スマートフォンの利用が増えるにつれ、「アプリを自分で作ってみたい」と思う方や、仕事や趣味などでアプリ作成の必要性が発生している方もいるのではないでしょうか。
そんな方がもしかしたら聞いたことがあるかもしれないワードとして「PWA(プログレッシブウェブアプリ)」というものがあります。PWAとは、Webサイトをアプリ化する技術のことです。現在では多くのWebサイトに活用されている技術ですが、PWAを活用することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?
この記事では、PWAの機能のほか、代表的なメリットについて紹介します。アプリを作成したいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ライター:CLIP編集部
あなたにピッタリのインターネットは?
PWAとは?注目されている理由とネイティブアプリとの違い

PWAが注目されている理由や、ネイティブアプリとの違いなどについて紹介します。
PWAとは? 注目されている理由は?
PWAとは、WebサイトやWebアプリをネイティブアプリのようにインストールする技術を指します。
WebサイトにPWAを実装すると、ユーザーがアプリのインストールを行う必要がなくなるため、現在では多くのWebサイトで活用されるようになりました。また、ネイティブアプリの場合はiOS・Androidなど、OSごとに仕様を変更する必要がありますが、PWAはOSに関わらず動作するため、開発コストも抑えられます。
PWAを実装した具体例としては、ヴィジュアル検索プラットフォーム「Pinterest」や音楽のサブスクリプションサービス「Spotify」が有名です。これらのサービスは、Webサイトを表示し、スマートフォンのホーム画面に追加するだけでネイティブアプリのように利用できます。(※インストールが必要なスマホアプリ版もあります)
PWAとネイティブアプリ・ハイブリッドアプリとの違いは?
アプリケーションの種類には、ネイティブアプリやハイブリッドアプリがあります。PWAとこれらのアプリの違いを解説します。
【ネイティブアプリとの違い】
ネイティブアプリは、特定のOS向けに開発され、アプリストア(Google PlayやApp Store)を通じてインストールして利用するアプリケーションです。
OSごとに開発環境やプログラミング言語が異なるほか、アップデート時にもアプリストアの承認が必要となるため、修正や機能追加に時間がかかる場合があります。
ネイティブアプリは、ユーザーにとって一般的にはもっとも馴染みのあるアプリケーションの形式ですが、PWAは「OSごとに開発する必要がない」「アップデート時の承認も不要」といった点がネイティブアプリとは異なります。
【ハイブリッドアプリとの違い】
ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリとWebアプリの特性を組み合わせたアプリケーションです。
アプリ内部にWebView(組み込みブラウザ)を配置することでWebコンテンツを表示することができます。Gmail、Instagram、Amazonなど、さまざまな企業のアプリケーションに利用されています。
ただし、ユーザーはアプリをインストールする手間が発生するほか、開発者としてはOSごとに開発が必要なため、PWAのように開発やアップデートを簡略化することはできません。
PWAの代表的な機能とは?

