Wi-Fiルーターに搭載されたWPS機能は、デバイスとWi-Fiの接続を便利にする機能の一つです。多くのルーターに搭載されていますが、どんな効果があるのか分からず、使ったことがない方も多いのではないでしょうか? この記事では、WPS機能の概要や使い方、接続ができないときのチェックポイントについて紹介します。
ライター:CLIP編集部
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WPS機能とは?

WPSの機能や利用上の注意点について解説します。
WPSの機能と効果
WPS(Wi-Fi Protected Setup)とは、Wi-Fi Allianceという業界団体が策定したWi-Fiに接続するための規格で、無線LANの設定や暗号化を簡略化する機能です。
Wi-Fiを利用するには、ルーターに記載されているSSID(接続先の名称)とパスワードをデバイスに入力するというステップがありますが、WPSを活用すると省略できます。
WPSには、ボタン方式(WPSボタンを押してデバイスを接続し、セキュリティ設定を行う)と、PIN方式(PINコードをデバイスに入力してWi-Fiと接続し、セキュリティ設定を行う)があり、ボタン方式であればワンステップでデバイスをWi-Fiルーターに接続でき、わずらわしい設定を省くことができます。
WPSの注意点
WPSはWi-Fi接続やセキュリティ設定を簡単にする便利な機能ですが、以下のような注意点があります。
・PIN方式にはセキュリティリスクがある
WPSはWi-Fi接続を簡単する便利な機能ですが、8桁のコードで接続するPINコード方式は、ブルートフォース攻撃(パスワードを総当たりで試して不正にログインするサイバー攻撃の手法)の標的になりやすいデメリットがあります。ハッカーに侵入される危険性があるため、できればボタン方式を使用しましょう。
・WPSに対応した無線LAN機器が必要
すべての無線LAN機器がWPSに対応しているわけではありません。WPSに対応したWi-Fiルーター・デバイスがなければ、利用できない点にも注意してください。
WPSと似たものに「AOSS」という仕組みがあります。AOSSは、Buffalo社が開発したWi-Fi接続とセキュリティ設定がボタンひとつで行える仕組みです。機能は似ていますが、AOSSを利用するには端末側で専用アプリをインストールする必要があるため、ルーターに搭載されたWPS機能の方がより便利に活用できます。
WPS機能の利用シーンは?

WPS機能の代表的な利用シーンを紹介します。以下のようなシーンでWPSを便利に活用できます。なお、紹介している接続手順は、ご利用の機種によって違う場合があるので詳しくは説明書などを確認しましょう。
端末とWi-Fiルーターをはじめて接続するとき
WPSは、端末とWi-Fiルーターをはじめて接続するときに便利に活用できます。ボタンを押すだけで簡単にデバイスとWi-Fiを接続できるため、初心者にもおすすめです。
Wi-Fi中継機とルーターを接続するとき
Wi-Fi中継機は、ルーターの電波を中継して通信範囲を広げてくれる機器です。一般的な中継機とルーターの接続方法は以下です。
- 中継機のWPSボタンを2~3秒ほど長押ししてWPSランプが点滅するまで待つ
- 中継機のWPSボタンが点滅中にWi-FiルーターのWPSボタンを2~3秒ほど長押しする
- 接続が完了するまで待機する
中継機の接続は設定が複雑になりますが、WPS機能を活用することで簡略化できるのでぜひ利用してみてください。
Wi-Fiルーターを買い替えたとき
WPSは、Wi-Fiルーターを買い替えたときにも便利です。引越し機能を搭載したルーターであれば、WPS機能を使って以下のステップで設定を引き継げます。
- 新しいWi-FiルーターのWPSボタンを2~3秒ほど長押しする
- 古いWi-FiルーターのWPSボタンを2~3秒ほど長押しする
- 新しいWi-FiルーターのSTATUSランプが緑に点灯したのを確認する
(設定の引継ぎが完了した合図) - 古いWi-Fiルーターの電源を落とす
この方法で、今まで使っていたSSIDとパスワードをそのまま利用できるので、各端末の接続設定をやりなおすことなくWi-Fiに接続できます。
WPSと接続する方法は?

