光回線サービスについて調べているときに、「IPv6」という言葉を目にしたことはありませんか? 「IPv6に対応していること」を強みとして掲げる光回線事業者は多くありますが、IPv6にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事ではIPv6のメリットやIPv4との違いを解説します。自宅のインターネットがIPv6で接続されているのか確認する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ライター:CLIP編集部
IPv6とは?
IPv6とは「Internet Protocol Version 6」のことです。
「Internet Protocol(インターネットプロトコル)」とは「インターネット通信を行うためのルール」のことで、IPv6はこのルールの「バージョン6」を意味します。
IPv6 はインターネットプロトコルの最新バージョン(2024年9月記事執筆時点)であり、従来のバージョンとは次のような違いがあります。
IPv4との違い
IPv6が誕生する前に主流だったのが、「Internet Protocol Version 4」を意味する「IPv4」です。
IPv4とIPv6の最も大きな違いは、使用できるIPアドレスの数です。
IPアドレスとは、パソコンやスマートフォンなど、ネットワークにつながっている端末に割り当てられる識別番号のこと。インターネット上の住所のような役割を果たし、IPアドレスがあるおかげで送信元と送信先を明確にできるからこそ、データを送受信することができるのです。
IPv4で使用できるIPアドレスは約43億通りありますが、インターネットの急速な普及によりIPアドレスが不足するのではないかと、かねてより懸念されてきました。
そこで新しく誕生したのが、IPv6です。IPv6では約340澗(かん)通り(340兆の1兆倍の1兆倍)ものIPアドレスを使用でき、ほとんど無限に近い数の機器に住所を割り当てることが可能です。そのため、現在は多くの事業者がIPv6への対応を進めています。
IPv4とIPv6のアドレスの表記は、それぞれ次のように違います。
IPアドレスの例 | |
IPv4 | 115.115.2.2 |
IPv6 | 1202:0ab5:000:0006:01cd:0005:0000:0006 |
IPv4が「.(ピリオド)」で区切った上で10進数で表記されるのに対し、IPv6は「:(コロン)」で区切った16進数で表記されるのが特徴です。
IPv6の接続方式
インターネットの接続方式は、主に以下の2種類に分けられます。
- PPPoE方式(ピーピーピーオーイー方式)
- IPoE方式(アイピーオーイー方式)
IPv4はPPPoE方式のみですが、IPv6はPPPoE方式とIPoE方式の両方に対応可能です。それぞれの方式の特徴について、以下で詳しく解説します。
PPPoE方式
PPPoEとは、「Point-to-Point Protocol over Ethernet」の略称です。
ダイヤルアップ接続やISDNなどの電話回線を用いたインターネットに接続していた時代に開発された「PPP(Point-to-Point Protocol)」という規格を前身とし、これをイーサネット(Ethernet)を使って通信できるように修正・拡張したものを指します。イーサネットとは、LANケーブルや光ファイバーケーブルなどを用いて、端末をネットワークに有線接続する際の通信規格です。
また、PPPoE方式では、インターネットに接続する際はユーザーIDやパスワードの入力が必要となります。
IPoE方式
IPoEとは、「Internet Protocol over Ethernet」の略称です。PPPoE方式が電話回線を使用したインターネット接続の規格を前身とするのに対し、IPoE方式は初めからイーサネットを使用する前提で開発されました。
また、PPPoE方式とは異なりユーザー認証が必要なく、プロバイダーのネットワークに直接接続することで、シンプルにインターネット通信が行えるのも特徴です 。
PPPoE方式とIPoE方式の違いまとめ
PPoE方式とIPoE方式の違いをまとめると、次の通りです。
PPPoE方式 | IPoE方式 | |
インターネットへの接続方法 | IDやパスワードによるユーザー認証を行い接続 | Ethernetを利用して直接インターネットに接続 |
接続できるWebサイト | IPv4・IPv6 | IPv6のみ |
