パソコンを買い替えたとき、古いパソコンの処分に困る方は多いはず。廃棄場所の問題や、パソコン内部の個人情報などのデータをどうするのか。今回は不要となったパソコンの廃棄方法やその際の注意点をご紹介します。
ライター:CLIP編集部
パソコン廃棄時の注意点
パソコンの廃棄時には法律と個人情報の2つの面で注意が必要です。
法律面での注意点
パソコンを廃棄する場合、「資源有効利用促進法」という法律によって、メーカーによる回収とリサイクルが義務付けられています。個人利用されていたパソコンも、企業の事業などで利用されていたパソコンも、メーカーに回収してもらえます。
またご家庭用のパソコンであれば、「小型家電リサイクル法」により認定事業者への引き渡しも可能。
個人情報面での注意点
データ消去を行わずに古いパソコンを手放すと、クレジットカード情報やSNSなどのID・パスワード、仕事で使っていた場合は仕事上の大切なデータなどが、流出する可能性があります。そのような事態を防ぐためにデータの消去は必須です。
パソコンのハードディスクにあるデータは、デスクトップ上の「ゴミ箱」を空にしての削除やパソコンの初期化をしても、データが消えたように見えるだけ。復元ソフトを利用することで、読み取ることができてしまいます。そのためパソコンを廃棄する際は、専用ソフトを使用しデータを完全に消去する必要があります。
データの消去方法は廃棄予定のパソコンが正常に起動するかどうかで異なります。
正常に起動する場合は、データ消去専用ソフトなどを使用してみましょう。パソコンによってはデータ消去用のツールが入っていることもあるのでそちらを利用するのがおすすめです。インストールされていないときは、フリーまたは有料のソフトをダウンロードし、データ消去を!
一方でパソコンが起動しない場合は、パソコンを分解して物理的にハードディスクを破壊することも可能です。データ消去やパソコンの分解が難しければ、近くのパソコンショップへ依頼するのがおすすめ。
7つの廃棄方法
主な廃棄方法を7つ紹介します。
1.パソコンメーカーに回収依頼
メーカーが運営しているため安心しておまかせできますが、「PCリサイクルマーク」の有無によって無料・有料が異なります。メーカーにパソコンを郵送するだけで、適切なリサイクルを行ってもらえますが、そのメーカーが販売した製品のみの回収になることや、データ消去に関してはサービスがなく自己責任となります。
2.自治体の回収ボックスに入れて処分
自治体が設置している最寄りの回収ボックスに持ち込むだけで、携帯電話やプリンターなどの小型家電やパソコンの部品もまとめて処分できるのが大きな魅力。ただしデータ消去は自己責任であることがほとんど。
基本的に回収ボックスの利用は設置されている地域の住民が対象ですが、すべての自治体に設置されているわけではなく、利用料金や回収品目、サイズなどのルールも自治体によってさまざま。利用にあたっては、事前にお住まいの市町村に回収ボックスが設置されているか、設置されている場合は回収ボックスの場所やルールなどを調べましょう。
3.無料回収サービスで処分
郵送すれば無料でパソコンの処分を行ってもらえるサービス。国認定の信頼おける業者から、なかには不法投棄やデータの抜き取りを行う業者まで多くあるので、事前に口コミ確認などの下調べが必須。データの消去は業者によって、対応はさまざまなので事前の確認を。
4.買い替え時に下取り
購入時の下取りでは回収してもらえるだけでなく、新しく購入するパソコンの割引が受けられるので、検討される方も多いのではないでしょうか。下取りサービスが行われているか、またその条件はお店によって異なりますので、詳しくは新しいパソコンの購入を検討している店舗へお問い合わせください。
5.家電量販店やパソコンショップに依頼
家電量販店やパソコンショップに回収してもらう場合、ノートパソコンやデスクトップパソコン本体は無料でも、デスクトップパソコン用のモニターは有料というところが多く、なかにはすべて有料というところも。データ処理サービスの有無や宅配サービスを利用できるかなど、各企業によって違いがありますので、利用前のお問い合せは必須です。
6.買い取り業者にて買い取り
