ECサイトにSNSなど、便利なサービスがあふれたネット社会。会員情報を登録するためにはパスワード設定は必要不可欠です。サービスが増えれば増えるほど、パスワードの管理が大変になりますよね。
今回は、日ごろプライベートで利用するサービス・SNSなどのパスワードにおける管理の重要性・注意点、およびおすすめの管理方法を紹介します。
ライター:CLIP編集部
適切なパスワード管理の重要性
適切なパスワードの管理は、インターネットを安心して利用する上では必要不可欠です。管理方法を比較する前に、設定しているパスワードが安全なものかをしっかりと確認しましょう。
安全なパスワードとは?
内閣サイバーセキュリティーセンターが発行する『インターネットの安全・安心ハンドブック』では、「総当たり攻撃」のリスクを極力減らす安全なパスワードの文字列の組み合わせとして「英大文字小文字+数字+記号で10桁以上」が紹介されています。「総当たり攻撃」とは、パスワードに入力できる文字列をすべて試すという暗号解読の手法。この組み合わせなら機械入力だとしても、かなりの時間が必要になります。
また、安全なパスワードの設定と併せて多要素認証を設定することで、万が一パスワードが流出した場合も乗っ取りを困難にする可能性があります。普段から活用しましょう。
危険なパスワードとは?
パスワードの突破手段の一つに「辞書攻撃」という方法があります。「辞書攻撃」とは一般的な用語や人名からパスワードを推測する手段のこと。攻撃される機会を減らすためにも、パスワードはできる限り一般名詞を避けたものを設定しましょう。
「IDと同じ文字列」や「同じ文字列や規則性のある文字列」など、人力で試せてしまうようなパスワードは避けるのがおすすめです。
定期的に変更するのはNG?
以前は、「パスワードは定期的に変更したほうがよい」という意見もよく見られましたが、現在は定期的な変更は不要とされています。「国民のためのサイバーセキュリティーサイト」によると、パスワードの基準を定めず作り直す機会が増えることでパスワードの作り方が単純化・パターン化し、サービス間で使いまわすおそれがあるとのこと。パスワードは安全性の高いものに設定し、変更は流出してしまった場合のみにしましょう。
パスワードを管理する上での注意点
パスワードを設定・管理する場合は、どのような点に気をつければよいのでしょうか? 注意点を2つ紹介します。
1.サービスごとに、違うパスワードを設定する
1つのサービスでパスワードが漏洩した場合、ドミノ倒し的に複数サービスで不正アクセスを許してしまう危険性があります。
「とりあえず覚えやすいもの」として複数のサービスやWebサイトで同じパスワードを使いまわしている方がいらっしゃるかもしれません。もし同一パスワードを使いまわしていると、1つのサービスでパスワードが漏洩してしまった場合、複数のサービスでも不正アクセスをされてしまう危険性が高くなります。
パスワードはサービスごとWebサイトごとにそれぞれ違うものを設定することが重要です。
2.オフラインでも管理できる方法がおすすめ
パスワード管理のツールやアプリは、流出リスクを極力減らすことを考慮すると、ネットワークに接続しなくても動作する「スタンドアローン」方式や「多要素認証」に対応しているものを選ぶと良いでしょう。パソコンやスマートフォン内のメモ帳や表計算ソフトでの管理もオフライン状態で起動できるためおすすめです。
ただし、パスワード管理するパソコンやスマートフォンなどの機器がインターネットにつながっている以上、パスワード漏えいのリスクはゼロではない点は注意しましょう。機器自体がコンピューターウイルスやマルウェアに感染してしまえば元も子もありません。パスワード管理も大切ですが、根本のセキュリティー意識を高めることが大切です。
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パスワードを管理するおすすめの方法3選
パスワードを管理するおすすめの方法を紹介します。紹介した方法を組み合わせて管理・運用してもいいでしょう。
1.パスワード管理ツール・アプリでの管理
「1Password」や「Keeper」など、パソコンやスマートフォンで利用できる管理ツールでパスワードを管理する管理方法です。
