バーチャルYouTuberとは?人気のVTuberや始め方も紹介

2018年のネット流行語年間大賞に選ばれるなど、ファンのみならず認知度が急上昇したと思われるVTuber。今回は改めてVTuberとは一体何なのか、一般的なYouTuberと比較しながらご紹介します。

ライター:吉岡勇哉

VTuberとは?

VTuberとは「Virtual(バーチャル) YouTuber」の略称で、本人が直接出演するYouTuberとは異なり、モーションキャプチャー技術によって動かす3Dキャラクター(アバター)に声を吹き込み作成された動画の投稿を行います。
一方YouTubeではなく、ライブ配信コンテンツでアバターを用いる方もいますが、その方は「Vライバー(バーチャル・ライバー)」と呼ばれています。最近では同一視されることも。

VTuberの火付け役となったのは2016年から活動開始した「キズナアイ」という美少女系VTuber。彼女は「世界初のバーチャルYouTuber」を自称し、VTuberという言葉が生まれるきっかけとなりました。現在は無期限活動休止中ですが、活動当時の登録者数は250万人以上。その人気の高さがうかがえます。特に視聴回数が多い動画は「Kizuna AI – AIAIAI (feat. 中田ヤスタカ)【Official Music Video】」と「あんな声やこんな声で話題の声ゲーに挑戦♡」です。

業界を牽引してきた「キズナアイ」が活動休止した2022年2月以降も、VTuberの人気は途絶えませんでした。現在ではVTuberがテレビやCMに出演したり、ロート製薬の「根羽清ココロ」など、企業がオリジナルVTuberを生み出し商品PRに起用したりしています。

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アニメキャラとVTuberの違い

アニメキャラが語る動画とVTuber動画の大きな違いは、キャラクター自身の動きを含め「中の人」(声優など)が演じているかどうかです。アニメは何枚も描かれた絵をつなぎ合わせて完成した動画に声優が声を入れますが、VTuberの場合は自身が直接キャラを演じます。ゲーム実況やリアクションなど、その人のパーソナリティがアニメよりも強く反映される傾向にあります。

VTuber専用の事務所やグループも

「ホロライブプロダクション」というVTuber専門の事務所(カバー株式会社)も存在し、現在約70名のVTuberを世界に発信しています。

なかでも人気なのが「がうるぐら」や「宝鐘マリン」といった女性VTuber。「がうるぐら」の特徴はサメをモチーフにした独特な可愛らしい容姿と英語での配信です。世界中からファンを獲得し、初回配信から4カ月で登録者数は200万人を突破。登録者数は424万人(2022年11月29日現在)に上ります。「GURA CLIPS of 2021」の動画では、ゲーム実況の様子がまとめられているので、気になる方はぜひ。

「宝鐘マリン」の魅力はトーク力といわれています。知識だけでなくモノマネのレパートリーも豊富で視聴者を飽きさせません。初めて視聴する方はこちらの動画はいかがでしょう。登録者は現在約221万人です。

また、「にじさんじ」というVライバーとVTuberからなるグループも存在します(ANYCOLOR株式会社)。にじさんじ所属のインフルエンサーはYouTubeやニコニコ動画などをはじめ、さまざまな動画メディアで活躍。

特に注目すべきは「壱百満天原サロメ」というゲーム実況をメインに配信する女性VTuber。赤と黒のドレスを着たお嬢様に憧れる一般女性で、「~ですわ」「~でしてよ」などのお嬢様口調が特徴的。「サロメ嬢」という愛称で親しまれています。お嬢様口調で発せられるオタク知識を背景にした発言などが人気を集め、YouTubeで配信を開始した2022年5月24日からわずか2週間でチャンネル登録者数100万人を突破し、現在の登録者数は169万人以上。おすすめ動画は「【鬼畜死にゲー】しょぼんなわたくしnormal&hard【ですわ~】【しょぼんのるきみん】」です。
ご紹介したいにじさんじ所属のVTuberがもう一人。YouTubeチャンネル登録者数97万人を誇る「月ノ美兎」です。高校2年生の真面目な学級委員なのに、サブカルチャー好きというギャップが人気のひとつで、同じくにじさんじ所属の「剣持刀也」とのコラボ動画は430万回以上の再生数を記録。2018年には花王株式会社とコラボし、デビュー当時スマートフォンを洗濯機の上に置いて配信したというエピソードから、洗濯機用洗剤のPRイベントも開催しました。

