リモートワークが急増している近年、自宅での作業効率を高めるため、パソコンの周辺機器を充実させる人が増えています。ノートパソコンなどの外付け・拡張ディスプレイとしてのマルチモニタの需要も高まっています。本記事では日々アップデートされるディスプレイをスムーズに使いこなすため、設定の基礎知識や2台使いのデュアル仕様について紹介。長時間の作業でも体に負担がかかりにくくする方法についても解説します。
ライター:CLIP編集部
一般的なディスプレイの基礎知識・設定方法
一般的なパソコン用ディスプレイの基礎知識・設定方法を紹介します。
グレアとノングレア
ディスプレイの基本的な知識として、まず知っておきたいのが画面の光沢の違い。液晶の表面に光沢やつやがあるものをグレア。逆にマットな質感で光沢がないものをノングレアと言います。
グレア…はっきりとしたメリハリでクリエイティブ系の作業向き
現在ではノングレアが主流になりつつありますが、それぞれ用途に応じて向き不向きがあります。グレアは黒をはっきりと映し出しメリハリの付いた印象を与えるので、クリエイティブ系での需要が多い傾向にあります。ただ、光沢の影響で映り込みをしやすく、長時間使用すると目が疲れやすくなります。
ノングレア…映り込みが少なく長時間の作業に向く
ノングレアは映り込みが少ないので目の負担が少なく、長時間のゲームや文字入力や計算などの作業に適しています。しかし、発色の性能においてはグレアよりもぼんやりした印象を与えるため高度なグラフィックを本来の美しさを表現できない場合があります。
解像度
画面の印象に大きく影響するのが解像度。フルHD(1920×1080)の場合、横に1920個のドット、縦に1080個のドットが配置され、画面全体で207万3600個のドットが並んでいることを表します。近年では4Kや8Kといった高画質のモニターも登場しています。
スピーカー
スピーカーが内蔵されているディスプレイはHDMIやDisplayPortの端子でパソコンと接続すると音声を出力できます。ただ音質を重視するのであれば外付けのスピーカーを接続すると良いでしょう。
PC用ディスプレイの設定方法
パソコン用ディスプレイの基本的な設定を紹介します。
設定画面の開き方
ディスプレイの設定はWindowsであれば、「スタート」>「設定」>「ディスプレイ」に進んで調整します。ここでは解像度をはじめ、画面の明るさや文字の表示サイズなどを設定できます。
Macの場合は「システム環境設定」から「ディスプレイ」を選択し設定します。
解像度のマッチング
ディスプレイを使用する際、画面や文字がぼやけて表示されることがあります。これはパソコンから出力される解像度とモニター側の解像度の設定が揃っていないことで起きる現象です。不鮮明な画面のまま使用を続けていると目の疲れがひどくなるため、両者の解像度を揃えて設定する必要があります。この設定をドットバイドットと呼び、パソコン側の出力データをモニターで拡大・縮小しないことで鮮明な画像を表示させることができます。
デュアルディスプレイの設定方法
デュアルディスプレイのメリット
1台のパソコンから2台のディスプレイに接続して使用することをデュアルディスプレイ(モニター)といいます。画面を切り替えることなく、メインディスプレイをブラウザ、サブディスプレイをExcel作業に使ったりできます。
メインとサブディスプレイをつなげて大きな一つの画面のようにしたり、同じ画面を複製するなど、さまざまな用途があります。
多人数でオンライン会議をする際のマルチ表示など、用途の多様化で需要は高まっており、Dellが行った調査では「デュアルディスプレイを導入すると作業効率が18%上昇した」という調査報告もあります。(※)最近ではコワーキングスペースなどでも外付けディスプレイの貸し出しを行うことがあります。ただスペックの低いパソコンでデュアルディスプレイを使用するとCPUに負担がかかって作業が滞ることもあるので注意しましょう。
接続に必要な機材
