2024年にこれまで使用されてきた固定電話のサービスが終了することはご存知でしょうか? 今回は固定電話サービスがなぜ終了するのか、また終了後に今使っている固定電話はどうなるのかについて解説します。
ライター:CLIP編集部
固定電話とは
固定電話とは、基地局の中継交換機を電話線で結んだ通信回路を使用する電話のこと。電話加入権と呼ばれる設置負担金を支払う必要があったことから加入電話ともよばれています。固定電話の回線には、アナログ信号という連続した波形を描く電気信号が銅線によって伝わっていく「アナログ回線」と、0と1のみで構成されたデジタル信号に変換された情報が銅線に流れる「ISDN回線(デジタル回線)」の2種類が存在。
現在の主流はインターネット回線を利用して通話を行う「IP電話」です。
固定電話はなぜなくなるのか
現在の固定電話サービスが終了する理由は、利用者数の減少と固定電話網に不可欠な中継交換機の老朽化です。
総務省が2020年に公表したデータからも、固定電話の契約数が着実に減少していることが見て取れます。
携帯電話の普及に伴い、2009年には4334万件あった固定電話の契約件数は、2019年には1846万件と半数以下にまで減少。
また固定電話の回線網に必要不可欠な中継交換機も老朽化が進んでおり、2025年を目途に寿命を迎えるといわれています。
このような背景からNTTは2024年に現在固定電話で使用されているアナログ回線とISDN回線を廃止するとしています。
今ある固定電話はどうなるのか
「固定電話サービスが終了する」といっても、今使用している固定電話が使用できなくなるわけではありません。アナログ回線とISDN回線を用いている固定電話は、NTTによりネットワークの内部構造が変更されIP電話として再構築されます。そのため現在使用している電話機は工事不要で、そのままIP電話として使用可能。それだけでなく使用料が安くなることもあるようです。
近年「固定電話からIP電話への切り替えに伴い、今までの固定電話が使えなくなるので工事が必要です」など、アナログ回線・ISDN回線の廃止に便乗した詐欺や勧誘が増えているそう。しかしNTTからは、利用者側での手続きや自宅等の利用場所での工事は不要とアナウンスされているのでしばらくはこのような話に注意してください。
回線の種類について
今回登場した「アナログ回線」「ISDN回線」「IP電話」の特徴をまとめてご紹介。
アナログ回線とは
アナログ回線は一番古くからある銅線を使用した電話回線で、メタル回線とも呼ばれています。1回線で1通話が利用でき、電話番号は1契約に1つのみ。通話料金は距離に応じて高くなります。またこの回線に流れるアナログ信号は、ケーブルが長くなるほど弱まりやすいという大きな欠点があるため、長距離通話では音声障害が起こることも。
ISDN回線とは
ISDN回線はアナログ回線の後発で、いくつか存在するデジタル回線のひとつ。この回線にも銅線が用いられているため、アナログ回線と一括りにメタル回線と呼ばれることも。しかしその性能はアナログ回線とは大きく異なり、1回線の契約で2通話まで同時に行う事が可能。さらに「i・ナンバー」というISDN回線の専用サービスを契約すれば、最大3つの電話番号を取得できます。それだけでなくこの回線でやり取りされるデジタル信号は、伝送距離によって弱まることがないので、常に元情報に近い状態を再現できるメリットも。しかし、こちらも通話料金は距離に応じて高くなってしまいます。
IP電話とは
現在主流となっているIP電話もデジタル回線のひとつ。IPとは、Internet Protocolを指し、音声をデータとして分割したパケットに変換することで、インターネット回線を利用して音声通話を行います。そのため通話料金は距離に関係なく一律で、携帯電話や国際電話への料金が加入電話よりも安いのが大きな特徴。
03や06などの地域局番が使える「0AB-J型」、各プロバイダーやCATV会社が提供するIP電話に多い050で始まる「050型」、LINE電話や、skypeなど「電話番号のないもの」があります。
まとめ
今使っている固定電話が2024年に使用できなくなるというのは誤りで、正確にはアナログ回線やISDN回線を利用している方は、内部システムがメタルIP電話というものに移行するということ。基本的にはそのまま使用できますが、特別なオプション契約などを行っている方は一度契約を見直す必要があるかもしれません。
近年はネット回線の契約とともにIP電話への乗り換えをされる方も多く見られます。
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