2020年は多くの芸能人がYouTubeに新規参入するなどまだまだ耳目を集めるYouTube。再生数やチャンネル登録数確保のためYouTuberの投稿頻度は高い傾向があります。気になるのは、それだけ動画が増えるとデータ管理はどうしているの?ということ。
今回はAIエンジニア・会社員として働きながら、YouTuber/TikTokerとしても活動するTOMOKIN(トモキン)さんにお話を伺いました。
・YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCVh1FLIJi0GxI_nLQcz1sNQ
・TikTok
https://www.tiktok.com/@tomokin1116?lang=en
ライター:平田提
コロナ禍でYouTubeの動画・活動内容に変化が
――TOMOKINさんのYouTubeとTikTokでの動画投稿、活動内容について教えてください。
TOMOKINさん:「教育×エンタメ」の動画を投稿しています。僕は大学時代、アカペラサークルに所属して、『力の限りゴーゴゴー!!』というテレビ番組のコーナー「ハモネプリーグ」に出演もしました。YouTubeとTikTokでは歌やヒューマンビートボックス、アメリカの研修で学んだ英会話のスキルが活かせています。
――教育×エンタメのジャンルを選んだ理由は?
TOMOKINさん:いまYouTubeには芸能人の方たちが続々と参戦していますから、エンタメのジャンルは競争率が高い。一方で教育ジャンルも国語や数学、英語などいろんなプロフェッショナルの動画があります。ならばエンタメと教育をかけ合わせたジャンルならどうかと始めたのがきっかけです。
https://www.youtube.com/watch?v=Q02au6GBB-Q&ab_channel=TOMOKIN-RyotaTomogane-
――最近は英語で詐欺師を撃退するような動画シリーズもありますね。
TOMOKINさん:おかしな電話に面白くリアクションする動画をTikTokに上げたところ、ヒットしたんです。そこでYouTubeでも同じジャンルで、より再生時間の長い動画をアップするようになりました。
今まではヒューマンビートボックスに興味のある視聴者が多かったのですが、どんどん新しい人が見てくれてるようになってきています。
――新型コロナウイルスの影響で、活動内容が変化したことはありますか?
TOMOKINさん:視聴者の反応は良くなったんですが、収益がめちゃめちゃ落ちました……。恐らくコロナの影響で広告の数自体が減っていることが原因の一つだと思います。
活動の軸の1つにライブがあったんですが、まったくできなくなってしまいました。2020年だけで10本以上がすでに中止になっています。
――それはとても残念ですね……。
TOMOKINさん:以前はボイスパーカッションや歌が得意なほかのYouTuberとよくコラボをしてたんですけど、リモートだとなかなかやりにくいですね。
――本業のAIエンジニアのお仕事もリモートワークですか?
TOMOKINさん:週1、2回は出社しますが、あとはすべてリモートワークですね。
――YouTuberやTikTokerとしての活動がお仕事で活かされることはありますか?
TOMOKINさん:対面での会議やプレゼンは日本語・英語両方ともペラペラしゃべれるようになりました。ただZoomなどオンラインミーティングでは独特の間合いを取るのが難しいですね。
――オンラインミーティングはタイムラグもありますが、呼吸が合わず会話が被ることが多い印象です。
TOMOKINさん:そうですよね。VRチャットなど代わりの手段はあるんでしょうけど、なかなかリアルの情報量には追いつかないなと思います。リモートだと雑談がないことも大きいです。そこからアイデアが湧くことも多いので。それは仕事もYouTubeも同じだと思います。
スマホで撮影、動画管理はクラウド。1カ月でデータは削除
――YouTubeへの投稿ペースは?
TOMOKINさん:YouTubeは週に1回を目標に投稿しています。
――そうすると動画データはどのぐらいの長さ・量になりますか?
TOMOKINさん:だいたい月に5分×8本ぐらいでしょうか。
――管理されている動画のファイルサイズはどのぐらいですか?
TOMOKINさん:そこまで大きくはないですね。1動画600MBぐらいです。僕はGoogleドライブの有料プラン(100GB)を契約してアップしていますが、8割ぐらいまで動画データ保管に利用している状況です。
外付けHDDは使っていなくて、あとはギガファイル便などほとんどクラウドに動画を保管しています。
――YouTubeにある動画はすべてバックアップをとってありますか?