一般的にパソコンとディスプレイとの接続にはHDMI端子を使用することが多いです。より高画質なDisplayPortやMini DisplayPortといった規格もあります。パソコン側とディスプレイ側で端子の規格が違っていても変換できるケーブルを使用すれば基本的にデュアルディスプレイとして使用することができます。
パソコン側での設定方法
デュアルディスプレイの設定はWindowsの場合「マルチディスプレイ」という項目があるので、プルダウンメニューの中から「表示画面を複製する」「表示画面を拡張する」「1のみに表示する」「2のみに表示する」という4つの中から表示方法を選択します。また、縦向き表示に対応している製品であれば「ディスプレイのカスタマイズ」で縦向き表示にして使うこともできます。
映像出力端子がない状態で設定するには
パソコン側にデュアルディスプレイに回せる映像出力端子がない場合は、USBをHDMIに変換することで映像出力を行えます。専用の変換器とケーブルを購入し、パソコンにドライバをインストールすれば変換が可能になります。同じUSBでも最近では高速通信規格であるThunderboltに対応したUSB Type-Cポートを搭載したパソコンも発売されています。これであれば変換器がなくても接続するだけで映像を出力できます。
目・肩などに負担がかかりにくいディスプレイの設定方法
長時間ディスプレイを見ていると目や肩が疲れてしまいます。なるべく目・肩などに負担をかけにくいディスプレイの設定方法を紹介します。
ブルーライトや明るさの設定を変えて目の負担を軽減
長時間パソコン作業を行っていると目や肩が疲れやすくなります。主な原因はディスプレイのブルーライトが原因と言われています。ブルーライトそのものは太陽光にも含まれますが、朝浴びる強い光のため大量に浴びすぎると目の疲れや覚醒・興奮状態に繋がりやすくなります。
対策としてはディスプレイ輝度の再設定や夜間モードを使用したり、ブルーライトをカットするフィルムを画面に貼り付けるのも効果的です。
チラつきの原因となっている調光方式にも着目
ディスプレイの明るさを調整する調光方式も目の疲れの原因の一つと考えられています。現在、店頭で販売されているディスプレイのLEDバックライトは大半が「PWM(Pulse Width Modulation)調光」を採用しています。この方式はLED素子が点滅する時間を調整して明るさを変化させ、その際に起こる画面の点滅がフリッカーと呼ばれるチラつきになって目を疲れさせることがあります。最近ではフリッカーを発生させないDC調光や、PWMとDCのハイブリッドによるEyeCare調光という技術も開発され、疲労感の軽減に大きく役立っています。画面のチラつきについては、それ以外にも画面の表示が1秒間にどれだけ切り替わるかを示すリフレッシュレートが低く設定されていることが原因になっていることがあります。リフレッシュレートは「ディスプレイの詳細設定」(Macの場合は「システム環境設定」→「ディスプレイ」)を開き、手動で設定することができます。
操作時の目線や姿勢もチェック
パソコンを操作する際の姿勢やディスプレイを見るときの目線の位置なども肩などの疲れに影響することがあります。作業時間が長くなると、ついつい猫背になって目が画面に近づいていきます。
画面からは最低でも40センチ以上顔を離すのが理想。画面がワイドになるとさらに10センチ離すぐらいがちょうど良いとされています。背筋はまっすぐ伸ばし、少し見下げるぐらいの角度を目指しましょう。1時間作業が続いた場合は10分程度目を休ませ、遠くを見るなど目の焦点をリセットするように心がけるのも大切です。可能であればディスプレイは机に対して垂直ではなく、角度を変えられるものを選ぶようにしましょう。
まとめ
ディスプレイ設定について知っておけば長時間の使用の際に大きな助けになること請け合いです。また、機能の向上で次々と登場する新製品も快適な使用感を追求し、作業効率のアップに繋がります。ぜひ一度ディスプレイの設定をチェックしてみてはいかがでしょうか。
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