思わずプログラミングしたくなる!IT業界の表と裏を描いた映画3選

5Gの発表やリモートワークなど、生活様式の変化でより身近になったインターネットやWebサービス。それらを動かすプログラミング、プログラマーが注目されています。

新しいことを始めようとプログラミング学習を始めた人も多いのではないでしょうか。

今回は、プログラミングがしたくなる、コードで世界を変えたくなるような映画を3本ご紹介。

輝かしいシリコンバレーでの成功劇から、ダークウェブを題材にしたクライム作品まで、観終わった後は「プログラマーってかっこいい!」「私も頑張ろう!」とプログラミングを始めたくなること請け合いです!

サムネイルクイズもあるので、楽しんでみてくださいね。

ライター:CLIP編集部

【第1問 レベル★☆☆】プログラミングが世界を変えた。この画像が表す映画は何でしょう?

プログラミングが世界を変えた。この画像が表す映画は何でしょう?

ヒント1:斬新なアイディアでIT業界を席巻した人物の伝記

ヒント2:はみ出し者が世界を変える

ヒント3:世界的大企業のCEO

正解は……
『スティーブ・ジョブズ』(2013年版)!

【あらすじ】
1976年、ジョブズは自分と似たはみ出し者の友人と、自宅ガレージに「アップルコンピュータ」を設立。ヒット商品を連発し、富と名声を手にする一方で、その激しい性格は多くの敵をつくり、ついに自らの会社を追放される。それでもジョブズは諦めず……。

【レビュー】
Appleの共同創業者として有名なスティーブ・ジョブズ。その大学時代から、一度は退社させられたAppleへ返り咲くまでが描かれています。

物語は2001年に行われたiPodの製品発表の会見模様から始まります。革新的なiPodは世界を席巻し、それ以前は倒産寸前だったAppleが息を吹き返すきっかけとなったので、プレゼンを覚えている人も多いことでしょう。実際、私もプレゼンに感激して、購入するため家電量販店へ走った思い出があります(笑)。

そこから時は遡り、ジョブズの大学時代へ。当時の彼は仕事に関して独自の考えを持っていました。就職するために勉強をするのではなく、自身のインスピレーションを増幅させるために様々なものを学んでいるように感じました。

とある日、友人が作ったコンピュータ用ターミナルボードを見て、商機を見い出します。すぐさま起業を決意……そうこれがAppleの始まりです。フィクションなのかもしれませんが、プレゼン会場へ向かう車の中で社名が決まっていたなんて(笑)。

巧みなトーク術でしっかりと仕事を取ってきたジョブズ。この当時から強いこだわりが感じられ、無茶なオーダーであっても、ビジュアルや技術の進化工程に神経を使い、絶対に妥協しない。
「会社設立時目指したのはただ一つ、他の誰かが不可能だと思うことの実現です」。 このセリフから見えるAppleの軸は、続々と発表されている製品を見ても、受け継がれていると感じられますね。

そして時は過ぎ、Apple株式化の時を迎えました。
しかし株主が生まれてしまったからこそ、「開発に妥協せず膨大な資金を使う」「納期が迫っていようが納得できなものは発表しない」、そんなジョブズの完璧主義が会社のリスクになってしまいました。
メインプロジェクトから外されてしまうジョブズですが、次に取り掛かるのが「マッキントッシュ」。そう皆さんご存じの「Mac」です。
その開発ストーリーは映画でさらりと流されていますが、技術者であれば心動かされるセリフばかりが飛び交っています。

彼のプレゼンを知っている人なら分かると思いますが、ジョブズのワードセンスは抜群だと思います。相手がどんな言葉を望んでいるのか、それによって人がどう動くのか、それが分かるのではないかと思えてきます。

物語はさらに進み1985年、ジョブズは辞任。緊迫した取締役会のシーンは印象的で、会社が大きくなったからこそのジョブスの苦悩が描かれていました。

そして1997年、ジョブズはAppleに復帰します。経営戦略の失敗で赤字が続いたAppleをジョブズが立て直していくのです。
『スティーブ・ジョブズ』(2013年版)

