Microsoft Copilot(コパイロット)は、WindowsのAIアシスタントです。OpenAIが開発した言語モデルGPT-4をもとに開発されたツールで、個人向け・組織向けなどの種類がリリースされています。この記事では、Microsoft Copilotの基本情報、個人向けと組織向けの違いの他、無料版の使い方についても詳しく紹介します。
ライター: CLIP編集部
Microsoft Copilotとは?ChatGPTとどう違う?
Microsoft Copilot(コパイロット)とは、2023年12月にリリースされた、Microsoft社のAIアシスタントです。AIの大規模言語モデルには、OpenAI社のGPT-4が採用されています。
同じGPT-4を搭載するChatGPTとの違いは、Windows11やWebブラウザEdgeに標準装備されている他、Microsoft 365との連携などWindowsでの利用を想定したサービスである点です。ChatGPT と似た機能も搭載されていますが、よりMicrosoft社のデバイス・ツールに特化したモデルといえるでしょう。
特に、個人向けの有料版や組織向けのモデルでは、Windowsのビジネスユーザーに適したさまざまなサービスが提供されています。
個人向けと組織向けの違いは?Microsoft Copilotの種類と料金
Microsoft Copilotは、大きく分けて個人向けと組織向けの2つがあります。ここでは、個人向けをメインに、種類や料金、組織向けとの違いについてご紹介します。
個人向けのMicrosoft Copilot とは?
個人向けのMicrosoft Copilotには、以下の4種類があります。Web版のMicrosoft Copilot、Copilot in Edge、Copilot in Windowsは無料で使用できますが、Microsoft Copilot Proは有料です。
1.【Web版】Microsoft Copilot
専用のWebサイトで提供されているAIアシスタントです。Webブラウザから公式サイトにアクセスするだけで簡単に利用できます。文章や画像の生成、Webページの要約、商品の比較など、さまざまなAI機能を利用できます。
2.Copilot in Windows
Copilot in Windowsは、Windows 11に搭載されたAIアシスタントです。デスクトップのタスクバーにあるCopilotアイコンをクリックするだけで、簡単にAIを起動できます。使用できる機能としては、Web版と同じです。
3.Copilot in Edge
Copilot in Edgeは、Microsoftの検索エンジンBingを搭載したブラウザ「Edge」に搭載されたAIアシスタントです。ブラウザに表示されたアイコンをクリックするだけで簡単に起動して使用できるのが特徴です。利用できる機能はWeb版とほとんど同じですが、AIが生成した回答を共有したり保存したりすることができます。
4.Microsoft Copilot Pro
Microsoft Copilot Proは、個人向けで唯一の有料版です。無料版にはないさまざまな機能を搭載したAIアシスタントで、文章や画像の生成の他、Windowsツールとの連携機能を持っており、パソコンで行うさまざまな業務を効率化するのに役立ちます。料金や機能の詳細は、次の項目で詳しく紹介します。
Microsoft Copilot Proの特徴は?
Microsoft Copilot Proは、3,200円(ユーザー/月)で利用できる個人向けのAIアシスタントです。Copilotの無料版とは以下のような違いがあります。(2024年10月時点)
- 使用のピーク時にアクセス制限がかからない
- 新しいAI機能をいち早く利用できる
- AI画像生成がより多く行える(無料版1日15ブーストに対し、1日あたり100ブースト)
- 無料 Web バージョンのMicrosoft 365アプリ( Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)で Copilot を使用できる
Microsoft Copilot Pro は、Windowsツール×AIツールによる生産性の向上や業務効率化を実感しやすいモデルで、プライベートだけでなく個人のビジネス利用を検討している方におすすめです。また、Microsoft 365 Personal または Microsoft 365 Family を別途契約しているユーザーは、より充実した機能を備えたCopilotのデスクトップアプリを使用できます。
組織向けMicrosoft 365 Copilotとは?
Microsoft 365 Copilotは、月額は4,497円(ユーザー/月 ※年額53,964 円)円で利用できる、組織向けのAIアシスタントです。
Microsoft 365アプリ(Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams、Edge for Business)とCopilotを組み合わせて使用できるため、仕事や作業のスピードや効率が格段にアップし、生産性向上が期待できます。
また以下のようなCopilotエージェントや拡張機能が用意されており、ビジネスニーズに合わせてカスタマイズできるのも特徴です。
Copilotエージェント
Microsoft Copilotを新しいデータベースやアプリケーションに接続し拡張でき、ビジネスに合わせてカスタマイズできるサービス。別途費用が発生するものもあります。
・Microsoft 365 Copilot for Sales
営業部門に特化したAIアシスタントです。顧客とのコミュニケーション、販売データの分析、顧客リードの優先順位付け、パーソナライズされた営業戦略の構築などのサポートに役立てることができます。
・Microsoft 365 Copilot for Service
カスタマーサービス部門向けのAIアシスタントです。顧客からの問い合わせ対応を支援し、AIが自動的に提案や解決策を提供します。カスタマーエクスペリエンスの向上に役立ちます。
・Microsoft 365 Copilot for Finance
財務部門向けのAIアシスタントです。財務報告の生成、予算の管理の自動化などを行うことができ、財務プロセスの最適化に役立てられます。
・Microsoft Copilot Studio
生成 AI と大規模言語モデルを使用して、さまざまなチャネルの会話型アプリケーションを設計するための拡張機能です。Microsoft Studioを使用することで、Copilotをより自社向けにカスタマイズすることができ、あらゆるビジネスプロセスの改善に役立てることができます。
・参考:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-copilot/microsoft-copilot-studio
その他、拡張機能
・Microsoft Copilot for Security
セキュリティ体制を強化する拡張機能です。AI のスピードとスケールで、被害が発生する前にサイバー脅威を検出することができます。
・参考:https://www.microsoft.com/ja-jp/security/business/ai-machine-learning/microsoft-copilot-security
・Microsoft 365 Copilot in Azure
生成AIを活用して、ビジネスで利用するアプリとインフラの設計、運用、管理を簡素化する拡張機能です。組織・個人の使い方に合わせて、AIアシスタントがビジネスフローの効率化をサポートしてくれます。
・GitHub Copilot
GitHub Copilotは、プログラミングに特化したAIアシスタントで、コーディング中にAIが最適なコードを提案してくれます。GitHub Copilotを導入することで、システムの開発スピードを向上させたり、スムーズにすることができます。
なお、これらの拡張機能を利用するためには別途料金がかかります。それぞれの特徴や料金を詳しく知りたいという方は各詳細ページか、以下の公式サイトからご確認ください。
アプリ版Microsoft Copilotとは?
