『Apex Legends』はなぜ日本で人気ゲームになった?CS版・PC版それぞれのメリットは?

エレクトロニック・アーツの『Apex Legends』(以下「Apex」)は数あるバトルロイヤルFPS(一人称視点シューティング)の中でも、おそらく日本で一番人気のゲームです。Twitchでの実況もさかんで、YouTubeでも初心者向け解説や名勝負の記録などがにぎわい、ファンサイトも至るところにある盛況ぶりです。

本作がサービス開始されたのは2019年2月。世界的にはブームが落ち着き気味になっている「Apex」ですが、なぜここに来て日本で凄まじい人気ゲームに成長したのでしょう。

ライター:多根清史

「Apex」が大人気の理由は「初心者に優しく、試合展開が速い」こと

初心者

1.基本プレイが無料

「Apex」が人気である理由の1つは、「基本プレイ無料」ということ。単に敷居が低いというだけでなく、若いプレイヤー層がモバイルゲームでそうした作法に慣れていることがプラスに働いたと思われます。

その延長として「PS4に対応したこと」も非常に大きいはず。欧米よりも日本ではゲーミングPCの普及率が低く、もしもPC対応だけであればゼロから投資しないといけない人がほとんどです。が、PS4であればPCより安価な上に既に持っているユーザー層も広く、すんなり始めやすかったのでしょうね。今年3月にNintendo Switch版も加わり、普及はさらに加速したかもしれません。

2.初心者に優しいシステム

2つ目は「初心者に優しいシステム」です。まず操作するキャラクターの耐久力が、他のバトルロイヤルゲームよりもかなり高めであり、少なくとも攻撃一発で“溶かされる”(倒される)ことはなく心が折れにくい。また3人1組のチーム戦のため、たった1人で戦い抜くタイプよりも個人の負担が少なく、おまけに仲間にリスポーン(復活)までしてもらえます。それに高所からの落下ダメージもなく「死ににくい」のです。

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また、これまでFPSのハードルを高くしていた「狙いをつける難しさ」が緩和されています。強力なエイムアシスト(狙いの支援)が付き、リコイルコントロール(武器の反動を制御する)も比較的ラクであり、仮想の銃を持つことに不慣れでも敵を倒しやすくてストレスが溜まりにくいのです。

3.試合の展開が速く中だるみしにくい

そして第3に、試合の展開が速くて中だるみがしにくいことが挙げられるでしょう。戦場のマップはそう広くないが狭くもなく、敵といきなり出くわすこともない一方で、見つからなくてイラつくこともない絶妙のバランス(発砲したエフェクトや「音」が分かりやすいこともある)。参戦人数が60人で100人ほど多くもなくてサクッと終わり、敗北後はすぐに別の試合に移行できる気安さもあります。

ほか『Fortnite』などバトルロイヤルゲームが先行して大ヒットしていたから、という事情も大きいでしょう。もともと日本ではFPSは海外よりも人気がイマイチでしたが、3人称視点の『Fortnite』でバトルロイヤルの遊び方が知れ渡り、同じジャンルの『PUBG』には3人称と1人称視点の切り替えができ、「Apex」リリース前にはFPS+バトルロイヤルへの抵抗が薄れていたと思われます。

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最後に、他のプレイヤーと必要最小限のコミュニケーションが取れる「シグナル」が豊富なこと。ボイスチャットを使わずに敵の位置や武器・アイテムの位置を知らせたり、向かう場所を指示したり、方向キー1つで感謝を伝えたりできます。意思疎通がしやすくプレイがスムーズにできるので人間関係がギスギスしにくいのです。

今でこそ人気ストリーマー(配信者)やインフルエンサー大会などの貢献も大きくなっていますが、そもそも「ゲームが面白い」という前提なしには盛り上げられません。昨年初めからのコロナ禍による巣ごもり需要も後押しになったと思われますが、それはすべてのゲームにとって同じ条件であり、やはり「Apex」が頭1つ抜けて完成度が高かったのでしょう。

「Apex」CS版とPC版の違い。

キーボード

さて「Apex」は大きく分けて、家庭用ゲーム機用(コンシューマ版、以下「CS版」)とPC版の2つがあります。それぞれ、どういった違いがあるのでしょう。

CS版はエイムアシストが強力

CS版のメリットは、なんといっても「初期投資(ゲームを遊ぶハードウェア本体)が安い」ということ。それと引き換えに、画面の解像度やフレームレート(画面書き換え速度)がPC版より劣っていることは否定できません。もっとも、画面を見渡せる広さを示す「視野角」はPS4版では調整できるのに対してスイッチ版は「70」で固定されているなど、CS版の中でも違いはあります。

ただ「狙いを助ける」エイムアシストについてはCS版がかなり強めに設定されています。2021年11月現在では、オートエイム(完全自動で狙いを付ける)が゙1.0とすればCS版は0.6で、PC版でゲームパッドを使った場合は0.4といわれています。この数値はアップデートにより変動したりもしますが、基本的にCS版は初心者でも「攻撃が当たりやすい」傾向があるわけです。