VTuberの特徴

VTuberの特徴

VTuberの特徴を紹介します。

匿名での活動

VTuberはアバターを用いて活動を行うため、顔を出す必要がありません。個人が特定されにくいので、気軽に始められると思います。また、アニメだと声優を意識してしまう視聴者も、VTuberであれば中の人を気にすることなく素直にキャラを受け入れやすいでしょう。

個性豊かなデザインのキャラが多い

使用するアプリなどにもよりますが、アバターはある程度自由に性別や容姿の設定が可能。そのため自分の好みや憧れを反映させることもできますが、投稿予定の動画ターゲットに合わせたキャラにすれば、動画の再生数を効果的に伸ばせるかもしれません。
一方視聴者にとっては、個性豊かなデザインのキャラがいることで、好みの配信者が見つかる可能性があります。

一般的なYouTuberに比べて、表現の幅が限られる

VTuberは撮影時にモーションキャプチャーを使用します。そのためカメラから一定の距離を保つ必要があり、大きな動きができないので表現の幅は少し狭くなってしまいます。

動画の内容によっては相性が悪いものがある

VTuberは主にバーチャル空間で活動を行うため、化粧品などを実際に使用するレビュー動画や大食い企画などには不向きです。現状多くのVTuberはオンラインストリーマーとして活動。VTuberとしての活動を計画している方は投稿したい動画がどのようなジャンルなのか、それが自分に合っているのか、よく検討してから動画投稿に向けた準備を進めましょう。

初期投資が高くなる可能性がある

本格的にVTuberとして活動を始める場合、アバター製作や自身の動きをアバターにリンクさせるための環境を整えるのに費用が掛かります。そのため、一般的なYouTuberとして動画投稿を始めるよりも大きな初期投資が必要となる場合もあるでしょう。

VTuberになるには

VTuberになるための準備を簡単にまとめます。

YouTubeチャンネルを開設

まずは投稿先となるYouTubeに、配信した動画を管理する「YouTubeチャンネル」を作成しましょう。「デフォルトアカウント」と呼ばれる、YouTube内でGmailを登録した際に作成されたアカウントでも動画投稿はできますが、この場合はチャンネル名がアカウント名となってしまいます。

「YouTubeチャンネル」の作成は設定から行うことができるので、本格的な動画投稿を検討されている方はそちらから。

アバターを作成

アバターの作成には、パソコンやスマホのアプリから既存のモデルをカスタマイズして手軽に作る方法や、イラストをもとに、本格的なオリジナルアバターを作る方法があります。
しかし、初心者がイラストからアバターを作るのは技術面や費用面において、かなりハードルが高いです。そのため既存のモデルを使う方法がおすすめ。今は無料でアバターが作成できるアプリもあるので、口コミやレビューをもとに自分に合ったアプリを探してみましょう。

機材の用意

本格的なVTuberとして活動を始めたい方はWebカメラ、モーションキャプチャー機器、マイク、動画編集ソフトがあると良いでしょう。なかでも高額なのがモーションキャプチャー機器。性能にもよりますが購入するとなると数十万円かかることも。費用を抑えたい方は、モーションキャプチャーのサブスクリプションを利用するのがおすすめ。
またゲーム実況など、あまり激しい動きをする予定がない場合や気軽に始めたい方は、Webカメラと無料配信されているモーションキャプチャーアプリで対応できるかもしれません。

ネット環境の整備

動画のアップロードはダウンロードよりも時間がかかります。そのため高速回線を用意しておくのがおすすめ。お使いの回線に不安がある方は、使用回線の見直しを検討しましょう。

まとめ

今回はVTuberの特徴だけでなく、人気のVTuberやVTuberとして活動するための準備についても少しご紹介させていただきました。興味を持たれた方は、まずは人気の動画から視聴してみてはいかがでしょうか。


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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • 1996年、奈良生まれ。大学卒業後、内装建築会社に就職。2年後カナダにて留学という名の余暇を過ごし、その後ライターの道へ。現在はジャンルを問わずさまざまな執筆を行う。

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