意図しない端末によるWi-Fi利用を防ぐ「MACアドレスフィルタリング」をご存知ですか? 今回はこの機能の概要とおすすめ利用シーンに加え、その効果について解説します。
ライター:CLIP編集部
MACアドレスフィルタリングとは
パソコンやスマートフォン、ルーターには「MACアドレス」とよばれる、それぞれの機器を識別するための固有のアドレスが割り振られています。このアドレスは「11-22-33-44-55-66」や「1a:2b:3c:4d:5e:6f」のように、2桁の16進数を6個並べた形で表記され、ネットワークに繋がっている機器同士でデータを送受信するときに、その送信先・送信元として記録されます。
このMACアドレスを用いて、指定した端末以外のインターネット接続をブロックする機能が「MACアドレスフィルタリング」。
この機能を利用することで、意図しない端末によるアクセスポイントの利用を制限することができます。
MACアドレスフィルタリングのおすすめ利用シーン
MACアドレスフィルタリングを利用すべき場面を紹介します。
第三者にもWi-Fiの電波が届いてしまう場合
ご家庭で使用しているWi-Fiの電波が玄関先にも届いている場合は、隣接する家にも届いているかもしれません。このように第三者が利用できてしまう状況の解決策として、MACアドレスフィルタリングは有効です。
もし、普段から強力なWi-Fiを使用されている場合は、必要以上の範囲に電波が漏れていないか確認し、漏れていればMACアドレスフィルタリングを活用しましょう。
会社などデバイスコントロールをしたいところで
MACアドレスフィルタリングはデバイスコントロールにも有効。
社内Wi-Fiへの接続を社用デバイスのみに制限したい場合には、MACアドレスフィルタリングを用いてプライベート端末による接続を防ぎましょう。
セキュリティー対策としての効果は?
これまでMACアドレスフィルタリングはセキュリティー対策機能として存在していました。しかし技術の進歩に伴い、今ではWi-Fiの電波を傍受すれば、場合によっては端末のMACアドレスを簡単に調べることができ、通信に利用するMACアドレスもツールやOSの機能を使って簡単に変更可能。これらのことから現代のセキュリティー対策機能として、MACアドレスフィルタリングだけでは不十分だといわれています。
MACアドレスの暗号化方式「WEP」は要注意
先ほど解説したように、セキュリティー強度が不足するのは、その通信の暗号化方式に「WEP(Wired Equivalent Privacy)」が用いられていた時です。
Wi-Fiが普及し始めた当初は、MACアドレスを含む、通信内容の暗号化にこの方式がセキュリティー技術として採用されていました。しかし、この技術にはさまざまな脆弱性がみられ、現在の最新機器では使用が禁止されています。
そのため今ではほとんどの機器で、より複雑な暗号化を可能にする「WPA(Wi-Fi Protected Access)」や、それよりもさらに強力な「WPA2」が用いられています。
お使いのルーターの暗号化方式は、説明書やメーカーの公式Webサイトで確認できます。他にも接続中の端末から確認することも可能。Windowsパソコンでは、以下の手順で確認を!
まずは画面右下のWi-Fiアイコンから「インターネット アクセス」を開き、「Wi-Fi接続の管理」を示す「>」のアイコンをクリックします。
次に調べたい通信の「プロパティ」を選択。
表示された画面の「セキュリティの種類」から確認できます。
確認の結果、もしも「WEP」が使用されていればデータ漏洩のリスクが非常に高まっています。ルーターの買い替えを検討しましょう。
MACアドレスフィルタリング利用時の注意点
現在多くのデバイスで、MACアドレスによる使用者の特定を避けるため、アドレスのランダム化が進められています。これはWi-Fi への接続時に本来固有であるはずのMACアドレスを一時的に偽装し、デバイスの匿名化を図る機能です。これにより、第三者による利用者の特定が難しくなり、プライバシーの保護が期待されるようになりました。
しかしこの機能が働いていると、MACアドレスによりネットワーク利用を制限する、MACアドレスフィルタリングがうまく機能しません。そのため、MACアドレスフィルタリングによるデバイス管理を行う場合は、デバイスのMACアドレスのランダム化を停止させましょう。
まとめ
現代のセキュリティー対策としては不十分になってしまったMACアドレスフィルタリングですが、セキュリティー対策の一部としてや、デバイスコントロールとしては有効です。
参考記事:MACアドレスフィルタリング
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