近年商品開発などを中心に、一般的な資金調達方法になりつつある「クラウドファンディング」。耳にすることは増えても、その詳細が分からない方や利用経験がない方も多いのではないでしょうか? 今回は「クラウドファンディング」の特徴と始め方を紹介します。
ライター:CLIP編集部
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングは、発案者がインターネットを通じてやりたいことを公表し、賛同者から広く資金を集める方法で、インターネットの普及に伴い2000年代にアメリカで始められました。
発案者はプラットフォームとなっているサイトの審査を通過すれば、個人・団体・企業の大小を問わず、誰でもプロジェクトを立ち上げられます。一方の支援者は少ない金額から支援でき、発案者・支援者双方にとっての手軽さが高く評価されています。
日本では、2011年に発生した東日本大震災の復興支援資金を集める際に大きな役割を果たし、注目されるようになりました。現在は商品開発、映画・CDの製作や本の出版だけでなく、アーティストへのメッセージ広告、スポーツ選手や団体の応援、さらには町おこし、がん患者への支援など、さまざまな分野で活用されています。
クラウドファンディングの支援募集方法は大きく以下の2つに分かれます。
1.All-or-Nothing型
- 目標金額に達した場合のみ、支援金を受け取れる
- 目標金額に達した場合のみ、リターンを履行する義務が発生
- 目標金額に達しない場合は、支援金が返金される
2.All-In型
- 目標金額を達しない場合でも、集まった支援金は受け取れる
- 支援された分には、リターンを履行する義務が発生
- 集まった資金に関わらず、プロジェクトは実施しなければいけない
クラウドファンディングにおける6つの主要タイプ
クラウドファンディングの6つのタイプを紹介します。
1.寄付型
被災地支援やボランティアの寄付金を募るのが寄付型のクラウドファンディングです。これは社会貢献の意味合いが強く、基本的にリターンはありません。
2.購入型
購入型では事業の資金調達などを目的に資金を募り、リターンを提供します。しかし目的はあくまで支援のため、リターンは出資額に対して小さくなる傾向があります。
3.融資型
資金調達を行いたい企業と個人投資家を結びつけるのが融資型のクラウドファンディング。このタイプでは資金を募集するときに金利と期間が決められており、満期を迎えると出資額は返還されるため、支援者は金銭的なリターンを得られる可能性があります。しかし、貸し倒れのリスクもあるので注意が必要です。
4.株式投資型
株式投資型クラウドファンディングは、未公開株式の株主を募り、そこで得たお金を事業資金とします。ただし、借り手は年間1億円未満、支援者は1社につき年間50万円までと投資金額に制限が設けられています。
5.ファンド型
プロジェクトの立ち上げ時に利用されることが多いファンド型。プロジェクトに利益が出るようになると、配当としてその利益の一部が投資家に分配されます。大きなリターンを得られる可能性もありますが、一方で事業失敗のリスクも高く、ハイリスク・ハイリターンなモデルです。
6.ふるさと納税型
ふるさと納税型のクラウドファンディングでは、自治体が抱えている課題を具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに賛同した人からふるさと納税によって寄付を募ります。ふるさと納税の仕組みを使うことで、寄付金の控除を受けられるのが大きな特徴です。
クラウドファンディングのメリット
クラウドファンディング利用時のメリットを立場別に紹介します。
発案者のメリット
発案者の場合は主に以下のメリットが得られます。
資金調達できる可能性が広がる
これまで資金調達が難しかったものもクラウドファンディングであれば、広く支援を募れるため調達できる可能性が広がります。
現金以外でリターンを設定できる
クラウドファンディングではリターンを現金ではなく、開発後の商品などにすることができます。
宣伝効果が高い
クラウドファンディングを利用すれば、資金調達時からユーザー層にまでプロジェクトを紹介できるため、従来の銀行や他企業から資金を集める場合と比較すると、宣伝効果は高くなるでしょう。
製品発売前にユーザーの反応を知ることができる
