身近で便利な技術として、生活のさまざまなシーンで活用されている「Bluetooth」。Wi-Fiと同じく、現代の生活においては、もはや当たり前の存在となりつつあります。
しかし、Bluetoothの仕組みや、Wi-FiとBluetoothの違いを理解している人は、それほど多くないでしょう。
そこで、本記事ではBluetoothの仕組みやメリット・デメリットを紹介しつつ、Wi-Fiとの違いについても解説します。
あなたにピッタリのインターネットは?
Bluetooth(ブルートゥース)の仕組みとは

Bluetoothとは、極超短波である2.4GHz帯を使った無線通信技術のひとつです。「近距離無線通信」とも呼ばれるとおり、近距離間にあるデバイス同士の通信に適しています。
Bluetooth対応のデバイスには、Bluetoothの規格に準拠した通信チップが内蔵されており、これによりデバイス間の双方向な通信が可能となります。
Wi-Fiとの違いは?
BluetoothとWi-Fiにはさまざまな違いがありますが、最も大きな違いは「通信速度」と「通信距離」です。一般的に、Wi-FiはBluetoothと比べて通信速度が速く、電波を遠くまで飛ばすことができるといわれています。ただし、Bluetoothにはデバイスの最大送信出力に応じた「Class」という分類があり、最大送信出力が大きいデバイス同士ほど最大到達距離が長くなります。
両者の違いをまとめると、以下のとおりです。
最大通信速度 | 通信距離の目安※ | 消費電力 | |
---|---|---|---|
Bluetooth | 3Mbps | 10〜100m程度 | 少ない |
Wi-Fi | 9.6Gbps | 屋内 100m程度 屋外 500m程度 | 普通 |
※通信距離は通信環境や仕様など、さまざまな条件によって変動します。
一般的には、Wi-Fiはデバイスをインターネットに接続する際に、Bluetoothはデバイス間を接続する際に用いられることが多いでしょう。
Bluetoothを使うメリット

Bluetoothを利用すると、以下のようなメリットを期待できます。
デバイスを無線で接続できるため利便性が高い
Bluetoothを利用すれば、デバイス間を無線(ワイヤレス)で接続することが可能です。物理的なケーブルが不要となるため、配線管理の煩わしさが軽減されます。
例えば、パソコンとキーボード・マウスをBluetoothで接続すれば、デスクのレイアウトをより自由に設計できるでしょう。ケーブルがない分、見た目もスッキリして、快適な作業環境を構築できます。
消費電力が少ないため長時間利用が可能
消費電力が少ないのも、Bluetoothの特長のひとつ。マウスやキーボード、イヤホンなど、長時間使用することの多いデバイスにも適しています。
Bluetoothのデメリット
Bluetoothにはいくつかのデメリットも存在します。
接続の安定性は有線に劣る
Bluetoothのような無線接続技術は、有線接続に比べると通信の安定性が低い傾向があります。例えば、イヤホンをBluetoothで接続する場合、有線と比べて音質が落ちたり、まれにノイズが発生したりする場合もあるでしょう。また、接続が勝手に切れてしまうケースもあります。
近距離での利用に制限される
Bluetoothは、近距離での利用を前提につくられた無線通信規格です。そのため、Bluetoothが活躍できるのは、基本的に近距離での利用シーンに限られます。
例えば、「オフィスでイヤホンをしたままトイレに立つ」といった場面では、トイレとの距離や壁の厚みによっては、接続が切れてしまうこともあるでしょう。
音の遅延がある
Bluetoothを用いたワイヤレスイヤホンは、有線イヤホンと比べると音の遅延が大きい傾向があります。そのため、対戦ゲームを楽しむときなど、音による瞬時の判断が求められる場面にはあまり向かないといえるでしょう。
Bluetoothの接続(ペアリング)方法

Bluetooth対応のデバイス同士を接続することを、「ペアリング」といいます。
ここからは、パソコンやスマートフォンをBluetooth機器と接続する方法を解説します。
パソコンとBluetooth機器を接続する場合
▼Windowsの場合
- 設定画面から「Bluetoothとデバイス」を選択し、「Bluetooth」をオンにする
- Bluetooth対応デバイスの電源を入れて、検出可能な状態にする
- パソコン側で、右下のタスクバーからネットワークアイコン・サウンドアイコン・バッテリーアイコンのいずれかをクリックする
- Bluetoothのマークの右隣にある「>」をクリックし、「Bluetooth デバイスの管理」を開く
- 「新しいデバイス」で接続するデバイスを選択する
- 別途指示が表示される場合は、その指示に従って接続を完了する
▼Macの場合
- アップルメニューから「システム設定」を選択し、サイドバーで「Bluetooth」をクリックし、Bluetoothをオンにする
- Bluetooth対応デバイスの電源を入れて、検出可能な状態にする
- アップルメニューから「システム設定」を選択し、サイドバーで「Bluetooth」をクリックする
- リストから接続するデバイスを選択し、「接続」をクリックする
- 確認を求められたら、「受信」をクリックする
※Bluetoothの設定方法は、OSのバージョンによって異なる場合があります。
スマートフォンとBluetooth機器を接続する場合
▼iPhoneの場合
- 画面をスワイプしてコントロールセンターを表示し、BluetoothマークをタップしてBluetoothをオンにする
- Bluetoothアイコンを長押しし、接続設定画面を開く
- はじめて接続するデバイスは、「その他のデバイス」に表示される。接続するデバイスを選んでタップする
▼Androidの場合
Androidは機種によって仕様が異なるため一概には言えませんが、基本的にはiPhoneと同様に画面中央上部のスワイプや、設定アプリからBluetoothの接続設定画面を開くことができます。
Bluetoothの身近な活用例

