パソコンだけネットが遅い原因と解決方法

自宅で複数のデバイスを使い分けている人の中には「パソコンだけネットが遅い！」という経験がある人もいるのではないでしょうか？ インターネットが遅い場合、回線速度に問題がある以外にも、パソコンやブラウザーに問題がある可能性も考えられます。
この記事では、パソコンだけネットが遅い場合の原因と解決方法を紹介します。

ライター：CLIP編集部

まずは回線速度をチェック

パソコンだけネットが遅いと感じた場合、まずは回線速度の確認をしましょう。Webページの閲覧や、動画の再生の際に注目したいのが下り（ダウンロード）速度。回線速度は測定サイトなどで調べられます。
パソコンだけネットが遅いと感じる場合は、パソコン以外のデバイスでも測定してみましょう。回線速度が遅い場合、この記事を参考に原因を探りながら対処しましょう。また速度に問題がなければ回線以外の要因が考えられます。

回線速度が遅い場合にまずすべきこと

回線速度が遅かった場合、いくつかの要因が考えられます。OSのバージョンや使用ブラウザー、セキュリティーソフトなど、下記の手順を参考に各項目を確認してみましょう。

まずはパソコンとルーターの再起動

パソコンだけネットが遅い場合、まず試したいのがパソコンとルーターの再起動。パソコンの電源を落とし、ルーター→ONU（モデム）の順番に電源コードを抜き、30秒以上放置しましょう。抜いたときとは反対に、ONU（モデム）→ルーターの順番に電源を差し、5分ほど待てばルーターの再起動が完了します。最後にパソコンを再起動すれば手順は完了です。

OSのバージョンを確認する

再起動してもパソコンだけネットが遅い場合は、OSのバージョンも確認しましょう。OSのバージョンが古いと、パソコンの動きが最適化されてない可能性も考えられます。

Windows10/11の場合

Windows10/11を使用している場合は、画面左下の［Windows］ボタンから、［設定］へ進みます。［設定］に入ったら［システム］をクリック。左下にある［バージョン情報］をクリックすると、［Windowsの仕様］から現在のOSのバージョンが確認できます。

Macの場合

Macを使用している場合は、画面左上にある［Appleメニュー（リンゴのマーク）］を開き、［このMacについて］をクリックしましょう。画面中央下に［MacOS］という項目があり、現在のOSバージョンが確認できます。

ブラウザーに問題がある場合もあるので確認

パソコンだけネットが遅い場合、利用しているブラウザーに問題があることも考えられます。拡張機能を追加しすぎた場合やキャッシュの影響で、回線速度は問題ないのにインターネット閲覧に時間がかかることもあり得ます。拡張機能を追加している場合は、必要最低限のもの以外はアンインストールしてみましょう。
ブラウザーのキャッシュ削除はブラウザーによって手順が変わるため、使用しているブラウザーごとに下記を参考にしてください。

Google Chrome

ウィンドウ右上の「︙（設定メニュー）」をクリックし、［その他のツール］を選びます。［閲覧履歴の削除］押すと小ウィンドウが開くので、［キャッシュされた画像とファイル］にチェックを入れ［データを削除］をクリックすればキャッシュの削除は完了です。

Microsoft Edge

ウィンドウ右上の「…（設定など）」ボタンから［設定］へ進みます。［プライバシー、検索、及びサービス］から［閲覧データのクリア］を選択。［閲覧データを今すぐクリア］から［クリアする内容］を押し、［時間の範囲］メニューから時間を選択しましょう。［キャッシュされた画像とファイル］にチェックを入れ［今すぐクリア］を押せば完了です。

Safari

Safari（Mac）の場合は、ウィンドウ左上の［Safari］から［環境設定］を開きます。［環境設定］ウィンドウから、［詳細］のタブを選択。ウィンドウ下部に［メニューバーに”開発”メニューを表示］にチェックを入れると、画面上部のメニューバーに［開発］というメニューが追加されます。［開発］メニューを開き、［キャッシュを空にする］をクリックすればキャッシュが削除できます。

Mozilla Firefox

ウィンドウ右上の「≡」ボタンから、アプリケーションメニューを開きます。［履歴］の項目から［最近の履歴を消去］を選択。小ウィンドウが開くので［キャッシュ］にチェックを入れ、［OK］をクリックしましょう。

