にNintendo Swithで発売された、のんびりとした世界観でスローライフが楽しめるゲーム。
新型コロナウィルスの影響もあり、単一のプラットフォームでの販売にも関わらず、2021年2月には全世界での販売本数が3100万本を超えています。

『フォートナイト』や「VRChat」ほどの自由度はありませんが、プレイヤーの暮らす島をプレイヤー自身で地形からデザインすることが出来ます。
ゲーム内のフレンドではなくとも「夢番地」と呼ばれる機能を使えば他のプレイヤーが作った島を訪れることができるため企業や自治体の利用も増えています。2020年の米大統領選ではジョー・バイデン候補(当時)が選挙活動用に『あつ森』上で島を公開したことで話題となりました。

また「マイデザイン」という機能を使って、プレイヤー自身で洋服や看板などデザインを作ることができ、Marc JacobsやValentinoなどの有名アパレルブランドが「マイデザイン」で自社ブランドの商品を模したデザインを公開。ゲーム内での経済活動自体はありませんが、各企業などからの注目が高いといえるでしょう。

「VRChat」

「VRChat」はVRChat Inc. が2013年より運営している、VRに対応している仮想空間プラットフォーム。
集まるための部屋(=ワールド)をユーザー自身で作れる(3Dモデリングの技術が必要ですが)自由度の高さで人気を集めています。
「VRChat」内でのイベントも多く、株式会社HIKKY主催の「ヴァーチャルマーケット」は、1100超の個人、70社超の法人が出展するなど注目を集めています。

関連記事:「VRChat」とは?大手企業が注目する理由と注意点

「Cluster」

2017年よりクラスター株式会社によって運営されている、VR対応の国産仮想空間プラットフォーム。
元々はバーチャルライブや、仮想空間内での企業カンファレンスなどの開催がメインでした。2020年のアップデートにより、ワールド機能やフレンド機能が追加されたことで、交流プラットフォームとしても利用されはじめています。
初期はアバターは同一のものしか使用できませんでしたが、3Dモデリングを利用して自分で作成したアバターを使用できるほか、バーチャル配信アプリの「REALITY」で作成したアバターを使用できるようになったため、手軽にユーザーの個性を表現できます。

まとめ

新しい言葉のようで、意外と歴史の長い「メタバース」。
5G通信や更なる技術革新がこのまま進んでいけば、映画の『レディ・プレイヤー1』や『マトリックス』のような未来はすぐそこまで来ているかもしれません。
『フォートナイト』など無料で始められるサービスも多いので、まずは体験してみてはいかがでしょうか。


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