Windows10/11の回復ドライブとは?使い方・作成方法を解説

Windowsにおける回復ドライブは、OSを再インストールするための回復機能です。故障や動作不良でパソコンが動かなくなった際、回復ドライブを利用することで不具合を解消できることがあります。いざというときのために準備しておく必要があります。この記事では、Windows10/11の回復ドライブの作り方や使い方についてご紹介します。

Windows10/11の回復ドライブとは?復元ポイントとの違い

Windows10/11の回復ドライブとは?復元ポイントとの違い

まずは、回復ドライブとはどのようなものなのか、復元ポイントとはどのような違いがあるのかおさらいをしておきましょう。

回復ドライブとは?

「回復ドライブ」とは、Windowsを初期状態に戻すための情報でUSBメモリなどに事前に作成しておき、故障や動作不良を起こしたときにOSを再インストールして使用できます。Windows8以前は、リカバリーディスクというパソコンを初期化するCD-ROMが付属されていましたが、Windows10以降のバージョンにはリカバリーディスクがついていません。そのため、故障や動作不良を起こしたときに備えて、自分で回復ドライブを準備する必要があります。

回復ドライブと復元ポイントの違いは?

復元ポイントとは、システムファイルの過去の状態を保存したもの。誤って必要なアプリやソフトウェア、ファイルなどを削除してしまった際、復元ポイントを利用することで、削除の前の状態にOSが戻り、失ったデータを取り戻すことができます。

回復ドライブとの違いは、USBなどの外部デバイスではなく「パソコン本体のストレージにバックアップが保存される」点。そのため、パソコンが起動しない、正常に動作しない状態になると、復元ポイントは利用できません。それぞれ利用できるシーンが異なるため、どちらも準備しておくのが良いでしょう。


保存場所特徴
回復ドライブUSBなどの外部デバイスパソコンが正常に起動・動作しなくても、外部デバイスからOSを回復できる
復元ポイントパソコン本体のストレージアプリ・ソフトウェア・ファイルなどの復元に有効。手軽だが、パソコンが正常に動作・起動しないと使えない

関連記事:Windows11でアプリやプログラムをアンインストール・復元する方法は?

Windows10/11で回復ドライブを作成する方法

ここからは、Windows10/11で回復ドライブを作成する方法について紹介します。

回復ドライブを作成する準備

まずは、回復ドライブを作成するための準備をしましょう。

回復ドライブ用の外部デバイスは何を選ぶ?

回復ドライブ用の外部デバイスは32GBのUSBメモリがおすすめです。バックアップに不具合が発生する可能性があるため、セキュリティ機能やハードウェア暗号化機能がついていないものを選びましょう。

CD-R・DVD-R・BD-R・HDD・SSDといった外部デバイスも利用できますが、ややオーバースペックです。容量が十分にあり、入手しやすくコンパクトなUSBメモリが使いやすいでしょう。中には「外付けHDDの空き容量を回復ドライブにあてたい」という方もいるかもしれませんが、それをするとHDDに保存されているすべてのデータが削除されます。くれぐれも使用しないように注意してください。

回復ドライブを作成するタイミングは?

リカバリーディスクの代替になるように、まずは初期セットアップが済んだ後に回復ドライブを作成しましょう。その後は、もうひとつ別のUSBメモリを用意して、OSアップデートの前に作成するのがおすすめです。アップデート用のUSBメモリはデータを上書きしても大丈夫ですが、初期化用のUSBメモリは上書きしないようにしてください。