WPSと端末を接続する方法を簡単に解説します。Wi-Fiルーターのモデルによって、WPSの接続方法は異なるため、詳しくは説明書などを確認しましょう。また、iPhoneとAndroid9.0以降のモデルは、WPS機能の提供が廃止されたため、スマートフォンでWPS機能を利用することができません。
パソコンの場合
Windows11のパソコンを例に、WPSボタンでインターネットに接続する方法を紹介します。
- デスクトップ画面右下のネットワークアイコンをクリックする
- Wi-Fiアイコンの右にある矢印(Wi-Fi接続の管理)をクリックする
- ネットワーク一覧からWi-FiルーターのSSIDを選択し「接続」をクリックする
- セキュリティキーの入力欄下部に「ルーターのボタンを押して接続することもできます。」の表示を確認
- 1分以内にWi-FiルーターのWPSボタンを押す
- ネットワーク一覧に戻り「接続済み」の表示を確認する
ゲーム機の場合
WPS機能は、PS5・4、ニンテンドー3DSなどのゲーム機とインターネットを接続する際にも利用できます。PS5を例に、WPSで接続する方法を紹介します。
- 設定から「ネットワーク」をクリックする
- ネットワークの設定画面から「インターネット接続を設定する」をクリックする
- ネットワーク一覧から該当するWi-FiルーターのSSIDを選択する
- 「WPSボタンを使って設定する」をクリックする
- Wi-FiルーターのWPSボタンをランプが点滅するまで長押しする
- ネットワークの設定画面から「接続済み」になっているかを確認する
WPS接続ができないときのチェックポイント

WPS接続ができないときのチェックポイントを解説します。万が一エラーが表示された場合は以下のポイントを確認してみましょう。
WPS機能のオン・オフをチェック
Wi-Fiルーターの設定でWPS機能がオフになっている可能性があります。お使いのWi-Fiルーターの説明書などを確認し、WPS機能がオンになっているかを確認しましょう。
また、端末がWPS未対応の可能性もあります。合わせて、端末でWPSに対応いているかどうかもチェックしてみてください。
またiPhoneやAndroid 9以降のスマホはWPSの提供を廃止しており、接続することができません。
ステルス機能やファイアウォールをチェック
Wi-FiルーターのSSIDを隠すステルス機能がオンの場合、WPS接続に失敗することがあります。ステルス機能がオンになっている場合は、機能をオフにしてから再度接続してみましょう。
また、ファイアウォールなどのセキュリティ機能がWPS接続を妨害している可能性もあります。ステルス機能による影響がない場合は、一時的にファイアウォールをオフにしてから接続を試しましょう。ただしファイアウォールを導入しないと、悪意ある第三者の接触を簡単に許してしまいかねないため、接続が完了したらすぐにファイアウォールの設定を元に戻してください。
・関連記事:セキュリティー対策の超基本!ファイアウォールとは
接続を行うまでの時間をチェック
パソコン側で接続をクリックしてから一定時間が経過すると、WPSボタンを押しても接続ができません。ボタンを押すまで1分以上かかっている場合は、すぐに手順を進められるように意識しましょう。
通信機器の配線をチェック
Wi-FiルーターやONUなどの通信機器が正常に機能しているかを確認しましょう。万が一配線抜けなどがあると接続が行えません。配線やコンセント抜けがないか確認し、各機器のランプが正常に点灯しているのをチェックしてから再設定します。
Wi-Fiルーターと端末の距離をチェック
Wi-Fiルーターとデバイスの距離が遠かったり、間に障害物があったりすると接続トラブルが起こりやすくなります。Wi-Fiルーターとデバイスの距離を近づけるか、間にある障害物をどけてから再設定しましょう。
まとめ
WPSは、Wi-Fiルーターとデバイスの接続を簡略化できる便利な機能です。ただし、セキュリティの脆弱性があるため、頻繁に利用すると不正にネットワークに侵入されるリスクがあります。WPS機能の利用は初期設定のみにするなど、セキュリティリスクを考慮して使用しましょう。
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