石井竜也 「ビルボードライブ ~LIKE A JAZZ PARTY~」ライブ配信レポート  2020.11.19@東京・ビルボードライブ東京

テキスト:後藤愛 写真:荒川潤

石井竜也が華麗にいざなうジャジーなライブシリーズ、巨星への敬愛とユーモアが詰まった極上のパーティに

2020年8月に開催し好評だった石井竜也の「LIKE A JAZZ4」。その続編とも言えるのが今回の「ビルボードライブ ~LIKE A JAZZ PARTY~」。
コロナ禍ということで、席数を限定+ライブ配信と2つの鑑賞方法でチケットは販売された。ライブ配信の視聴料は3,000円、4,000円(サポート1,000円込)、5,000円(サポート2,000円込)の3種。このサポートという券種は、ビルボードライブの運営を応援するというもので、その名の通り応援、協力費に当てられる。これからのライブのあり方を考えるためにも、サポートは必要。これまでビルボードライブでのステージを楽しんでこられた方々から、多数の支援が集まったようだ。
これからのビルボードライブの取り組みにも期待しつつ、今回の石井竜也のライブはどのような展開になるのか。普段なら3か月なら短くも感じてしまうけれど、今回はいつもと違い、多くの人にとって久しぶりという気持ちが強く感じられたのではないかと思う。そんな“やっと”という感覚が強い今回のライブ。その内容は如何に?

米米CLUBのフロントマンにして、希代のショーマン・石井竜也。彼らしいユーモアをタイトルに込めたジャズ・モードなソロステージ『LIKE A JAZZ』。レポートするのは、2日間で計4ステージにわたり行ったうちのオーラス=最終日2ndステージの模様。

政府発表のガイドラインに則り、万全の感染症対策を敷いた会場からは、同時配信も実施。自宅の光回線&ノートパソコンに外付けのスピーカーを設置、そして、メールで送られてきたリンクを押せば視聴画面に飛ぶ。あとは画面の向こうでこれから催されるライブの開演を待つのみだ。

6人のバンドメンバーが音を鳴らし始めるや、真紅のロングジャケットを羽織り、一輪のバラを手にした石井竜也がオンステージ! 情感たっぷりな『印象派夕景』から、開幕のベルが鳴る。切々と歌う彼の表情を間近で捉えるカメラ。同じ空間で楽しめるライブの貴重さはもちろんのことだが、配信ライブならではの近距離感もまたレアな体験に違いない。

「年忘れ大失恋パーティ、ようこそいらっしゃいました。生配信中の皆さま、お元気でしょうか」と、裏テーマ(?)を発表しながら、1曲1曲がまるでひとつのドラマのような音世界を展開していく彼。

石井竜也 「ビルボードライブ ~LIKE A JAZZ PARTY~」

「恋の始まりはいつも雨降る。恋は雨の日に花咲くんです」と、美しい入りとは打って変わり、女性が傘を差す動作がセクシーだと、お得意の“艶っぽい”トークで場を沸かせる石井。「(今の流れは)家族では見せられないですね。あ、配信中ですか(笑)」とトボけながら、これまたムードを一変させシネマティックな情景の『CAFE』を歌唱。明朗なピアノのイントロがいざなう大名曲『浪漫飛行』では、小粋な華やかさを伴ったアレンジが実に新鮮だ。

続くMCでは、「今年は巨人と言われている人たちがたくさんお亡くなりになって」と、寂しげに語る石井。この日もカバーした『人形の家』のシンガー・弘田三枝子は7月に、そしてこの10月には名作曲家・筒美京平がこの世を去った。「筒美先生には、2009年発表のアルバム『CHANDELIER』で曲を作っていただいて。「僕のメロディに君の声はぴったりだよ」って言ってくださったことがすごく嬉しくてね。これからも先生が残してくれた作品は生き続けます。僕ら音楽家のたったひとつの喜びは、そこかもしれない」

石井竜也 「ビルボードライブ ~LIKE A JAZZ PARTY~」

そう導いたのは、味わい深い旋律の『夢の恋は』。石井竜也と筒美京平、ふたつの才能が重なるミディアムバラードは、先述の彼の言葉を噛み締めながら聴けば、なお輝きが増幅。いよいよクライマックスへと走り出す中、同ステージではお馴染みの『LIKE A JAZZのテーマ』を。プレイヤー陣それぞれのカラーを引き出しながら、ジャズメンとしての石井竜也の魅力もたっぷり堪能! 洒脱な『Pink Champagne Night』でロマンティックに本編を終え、アンコールへと突入する。

石井竜也 「ビルボードライブ ~LIKE A JAZZ PARTY~」

あまりライブで歌う機会がなかったと話し、「ビルボードライブが持つジャズテイストなら合うな」と、開放感たっぷりのバラード『愛に触れて』でフィニッシュを。稀有な表現力で緩急に富む極上のショーを画面いっぱいに繰り広げてくれた。12月26日(土)にはビルボードライブ横浜にて、アフタークリスマスを祝う『LIKE A JAZZ CHRISTMAS』のステージも控えているとあって、彼が紡ぐ物語の続きが今から楽しみでならない。この公演は2ndステージのみ、リアルタイム限定の配信も行われるため、会場に行くことができない全国のファンが同じ熱量を共有できることだろう。

石井竜也 「ビルボードライブ ~LIKE A JAZZ PARTY~」

配信ライブの懸念点としては、聴こえ方や画質面がマシンの性能に起因するところ。が、いざライブが始まってしまえばグッと引き込まれ没入。ビブラートの効いた華麗なボーカルを、オンラインでもクリアに体感でき、ライブの新たな表現方法のひとつとして確立されていく…そんな新時代を見る心地だった。SNSでも今回の公演を楽しみにしていた声が、多数寄せられていた。東京公演を配信で楽しみ大阪公演も見に行ったという方もいて、石井竜也のこのシリーズを心待ちにしている度合いが強く感じられた。今後どのような環境下での公演になっていくのか、まだまだ見えないところはあるものの、コロナ後も配信ライブが続き、ますますライブというものが身近になっていくと違った楽しみ方の開発や発展が見られるのかもしれない。

■セットリスト
01.印象派夕景
02.虚構の光
03.ENDLESS
04.人形の家
05.CAFE
06.浪漫飛行
07.夢の恋は
08.この瞳が見えるかい
09.LIKE A JAZZのテーマ
10.LOVELY SMILE
11.Pink Champagne Night

ENCORE 01.愛に触れて

<公演情報>
【石井竜也 LIKE A JAZZ CHRISTMAS ONLINE SHOW ~LIVE LOVERS~ from Billboard Live supported by CASIO】
2020年12月26日(土) Billboard Live YOKOHAMA
配信START:19:30
販売期間:12/4(金)12:00~12/26(土)19:30
視聴可能期間:生配信のみ(アーカイブ無し)
https://eplus.jp/ishii-st/


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