無料で楽しめるPCオンラインゲーム。おすすめタイトルや注意点は?

ここ数年、基本無料で遊べるオンライン向けPCゲームが増えてきています。

なぜ?といえば、1つには光回線などネット環境が充実し、通信スピードが速くなっているため。ゲーム本体をダウンロードするにせよ、「サーバー上で動かしたゲームの画面を、ご家庭のマシンに転送する」クラウド方式やブラウザーゲームにせよ、データ転送にストレスがなくなったことで快適に遊べるようになった背景があります。

もう1つは、PCの性能が底上げされてきているからです。最近のWebブラウザーやオフィス系アプリも動かすにはそれなりのパワーが必須となっていて、「ふだん不自由なく使えている」ならば、グラフィックがリッチなゲームでなければ(しだいに増えていますが……)設定をやりくりすることで、かなり動いたりします。

そして最も大きな理由は「PCでゲームを遊ぶ習慣」が根づいてきていることでしょう。少し前、国内ではゲーミングPCは縁遠そうな存在でしたが、スマートフォンでバトルロイヤル系ゲームを始めてから「もっと勝ちたい」(キーボードやマウスなどさまざまな入力機器が使えることが大きい)ために買う人も珍しくなくなりました。

その一方で、PCゲームプラットフォーム「Steam」がお安く、かつ非ゲーミングPCでも動作の軽いソフトを色々とダウンロード販売しています。そうして増えたPCゲーマー人口が、基本無料プレイのオンラインゲームを支えているのでしょう。

基本無料で遊べる人気のPCゲームや注意点を解説します。

ライター:多根清史

無料オンラインゲームのおすすめタイトル

数々の無料オンラインゲームがある中で、すでに「これを遊んでおけば間違いなし!」という評価の定まった鉄板のタイトルはいくつかに絞り込まれています。
その代表作を、次に紹介しておきましょう。

TPSバトロワの人気作『フォートナイト』

若年層を中心に遊ばれており、最も賑わっているのが『フォートナイト』でしょう。Epic Games社が配信しているTPS(三人称視点シューティング)であり、「時間経過とともにフィールドが狭くなり、最後の1人(1チーム)になることを目指す」バトルロイヤルゲームの基本に忠実です。

このゲームの敷居を低くしているのは、1つにはポップでコミカルな世界観です。アクションシューティングに付きものの戦争などハードな要素はあまりなく、華やかで楽しいスキン(衣装)やエモート(動き)もよりどりみどり。

またシューティングに「建設」要素が加わることで、高台を作って有利なポジションを取ったり、とっさに壁を作って被弾を抑えたり、駆け引きの奥深さも抜群です。さらに特別なマップ「パーティーロイヤル」では参加者とともにライブや映画鑑賞もでき、“戦わない”時間の過ごし方もできたりします。

関連記事:「フォートナイトとは?人気の理由と、子供が遊ぶ注意点」

ビギナーにも優しいFPS『Apex Legends』

若いプレイヤーの人気を『フォートナイト』と二分しているのが、やはりバトロワ(略称)シューティングゲームの『Apex Legends』です。こちらは日本では馴染みの薄いFPS(一人称視点シューティング)ながらも、たちまち人気ゲームの一角にのし上がり、今では初心者向け解説や名勝負の動画がYouTubeを賑わしています。

人気の秘密は、まず初心者にも優しいシステムです。3人1チームのため個人の負担が少なく、またキャラクターの耐久力も高いためになかなか倒されにくい。そしてFPSを取っつきにくくしていた「エイム(狙い)のしづらさ」もアシスト機能により緩和されています。

プレイヤー人口が急激に増えたのは、PS4やNintendo Switchといった家庭用ゲーム機にも対応したことが大きいでしょう。ですが、PC版は初期投資を惜しまなければ、つまりPC本体やキーボード、マウスなどにお金をかければ「画面がキレイになり、キャラクターコントロールがしやすい」強みがあります(PCゲーム全てに言えることですが)。

関連記事:『Apex Legends』はなぜ日本で人気ゲームになった?CS版・PC版それぞれのメリットは?

ミニゲームを勝ち抜け!『Fall Guys』

イギリスの開発スタジオ・メディアトニックが手がけたバトロワ系ゲームが『Fall Guys』です。初めは有料ソフトでしたが、2022年6月からは家庭用ゲーム版・PC版ともに基本無料ゲームとして配信されています。

本作のモチーフは、1980年代に放送された日本のテレビ番組『風雲!たけし城』です。最大60人が集まり、無作為に選ばれたミニゲームに挑むというもの。ゲームは4ラウンド制で、上位に残ったプレイヤーが次のラウンドに進み、最終ラウンドでの1位を目指します。

キャラクターの見かけはゼリービーンズのようで、とてもコミカル。でも、あちこちでプレイヤー同士が妨害し合ったりステージから蹴落とし合ったりと、しっかり「バトルロイヤル」しています。

ミニゲームは障害物競走だったり、足場が崩れる空間で生き残ったり、2つのチームに分かれて相手ゴールに2つのボールを入れたりとさまざま。どれも直感的にルールが分かりやすく、誰にでも勝つ可能性があります。操作も「ジャンプ、ダイブ、つかむ」の3種類だけで、初めての人もすぐに熱中できるはず。

美麗なオープンワールドと作り込まれた世界観「原神」

スマートフォンでこんな豪華なゲームが遊べるの? と驚かれた、オープンワールドRPG。iOS用はApp Store、Android用はGoogle Playストアのベストゲームに選ばれた(ともに2020年)印象が強烈でしたが、実はPS4やXboxなどゲーム専用機のほかPCでも遊べます。

