日々の業務の中で繰り返し発生する単純作業に時間と手間を取られていませんか? 例えば「メールで請求書を受け取り、PDFファイルをダウンロード、ドライブに保存し、Slackで報告」といったフローなどです。こんな繰り返し処理の自動化に便利なのが、「Zapier」です。このタスク自動化ツールを使えば、異なるサービス同士を組み合わせてタスクを自動化することができます。今回は、Zapierの概要や特長などをご紹介します。あわせて、同様の自動化タスクツール「IFTTT(イフト)」との違いもご説明します。
ライター:藤沢めぐり
Zapierでできることとは?
Zapierとは
Zapierは、異なるアプリやWebサービス同士を連携させてタスクを自動化するツールです。2012年にアメリカでリリースされて以降、世界中で利用されています。従来はタスクの自動化システムには個別のプログラム開発が必要でしたが、Zapierを使えばエンジニアの介入なしで自動化の仕組みが作れます。
Zapierでできること
Zapierを使えば以下のようなことができます。
- Google カレンダーに予定を入力すると、自動的にTrelloのカードを作成
- 設定した条件に合致したGmailが届くと、Chatworkに文面を自動でアップ
- Instagramに画像を投稿すると、Twitterにも自動で投稿
- Gmailで請求書を受け取ったら、PDFファイルを自動でGoogle ドライブに保存
- Gmailの添付ファイルを自動的にDropboxに保存し、Slackに通知する
このような日々の業務内で繰り返し行なっている作業を自動で行えるようになります。さらに、有料プランではSFA/CRMやMAツールとの連携も可能です。
公式サイト:https://zapier.com/
Zapierの仕組み
Zapierの機能は「Trigger(トリガー)」「Action(アクション)」「Zap(ザップ)」「Task(タスク)」という4つの概念で成り立っています。「Instagramに画像を投稿したら、Twitterにも自動で投稿」というタスク自動化を例に説明します。
・Trigger
Triggerとは、タスク自動化を開始する「条件」のこと。上記に挙げた例の「Instagramに画像を投稿したら」の部分がTriggerです。
・Action
Actionは、Triggerによって「自動的に行う動作」のこと。上記に挙げた例でいうと「Twitterにも自動で投稿」がActionです。
・Zap
Zap=「Trigger+Action」。「Instagramに画像を投稿したら、Twitterにも自動で投稿」という一連の流れをひとつのZapと呼びます。なおZapier内にはすでに作成済みのZapが多数提供されているので、それらを使用することも可能です。
・Task
Zapを作成して自動化が実行されると、それがTaskとして保存されます。
Zapierで連携可能なサービス
Zapierで連携できるサービスは、2021年3月の時点で約2,000種類以上。以下に挙げるのはその一部ですが、多くの人気ツールや主要SNSが網羅されています。
- Google カレンダー
- Google スプレッドシート
- Google ドライブ
- Google ドキュメント
- Gmail
- WordPress
- Evernote
- Chatwork
- YouTube
- Trello
- Slack
- Dropbox
- Microsoft 365
このほか、有料プランであればShopifyやSalesforce・PayPal・GoToWebinarなども利用できます。
ZapierとIFTTTの違いは?
Zapier以外にも、異なるアプリやWebサービスを組み合わせてタスクを自動化するツールとして有名なものに「IFTTT」があります。IFTTTとZapierは機能が共通しているため、どちらのツールを選べば良いのか悩む方は多いかもしれません。両者には以下のような違いがあります。
連携可能なプラットフォーム数の違い
IFTTTもZapierと同様、多数のプラットフォームに対応してはいますが、対応数はZapierの方がはるかに上。2021年3月現在、IFTTTの対応プラットフォームは約180。対してZapierは2,000以上です。
もちろんIFTTTもSNSや動画サービス・チャットサービスなど人気アプリを幅広くカバーしているので、個人利用であればIFTTTでも十分事足りるでしょう。しかし、ビジネス利用などでより多くのプラットフォームを利用したいのであれば、Zapierの方が拡張性は高いと言えます。
Zapierは3つ以上のプラットフォームと連携させる「マルチステップ」が可能
IFTTTで連携可能なプラットフォームは2つまでですが、Zapierでは3つ以上のプラットフォームを連携させて自動化できます(これをマルチステップと呼んでいます)。
先の例で挙げた「Gmailの添付ファイルを自動的にDropboxに保存し、Slackに通知する」などがこれに当たります。
Zapierは複雑な条件設定が可能
Zapierのもうひとつの特長は、複雑な条件のトリガー設定が可能な点です。例えば「キーワード〇〇を含み、100回以上リツイートされたツイートのみを拾う」「▲▲というアカウントが発信した、キーワード〇〇から始まるツイートで、なおかつ50回以上お気に入りされたものだけを拾う」といったフィルタリングを設定することもできます。このように、考え方次第で業務が楽になる仕組みを作れます。
スマートホームアプリとの連携ならIFTTTが強い
IFTTTの強みのひとつは、スマートホームアプリとの連携に優れていること。Google HomeやAlexa・Amazon Echoなどを始めとするスマートスピーカーと連動させる機能が充実しています。対してZapierは、現状互換性のあるスマートホームアプリはごくわずか。スマートホームアプリとの連携を考えている方には、IFTTTの方が適していると言えるでしょう。
関連記事:IFTTT(イフト)とは?Webサービス・SNSを連携させる便利ツール
Zapierの料金プラン
Zapierは無料で利用することもできますが、プランによって設定できるZapの数や月に実行可能なタスク数が異なります。また、有料プランではマルチステップ(3つ以上のプラットフォームを連携させること)の使用が可能、有料プランのみで連携可能なプレミアムアプリもあります。
無料 | スターター | プロフェッショナル | チーム | カンパニー | |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | $19.99 | $49 | $299 | $599 |
Zap数 | 5 | 20 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
Task数 | 100 | 750 | 2,000 | 500,000 | 1,000,000 |
プレミアムアプリ | 使用不可 | 3つまで | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
マルチステップ | 使用不可 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
その他の特長 | チームでZapを 共有可能 |
SSO・SCIMに 対応 |
Zapierのデメリット
日々の業務効率改善に有効なZapierですが、こんなデメリットもあります。
日本語対応していない
Zapierは非常に便利なツールですが、2021年3月現在日本語対応はされていません。公式サイトも英語表示、アカウントの設定や連携作業も英語での設定が必要です。
日本国内のツールとの連携が少ない
Zapierの連携可能サービスは2000以上ありますが、日本国内のツールとの連携はあまり良いとは言えません。LINEをはじめ国内ツールとの連携をメインにしたい方は、IFTTTの方が使いやすいかもしれません。
まとめ
Zapierは、多数のアプリやWebサービスを組み合わせて自動化できる便利なツール。3つ以上のプラットフォームを連携させたり、複雑な条件設定をしたりも可能なので、使い方次第で非常に高度な自動化を実現できるでしょう。興味のある方は、ぜひ登録して使ってみてはいかがでしょうか。
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