USB Type-CとType-Aの違いとは?メリット・デメリットを解説

2014年に発表され、翌年にApple製品へ搭載されて一躍有名になったUSB端子の規格「Type-C」。今ではWindowsパソコンやAndroidスマホ、周辺機器などさまざまなデバイスで目にするようになりました。しかし実際USB Type-Cの何がすごいのか、知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は既存の端子規格と比べてUSB Type-Cの何が優れているのか、メリットを発揮するための注意点などを解説したいと思います。

ライター:CLIP編集部

USB Type-C とは?

タイプC

USB Type-Cは2014年、USB規格「USB3.1」で制定された新しいコネクタ規格です。USB Type-Cの誕生で高速通信や大型機器充電が可能になりました。今ではMacBookを筆頭に新型のノートパソコンやスマホの接続端子の多くがUSB Type-Cへ移行しています。ではUSB Type-Cは今までのUSB端子と何が違うのでしょうか。

USB端子の違い。タイプA/タイプB/Mini USB/Micro USBなど

まずはよく目にする主なUSB端子をご紹介します。

USB Type-A

USB端子

「USB Type-A」に関して、一度は目にしたことがあるUSB端子ではないでしょうか。約5mm×約12mmで長方形の形をしており、パソコン接続の標準的なタイプです。

USB Type-B

タイプB

「USB Type-B」は、プリンターやオーディオなど、主にパソコン周辺機器に接続する際に使用されます。「Type-A」から出力し「Type-B」に入力されるケーブル製品が主流です。

Mini USB(Mini USB Type-B)

Mini USB

「MiniUSB」は、モバイルバッテリーやデジカメなどに小型の電子機器で使用するため、「Type-B」のUSB端子を小さく改良したものです。
似た形状のコネクタで、パソコンと接続してデータの転送を行う「Mini Type-A」や、周辺機器同士を接続する「Mini Type-AB」があるので注意が必要です。

Micro USB(Micro USB Type-B)

Micro USB

スマホやタブレット端末などに使用されている「Micro USB」。充電時など何度も抜き差しすることを想定しており、差し込み回数による寿命が1万回以上の耐久性を持っています。
こちらも「Mini USB」同様、「Micro Type-A」「Micro Type-AB」があるので、自分が必要なコネクタ規格がどのタイプか、確認しておきましょう。

USB規格の違い。USB1.1/2.0/3.0/3.1/3.2について

USBには、転送速度と給電量を表す規格が存在します。「USB1.0」「USB2.0」「USB3.0」「USB3.1」の4種類が主に使用されており、USB Type-CはUSB 3.1に対応しています。ただケーブルの一方のコネクタが「Type-C」であっても、ケーブルのもう一方のUSB規格が古いままだと高速通信ができません。

USB1.1

「USB1.0」は一番最初の規格で1996年に開発されました。最大転送速度の12Mbps、給電量は2.5W。今でも使用されることがありますが、転送速度は速いとは言えないでしょう。

USB2.0

「USB2.0」の転送速度は、最大転送速度が480Mbpsと大幅に改善。しかし給電量は2.5Wのまま

USB3.0(USB3.2 Gen 1)

USB3.0

2008年に誕生した「USB3.0」は、転送速度が5Gpbs、給電量は4.5Wと大幅に改良され、超高速のデータ転送を可能としました。「USB1.1」や「USB2.0」と区別するため、コネクタの接続部分が青色になっています。
後に「USB3.1」が発表された際に名称を「USB3.1 Gen 1」に、さらに「USB3.2」が発表されると「USB3.2 Gen 1」と変更されました。

USB3.1(USB3.2 Gen 2)

2013年に発表された「USB3.1」は、より高速な通信を可能にした「SuperSpeedPlus」という機能を備えた規格です。最大転送速度は前規格の2倍である10Gbps、給電量も15W~100Wとかなり進化。「USB3.2」が発表されたことで規格が統一され、「USB3.2 Gen 2」へと変わっています。

USB3.2(USB3.2 Gen 2×2)

2017年に生まれた「USB3.2」は、理論上のデータ転送速度が「USB3.1」の2倍である20Gbps。「USB3.2」でスマホやカメラから撮影した画像をパソコンへ転送すれば、ほぼ一瞬で終わることが多いです。

USB Type-Cは何ができるの?メリットとデメリットを解説

USB Type-Cは何ができるの?メリットとデメリットを解説

ここまでUSBの種類ついて説明してきましたが、ではUSB Type-Cは他のUSBと比べて何が違うのか、どこがすごいのかを解説します。

USB Type-Cのメリット

1.電源供給が可能になり、ACアダプターが不必要に!

USB Type-Cの最大のメリットが、大容量の電源を供給できるシステム「USB Power Delivery(=USB PD)」に対応したこと。最大100Wの電源供給が可能になり、これまで不可能だったパソコンなどの電子機器の充電ができます。

2.上下左右対称で差し込み確認不要に

USB Type-Cは、上下左右が対象になっており、今までのUSBのように差込口の確認が必要ありません

3.「オルタネートモード」で映像出力可能に

オルタネートモード

USB Type-CにはUSB以外の規格の信号を流せる「オルタネートモード」機能が搭載されたため、「HDMIケーブル」や「Displayport」が担っていた映像出力などをUSBでまかなえるようになりました。

このオルタネートモードを利用したのがApple製品に活用される「Thunderbolt3」。インテル社とアップル社が共同開発した高速通信規格で、理論上の転送速度は40Gbpsを誇り、映像出力や大容量の電力供給など多様な機能を備えています。2020年、PCleデバイスの接続環境を改善させた「Thunderbolt4(USB4.0)」も発表され、実装に向けて動いています。

4.高い互換性でケーブルの切り替え不要

変換ケーブルを使えば「USB Type-A」など、その他USB規格に変換してくれる互換性の高さもUSB Type-Cのメリットの一つ。さまざまなUSB端子が混在する現状とても便利な機能といえるでしょう。

5.最高速度の転送と最大給電量

最高速度の転送と最大給電量

USB Type-Cは最大の転送速度を誇る「3.1」以降のUSB規格「3.2」にも対応しているため、高速通信・大容量電力の供給が可能です。

USB Type-Cのデメリット

1.USB Type-CはUSB規格によって性能が変わる

USB Type-Cは全USB規格に対応しているのですが、パソコンやスマホ・ケーブル・その他のデバイスそれぞれのUSBポートの規格によっては、高速伝送のメリットが享受できない場合があります。
「せっかく買ったのに、思ったより速くない」「モニターに映像出力ができない」。そうならないためにUSB規格によってできること、できないことを把握しておきましょう。

USB規格

ケーブルの片方が「USB Type-C」だったとしても、もう一方のケーブル・ポートのUSB規格が古いままだと転送速度も遅いまま。また「USB2.0」以前はオルタネートモードが利用できません。USB規格が3.0以上のものであってもケーブルの種類や長さによっては、オルタネートモードやPower Deliveryが使用できない場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

2.対応するデバイスがまだ少ない

現状USB Type-Cに対応しているデバイスが少ないことも、デメリットとして挙げられるでしょう。片方がUSB Type-Cであっても、もう片方が別のコネクタ規格であれば、機能を十全に使えないこともあります。

まとめ

USB Type-Cはデータの出入力から電源、映像出力まで、いくつものケーブルが担当する機能を1本でまかなうことができる優れモノです。
現状では、使えるデバイスが限られていますが、今後発表されるデバイスには搭載されることは間違いありません。
今後の普及に備えて、USB規格を間違えないように、それぞれの特徴を知っておくことが重要です。


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