またPS4版に関しては、ライブ配信がやりやすい。標準機能で「ブロードキャスト」を実装しており、YouTubeやTwitchなどに追加の周辺機器を買うことなく、すぐ生放送できる強みがあります。

PC版はキャラクターコントロールしやすい

かたやPC版のメリットは、何よりもCS版でも触れた「画面がとてもキレイで、反応速度も速い」ということ。遠くにいる敵を見つけやすく、細かな動きも捉えられるため、CS版で上達した人はそちらにステップアップしたくなるかもしれません。

第2にキャラクターコントロールがしやすい。キーボードやマウスが使えるため、ゲームパッドだけのCS版より細かく、かつ素早くキャラクターの挙動を制御できるのです。たとえばパッド操作であれば「左」から「右」に入力したとき必ず真ん中のニュートラル、つまり「何も入力していない」瞬間が生じます。が、キーボードであれば「左」から直ちに「右」を押せるため、空白時間がないのです。

これによりジャンプしてからの空中制御もしやすく、「遮へい物からちょっと顔を出し、空中で複雑な動きをして敵の狙いを付けにくくする」こともできる。またデスボックス(プレイヤー死亡時に出現する、所持アイテムを入れた箱)を拾うときCS版では立ち止まる必要がありますが、PC版ではその間も動き回って敵のマトになることを防げます。実況動画でプロのプレイヤー達が信じられない挙動ができているのは、キーボードを巧みに操ってキャラクターコントロールしているからです。

しかもPC版はCS版よりも各種設定を細かく設定したり、グラフィックボードや周辺機器にお金をかければかけるほど快適にプレイできるようになり、メリットだらけのようですが、裏返せば「こだわればこだわるほど、お金がどんどん出て行く」ということに……。ほどほどを心がけたいですね。

「Apex」の基本マナーは「物資を横取りしない」「チートをしない」

OK?NG?

誰しも遊んで楽しい「Apex」ですが、やはり暗黙のマナーというものはあります。まず、チームの最初の行き先を決める「ジャンプマスター」の役割は、まだ初心者で有利な降下場所が分からないときは、早めに他の人に譲ること。ギリギリになると混乱の元になっちゃいますからね。

また物資を横取りしないこと。本作では武器もアイテムもステージに落ちているものから調達しますが、たった1人が独占してしまうと仲間は何もできなくなります。譲り合いというより「チーム全体で勝つため」ですね。

そして連絡に便利なシグナルも、使いすぎると敵の足音が聞こえなかったり、迷惑行為になります。その逆に味方が出してくれたシグナルに無反応でもこちらの状況が伝わらず、全員の判断を誤らせることにもなりかねないので、初心者はともかく「Yes」や「No」を返すことに慣れた方がいいでしょう。

さらに好みのキャラクターを使えなかったり、試合に負けそうになったとしても、勝手にゲームを中断したり回線を切断しないこと。このゲームは1人抜けることがとても不利になるので、残された人たちは困ってしまいます。自分がやられた場合でも最後まで他人のプレイを見ておくと、凄く勉強になることがあるものです。

あらゆるゲームに共通の究極のマナーとしては、「絶対にチートをしない」ことでしょう。チートとはゲームにおいて専用ツールを使い、不正な行為を行うことです。本来であれば何千時間も練習を重ねてやっと身につく腕前や、あるいは試合の中で何の苦労もせず有利な立場を得られるなど、あらゆる「いかさま」や「ずる」を指しています。

具体的には敵のいる方向に撃つだけで自動的に当たるホーミング弾や、相手の武器構成やアイテムの配置が分かるというもの。ゲームで遊ぶことを無意味にするばかりか、他の人までやる気を無くさせ、ひいてはゲームそのものの衰退に繋がりかねません。

もちろん「Apex」の運営側もチーター、つまり「チートを使う悪質プレイヤー」は厳しく取り締まっており、見つけしだいBAN(アカウント削除やアクセス禁止)の措置を取っています。現在では日本語での不正報告も受け付けているので、スクリーンショットなど証拠映像を保存しておき、通報を心がけたいところです。

仲間やライバル、コミュニティあってこその「Apex」

PC操作

これまで述べてきた基礎やマナーさえ守っていれば、「Apex」は今もっともアツい遊び場として目一杯楽しめるはず。他のゲームは長年プレイしているけどFPSに苦手意識を持っている人は、思い切ってチャレンジすれば新しい世界が開けるかもしれません。

またオンラインゲームやバトルロイヤルものに慣れている方は、遊べばすぐに本作の遊びやすさやコミュニケーションの取りやすさがズバ抜けていることも分かるでしょう。さまざまなゲーム経歴があるかと思いますが、「仲間やライバルあってこその『Apex』の楽しさ」ということで、マナーを守って息長く楽しんでいただければ幸いです。


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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • ライター

    多根清史

    1967年、大阪市生まれ。京都大学法学部卒業。著書に『ガンダムと日本人』『教養としてのゲーム史』、共著に『超ファミコン』などがある。ゲーム・アニメ・マンガ、政治・ITなど幅広いジャンルで活動中。

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