ユーザー層に直接支援を募ることができるクラウドファンディングでは、資金調達時にユーザーの反応を伺うことができます。
支援者のメリット
支援者の主なメリットを紹介します。
発案者の想いや背景をイメージしやすい
プロジェクトページや活動報告、SNSの発信を見ることで、発案者の想いや背景をより身近に感じることができるため、プロジェクト内容に認識の乖離が生まれにくいでしょう。
支援を通じて社会貢献ができる
プロジェクトによっては支援を通じて社会貢献が可能。さらに支援内容次第で控除の対象にもなることも。
支援先を楽に探せる
銀行や企業に資金提供をお願いする方法には閉鎖的な側面がありますが、クラウドファンディングでは発案者が支援をオープンに募ります。そのため支援者も支援先を見つけやすいでしょう。
クラウドファンディングのデメリット
一方、クラウドファンディングにはデメリットもあります。こちらも同じく発案者・支援者それぞれの立場のデメリットを紹介します。
発案者のデメリット
発案者のデメリットを紹介します。
事務的な負担が増える
クラウドファンディングは支援者数が多くなる傾向があるため、出資者の名簿管理やリターンの送付といった事務作業の負担が増えてしまう可能性があります。
目標金額に届かず資金が調達できない可能性がある
All-or-Nothing型で実施すると、目標金額を達成できず資金調達ができない可能性があるので気をつけましょう。
支援者のデメリット
支援者には以下のデメリットが存在します。
リターンが提供されない可能性がある
プロジェクトが目標金額に達した際も予期せぬトラブルでリターンが提供されないリスクがあります。
途中で解約できない
一度支援の決済をしてしまうと基本的には返金されません。投資は慎重に行いましょう。
クラウドファンディングの始め方
発案者の場合
- 利用するクラウドファンディングのサイトを検討
- プロジェクトページを作成し、審査を受ける
- 審査通過後に公開し、資金調達をスタート
- 募集期間中はさまざまなプロモーション活動を行い、プロジェクトページを拡散
- 集まった資金で、プロジェクトを実行
- 支援者へのお礼や活動報告
支援者の場合
- クラウドファンディングサイトでさまざまなプロジェクトを閲覧
- プロジェクトの内容やリターンの詳細を確認
- 募集期間内にサイト上で支援(決済)
- プロジェクト実行中は、活動報告などで進捗を確認
- リターンが予定通り届くかどうかを確認
代表的なクラウドファンディングサービス3選
クラウドファンディングサービスは手数料、支援者数、成功率、サポート内容、サイトの得意ジャンルなどを判断基準にして選びましょう。
1.CAMPFIRE
「CAMPFIRE」は2023年1月時点で7.2万件以上のプロジェクトが生まれ、900万人以上の支援が集まっている国内最大の購入型クラウドファンディングサービスです。プロジェクトの掲載には費用がかからず、最短即日で掲載可能。
「CAMPFIREコミュニティ」という機能があり、一度の支援で終わらない継続的な支援が募れます。音楽や本、マンガ、アート、映画、テクノロジー、プロダクト、ファッション、エンタメなど幅広いプロジェクトを掲載しているのも特徴です。
2.READYFOR
「READYFOR」は2011年3月に日本国内で初めてクラウドファンディングを開始した、寄付型クラウドファンディングサービスで、国際協力や福祉、災害、動物保護などの社会貢献型のプロジェクトに強いのが特徴です。
プロジェクトの掲載は無料で、20,000件以上の豊富な実績から成功するプロジェクトの傾向を分析し、万全のサポートをしてくれます。
3.Makuake
「Makuake」はアクセスユーザー数1,300万人以上を誇り、メディア掲載数は月平均10,000件にものぼる、アタラシイものや体験を応援する購入型クラウドファンディング。こちらもサイト掲載料は無料です。
無料で個別メディアアプローチをはじめとしたPRサポートが受けられ、すべてのプロジェクトに担当キュレーターがつき、ページ設計やプロモーションプラン策定まで幅広くサポートしてくれます。
まとめ
クラウドファンディングに興味を持たれた方は、今回の記事を参考にさまざまなサイトを調査して、自分に合うものを調べることから始めてみてはいかがでしょうか?
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