中国企業miHoYo開発・運営のゲームながら、広大かつ美麗な世界の広がりは文字通り国境を越えるかのよう。アニメ調のキャラクターは誰しもが馴染みやすく、ただ操作しているだけで楽しめます。

しかも風・炎・雷・水など「元素」を使ったシステムは奥深く、1つ1つは「シールドを張る」や「敵を吹っ飛ばす」など効果がある上に、元素同士を組み合わせる「元素反応」による戦闘も色々と試せて夢中になるはず。1人プレイのほかマルチプレイにも対応し、家族や友達と一緒に旅をしたりダンジョンを攻略できます。

戦艦が女の子に!?『艦隊これくしょん -艦これ-』

プレイヤーは「提督」として、航空母艦や戦艦・巡洋艦などをモチーフにした「艦娘(かんむす)」達を編成して艦隊を作り、敵艦隊と戦闘を行うブラウザーゲームが「艦これ(略称)」です。艦娘たちを“育成”しつつ、編成に頭をひねる“戦略”も合わさった艦隊育成シミュレーションといったところです。

艦娘は可愛らしくて豪華声優陣のキャラクターボイスも付いていて、それぞれに個性的な魅力あり。なおかつ、史実に基づいた衣装や性格であることを知ると、戦艦の歴史にもどっぷりハマるきっかけにもなります。

2013年4月のサービス開始から9年目に入り、今なお人気は衰え知らず。課金要素もありますがそれほどシビアでもなく、あまりお金を掛けずに息長く遊べることがオンラインゲーム入門としても最適でしょう。「艦これ」が火付け役となったおかげで、今のブラウザーゲームの大賑わいもあるといえます。

インストールゲームとブラウザーゲームの違い

ここまでご紹介した基本無料のPC用オンラインゲームは、大きく分けて「インストール前提のゲーム」と「ブラウザーゲーム」の2種類です。ブラウザーゲームは「艦これ」しか挙げていませんが、国内では大盛況となっており、さまざまな方向性や面白さがあって「どれを選んだら良いのか迷う」ほどです。

インストール前提のゲームは、ゲーム専用機のダウンロードゲームや、iPhoneならApp Store、AndroidであればGoogle Playストアで配信しているゲームアプリとほぼ同じ。より遡ればファミコンのROMカートリッジとも本質的には変わらず、「マシンの中にプログラムやデータを内蔵し、それを読み出していく」ゲームです。

これに対してブラウザーゲームは、文字通りWebブラウザーで遊べるゲームのことです。ゲームの提供ページにアクセスすれば直ぐにプレイでき、インストールも不要。低スペックPCでもサクサクと動き、ストレージの空き容量を気にする必要はありません。

ブラウザーゲームの方が良いことずくめのようですが、インストール前提のゲームと比べれば簡潔な内容が多い傾向があります。かつてはFlash、今でもJavaScriptやJavaなどの技術が使われてはいますが、豪華なグラフィックや3Dを扱うことは得意ではありません。またWebブラウザーはPCのごく一部のパワーを使っているだけですから、やれることも限られています。
とはいえ、最近ではネット回線のスピードも上がり、PCと外部サーバーが多くのデータをやり取りしやすくなっています。クラウド側で描いたリッチなCGをPCに転送して……という風に、ブラウザーゲームもさらなる進化を遂げるかもしれません。

オンラインPCゲームをプレイする上での注意点

世界中の人々(知り合いの友達を含め)と交流するマルチプレイのオンラインゲームは、基本的には現実の社会と同じです。相手の顔が見えなくとも、リアル世界でのマナーはゲームでも守らないといけません。

たとえばフレンドリーに接するつもりで、砕けすぎた言葉遣いや態度はダメ。特に文字だけのチャットでは微妙なニュアンスが伝わりづらく、うっかり相手を傷つけることもあります。堅苦しい言葉を使う必要はありませんが、「初対面の人にはどう話しかけるか」「ご近所さんとの話し方は」などを考えておくといいでしょう。

また、あいさつも大事。「はじめまして」「こんにちは」「さようなら」などのひと言が人間関係を潤滑にしますし、パーティーを組むゲームなら連携もスムーズになるかもしれません。

そろそろ慣れてきたかな……という頃には、チャットで不用意に個人情報を言わない(または聞かない)よう気をつけましょう。出会い系サイトに誘導されたり犯罪に巻き込まれる可能性もあるので、しっかりとガードは固めておきましょう。

そして「基本無料」ゲームでは、課金の仕組みを理解しておくべきでしょう。ほとんどのオンラインゲームは無料で数十時間は遊べますが、より強くなりたい、強力なキャラクターを手に入れたい……となったとき、数万円単位のお金がかかることも珍しくありません。

ここ数年はコロナ禍による「巣ごもり需要」もあってか、家庭へのPC普及も緩やかながら上昇しています。
ご家庭のネット環境が安定していれば、ゲーム本体のダウンロードやプレイ中もストレスなく快適に遊べるでしょう。本格的なインストールゲームでも最近の「インテルEvo」シールが貼ってあるPCなら(解像度を落としたり設定を工夫すれば)だいたい動くはず。人間関係やプライバシー情報の漏えい、課金しすぎない点などに気をつけ、オンラインゲームと上手く付き合っていきたいところです。


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※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • ライター

    多根清史

    1967年、大阪市生まれ。京都大学法学部卒業。著書に『ガンダムと日本人』『教養としてのゲーム史』、共著に『超ファミコン』などがある。ゲーム・アニメ・マンガ、政治・ITなど幅広いジャンルで活動中。

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