スマートフォンやゲーム、IoT家電など、便利な生活には欠かせないWi-Fi。何気なく使っているWi-Fiにも、さまざまな規格があり、通信速度や接続できる帯域も違います。ネットが遅いと思ったら、Wi-Fiの規格が古かった、というケースもあるかもしれません。
この記事では、世代別の規格を見やすい一覧でご紹介。また規格の確認方法やそれぞれの違い、現行の高速Wi-Fi規格についても解説します。
ライター:荒井啓仁
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wi-fiの規格とは
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普段何気なく使っているWi-Fi(ワイファイ)は、デバイスとインターネット回線を無線でつなぐ通信技術です。Wi-Fiには「通信規格」と呼ばれるルールがあり、異なるメーカーやデバイスが互換性を持って接続できるように定められています。「IEEE 802.11」という名前は各規格で共通しており、数字の後ろについている「a」や「ac」でも規格の判断が可能です。現行の最新規格は、「Wi-Fi7」(IEEE 802.11be)。2024年に策定され、対応するデバイスやルーターも増えてきています。
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世代 | 新名称 | 規格名 | 最大通信速度 (理論値) | 周波数帯 | 最大帯域幅 |
第1世代 (1997年) | – | IEEE 802.11 | 2Mbps | 2.4GHz帯 | 22MHz |
第2世代 (1999年) | IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 | 20MHz | |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 | 22MHz | ||
第3世代 (2003年) | IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 | 20MHz | |
第4世代 (2009年) | Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 | 40 MHz |
第5世代 (2013年) | Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz帯 | 160 MHz |
第6世代 (2019年) | Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz帯/ 5GHz帯 | 160 MHz |
Wi-Fi 6E | IEEE802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 /6GHz帯 | 160 MHz | |
第7世代 (2024年制定) | Wi-Fi 7 | IEEE802.11be | 36〜46 Gbps | 2.4GHz帯/ 5GHz帯/ 6GHz帯 | 320 MHz |
規格の調べ方
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使っているルーターの規格を確認するには、製品ページやパッケージ、説明書の「無線LAN規格」の欄に対応している規格が記載してあります。パソコンやスマホなど、Wi-Fiを受け取るデバイスの一部では、設定画面でも規格が確認可能です。
Windowsの場合
スタートメニューの「設定」から、「ネットワークとインターネット」を選択し、「プロパティ」を開きます。Wi-Fiのプロパティから「プロトコル」を開けば、Wi-Fiの規格が記載されています。
Macの場合
Macの場合は「Option」キーを押しながらWi-Fiアイコンをクリックし、メニューを開きます。「PHYモード」の項目を確認しましょう。
スマートフォンの場合
iPhoneでは設定画面から対応しているWi-Fi規格の確認は行えません。Apple公式サイトのWi-Fi仕様のヘルプページから、各機種の対応規格が確認可能です。
Androidを利用している場合、[設定]から[ネットワークとインターネット(※)]を開き[インターネット]で、接続中のWi-Fiは確認可能。ただし、機種自体がどの規格に対応しているかは、説明書やメーカーサイトを確認する必要があります。
※機種によって、名称に違いがあります。
現行の高速Wi-Fiはこの2種類
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Wi-Fi7
2024年、すべてのデバイスに超高速通信をもたらすために登場した最新の規格が「Wi-Fi 7」です。高速通信かつ幅広い3つの周波数帯域を利用可能で、複数デバイスの同時接続性能も向上、とインターネットをより快適に利用できる規格です。最新のスマートフォンやルーターではすでに導入されており、利用が広まってきています。
通信速度は従来の2倍!
速度は従来の「Wi-Fi6 / 6E」が最大9.6Gpsだったのに対し、「Wi-Fi7」は約4.7倍の最大46Gpsと大きくパワーアップ! 動画やゲームなど、無線接続もより快適に楽しめるでしょう。
3つの周波数と2倍になった帯域幅で快適に
「2.4GhZ / 5GHz / 6GHz」と、3つの周波数帯域を利用可能なので、使用する機器が多くても干渉を気にせずWi-Fiを利用できます。Wi-Fi7では、一度に利用できるチャンネル幅も160Mhzから320Mhz(6Ghz帯のみ)に広がりました。チャンネル幅とは、一度にやりとりできるデータ量を指す言葉。例えるなら、チャンネル幅は、トラック(データ)の通る道路の広さといえるでしょう。
複数デバイスを接続しても快適!
Wi-Fiには、複数デバイスが接続する環境でも速度が低下しないように、MU-MIMO(Multi-User MIMO)という技術が導入されています。既存のWi-Fi6では最大8台まででしたが、Wi-Fi7ではデータレーンが2倍になったことで、最大16台まで接続可能になりました。
Wi-Fi6
「Wi-Fi6」は2019年から提供が開始されたWi-Fiの規格。最新のWi-Fi7には劣るものの、対応している機種の多さとシェアの高さから、まだまだ現役の規格といえるでしょう。Wi-Fi6はMIMOという技術が採用されたことで、高速通信が可能になった規格。これまでのWi-Fi5と比べて、通信速度が1.4倍となりました。複数の端末に同時に電波が届く技術も使われており、安定してスムーズな通信が可能。デバイスの通信機能を適宜スリープにさせる技術もあるため、バッテリー消費が抑えられるのもWi-Fi6の特徴です。Wi-Fi6対応ルーターもシェアを伸ばしており、Wi-Fi7がサービス開始してもWi-Fi6を利用する機会は多いかもしれません。
Wi-Fi6E
「Wi-Fi6E」は2022年より提供されている「Wi-Fi6」の拡張版です。通信速度などはWi-Fi6と変わりませんが、「2.4GHz / 5GHz」以外に、新たに6Ghzの帯域を使えるようになっています。
6以前のWi-Fiは?
現行の「Wi-Fi6〜7」以前に使われていた規格が「Wi-Fi4〜5」。2013年にサービス開始した「Wi-Fi5」の最高速度は6.9Gbpsと、Wi-Fi6よりもやや遅めです。今ではほとんど見ることのなくなった「Wi-Fi4」は、最大速度600Mbgsと、現代の基準ではかなり遅い速度。もしお使いの機器がWi-Fi4対応だった場合は、買い替えを検討してもいいかもしれません。
まとめ
無線での高速通信を実現した最新規格のWi-Fi7。Wi-Fiの速度が遅いと感じる場合は、利用している機種の規格を確認してみましょう。
CLIPでは、Wi-Fiのお困りごとや快適に使う方法を多数ご紹介。ぜひ関連記事もご覧ください
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