廃棄ではなく買い取りしてもらえるはこの処分方法ならでは。ただし回収に対する条件は他の方法と比べるとやや厳しい傾向にあります。データ消去の対応は業者によってさまざまなため、事前の確認が必要です。
7.フリマアプリやオークションサイトに出品
出品自体は容易にできますが、取引成立となるかは条件次第。もちろんデータ消去も自己責任なので、注意しましょう。
パソコンを廃棄するための主な手順
廃棄の手順は選択した廃棄方法によって異なりますが、主な流れを紹介します。
1.「PCリサイクルマーク」の有無の確認
メーカーでの回収は、「PCリサイクルマーク」の有無によって無料か有料かが変わります。メーカー回収を検討する場合は、依頼前に確認しておきましょう。また回収ボックスの利用やパソコンショップへの依頼など他の方法においても、「PCリサイクルマーク」の有無によって一部対応が変わることもあります。
「PCリサイクルマーク」は基本的にノートパソコンの場合は底面に、デスクトップパソコンでは横面や背面にあります。見当たらないときは、説明書と一緒にシールが同封されていたり、必要時にメーカーへ連絡しシールを送付してもらったりする必要があることも。
2.メーカーの確認
メーカーに回収を依頼する際は、そのメーカーのパソコンでなければいけません。必ずパソコンのメーカー確認はしておきましょう。
また家電量販店やパソコンショップ、中古買い取り店では、パソコンのメーカーによって引き取り金額が変わるなど、対応が異なることがあります。
フリマアプリやオークションサイトを利用する場合もメーカーは明示しておく方がよいでしょう。
3.パソコンのサイズ確認
自治体の回収ボックスを利用する場合、投入口に入る大きさのものでなければいけません。また郵送での回収にも、郵送時の箱の大きさや数に制限があることも。回収ボックスの利用を検討されている方は自治体が発信している情報を、郵送での回収を考えている方は廃棄予定のパソコンが大きすぎないか依頼先のサイトを、確認しましょう。
4.処分できるものか確認
どの処分方法でも対象外のものが存在している可能性があります。申し込み・持ち込み前にいま一度処分できるものか確認しておけば安心です。
5.パソコンデータの引越し
処分の目途がたてば、既存データを新しいパソコンに移しましょう。
データの移行方法については以下のページをご確認ください。
6.データの消去
データ移行が終われば廃棄予定のパソコンに入っているデータをすべて削除しましょう。削除せずに廃棄するとクレジットカード情報や使用したパスワードなど、あらゆる個人情報が抜き取られる危険性があります。
またパソコンの初期化や、データを「ごみ箱」に入れて空にするだけでは、完全な消去は行えていないので、必ずデータ消去専用ソフトを使用するかパソコンショップに依頼しましょう。
7.回収の申し込み
データの移行・消去が済めば次は回収の申し込みです。メーカーによる回収や廃棄物業者、中古買い取り店の利用などでは対応に1週間ほど要することも。申し込み不要な自治体の回収ボックスやお店への持ち込みも、営業日や持ち込み可能日の確認はしておいた方がよいでしょう。
8.パソコンの梱包
自治体の回収ボックス以外では、郵送しなければいけないこともあります。
梱包方法については各サービス業者に問い合わせましょう。
9.郵送・持ち込み
郵送や持ち込みについては時間や曜日が指定されていることもあるので、必ず事前に確認しておきましょう。
まとめ
パソコンは他の不用品と異なり、廃棄にさまざまなルールが存在します。また廃棄前のデータ処理がうまく行えていないと、廃棄後に思わぬトラブルに巻き込まれることも。自分がどこまでの手間をかけられるか、廃棄にどれだけのお金を使えるかといったことから、ご自身に適した方法を選択し廃棄を行いましょう。
【関西でネット回線をお探しなら】
eo光は17年連続お客さま満足度 No.1!※
※RBB TODAYブロードバンドアワード2023 キャリア部門 エリア別総合(近畿)第1位(2024年2月発表)
2007年~2023年17年連続受賞
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。