WebサイトにPWAを実装することで、どのようなことができるのでしょうか?ここでは、PWAの代表的な機能を紹介します。
WebサイトのUIをネイティブアプリのように設定できる
PWAを導入することで、WebサイトのUIをネイティブアプリのように設定できます。具体的には、アドレスバーやメニューなどが非表示になり画面をフルスクリーン表示できるため、ネイティブアプリのように直感的に操作できます。サイトがより使いやすくなるほか、ユーザビリティの向上によってSEOにも良い効果が期待できます。
ホ―ム画面にアイコンを追加できる
Service Workerという機能を利用することで、スマートフォンやタブレットのホーム画面にアイコンを追加できます。アプリをインストールすることなくホーム画面に追加できるため、インストールの手間が発生しません。また、ホーム画面のアイコンをタップするだけでWebサイトにアクセスでき、検索の手間も省くことができます。
検索結果にコンテンツを表示できる
PWAは、通常のWebサイトのため、Google検索などの検索結果に表示されます。キーワード検索などを通じてサイトに訪れるユーザーも多いため、アプリストアを経由しなければならないネイティブアプリと比べて、新規ユーザーを獲得しやすくなります。
プッシュ通知をユーザーに送れる
Service Workerを使えば、プッシュ通知も表示できます。最新情報やお得な情報、キャンペーンなどをプッシュ通知することで、ユーザーがサイトにアクセスするきっかけを作ることができます。ネイティブアプリでは一般的な機能ですが、Webサイトにプッシュ通知の機能を付与できるのは大きなメリットです。
キャッシュ利用による表示速度の向上
キャッシュとは、Webサイトの閲覧に必要なデータを一時的に保存し、次回アクセス時の表示速度をスピードアップする技術です。PWAでは、このキャッシュの技術を活用でき、Webサイトの表示スピードが向上します。また、あらかじめページを読み込んでおけば、オフラインでもコンテンツが閲覧できるというメリットもあります。
PWAを導入するメリット・デメリット

PWAをWebサイトに実装するメリット
PWAをWebサイトに実装するメリットとしては以下があります。
・開発がしやすい(OSの縛りがない、ストア申請不要)
OSごとに開発する必要があるネイティブアプリに対して、PWAはOSの縛りがなく、開発を一元化できます。Google PlayやApp Storeでの審査や承認も不要なため、開発・リリースのプロセスが簡略化されるほか、ストアの手数料や維持費がかからず、開発・運用コストを抑えられます。
・使用するデータ容量を削減できる
ネイティブアプリは、インストール時に数十MB以上のデータを必要とすることがありますが、PWAはWebサイトのため端末のストレージを圧迫しません。また、キャッシュを利用することもできるため、表示速度がスピードアップするほか、閲覧時のデータ容量を抑えることができます。
・Webサイトが使いやすくなる
サイトにPWAを実装することで、フルスクリーン表示が可能になるほか、ホーム画面にアイコンを設置でき、アプリのように気軽にアクセスできるようになります。既存のWebサイトに比べると、見やすさ・使いやすさが向上するため、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待できます。
・ユーザーへのアプローチが可能
サイトにPWAを実装すると、Google検索などの検索結果に表示されます。そのためネイティブアプリでは難しい、検索からの新規ユーザーの獲得も期待できます。 また、プッシュ通知も表示されるため、最新コンテンツやキャンペーンなどの情報をユーザーに直接届けることも可能です。
PWAをWebサイトに実装するデメリット
PWAは開発側にもユーザーにもメリットが豊富な技術ですが以下のようなデメリットもあります。
・OSやブラウザによって動作環境が異なることがある
PWAはWeb技術を活用しているため、ブラウザによって動作が異なる場合があります。一部のiOSのブラウザでは、プッシュ通知やオフライン対応が制限されるており、PWAのメリットを十分に活かせない可能性があります。
・従来のWebサイトより開発コストがかかる
Service Workerの実装やキャッシュ管理、プッシュ通知の設定など、PWAは通常のWebサイトよりも開発工数がかかってしまう可能性があります。開発コストと得られる効果をシミュレーションし、費用対効果が得られるかどうかをしっかり確認しましょう。
まとめ
PWAは、Webサイトをアプリ化できる技術のことで、実装することで開発側にもユーザーにも多くのメリットがあります。ただ、OSやブラウザによって動作環境が異なる点や、従来のWebサイトよりは開発コストがかかるという点には注意が必要です。上手く活用すれば、サイトのユーザビリティやエンゲージメント向上といった効果が期待できるので、気になった方は実装方法の調査から始めてみるといいかもしれません。
【関西でネット回線をお探しなら】
eo光は17年連続お客さま満足度 No.1!※
※RBB TODAYブロードバンドアワード2023 キャリア部門 エリア別総合(近畿)第1位(2024年2月発表)
2007年~2023年17年連続受賞
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。