Bluetoothは、暮らしのさまざまなシーンで活用されています。
ここからは、Bluetoothの身近な活用例を紹介しましょう。
イヤホン
近年は、イヤホンといえば、Bluetoothを用いたワイヤレスイヤホンが主流です。自宅や外出先で音楽や動画を楽しむ際、コード類を気にせずに済むワイヤレスイヤホンは多くの人気を集め、さまざまな製品が登場しています。
マウス・キーボード
マウスやキーボードをBluetoothで接続すれば、コード類が多くなりがちなデスクまわりをスッキリさせられます。自宅でのリラックスタイムはもちろん、ビジネスシーンでもおおいに活躍してくれるでしょう。ただし、電池の交換や充電が面倒なところはネックです。
スピーカー
近年は、Bluetooth対応スピーカーが数多く登場しています。持ち運びにも便利なだけでなく、オーディオまわりをスッキリさせられます。また、Bluetooth機能が搭載されたカーナビやオーディオとスマートフォンを接続すれば、車内でスマホの音楽を聴いたり、ハンズフリー通話をしたりと、さらに便利に利用できるでしょう。
Bluetoothがつながらないときは?

Bluetoothがつながらないときは、以下の方法を試してみてください。
両方のデバイスのBluetoothが「オンになっているか」確認
Bluetoothに接続するためには、デバイスのBluetooth機能がオンになっている必要があります。まずは、Bluetooth機能がオフになっているデバイスはないか確認してみましょう。
両方のデバイスをしっかり「近づけているか」確認
デバイス間の距離が遠かったり、間に障害物があったりすると、うまく接続できないときがあります。
デバイスを近づけて、再度接続を試みましょう。
デバイスの「バッテリー残量」は十分にあるか確認
デバイスのバッテリー残量が少ないと、接続が不安定になる場合があります。
特に、購入したばかりのデバイスはバッテリー残量が少ない可能性があるため注意が必要です。
Bluetoothに関するよくある質問
ここからは、Bluetoothに関するよくある質問にお答えします。
Bluetoothはオンにしたままでも大丈夫?
Bluetoothを使用しないときは、なるべくオフにしたほうがよいでしょう。Bluetoothを常時オンにしていると、データの傍受や乗っ取りなどの被害に遭うリスクが高まります。
Bluetoothはどのくらいの通信量(ギガ数)を消費する?
Bluetooth接続自体はギガ数を消費しないため、通信コストは一切かかりません。
ただし、Bluetooth機器を介してインターネット通信を行うと、通信料がかかる点には注意が必要です。
Bluetoothがつながる距離は?
Bluetoothの電波が届く範囲は、通常10mから100m程度といわれています。
Bluetoothのバージョンが異なる場合は接続できない?
Bluetoothのバージョンは、「Bluetooth 5.4」のように表記される数字の部分で判断でき、数字が増えるほど新しいバージョンとなります。
新しいバージョンになればなるほど、通信速度や通信範囲などの性能は高くなるのが一般的です。
「Bluetooth 4.0」以降であれば、違うバージョン同士の接続も可能です。現在生産されているBluetooth機器のほとんどはver4.0以降に対応しているため、互換性に悩まされることはそれほど多くないでしょう。
ただし、Bluetooth 4.0からは消費電力を大幅に抑える「Bluetooth Low Energy(LE)」という機能が搭載されたため、3.0以前のバージョンとの互換性はありません。しかし、「Bluetooth SMART READY」のマークのあるデバイスであれば、3.0以前のバージョンとでも接続が可能です。
なお、異なるバージョンのデバイス同士を接続する場合は、バージョンが古いほうの性能が適用されます。
まとめ

Bluetoothは、近距離間での通信を得意とする無線通信技術です。近くにあるデバイス同士の通信に適しており、パソコンやスマートフォン、イヤホンやスピーカーなどのBluetooth対応デバイスを無線(ワイヤレス)で接続できます。
Wi-Fiと比べて通信速度や距離は劣るものの、デバイス同士を気軽に接続したい場面ではとても重宝する技術です。基本的な仕組みや特徴を把握し、Bluetoothをさらに便利に活用しましょう。
【関西でネット回線をお探しなら】
eo光は17年連続お客さま満足度 No.1!※
※RBB TODAYブロードバンドアワード2023 キャリア部門 エリア別総合(近畿)第1位(2024年2月発表)
2007年~2023年17年連続受賞
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。