Clubhouseは、米シリコンバレー発の音声SNS。2020年10月23日にApp Storeでアプリが公開され、日本では2021年1月下旬からユーザー数が増え話題になっています。スタートアップ、ベンチャーキャピタル界隈を中心に招待制で広まり、「FOMO(fear of missing out)=取り残される恐怖」がユーザーを増やす要因になっているともいわれます。
この記事では音声SNS「Clubhouse」とは何なのか、招待や機能と使い方、注意点などをご紹介します。
ライター:平田提
Clubhouseとは?シリコンバレー発の音声SNS
ClubhouseはAlpha Exploration社のポール・デイヴィソン氏とローハン・セス氏によって生み出され、スタートしたのは2020年とごく最近。
日本では2021年1月下旬からユーザーの招待が広まった傾向があり、1月28日には Clubhouseのダウンロード数がApp Storeランキングで総合1位になりました。TwitterではClubhouseがトレンドに入り、スクリーンショットでの招待報告や招待依頼が続きました。日本でも有名人・起業家をはじめユーザー数が伸びてきているようです。
ちなみにアプリのアイコンの人物はアメリカのジャズギタリストのBomani X氏(@iambomanix)。以前はなぜか『ゴースト・バスターズ』『恋はデジャ・ブ』などの俳優ビル・マーレイがアイコンでした。
Clubhouseの基本機能
ClubhouseのiOS版アプリは無料でダウンロード・利用が可能ですが、既存ユーザーからの招待必須です。UIは英語です。
Clubhouseは「音声版Twitter」と紹介されることがありますが、
- Twitter=非同期型の(後から投稿に反応できる)SNS
- Clubhouse=同期型の(その時間のみ交流できる)SNS
というようにコミュニケーションの在り方が違います。
Clubhouseでは「Room」と呼ばれる、特定の話題の「部屋」で音声によるコミュニケーションをします。ホストとなるスピーカー1人がRoomをつくり、任意で他のユーザーを共有ホストとして追加できます。Roomをタップした時点ではリスナーとなり、会話を聴くことができます。ホストは「invite(招待)」してリスナーをスピーカーにすることも可能です。
Clubhouse「Room」の種類
Roomは公開範囲別に以下の3種類があります。
- Open……誰でも聴ける
- Social……自分がフォローしているユーザー限定
- Closed……自分が選んだユーザー限定
アプリのTOP画面上部のカレンダーから日時を指定してRoomを開催予約することができます。趣味や特定のテーマでメンバーとつながるClubという機能もあります。
ClubhouseでのClubの作り方
「ウェルネス」「スポーツ」「アート」など特定のテーマでつくられる「Club」は、いわばFacebookグループや、Clubhouseと同じく招待制のSNSだったmixiのコミュニティのような機能。現在はClubhouse運営が手動で管理しているのですが、リクエストが多いようでClub作成には条件があります。
- 少なくとも週に3回以上他のユーザーが参加するRoomをつくっていること
- 1ユーザにつきつくれるClubは1~2まで(公式で表記ゆれ)
将来的にはアプリ上でClubをつくる機能が実装される予定のようです。
現在はアプリのプロフィールページの設定(歯車アイコン)からFAQ・コンタクトに進み、ブラウザ上でフォームからClub作成の申請ができます。FAQページの「How can I start a club? 」で、(テキストリンクではなく)右向き矢印をタップして出た文章中の「here」のリンクを選択するとClubの申請フォームに進めます。
Clubhouseの招待機能とは
ClubhouseはiOS版のみ(2021年2月現在)で、利用・招待できるユーザーもiOSユーザーに限られます。
招待する手順は、まずアプリTOP画面上のメールアイコンをタップ。ClubhouseにiPhoneの電話帳へのアクセスを許可し、表示された電話帳の名前横の「invite」ボタン押すと定型文が入力された招待SMSが送信できます。日本のユーザーの場合、冒頭の+81 が入力された電話番号をアプリ側ではチェックしているようです。
招待されたユーザーはClubhouseのアプリをダウンロードし、送られてきたSMS認証コードをアプリ上で入力すれば登録完了です。
2021年1月下旬時点では1アカウントにつき2アカウント招待できましたが、徐々に増えているようです。2021年2月時点では7名の招待枠が確認できました。
Clubhouseの特長・使われ方
筆者の周辺では数日で100時間以上利用するなど、Clubhouseにハマるユーザーは多くいます。Clubhouseの面白さは自然発生的にRoomがつくられ、立ち話を聴くようにリスナーが参加できることでしょう。
コロナ禍で人の声に飢えていた人たちが、同期型のコミュニケーションを求めてこれだけ利用者数が増えたのではないか、と知人のClubhouse利用者は話していました。
芸能人や起業家など有名人の意外な組み合わせのRoomも多く、聴き応えがあります。会話の内容はログ(アーカイブ)に残らないため、「ここだけの話」が価値化していく可能性はあります。
海外では課金リンクへ誘導してクリエイターが収益化を狙っているケースが見られます。Clubhouseとしても今後収益化機能を追加予定とのことです。
早くも日本の企業利用が増えてきており、採用セミナーに使用する企業があります。またGMOペパボなどでは決算説明会を音声のみでClubhouse配信しています。
途中参加のリスナーは話題についていけず離脱しがちなので、Twitter等で並行してアジェンダや進行度合いを共有するなど運営上の工夫は必要そうです。スピーカーが複数で配信する場合、主要な話し手以外はミュート機能を活用したほうが雑音が少なくてリスナーは聴きやすいでしょう。
Clubhouseの注意点とは
今後はiOS版以外にAndroidも対応していくとClubhouseは公式で発表していますが、現時点でセミナー等をClubhouse上で限定で行った場合、機会の不均等になる恐れがあります。
Clubhouseは電話番号での紹介ということもあり、実名・顔写真で登録しているユーザーが多くいます。リスナーの名前がRoomに入るとずらっと表示されるので、無差別にフォローして営業などの別途連絡対象とされる懸念もあるかもしれません。
海外ではClubhouseは差別を助長する、という捉え方もあります。実際、筆者も人種差別的なRoomが存在することを残念ながら確認しました。ユーザー自身による寛容なコミュニケーションと、公式によるヘイトやルール違反への対策が期待されます。
まとめ
Clubhouseに登録すると、TOP画面にフォロワーや選んだ興味のトピックに応じたRoomが表示されます。まずは興味のあるRoomにリスナーとして参加してみることをおすすめします。今後ClubhouseはTwitterやFacebookのようなライフラインにも近いSNSになっていくのでしょうか。日本では流行する/しない両方の意見を筆者の周囲では耳にします。現状はスタートアップやビジネス関連での使われ方が多いですが、もっと広い層にリーチされると面白くなっていきそうです。
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