意外と知らないBluetooth。Wi-Fiとの違いや接続方法を解説

イヤホンやスピーカーの無線接続時に用いられるBluetooth。しかしBluetoothとは何なのか改めて問われると答えられない方もいるかもしれません。今回はBluetoothとは何か、Wi-Fiとの違いや接続方法などを解説します。

ライター：CLIP編集部

Bluetoothとは？

Bluetoothとは2.4GHz帯の無線を使った通信規格の1つで、デジタル機器間の近距離データ通信に使う世界共通の標準規格です。Bluetoothの通信にはインターネット料金はかかりません。
しかし良いことばかりではなく、現在の主な使用例であるワイヤレスイヤホンの場合は、有線のものと比較すると音質の低下や遅延のリスクが生じるなどのデメリットがあります。

Bluetoothはかつてパソコンに標準搭載されていた有線通信規格「RS-232」に代わる新しい通信技術として、スウェーデンの通信機器メーカー「エリクソン」によって開発が進められ、Wi-Fi登場から２年後の1999年に公表。

Bluetooth（青い歯）という少し変わった名称は「近距離無線通信の標準化（統一）」を実現させるものとして、10 世紀にデンマークとノルウェーの2ヶ国を無血統一したデンマーク国王、ハーラル1世の異名からつけられました。ハーラル1世は神経が死んだ青黒い死歯がある見た目から「青歯王（Blue Tooth）」と呼ばれていたそうです（諸説あり）。

よく目にするBluetoothの青いロゴマークはハーラル1世のイニシャルをルーン文字（古いゲルマンの文字）で組み合わせたものです。

Bluetoothの規格

Bluetoothの規格には性能を表す「バージョン」と通信距離を表す「クラス」、機器を繋ぐ際の共通ルールにあたる「プロファイル」の3種類が存在します。

Bluetooth はこれまでに12度のアップデートが行われ、2023年2月現在の最新バージョンは5.3。初期のバージョン1.0と比較するとエネルギー効率やセキュリティ、通信速度などの品質が大きく向上しています。ただし、その進化に伴いBluetooth機能搭載機器は価格も上昇傾向にあるため、自身が必要としている機能はどの程度なのかといったことから製品を選ぶ必要があるでしょう。

Wi-Fiとの違い

BluetoothとWi-Fiの性能は大きく異なります。その理由は目的の違い。Wi-Fiは主にネットワークを構築するために用いられるため、通信範囲は広く、なおかつ通信速度も速くなければいけません。しかし、Bluetoothは基本的に機器を1対1で長時間繋ぐことが目的のため、Wi-Fiほどの通信距離と速度は必要なく、一方で金銭的負担が生じないことや可能な限り省エネであることが求められます。
BluetoothとWi-Fiは、どちらも通信規格であるために比較されがちですが、異なる役割を担う別の規格と理解しておきましょう。

機器ごとのBluetoothの接続方法と注意点

Bluetooth機器をパソコンやスマホ、テレビと接続する際の基本的なやり方と、使用時の懸念点を紹介します。

パソコンと接続

パソコンにBluetoothのマウスやキーボードを接続するときはパソコン本体の設定からBluetooth接続をオンにし、マウスやキーボードのスイッチを入れてパソコン本体側で検知します。
パソコン周辺機器をBluetooth接続にすると、コードが無くなるためデスクがすっきりして持ち運びも容易になりますが、長時間の使用は充電や電池切れのリスクがあるので注意が必要です。

スマホと接続

Bluetoothイヤホンやスピーカーなどをスマホと接続する場合は、スマートフォンのBluetooth機能をオンにし、イヤホンなどの電源をつけてスマホに検知させましょう。人の多いところでは目的のものとは異なるものを接続してしまう危険性もあるので、初期接続時は極力1人の時に行うようにしましょう。

Bluetoothイヤホンもコードレスのため見た目がすっきりし、収納もしやすくなりますが使用環境によっては電波障害が起こり音質の低下などが起こります。電子レンジなどの家電は同じ2.4GHzの周波数帯を利用するため、電波干渉が起こることがあります。

テレビと接続

パソコンやスマホと比べるとあまり知られていませんが、テレビにもBluetoothイヤホンなどと接続できる機種が存在します。テレビの場合、接続可否や方法は機種によって異なるので、説明書やメーカーのウェブサイトを確認しましょう。
また、お使いのテレビがBluetooth非対応の場合でも、別途Bluetoothオーディオアダプターを使用することで接続できることがあります。

まとめ

何気なく使用しているBluetoothも本来の役目などが分かれば、より効果的に利用できるでしょう。使用機器のBluetooth接続が不安定な方は、今回の記事を参考に規格が古すぎないか、周囲に強い電波を発するものがないかなど一度確認してみましょう。