これまでに迷惑メールを受信した経験はありませんか? なかには届くことに慣れてしまい、そのままメールボックスに放置している方もいるかもしれません。実はこれはかなり危険。今回は迷惑メールを受け取りづらくする予防方法と、受信後の適切な対処法を紹介します。
ライター:CLIP編集部
迷惑メールとは
迷惑メールとは受信者の意向を無視して、一方的に送られ続けるメールのこと。
諸説はありますが、アメリカの食肉加工会社が「SPAM」という豚肉の缶詰の名称をしつこく連呼するCMを放送していたことから「スパム(Spam)メール」と呼ばれだしたと言われています。
迷惑メールの種類
迷惑メールはその目的から、大きく5つに分けられます。
架空請求メール
身に覚えのないWebサイトの利用料や登録料の請求をしてくる架空請求メールでは、脅迫めいた内容や、支払いを急かす内容のものが見受けられます。しかし、覚えのないものについては支払う必要がないので、冷静に対処しましょう。
ウイルスメール
ウイルスメールはメールを受け取った人のパソコンやスマートフォンを、ウイルス感染させることを目的として送付されます。ほとんどの場合、メールの添付ファイルやURLを開くことで感染してしまうため、不審なメールに添付されているものは絶対に開かないようにしましょう。
フィッシングメール
フィッシングメールでは、金融機関や大手企業など、認知度の高い組織を装ったメールを送付し、その後本物そっくりなWebサイト(フィッシングサイト)に誘導。そこで個人情報の入力を促し、入力された情報を窃取してきます。
標的型攻撃メール
標的型攻撃メールは、マルウェアと呼ばれる悪意のあるプログラムが仕込まれたメールを、特定の組織を標的として送るものです。
組織を標的にするため、業務連絡のような件名で送られることが多く、誤って添付ファイルを開いてしまうとそのパソコンがマルウェアに感染し、内部情報が抜き取られたりします。
広告宣伝メール
数の多さから迷惑メールの代表格ともいえるのが広告宣伝メール。目的はウイルス感染ではなく、商品やサービスの宣伝です。主にWebサイトの会員登録時に、意図せずメール配信希望欄にチェックをしていることで配信されます。
迷惑メールはなぜ届くのか
プログラムによるメールアドレスの自動生成
悪意のある業者がプログラムを利用し、実際に存在しそうなメールアドレスを大量に生成。そのアドレスにメールを一斉送信していることがあります。
Webサイトに公開されているメールアドレスの不正利用
FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSやブログでメールアドレスを公開していると、そのメールアドレスが迷惑メールの送信リストに加えられてしまいます。
おとりサイトによるメールアドレスの収集
ショッピングサイトなどを装った悪意のあるWebサイトに気が付かず、名前やメールアドレスを登録してしまうと、後日巧妙な迷惑メールが届いてしまうかもしれません。メールアドレスを登録する際は、本当に信用できるWebサイトか慎重に判断してから行いましょう。
迷惑メールの見分け方
送信元のメールアドレスを確認
不審なメールを受信したときは、まず送信元のメールアドレスを確認しましょう。
なじみのないアドレスや、大企業を語りつつもアドレス内の綴りが異なる場合は、迷惑メールの可能性があります。細心の注意を払いましょう。
件名と本文を確認
件名と本文に全く身に覚えがない場合や、不自然な日本語が使われている場合も迷惑メールを疑いましょう。
迷惑メールを受信トレイに放置することで生じるリスク
マルウェアやウイルスへの感染、それに伴う情報漏洩
放置していた迷惑メールの本文にあるリンクを、何らかの拍子でクリックしてしまうと、組み込まれていたマルウェアやウイルスが働きます。そのパソコンが属する社内ネットワークなどを通じて組織内感染が起こると、社内サーバーに格納されている機密情報が抜き取られてしまうことも。不審なメールは放置せず削除しましょう。
詐欺被害に遭う
不在届や大企業を装った巧妙な迷惑メールは、一度は不審に思い無視しても、後日確認すると誤って返信したり、リンクをクリックしたりしてしまう可能性が高いです。
このようなリスクをなくすために、一度でも不審に感じたメールはその場で削除しましょう。
重要なメールが埋もれる
迷惑メールは一度届いてしまうと、その後何度も届く傾向があります。そのため「開かなければ大丈夫」と思い放置しておくと、本当に必要なメールが大量の迷惑メールに埋もれてしまい、気づかないなんてこともあるかもしれません。
登録の覚えがある企業からの広告メールの場合は、登録解除や配信停止をし、覚えのないものに関しては送信元アドレスの受信拒否を行いましょう。
迷惑メール受信の予防と対策
まずは迷惑メールを受信しないことが大切です。受信しないためには、以下の予防方法が効果的。
- SNSやブログなどにメールアドレスを載せない
- メールアドレスを複雑化させる
- 運営元がわからない不審なWebサイトを利用しない
- メーラーなどのフィルタリング機能を使う
- 迷惑メール対策機能付きのセキュリティソフトを使用する
これらをすべて実施しても、迷惑メールが届いてしまうことがあります。その場合は以下の対策を。
- 届いた迷惑メールは開かずに削除
- メール本文のURLをクリックしない
- 添付ファイルを開かない・ダウンロードしない
- 請求を促す内容のメールでも、指示に従わない
- メールに返信しない
まとめ
迷惑メール受信直後は返信を思いとどまったり、本文内のリンクを無視したりしても、そのメールを放置していると、あらゆるリスクが存在し続けます。まずは受信しないための予防を行い、それでも届いてしまった場合は、極力開かずにそのまま削除しましょう。
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