会議や打ち合わせ内容を、ボイスレコーダーなどを用いて録音したあと、その内容を文字に起こすのが面倒に感じたことはありませんか? 今回はそんな手間を省く、文字起こしツールの選び方とおすすめ無料ツールをいくつか紹介します。
ライター:CLIP編集部
文字起こしツールの選び方
文字起こしツールを選ぶ時は以下の項目を確認しましょう。
有料か無料か
文字起こしツールを選ぶ上で最も大きな判断基準となるのが、料金プランです。文字起こしツールは無料と有料のものがそれぞれ数多く存在。確かな精度や豊富な機能を求める方は有料ツールの検討が必要かもしれません。
無料の場合、利用文字数や時間に制限が設けられていることもあるため、その点でも注意が必要です。
インストールが必要か
文字起こしツールは大きく分けて端末にダウンロードして使用するアプリと、ダウンロードする必要がないWebサイトのものに分かれます。
アプリはより気軽に使えると思われるかもしれませんが、アプリや文字起こしデータを端末に保存するため、データ容量を大きく使用することもあります。データ使用量を抑えたい場合は、データをクラウド上に保存できるようなWebサイトのツールがおすすめです。
文字起こしの精度
文字起こしの精度が悪ければ、自動生成された文字データを手動で修正しなければいけません。文字起こしの精度はできる限り高いものを選ぶのがおすすめです。
「AI機能」や「用語登録機能」、意味を持たない余計な言葉を消去する「フィラー除去機能」が搭載されていれば、ある程度の精度が期待できるでしょう。
リアルタイム型かアップロード型か
文字起こしの方法は会話している時に起動し、その場で文字起こしを始める「リアルタイム型」と、先に録音したデータをアップロードし文字データに変換する「アップロード型」が存在します。
リアルタイム型であれば字幕としても活用でき、音声が聞き取りにくい場所やオンライン会議などでの会話をサポートしてくれるかもしれません。しかし、電波の悪いところでは精度が著しく低下することも。どちらのタイプを使うかは利用目的や利用環境で選びましょう。
また、リアルタイム型であれば録音データを直接聞かせ、アップロード型のように使用することもできます。
セキュリティ
AI機能を用いたツールの場合、機械学習のために音声データや文字データが利用される可能性があります。利用前に検討しているツールのセキュリティ機能や規約などの確認をしっかり行いましょう。セキュリティ対策が万全でないツールを利用すると、最悪の場合企業に損害を与える可能性も考えられます。機密情報が含まれているデータを扱う場合はツールを利用する必要性から確認し、利用する場合はしっかりしたセキュリティ機能のあるものを選びましょう。
同じツールでも有料版と無料版でセキュリティ対策が異なることもあるので注意が必要です。
機能の充実さ
文字起こしツールの機能は「共有機能」や「多言語対応」、「自動翻訳」などツールによってさまざま。句読点の処理を行ってくれるかどうかもツールによって変わるため、どの機能が必要かよく考え、ツールを選びましょう。
4つのおすすめ無料ツール
リアルタイム型の文字起こしとして使えるおすすめ無料ツールを紹介します。
Group Transcribe
「Group Transcribe」はMicrosoftが無料で提供する、対面会議用の文字起こしアプリです。使用時は代表者一人がルームを作成し、参加者はそれぞれの端末から「QRコードの読み取り」「Bluetoothの接続」「会議コードの入力」の3つの方法で会議に参加。日本語以外に80カ国以上の言語に対応しているため一人は日本語、他の人は英語などそれぞれの言語を設定して会話すれば、リアルタイムで翻訳しながら文字を起こし、手元のスマホに表示してくれます。
翻訳機としても使えるため非常に便利なツールですがテキストの編集ができず、2023年11月現在、提供されているのはiOS 版のみ。また利用可能時間が30分という点に注意が必要です。
Sloos
「Sloos」は10秒程度の音声を事前に登録しておけば、1台のマイクで最大10名の話者を特定可能なツール。ZoomやMicrosoft Teams、Google Meets、Skypeなど連携できるWeb会議ツールが多いのも大きな特徴です。
ただし、音声データをアップロードしての文字起こしには対応していません。
Googleドキュメント
Googleが提供している無料のドキュメントサービス「Googleドキュメント」もリアルタイム型の文字起こしツールとして使用されることがあります。
静かな環境でなければ音声認識の精度が極端に落ちてしまうため、利用シーンは限られますが、Googleアカウントさえあれば誰でも利用できる点や編集のしやすさが大きな魅力です。
Googleドキュメントでの音声入力は、句読点で区切られない一文として入力されてしまうため、音声入力が終わったあとに最後に必ず編集しましょう。
あるいは改行したい場合は「改行」、句点は「まる」または「句点」、読点は「てん」または「読点」と話すと入力されます。
※改行や句読点はスマホアプリで入力する場合はOSの音声入力によっても変わることがあるため何度か試されることをおすすめします。
Zoom
Web会議ツール「Zoom」も字幕機能を用いてリアルタイム型の文字起こしができます。
Googleドキュメントと比較すると精度が高く、句読点も自動で入力されますが、利用にはZoomアカウントを作成後、デフォルト設定を変更する必要があります。またテキストの編集作業は、会議終了後にドキュメントがまとめられてからしか行えません。
無料アカウントによるオンライン会議の場合は40分間という時間制限が設けられていますが、対面によるやり取りをひとつのパソコンで文字起こしする場合は、時間制限なく利用できます。
Web会議用ツールでは、Zoom以外に「Microsoft Teams」にも外国語に対応した文字起こし機能が存在します。会議参加者全員がMicrosoftアカウントを持っている場合は、こちらもひとつの選択肢となるでしょう。
まとめ
AIの登場をはじめとした技術の進歩に伴って、文字起こしツールの精度も年々向上し、新たなものも次々にリリースされています。しかし、その多くのツールが利用にはネット環境が必須。文字起こしツールの利用前にはネット環境を整えておきましょう。
次回は今回紹介した4つのツールを実際に使用して、その性能を比較します。
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