個人向け・組織向けのMicrosoft Copilotとは別に、日常生活でも使いやすいスマホアプリ版もリリースされています。ビジネス向けと同じ最新のAIモデルが搭載されており、チャット形式で日常のちょっとした悩みや疑問を解決してくれます。また、簡単な文章や画像の生成ができる他、旅行のプランや献立を考えるのにも役立てることができるでしょう。日常生活で気軽に使えるAIアシスタントが欲しいという方にぴったりなモデルです。
Microsoft Copilotの使い方は?
では、Microsoft Copilot では、どのようなことができるのでしょうか? ここからは、無料版のMicrosoft Copilot の使い方について紹介します。
Web版Microsoft Copilotの基本的な使い方
Web版のMicrosoft Copilotは、Copilotの機能を手軽に体感できるモデルです。以下の3ステップで、誰でも簡単に利用できます。
- ブラウザからMicrosoft Copilotの公式サイトにアクセスする
- ページ下部にある検索窓にプロンプト(AIに聞きたいこと・やってほしいこと)を入力する
- AIからの回答を確認する
プロンプトの入力は、テキストでも音声でも簡単に行えます。「今日の料理のレシピは?」と聞くと、おすすめの料理のレシピを回答してくれる他、「○○向けに送信するメールの例を教えて」と聞けば、メールの例文を自動で生成してくれます。ビジネス・プライベートを問わず、気になったことを聞けばなんでも回答してくれるので、ぜひ活用してみてください。
なお、画像をアップロードして画像生成をしたいときは、Microsoftアカウントにログインする必要があるので注意しましょう。
ビジネス利用にも便利なCopilot in Edge
MicrosoftのWebブラウザ「Edge」をお使いの方は、Copilot in Edge を使用するのがおすすめです。ブラウザを閲覧しながら使えるためより使いやすい他、AIの回答をコピー、共有、保存できるなど、Web版にはない実用的な機能が搭載されています。
ここでは、代表的な2つの活用方法を紹介します。
【WebページやPDFの要約】
まず一つ目は、日ごろプライベートでも仕事でも便利に活用できそうなWebページやPDFの要約。
1.Edgeで要約したいWebページやPDFを開き、Copilotのアイコンをクリックします。
2.プロンプトの入力欄に「このページを要約してください」と入力してEnterを押します。
この2ステップで、簡単にWebページやPDFの内容を要約できます。
長文のページやPDFをCopilotで要約して大まかな内容を把握したうえで、じっくり読むと理解が深まる可能性もあります。また時間がない時などにも役立ちそうです。
なおYouTube動画の要約にも活用できます。その場合はプロンプトを「この動画を要約してください」に変更するだけでOKです。
また、AI回答の下部のアイコンから、コピー、SNSなどへの共有、WordやPDFでの保存ができるので、閲覧している記事や動画の情報を抽出したいときに便利に活用できるでしょう。
【文書生成】
次に、文書生成のやり方を紹介します。
1.チャットから作成のタブに切り替えます。
2.執筆分野を入力し、トーンや形式、長さを選び、「下書きの作成」をクリック。
3.プレビューを確認します。
プロンプトやトーンを変えるだけで、さまざまなシーンに合わせた文章の下書きを作成してくれます。メールやブログ記事の作成で困ったときに便利活用できるでしょう。また、企画に困ったときのアイデア出しなどで使用することもできます。
まとめ
Microsoft Copilot(コパイロット)は、OpenAIが開発した言語モデルGPT-4を採用したWindowsのAIアシスタントです。個人向けと組織向けのさまざまな種類がリリースされており、個人向けの無料版であれば、誰でも簡単に利用することができます。Microsoft Copilotに興味をお持ちの方は、ぜひ無料のWeb版やCopilot in EdgeからMicrosoft Copilotの魅力を体験してみてください。無料版を試してもっと使いたいと感じた方は、Microsoft Copilot Proや組織向けモデルへのグレードアップを検討されるといいでしょう。
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