TOMOKINさん:編集前と編集後、動画データは両方残して管理しています。ただクラウドの保管容量の上限を意識して、投稿から1カ月以前のものは消してます。いざとなればYouTubeチャンネルが消えさえしなければダウンロードできますから。
――なるほど。お蔵入りになった動画も管理・保存されていますか?
TOMOKINさん:結構ありますね。編集し終わったけど出していない動画もあります。
――お蔵入りになる理由は?
TOMOKINさん:単純に見返してみて面白くなかったものもありますが、YouTubeの規約がどんどん厳しくなっているので、そのラインに少しでも引っかかりそうだった動画が多いですね。
――編集はパソコンで行っていますか?
TOMOKINさん:そうですね。最近はスマホの画質が良いので、撮影はiPhoneでやっています。机にスタンドを置いてiPhoneを載せて、ボタンを押して……というスタイルです。撮影時間は30分~1時間ぐらい。それをGoogleドライブにアップして、パソコンで編集します。割と適当に編集する場合は1時間あれば大丈夫ですが、およそ1本あたり3~4時間はかかっていますね。
――編集はなかなか大変な作業なんですね。編集ソフトは何を使用していますか?
TOMOKINさん:「PowerDirector」です。理由としては安かったから(笑)。字幕を入れやすいのもあります。
パソコンはインテルのCore i5プロセッサーを搭載したものに買い替えました。CPUの性能が低いと動画編集ソフトを立ち上げた瞬間にフリーズしてしまうんです。
――YouTubeにアップされている動画は5~10分ぐらいの長さが多いですよね。カットの基準は何ですか?
TOMOKINさん:言ってはいけないことを言っていたり、間が空いていたりするところをまずカットします。
あとはYouTubeを始めてすぐに見た動画の「YouTube動画の編集はジャンプカット(※)が大切だ」という教えに則っています。有名YouTuberの瀬戸弘司さんや、いろんな方の動画を今でも見ては勉強しています。
※ジャンプカット……映像の連続性を無視して細かくカットしてつなぎ合わせる映像編集手法。時間や動きが急にジャンプしたように見えることから。
TikTokなど短い動画の反応が良い。音楽動画を増やしたい
――TOMOKINさんはYouTube、TikTok、Twitterとさまざまなプラットフォームで活動されていますが、ご自身にフィットしているのはどれだと思いますか?
TOMOKINさん:一番はTikTokですね。
――TikTokのどんなところがご自身に合っていると思いますか?
TOMOKINさん:一番は投稿する動画の短さでしょうか。YouTubeの場合、平均すると10分の動画をアップしています。10分間、視聴者の興味を保つのはなかなか大変です。TikTokの場合は30秒で済むし、僕の場合は短い動画のほうがアイデアをどんどん出せるしユーザーからの反応も良いのでやりやすいんです。
――TikTokをめぐってはアメリカで規制や買収が検討される報道がされていますが、この状況はどう思われますか?
TOMOKINさん:少しだけ心配ですが、うまく収まるんじゃないかなと楽天的に見ています。インドでYouTubeShortという短めの動画投稿サービスが試験的に始まったニュースがありましたが、日本で始まったら両方ともやってみたいなと思います。
――やはりプラットフォームが違うと表現方法やアプローチは変わってくるんですね。
TOMOKINさん:めちゃめちゃ変わりますね。YouTubeとTikitokはそこまでトーンは変わらず、動画の長さが違うぐらいですが、Twitterは意識的に変えています。Twitterはやや意識高めの、本業のAIエンジニアとしての発言をする場にしています。
プラットフォームの使い分けが功を奏してフォロワーはそれぞれ伸びていて、特にTikTokはコロナ禍以降、20万人ぐらいフォロワーが増えて現在は34万フォロワーになりました。先日、TikTokの公式マークももらいました。
――それだけ活動の幅が広がると、周囲の反応が変わってくるんじゃないですか?
TOMOKINさん:そうですね。まさに昨日、駅で高校生に「TOMOKINさんですか?」って声をかけられました。マスクをしてたんですけど、動画と同じ格好をしていたので分かったみたいですね(笑)。その方はTikiTokを見ていてくれているみたいで、反応が嬉しかったです。
――今後取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
TOMOKINさん:もともと音楽が好きでアカペラサークルにもいたので、やはり音楽動画をつくりたいです。もちろんリモートじゃなく、リアルで。ライブも再開したいですね。
そのためにも早く新型コロナウイルスの流行が落ち着いてほしいです。今後も教育×エンタメの動画を上げていくので、ぜひ皆さんに見ていただきたいです。
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