回復ドライブの作成手順

回復ドライブの作成手順を紹介します。以下のステップで作成してみてください。

1. タスクバーの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力して検索し、アプリを開きます

1. タスクバーの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力して検索し、アプリを開きます

2. 「表示方法」を大きいアイコンから小さいアイコンに変更し、コントロールパネルから「回復」を選択

2. 「表示方法」を大きいアイコンから小さいアイコンに変更し、コントロールパネルから「回復」を選択

3. 「高度な回復ツール」ウィンドウで「回復ドライブの作成」をクリック。「ユーザーアカウントの制御」のメッセージが表示されるので「はい」を選択します

3. 「高度な回復ツール」ウィンドウで「回復ドライブの作成」をクリック。「ユーザーアカウントの制御」のメッセージが表示されるので「はい」を選択します

4. 回復ドライブ作成ウィザードで「システムファイルを回復ドライブにバックアップします。」にチェックを入れて「次へ」をクリック

4. 回復ドライブ作成ウィザードで「システムファイルを回復ドライブにバックアップします。」にチェックを入れて「次へ」をクリック

5. USBフラッシュドライブの接続を求められるので、準備したUSBメモリを接続して「次へ」に進みます。既に接続している場合は自動的に次の手順に進みます。他の記憶媒体が接続されている場合はすべて外しておきましょう

5. USBフラッシュドライブの接続を求められるので、準備したUSBメモリを接続して「次へ」に進みます。

6. USBフラッシュドライブの選択画面で、「使用可能なドライブ」を確認して、問題なければ「次へ」をクリック

6. USBフラッシュドライブの選択画面で、「使用可能なドライブ」を確認して、問題なければ「次へ」をクリック

7. 回復ドライブの作成画面で、ドライブ上のすべてのデータが削除される旨の警告メッセージが表示されます。確認して問題がなければ「作成」をクリックして回復ドライブの作成を実行。作成完了までは1~2時間(※パソコンによって作成時間が異なる点に注意)

7. 回復ドライブの作成画面で、ドライブ上のすべてのデータが削除される旨の警告メッセージが表示されます。確認して問題がなければ「作成」をクリックして回復ドライブの作成を実行。

8. 「回復ドライブの準備ができました」と表示されたら、「完了」をクリックしてUSBメモリを取り外して完了です。

回復ドライブを使ってWindowsを復元する方法

最後に、回復ドライブでWindowsを復元する方法について紹介します。故障や動作不良が発生したら、以下のステップでパソコンを復元しましょう。なお回復ドライブは、回復ドライブを作成したパソコンでのみ復元可能です。他のパソコンでは使えないので注意しましょう。

1. 回復ドライブを作成したUSBメモリをパソコンに接続し、電源を入れます

2. スタートメニューから電源アイコンに進み、Shiftキーを押しながら再起動をクリック。PCを「Windows 回復環境 (WinRE)」 で再起動。

2. スタートメニューから電源アイコンに進み、Shiftキーを押しながら再起動をクリック。PCを「Windows 回復環境 (WinRE)」 で再起動。

3. 「Windows 回復環境 (WinRE)」が表示されたら、「オプションの選択」の画面が出るので、「デバイスの使用」をダブルクリックします

3. 「Windows 回復環境 (WinRE)」が表示されたら、「オプションの選択」の画面が出るので、「デバイスの使用」をダブルクリックします

4. 「キーボードレイアウトの選択」の画面が表示されるので、特に指定がない場合は「Microsoft IME」を選択

4. 「キーボードレイアウトの選択」の画面が表示されるので、特に指定がない場合は「Microsoft IME」を選択

5. 「オプションの選択」の画面に切り替わったら、「ドライブから回復する」をクリック

5. 「オプションの選択」の画面に切り替わったら、「ドライブから回復する」をクリック

(※)ドライブの暗号化がオンの場合、「使用できる状態に戻すには回復キーを入力してください」という画面が現れます。回復キーとは、パソコンに保存された48桁の数字です。以下のサイトにアクセスし、Microsoftアカウントにログインすると確認できます。もし見つからない場合は、こちらから確認するか、Microsoftに問い合わせてみてください。

BitLocker回復キー

ドライブの暗号化がオンの場合、「使用できる状態に戻すには回復キーを入力してください」という画面が現れます。

6. 「ドライブから回復する」の画面が表示されたら、「ファイルの削除のみを行う」をクリック

6. 「ドライブから回復する」の画面が表示されたら、「ファイルの削除のみを行う」をクリック

7. すると「ドライブから回復する」を実行した場合の注意事項が表示される。確認して問題なければ「回復」をクリック

7. すると「ドライブから回復する」を実行した場合の注意事項が表示される。確認して問題なければ「回復」をクリック

8. 回復ドライブからWindowsが再インストールされる。インストールが終わったら、ウィザードの指示に従ってパソコンのセットアップを完了させる

関連記事:【初心者向け】Microsoftアカウントとは?設定方法・ローカルアカウントとの違い

まとめ

パソコンが故障・動作不良を起こしたとき、頼りになるのがOSを再インストールできる回復ドライブです。回復ドライブがなければ元に戻せなくなる可能性が高いため、Windows10/11をお使いの方は、万が一に備えて必ず準備しておきましょう。作り方や復元の方法がわからないという方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。


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