本作では、プログラミングの組み方ひとつで世界が変えられると実感させられると共に、先見の明を持つジョブズの考え方やビジネススタイル、そして成長を見ることができます。
実家のガレージでボードを作っていたときも、解任される前も、そして復帰した後も、彼の考えは一つ「他の誰かが不可能だと思うことの実現」。だからこそ革新的な商品を次々と発表し、IT業界を変えることができたのだと思います。
仕事が上手くいかなかったとき、何かにつまずいたとき、そんなときでも前を向いて仕事の活力が湧いてくる、そんな作品だと思います。

【第2問 レベル★★☆】デスマーチ…プログラミング業界の悲哀と奮起する主人公。この画像が表す映画は何でしょう?

デスマーチ…プログラミング業界の悲哀と奮起する主人公。この画像が表す映画は何でしょう?

ヒント①:電子掲示板「2ちゃんねる」のスレッドから生まれた作品

ヒント②:脚本は、『ROOKIES』などを手掛けたドラマライターいずみ吉鉱

ヒント③:元ニートの青年が過酷な職場環境で自分の生き方を模索していく

正解は……
『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』!

【あらすじ】
高校を中退後、8年間もニート生活を送っていた「マ男」は、母の死をきっかけに基本情報技術者の国家資格を習得し、小さなIT企業に入社する。しかしそこは、無能な人間たちが巣食い、終わりの見えない過酷な仕事が続く、「ブラック企業」だった!

【レビュー】
この作品は黒井勇人の書籍『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』が原作です。そもそもこの書籍は『電車男』や『風俗行ったら人生変わったwww』などと同様にインターネットの電子掲示板「2ちゃんねる」に立てられたスレッドから作品化されたものですが……。
『電車男』は観たことがあって(多少の脚色はされているのでしょうが)こんなドラマのような話があるのかぁ、と感じていました。個人的に「2ちゃんねる」から生まれた作品は、現実の中で起こりうるちょっとした非現実みたいな感じで好きなんです。

さて本題に行きましょう。
中卒の元ニートの主人公「マ男」は母の死をきっかけにプログラマーの国家資格を習得して就職をするのですが、ようやく入社したIT企業「黒井システム」がとんでもないブラック!
働き方改革が推進されている現代では考えられないような職場環境で、上司からの罵詈雑言、社内イジメ、経費を落とせないなど、各所で問題アリです。
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

私が以前働いていた制作会社に似たようなところもあり、少し共感する部分がありました。深夜まで作業、会社に寝泊まりするくらいはありましたが、本作のように経費が落とせないことはさすがにありませんでした(笑)。

入社早々、デスマ(デスマーチ=死の行進)が始まり、なんとか納期までに仕事を完了させたマ男。その功績が評価されて、入社2週間でとあるプロジェクトのリーダーとして大抜擢。
数々のトラブルと対峙しながらなんとかプロジェクトを終了させるも、マ男が中卒であることが社内に広まってしまいました。
実は自己紹介の時に「出身は?」と聞かれて「(住んでいる住所が)早稲田」と答えており、誤解を生んでしまっていたんです。

そこから皆が蔑んで見ているに違いないと思い込み、精神的にダメージを受けたマ男は会社を辞めようとするが、社内で唯一の人格者・藤田に引き止められます。しぶしぶ会社に残ったマ男ですが、次は新入社員として入ってきた木村が無茶な納期をクライアントと約束したことで、史上最大のデスマが始まります……。

デスマの最中、唯一の人格者・藤田が辞めることを聞いてしまいました。これまでマ男に溜まっていたものが爆発!「ここからブラック会社に倍返しか!?」と思うような展開ですが、この映画は倍返しがクライマックスにはなりません。

元ニートだったマ男は、社会の厳しさ、理不尽さを思い知ってもなお、昔の自分には戻らない、これが生きていくことなんだと奮い立たせて生きていきます。そう「ブラック会社に勤めているんだが、まだ俺は頑張れるかもしれない」と。
今のご時世、賛否両論はあるかと思いますが、今の私にはもう少し気合い入れて仕事頑張ろう! と思わせてくれる作品でした。

【第3問 レベル★★★】高すぎるプログラミングスキルが、世間を騒がす。この画像が表す映画は何でしょう?

