インターネット上で検索すればすぐに出てくるイラストや音楽などのフリー素材。プレゼン資料に、Webサイトにと便利でよく使う方は多いかもしれません。ただし使い方によっては違法(規約違反)になる可能性があるため、注意が必要です。
今回は素材サイトの利用規約に書かれている「商用利用」や「営利利用」の許容範囲を解説したいと思います。
ライター:佐倉一史
商用利用・営利利用とは?
「商用利用」を辞書で調べると、「営利目的で利用すること。その資源を二次利用したり、販売チャネルとして用いたりすることで利益を得ること」と記載があります(実用日本語表現辞典)。
つまり、直接・間接の関係なく、利益に繋がる活動に利用することを指しています。
反対に利益を伴わない利用は「個人利用」「私的利用」と呼ばれています。
もしフリー素材のサイトであっても、利用規約に「商用利用不可」と書かれていれば、何でも自由に使っていいわけではないのです。
商用利用・営利利用の範囲はどこまで?
商用利用・営利利用の範囲について説明します。
これから紹介する事例は、基本的な商用利用に分類される使用法です。しかし、これら以外の使用用途が商用利用に含まれないわけではありません。素材サイト・サービス提供元ごとに使用制限が異なる可能性があります。
さらに、原著者の死後70年を経過した作品のパブリックドメインや、クリエイティブ・コモンズなど、権利者が独自に定める場合は例外もあるので注意しましょう。
例えば有名な無料素材サイト「いらすとや」のイラストは、商用利用可です。イラストのトリミングや補正など、ある程度自由に使用することができますが、1つの記事もしくは動画、ビジュアルに使用できるのは20点までと決められており、それ以上は有料となります。
必ず各Webサイトの利用規約を確認して、不明点はWebサイトの運営会社へ問い合わせるなどしてから使用しましょう。
商用利用・営利利用に含まれる具体例
1.画像素材を使って商品を開発・販売する
サービス提供元で「商用利用可」とされていても、基本的に著作権は素材の制作者にあります。その素材を使用しデザインされたステッカーやTシャツなどは販売できない場合が多いので注意しましょう。
ただ近年はグッズ制作・販売サービスに企業がアニメ・マンガ等のIP(Intellectual property、知的財産)をある程度自由に使える権利を提供し、個人(場合によって企業)がグッズがつくられるケースなども出てきています。
2.画像素材を名刺に使う
名刺そのものでは利益を生むように見えませんが、名刺を使った営業活動で利益が生まれる可能性があります。そのため名刺への使用は商用利用に含まれます。
3.画像や音楽素材を広告収入が得られるブログや動画に使用する
ブログやWebサイトでのフリー素材の利用で商用利用かどうかの基準は、収入の有無です。個人運営で広告・アフィリエイト等で収入を得ていない場合は、商用利用に分類されない場合があります。ただ法人・団体等での利用の場合は、サイト上に広告がなくとも商用利用と取られるケースが多いのでよく規約を確認しましょう。
4.画像素材を年賀状に使用する
年賀状を送る相手によっては、営業目的と判断される場合があります。個人から個人へ送る場合でも、商用利用可の素材を使うのが安全です。
5.画像素材をプレゼンや提案資料に使用する
プレゼンや提案資料の多くはクライアントへ提出する資料は利益が発生する可能性がありますので、商用利用に分類されることが多いです。
6.音楽素材をBGMに使用する
飲食店やアパレルショップなどで流すBGMはお店の営業に関わる要素のため、商用利用に分類されます。もし店舗で音楽を流されたい場合は商用利用可の有線やサブスクリプションサービスを利用しましょう。
まとめ
個人や企業に関わらず、最終的に利益に繋がる活動に関わる素材利用であれば、商用利用・営利利用と判断されることが多いでしょう。
ただ学校の教師が授業の資料に使う場合などは、商用利用とならない個人利用になる可能性もあります。
もし不安があるならば素材・サービスの提供元Webサイトの運営会社へ問い合わせましょう。
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