Flash Player終了の理由&アンインストール方法。栄枯盛衰の歴史

2020年12月31日、インターネットの一時代を切り開いたアドビの「Flash Player」のサポートが完全終了しました。2021年1月にはコンテンツの実行をストップさせる「キルスイッチ」なるものを発動させたようです。

インターネットライフを安全に過ごすために必要な「Flash Player」のアンインストールの方法の紹介と、栄枯盛衰を振り返りたいと思います。

ライター:CLIP編集部

「Flash Player」のアンインストール方法

「Flash Player」のアンインストール方法-画像

まずはAdobe Flash Playerのアンインストール方法をご紹介します。環境によっては複数のFlash Playerがインストールされていることも。1つをアンインストールしてもまだ残ったFlash Playerがパソコンの中で実行されている可能性があります。
そこで、安全で快適なインターネットライフを過ごすために、アンインストールしていきましょう。

Flash Playerのアンインストーラーをダウンロード&実行

アドビでは、Flash Playerのアンインストーラーを配布しています。まずはダウンロードしましょう。

プログラムを実行する前に、Flash Playerを使用しているWebブラウザやバックグラウンドアプリを終了しなければなりません。バックグラウンドアプリについては、タスクバーのシステムトレイに隠れているアイコンでチェックしましょう。

全てのアプリケーションを終了できたら、画面の指示に従ってアンインストーラーを実行。
これでアンインストールは完了となります。

このアンインストーラーはGoogle chromeなどのWebブラウザに内蔵されたFlash Playerについては、適応していません。しかし各Webブラウザでは、自動で無効化・削除する対応が取られているので、最新のバージョンでない方はWebブラウザのアップデートを行いましょう。

1996年、伝説の始まり。「Flash1」の誕生

ここからはFlashの歴史と終了した理由を見ていきます。
Web「おもしろフラッシュ」「フラッシュゲーム」などのコンテンツで、一世を風靡したFlashの始まりは1996年。それ以前は、動画やアニメーションが使われたサイトは通信回線の容量的に難しく、文字や画像が載っているのみ。Flashの登場はインターネットの革命でした。

2005年にアドビが買収するまでFlashは「Macromedia Flash」と呼ばれていました。
もともとFlashは、アメリカのソフトフェア会社マクロメディアがネット上で動画やアニメーションを再生させる規格、およびそれを作成するアプリケーションとして開発したもの。
Flashで作られた動画やアニメーションは比較的小さなデータ量で再生することができるため、開発以降はゲームやサイトなどのインタラクティブな要素で頻繁に活用されていきました。

サブカルとの融合で始まるFlash黄金期「恋のマイアヒ」「ペリー来航」

サブカルとの融合で始まるFlash黄金期「恋のマイアヒ」「ペリー来航」-画像

日本におけるFlash黄金期は2000年代前半。Flashで作成されたコンテンツが、若い世代を中心に人気を博しました。特に掲示板サイト「2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」には、有名作品のパロディーや時事ネタなど、多数の作品が掲載。
有名な作品には、「開国してくださ~い」でおなじみの「ペリー来航」や、ラーメンズのネタのパロディである「千葉!滋賀!!佐賀!!!」などがあります。また洋楽の空耳をネタした「恋のマイアヒ」や「もすかう」は、作品の人気にマスメディアが注目して原曲がCMやテレビで流されました。

これらの作品を作るクリエイターは「Flash職人」呼ばれ「イイ・アクセス」「かーずSP」「ホタテプロダクツ」など、数多のWebサイト・クリエイターたちがしのぎを削っていました。

そんな多くの作品がまとめられていたのが、類似した名前でいくつも存在した「フラッシュ倉庫」です。「Yahoo! JAPAN」の上位50位を掲載した検索ワードランキングでは、2004年から2007年までランクインするほどの人気ぶりでした。
Flash Playerの終了を惜しみ、2020年にはTwitterのハッシュタグ「#まだ生きてる歴史的Flashページを紹介する」が一時トレンドに入りました。

YouTubeの台頭で終わりを見せるFlashコンテンツ

YouTubeの台頭で終わりを見せるFlashコンテンツ-画像

Flashコンテンツの陰りが見え始めたのは、「Youtube」が誕生した2005年からだと考えられます。この頃にはインターネットのブロードバンド化が進み、Flashで作成した小さなデータ量の動画ではなくても快適に再生することができるようになっていました。
翌年の2006年には「ニコニコ動画」が、2007年には「Ustream」など、多くの動画共有サービスが誕生して、豊富な数のビデオの閲覧はもちろん、ライブ配信の需要が高まっていきました。

こういった時代の影響を受け「動画はFlashコンテンツ」の時代が終わりを見せ始めました。しかし「Youtube」や「ニコニコ動画」などの閲覧にFlash Playerを必要としたため、再生ツールとしての「Flash」はまだまだ現役だったのです。

セキュリティの脆弱性、そして「HTML5」の誕生が決定打に

ただFlash Playerにはセキュリティに重大な欠点がありました。そのセキュリティホールを狙うがごとく、多くのハッカーがウイルスを作成。コンピュータシステムのクラッシュなど多くのユーザーが悩まされていました。
この問題にいち早く警笛を鳴らしたのが、当時AppleのCEOだったスティーブ・ジョブズです。Appleでは2010年からiOSでFlashを排除。セキュリティの脆弱性、メモリーの大量消費、指先での操作には向いていないことが理由でした。
これに続きAndroidでも2012年からはFlash非対応となり、スマホでのインターネット閲覧環境の増加に反比例するように、Flashの存在は薄れていきました。

セキュリティの脆弱性、そして「HTML5」の誕生が決定打に-画像

決定打となったのが、新たなオープンソースのプラットフォーム「HTML5」の登場です。2008年に発表された「HTML5」は、「HTML4」では不可能だったビデオやオーディオの再生が可能となり、Flash Playerに変わる技術として確立されました。
2008年以降に発表された多くのWebブラウザはHTML5に対応するようになりました。
Flashの開発元であるアドビでも、2011年にモバイル用のFlash Playerの開発を中止。2017年以降はHTML5の推進に前向きになり、FlashからHTML5に変換するツールをリリースするようになりました。

そしてアメリカ時間の2017年7月25日、Flash Playerの配布とアップデートを2020年に終えることを発表。2020年12月31日に完全にサポートが終了したのでした。

まとめ

インターネット分野で一時は世界標準になり、作成されたコンテンツは日本で大ブームを起こしたFlash。1つの技術が終わる瞬間に立ち会えたことは感慨深いものがあります。
動画コンテンツの制作や視聴、そしてクリエイティブな技術など、Flashが担っていた多くの役割が次のシステムへ引き継がれています。過去を惜しみつつも、これからのインターネットライフを快適に過ごしていきましょう。


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