高すぎるプログラミングスキルが、世間を騒がす。この画像が表す映画は何でしょう?

ヒント①:さえない学生がハッカーとして頭角を表すドイツ映画

ヒント②:ドイツ・アカデミー賞で6部門にノミネートされ、ハリウッドリメイクも決定

ヒント③:ピエロの仮面が印象的なクライムムービー

正解は……
『ピエロがお前を嘲笑う』!

【あらすじ】
突然警察に出頭した天才ハッカー・ベンヤミン。国内のシステムを手当たり次第ハッキングして世間を混乱させ、殺人事件への関与まで疑われて国際指名手配されたベンヤミンは、これまでのいきさつを語り始める。しかし、彼の自供はつじつまが合わず……。

【レビュー】
本作はハッカーが主役、全てが作りこまれており、奥の深い傑作です。

本作は「WHO AM I」と名乗る男が警察署へ出頭し、ハッキング事件について一人語りで振り返っていくスタイル。

まずベンヤミンという冴えない学生が、プログラミングを学びハッキングにハマっていきます。ある日、大学の試験用紙を盗もうとハッキングをしたが、それが学校にバレてしまい社会奉仕を命じられます。
そこでマックスと出会い、ハッカー界のダークヒーロー“MRX”の話で意気投合。マックスの友人2人も合流して、ハッカーグループを結成します。その名も「Clown Laughing At You(ピエロがお前を嘲笑う)」を略して「CLAY(クレイ)」。
ピエロがお前を嘲笑う

彼らは銀行や様々な企業へ忍び込み、いたずらばかりをしていきます。ニュースや新聞にも取り上げられ、話題のハッカー集団となっていました。しかし彼らが崇拝する“MRX”からは無視。ましてや煽りを受けてしまいます。
いつもは飄々としているマックスもいらだっており、その姿は憧れの人に認めてもらいたいだけの少年のようでした。まぁその方法自体は最低なんですが……。
マックスは「成功すれば世界がひれ伏す」「望み通りの自分になれる」と語っており、作中でバックボーンは描かれていませんが、おそらく誰からも期待されずに寂しい人生を送っていたのかなと感じました。

“MRX”の反応をみて以降、CLAYの犯行はエスカレート。
“MRX”と対決するCLAYですが、罠を見破られ、全てを失ってしまいます。そして、命の危険を感じて警察に保護してもらうと今に戻ります。

本作は、ベンヤミンが過去の出来事を思い返して進んでいきます。その時の心情も一緒にベンヤミンが語っており、観ている我々は物語の深い部分まで理解して、ストーリーを楽しむことができます。
さらに表現が難しいインターネット上でのやり取りはパソコンの画面ではなく、地下鉄の列車に例えられていました。アンダーグラウンドの世界だからですかね。会話や対決模様が表現されており、プログラミングを使いこなすハッカーたちのスキルの高さをしっかりと実感することができます。その結果。作品にガッツリと掴まれてしまうのです。
じっくりじっくりと物語が進む本作、そしてベンヤミンの話の裏取りを始めた捜査官……。このラスト20分にとんでもない展開が待っていました。
物語に没頭していく構成だけに、思わず「やられた!」と言葉を漏らしてしまいました。

そのまま終わるのであればよくあるクライム・サスペンスでしたが、これには見事のひと言。「ハッキングとは人を騙すこと」とのセリフが終盤に出てくるのですが、完璧に騙されてしまいました。インターネットの裏の世界が描かれており怖くなる半面、プログラミングの自由度やすごさを感じられる一本でした。
ラストを知った今、もう一度観直したいです。

IT業界、中でもプログラミングを題材にした映画3作を紹介しました。
プログラミングのカッコよさだけではなく、プログラマーの苦悩、天才には天才の、凡人には凡人の悩みがしっかりと描かれており、観終わった後はやる気が満ち溢れる作品ばかりだと思います。
これを機にプログラミングを始めてみるのも良いかもしれませんね。
それではまたの機会に、お会いしましょう。


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