SNSを含めた各種会員サービスにアクセスする際のIDとパスワード情報を、クラウドや端末に保存して管理してくれます。クラウドの利用をしているツールも多くあるものの、企業で利用されているツールもあるためセキュリティ性は高いといえるでしょう。ツールによって機能は違うものの、ほとんどのツールでは、「IDとパスワードの保存」以外にも、「パスワードの自動生成」や「ログイン画面での自動入力」、「端末間での動機」など、インターネット利用に便利な機能が多いのも特徴です。インターネット上のサーバーに保存される「クラウド型」、端末にデータが保存される「スタンドアローン型」などがあるので、用途にあったタイプを選びましょう。
iOSやAndroidなど、OSの機能としてパスワード管理ツールが搭載されている場合もあります。
メリット
パスワード管理ツールのメリットは、複数サービスでも管理が簡単な点です。上述したように安全性の高いパスワードを自動生成してくれる管理ツールもあり、複雑なパスワードを考える手間もパスワードを探す手間も省けます。また、サービスログイン時に自動的にID・パスワードを入力してくれるものもあるので、管理ツール・アプリからのID・パスワード転記不要で便利なのもメリットのひとつでしょう。
デメリット
パスワード管理ツールに登録したパスワードは、暗号化されているため漏洩しても悪用される可能性は低いでしょう。しかし、万が一運営会社がハッキングされてしまう可能性もゼロではありません。極力、多要素認証が採用されているものを選択するといいでしょう。またサービスによってはコストが発生する点もデメリットのひとつでしょう。
2.アナログ管理
インターネット上への漏えいリスクが少ないのがアナログ管理です。パスワード管理用のノートや手帳に記載したり、Excelなどで作成した表をプリントアウトしたりして保管するなどの方法があります。
メリット
アナログ管理のメリットは、インターネット経由での漏洩リスクがほとんどない点が挙げられます。紙とペンさえあれば管理ができてしまうので、ツールやソフトの導入などに費用がかからない点もメリットといえるでしょう。
デメリット
アナログ管理のデメリットは、紛失や盗難・破損などの危険性がある点です。また紙にパスワードを記述する際に間違えて記述したり、パスワードを変更した際に紙データへの反映忘れをしたりなど、ヒューマンエラーが起こりやすい点も考えられます。
なるべく持ち歩かない、保管場所を決めておく、記述の際はチェックするなど管理・運用方法には十分注意が必要です。
3.電子ファイルでの管理(メモ帳・Excelなど)
アナログ管理と管理ツールの中間ともいえる、メモ帳やExcelなどの電子ファイルでの管理・保管もパスワード管理方法のひとつです。データはクラウド上に保存せず、ローカルディスクへ保存すれば、漏洩のリスクも下がります。
メリット
パソコンやスマートフォンに標準搭載されているメモ帳や表計算ソフト(Excel・Numbersなど)なら費用もかからずに簡単にパスワードを管理できます。アナログ管理では、書き換えたり書き直したりと、ひと手間かかるパスワードの追加や変更も、メモ帳や表計算ソフトならアナログ管理ほど手間もかからずに管理可能です。
デメリット
デメリットは、パスワード変更時にファイルの更新を忘れると、変更したパスワードを忘れて再発行が必要になるなどの手間が発生する点や、パソコン自体がハッキングされてしまうと成すすべもない点です。デバイスのセキュリティー対策はOSのバージョンを最新に保ち、セキュリティーソフトを導入するなど、パソコン自体のセキュリティー対策を強固にするとよいでしょう。
まとめ
アカウントへの不正アクセスを発生させないために、まずは安全なパスワードを設定し、使いまわさないことが大切です。しかし増え続けるパスワードのパスワード管理も重要です。パスワードが多くなれば管理も複雑になってしまうからこそ、今回の記事を参考に、ご自身に合った適切な管理方法を見つけましょう。
安全なインターネット利用には、パスワード管理以外にもパソコンやスマートフォン自体のセキュリティー対策も大切です。eo光ネットとセットでご利用いただける「eoセキュリティーパック」なら、パスワードの管理も行えるだけでなく、メールのウイルスチェックなどもまとめて行ってくれます。インターネットのセキュリティーに不安のある方はぜひ検討してみてください。
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