セキュリティーソフトを止めてみる

パソコンだけネットが遅い場合、セキュリティーソフトが影響している場合もあります。セキュリティーソフトが最新に更新されているか確認し、古い場合は更新します。改善されない場合は一度セキュリティーソフトを無効にして、インターネットに接続してみましょう。ただし、セキュリティーソフトを無効にしてしまうと、コンピューターウイルスやマルウエアへの感染リスクが高くなってしまうので慎重に行い、確認後は忘れずに再度ソフトを有効にしておきましょう。

パソコンのスペックが低い可能性

改善手段を試してみてもパソコンだけネットが遅い場合は、パソコンのスペック自体が現在の使用状況に追いついていない可能性も考えられます。パソコンを長年使っている場合は、現行のOSなどに合っていないこともあり得るので、パソコンの買い替えやパーツの交換などを検討してもよいかもしれません。

Wi-Fi接続の場合はルーターの置き場所や周波数帯に注目

有線接続ではなく、Wi-Fiでパソコンを接続している場合、ルーターの置き場所や周波数帯を変えるだけで速度が改善されるかもしれません。

ルーターの置き場所で速度が変わる？

ルーターは一度設置すると、基本的に設置場所固定で手を触れることが少ない機器。ルーターの設置場所として閉所に収納したり、他の家電とまとめて設置している方も多いのではないでしょうか？　ルーターの電波は周波数帯によっては壁や水の影響を受けてしまうばかりか、家電から発せられる電磁波などにも影響されてしまいます。ルーターの設置場所を確認して、適した場所に設置することで通信速度が改善されることも考えられます。

周波数帯を変えてみる

Wi-Fiの周波数帯を変えてみると通信速度が改善される可能性も考えられます。Wi-Fiで主に利用されている周波数帯は2.4GHzと5GHzの2種類。
2.4GHzは壁などの障害物に強く、電波が遠く届きやすいのが特徴ですが、スマートフォンやゲーム機、家電などでも利用されている周波数帯なので、他の機器から電波干渉を受けてしまいやすいのが難点です。
5GHzは基本的にWi-Fiルーター専用で用意されている規格なので、電波の干渉を受けにくいのがメリット。周辺機器など気にせず利用できます。壁などの物理的な障害物には弱く、通信距離が長くなると不安定になってしまうので、ルーターの設置場所を考える必要があります。

ルーター自体の買い替えや交換も検討

ルーターの置き場所や周波数帯を変えても回線速度が改善されない場合は、本体の買い替えや交換を検討するのもよいでしょう。同時に接続している機器の数や設置しやすさなど、現在の利用状況に合ったものに買い替えてみるのもひとつの手です。

有線接続の場合はケーブルや周辺機器を確認

Wi-Fiよりも安定した通信が魅力的な有線接続。有線接続なのにパソコンだけネット速度が遅い場合は、LANケーブルやハブなど周辺機器を確認してみましょう。

LANケーブルも要確認！

有線接続でインターネットを利用しているパソコンだけ回線速度が遅い場合、LANケーブルに問題がある可能性も考えられます。有線接続のつもりが、LANケーブルが断線していてWi-Fi接続に切り替わっていたというケースもあり得るでしょう。LANケーブル自体が古かったり、高速通信に適した規格ではないことも考えられるため、パソコンだけネットが遅いのに原因が分からない場合は、LANケーブルも確認することが大切です。

ハブなどの周辺機器を確認

インターネット接続を中継するハブやルーターに問題があれば、有線接続でもネットが遅くなってしまいます。ONUやルーターの確認はもちろん、インターネットハブを利用している場合は、分配している機器の数にも注意しましょう。ルーターと違い、ハブはネットワークを分配しているだけに過ぎないので、多数接続しているとインターネット速度が遅くなってしまう可能性も考えられます。インターネット周辺機器の確認も大切ですが、接続している機器の数の確認も大切です。

パソコン内部のネットワークアダプターが原因の場合も

パソコンだけネットが遅い場合、パソコン内部のネットワークアダプターに原因がある場合もあり得ます。画面左下の［Windows］ボタンを右クリックし、［デバイスマネージャー］を選択し起動します。［ネットワークアダプター］をダブルクリックし、一覧を表示。使用しているネットワークアダプターを選び、右クリックします。［ドライバーの更新］を行うことで、ネットワークアダプターのドライブを最新のものに更新できます。

まとめ

スマートフォンやゲーム機器は問題ないのにパソコンだけネットが遅い場合、本記事で紹介したようにパソコン本体やルーターなどの周辺機器や、利用環境の問題といった、さまざまな要因が考えられます。ひとつずつ状況を確かめ、原因をさぐりながら改善を試みることが大切です。
さまざまな手段を試しても回線速度が改善されない場合は、回線契約の見直しを検討してみてもいいかもしれません。