「VRChat」はバーチャル空間上でほかのプレイヤーとコミュニケーションを楽しめるサービス。2021年現在、世界で最も接続者の多いVR仮想空間として人気を集めています。
2020年のハロウィーンイベントの際は、同時接続人数が24,000人を突破するなど、リリースから7年近く経つ現在でも盛り上がりを見せています。
この記事では大手企業からも注目を集める魅力と、子供が遊ぶ際の注意点を紹介します。
ライター:荒井啓仁
「VRChat」とは
「VRChat」とは、米企業VRChat Inc.が運営するソーシャルVRプラットフォーム。
2021年現在、Microsoft WindowsとHMD(ヘッドマウントディスプレイ)一体型PCのOculusシリーズで遊べます。
「VRChat」は無料でダウンロード可能。VR機材が無くても遊べる部分はありますが、VR空間を楽しむためにはHMDや、高精細なワールドを楽しむためにはハイスペックなPCが必要です。
多種多様なアバターで仮想空間を楽しむことができ、TwitterやFacebookなどのSNSに近いコミュニケーションツールです。
文字での交流ができないためユーザーはボイスチャットで喋るか、VR機材を利用しジェスチャーを利用します。
「VRChat」は日本語に対応しておらず、メニューなどは全て英語。日本人ユーザーはまだ少数派です。
日本人ユーザー向けのワールドや情報をまとめたサイトなどがあるため、簡単な英語が理解できれば、参加するのは難しくはないでしょう。
公式動画:https://www.youtube.com/watch?v=PWLPw4RE9Ig
「VRChat」の始め方
要求スペックを満たすPCが用意できたら、ゲーム販売サイト「Steam」で、「VRChat」をダウンロードし、「VRChatアカウント」を作成。
ヘッドセット等を用いてVRでプレイする場合は、身長の設定をしましょう。
現実の身長とかけ離れた数値にしてしまうと、アバターの動きがおかしくなってしまうため注意が必要です。
「VRChat」が人気の理由とは?
1.好きな姿に変身できる「VRChat」の「アバター」多種多様な「ワールド」
アバター
アバターは「VRChat」内でユーザーが身にまとう分身。
アニメキャラクターのような容姿やロボット、無機物や動植物など3Dで作成できるアバターなら、なんでも変身することができます。
あらかじめ「VRChat」で用意されたアバターを使用するか、自分で作成したもの、インターネット上で頒布されているもの、「VRChat」内で開催されているイベントで購入したものが使用できます。
有名なアニメやゲームのキャラクター等のアバターを使用している人が居ますが、未許諾のキャラクターアバターの利用は禁止されています。
またインターネット上で一般的に公開されている3Dモデルも、「VRChat」での使用を禁止しているものが多く、トラブルや訴訟に発展する可能性もありますので、注意が必要です。
デスクトップパソコンのみでも参加可能ですが、HMDなどのヘッドセット、ハンドコントローラー、腰や脚に着けるトラッカー(※)があればアバターの全身を動かすことができます。
(※)トラッカー ユーザーの動きをソフトウェア上に反映させる機器
ワールド
ワールドとは、「VRChat」内でユーザーが行き来できる部屋を指します。
一部「VRChat」公式によって作られたワールドもありますが、大多数はユーザー達によって作られてます。
カードゲームや人狼ゲームを遊ぶことができるワールドや、空を飛べたり海中散歩を楽しめるワールド、日本の居酒屋を模したワールドなど、ユーザーの創意工夫が凝らされています。
好きな姿に変身し仮想空間ならではの体験ができる「VRChat」。小説・映画『レディ・プレイヤー1』をご存知の方なら、作品の舞台となる「オアシス」はイメージに近いといいえるでしょう。
2.大手企業が「VRChat」に出展、大盛況の仮想空間内イベント
「VRChat」内ではイベントが頻繁に行われています。
特定の趣味を持つ人同士で集まる個人開催のイベントや、音楽を楽しむクラブを模したワールドで行われるイベントなどが毎日のように開催されています。
「VRChat」内で使用できるアバターや小物を販売可能な株式会社HIKKY主催の「ヴァーチャルマーケット」は、1100超の個人、70社超の法人が出展した「VRChat」VR仮想空間最大規模のイベントです。
KDDIやディズニー、テレビ東京、松坂屋百貨店などが出展しており、「VRChat」の仮想空間プラットフォームとしての注目の高さが伺えます。
「ヴァーチャルマーケット」公式サイト:https://www.v-market.work/article/69
「VRChat」を安全に遊ぶ注意点とは
「VRChat」はユーザー人口が多く、さまざまな人との出会いや会話を楽しめます。
しかし世界中のあらゆる国から、英語と多少のパソコン知識があれば無料で参加できてしまうため、不快な発言を繰り返す、不快感を与えるアバターで追いかけ回す、などの迷惑行為を繰り返す悪質なユーザーもいます。
もしご自身やお子さんが遊ぶ際は、迷惑ユーザーから身を守るため、「シールドレベル」の設定と「ブロック機能」を活用しましょう。
ユーザーは「VRChat」内の行動に応じて、5段階の信用レベルが設定されます。
「シールドレベル」とは「VRChat」内での信用レベルを利用して、迷惑なユーザーやなどを自動でフィルタリングする機能です。
設定出来るレベルは
- Maximum
- Normal
- None
- Custom
の4種類。レベルに応じてアバターの表示や、音声の許可、特殊効果使用の許可など、自動的にフィルタリングしてくれます。
フレンド以外とほとんど交流をしないユーザーはMaximum、迷惑ユーザーなどのみ除外したい場合はNormalなど、利用目的に応じて設定しておくと良いでしょう。
「シールドレベル」でのフィルタリングで弾かれないユーザーに対しては、「ブロック機能」を使いましょう。
ブロックしたいユーザーにカーソルを合わせ、メニューを表示すると
- 「Hide Avatar(アバターを非表示)」
- 「Report User(プレイヤーを通報)」
- 「Blocked(ブロック)」
- 「Voice Off(音声をミュート)」
の4種類から拒否設定を選べます。
公式動画(英語音声・字幕なし):https://www.youtube.com/watch?v=ZKkHVQvnGQ8
「VRChat」の対象年齢は13歳以上に設定されていますが、メディアリテラシーが低いうちは参加する前にインターネットの利用方法や、トラブル事例について、ご家庭でよく話し合うことが大切です。
まとめ
コミュニケーションツールとしてだけではなく、最先端の仮想空間プラットフォームとしても注目を集める「VRChat」。
ご自身やお子さんが参加する場合は、「シールドレベル」の設定や、「ブロック機能」を活用しましょう。
無料でダウンロードも可能な上、Youtubeなどの動画サイトには、紹介する動画も多くアップロードされています。
映画『レディ・プレイヤー1』のようなVR世界を、体験してみてはいかがでしょうか?
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。