IPv4 over IPv6とは
IPoE方式では基本的にはIPv6のWebサイトしか閲覧できません。2024年現在はIPv4からIPv6への移行期で、IPv4のみに対応したWebサイトはまだまだ多くあります。
そこで開発されたのが、IPv6の通信網でIPv4での通信が可能な「IPv4 over IPv6」です。基本的にはIPv6でインターネットに接続しつつ、IPv4のみ対応のWebサイトを開く際には自動的にIPv4に切り替わります。これにより、閲覧するWebサイトが対応するインターネットプロトコルのバージョンを気にすることなく、より快適にインターネットを楽しめるようになります。
なお「IPv6はIPv4よりも通信速度が速い」と思われがちですが、これは間違いです。契約しているインターネット事業者によっては、IPv6とIPoE方式を組み合わせて利用することで、回線混雑を回避できる場合があるため、そのように思われる傾向があります。しかしでIPv4やIPv6とPPPoE方式の組み合わせも、その回線を管理する事業者が適切な回線増強を行っていれば、問題なく安定・高速な通信環境のもとインターネットを利用することが可能です。
IPv6でインターネットに接続する方法
現在はIPv4とIPv6が混在している状態のため、両方の接続に対応できる方式が望ましいでしょう。
新しい規格であるIPv6でインターネットに接続するためには、IPv6に対応した回線とルーターが不可欠です。
そのため、まずはIPv6に対応している回線事業者やプロバイダーと契約する必要があります。なお、プロバイダーによっては、IPv6を利用するのにオプションへの申し込みや追加料金が必要な場合もあるので注意しましょう。
IPv6で接続できているか確認するには?
パソコンやスマートフォンなどがIPv6で接続できているかは、次の手順で確認できます。
【Windowsの場合】
- 「スタート」ボタンをクリックし、「設定」を選択
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- 接続中のネットワークに表示されている「プロパティ」をクリック
- プロパティの画面をスクロールしていき、IPv6アドレスが割り当てられていればIPv6で接続されている
【Macの場合】
- アップル メニューから「システム設定」を選択
- 「ネットワーク」をクリック
- 使用しているネットワークサービスをクリックして「詳細」を選択
- 「TCP/IP」を選択
- 画面にIPv6アドレスが表示されていれば、IPv6で接続されている
【iPhoneの場合】
- 「設定」から「Wi-Fi」をタップ
- 「接続中のネットワーク名」の右側にある「i」マークをタップ
- 「IPv6アドレス」に2アドレスと表示されていれば、IPv6で接続されている
【Androidの場合】
- 設定アプリから、接続に関するメニューを選ぶ
- 接続しているネットワークの詳細画面を開く
- IPアドレスを確認し、IPv6アドレスが表示されていればIPv6で接続されている
まとめ
IPv6とは、「インターネット通信を行うためのルール」における最新のバージョンです。
IPv6の登場により「インターネットの普及によりIPアドレスが枯渇する」という問題は事実上解消されました。
近年は多くの事業者が、IPv6への対応を進めています。光回線サービスを比較する際は、「IPv6に対応しているか」も検討材料の一つとしてみましょう。
ただし、IPv6はあくまで通信を行うためのルールの1つであり、「IPv6=通信速度が速くなる」というわけではありません。また、現状はまだまだIPv4でしか接続できないWebサイトやサービスも多いため、IPv6とIPv4の両方に対応することが必要です。
関西圏で光回線サービスを提供するeo光ネットでは、IPv6とIPv4を同時に利用できる「デュアルスタック方式」を採用しています。必要に応じてIPv6とIPv4の切り替えができるため、IPv4にしか対応していないWebサイトやサービスにも接続できるだけでなく、IPv6を優先するWebサイトやサービスを快適にお楽しみいただけます。
また、eo光ネットは自社で光ファイバーを敷設して提供しているので、混雑状況に合わせた適切な回線増強が可能です。これにより、安定した高速通信を実現しています。
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