WebサイトやSNSなどを閲覧していて、静止画のように見えて一部だけが動いている動画を見たことはありませんか? これはシネマグラフと呼ばれる映像表現で、サイトやSNSのほか、広告、メルマガなどさまざまなシーンで活用されています。
今回はシネマグラフの特徴や効果のほか、作り方のポイントやおすすめの作成ソフト・アプリ8選を紹介します。普段目にして気になっていた方や、ご自身のSNSやメルマガなどにシネマグラフを取り入れてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ライター:CLIP編集部
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シネマグラフとは?特徴・効果と活用シーン
シネマグラフの概要や特徴、効果など、基本情報について紹介します。
シネマグラフとは?GIFアニメとの違いは?
シネマグラフとは、画像と動画を組み合わせて、一部を動画、そのほかを静止画で表現するアニメーションのことです。シネマグラフは主に.gif形式で保存されます。広義のGIFアニメーションは.gif形式のアニメーション全般を呼ぶのに対し、シネマグラフは画像の一部のみが動く、静止画と動画の中間的な表現方法そのものをいいます。
シネマグラフの特徴と効果
シネマグラフの最大の特徴は、「画面の一部だけが動く」という、現実にはない独特の表現ができることです。SNSやWebページ、広告などにシネマグラフを加えることで簡単にコンテンツのアピール度を高めることができ、より人の目に止まりやすくできます。そのほか、以下のような特徴や効果があります。
- 画像の一部分が動くだけなので、Webサイトの中に違和感なく配置できる
- 一般的に「再生時間が短い」という特徴があり、簡単に作成できる
- 容量が小さいため、表示スピードが比較的早い
- モバイル端末でもスムーズに表示されるので、モバイル向けの広告やSNSにも活用できる
シネマグラフの代表的な活用シーンは?
シネマグラフはさまざまな場面で効果的に活用できます。代表的な活用シーンとしては以下があります。
- Webサイト/LP
Webサイトのメインビジュアルや商品紹介ページで使用することで、ユーザーの印象に残りやすい、独自性のあるデザインにできます。 - メルマガ
HTMLメールでシネマグラフを使用することで、通常の画像よりも読者の興味を引き、メールの読了率やクリック率を向上させる効果が期待できます。 - SNS
FacebookやInstagram 、X(旧Twitter)などのSNSでシネマグラフを投稿すると、静止画よりも注目を集めやすく、エンゲージメント率を高める効果が期待できます。 - 広告
オンライン広告やバナー広告にシネマグラフを使用することで、商品やサービスの魅力を効果的に伝えることができます。 - ロゴ
企業やブランドのロゴにシネマグラフを取り入れることで、ユーザーの印象に残りやすいビジュアルを作り出すことができます。
シネマグラフの作成方法は?
シネマグラフは、準備さえしっかり行えば、初心者でも意外と簡単に作成できます。
まずは、デザインのもとになる静止画、動きを表現するための動画、編集ソフトかアプリの3つを用意しましょう。
編集作業は使用するソフトやアプリによって異なりますが基本的な作り方は以下です。
- 動画の上に静止画を重ねて、レイヤーマスクなどの機能で動きを出したい部分の下層レイヤー(動画部分)を表示します。
- ループ再生機能を使って、動きが自然に見えるように調整。
- 調整が完了したら、利用目的に合わせてサイズを設定し、出力をすれば完成。
作成時に注意したいポイントについては以下でくわしく紹介するのでチェックしてみてください。
シネマグラフ作成のポイントは?
シネマグラフは、未経験の方でも比較的簡単に作成できるアニメーションです。以下のようなポイントに注意することで、シネマグラフのクオリティを高めることができるので、ぜひチャレンジしてみてください。
クオリティの高い素材を選ぶ
シネマグラフは動画の一部のみを動かすアニメーションです。素材のクオリティが低い、動かしたい箇所が不明確な動画を使うと、アピールしたい印象やメッセージが伝わりづらいシネマグラフになってしまいます。素材のクオリティによって、シネマグラフの印象が大きく変わるので、アピールしたい印象や伝えたいメッセージに合わせて、クオリティの高い素材を準備しましょう。
定点カメラで撮影する
シネマグラフに使う動画素材は、定点カメラで撮影することが大切です。カメラを固定していないと、背景にブレが生じて違和感あるシネマグラフになってしまいます。また、定点カメラでも録画ボタンを押すときにレンズが動き、背景がブレてしまう可能性があります。カメラをしっかり固定し、セルフタイマーを使うか、ワイヤレスリモコンで録画ボタンを押すようにしましょう。
動かしたい部分以外は静止させる
シネマグラフは、静止した画像の一部に動画を重ねて作成します。静止画に動画を重ねるとき、動かしたい部分以外にも動きがあると、合成が上手くいかず、違和感のある仕上がりになってしまいます。シネマグラフの素材用の動画を撮影する際には、動かしたい部分以外は、できるだけ静止させることが大切です。
動くものが目立つデザインを意識する
「一部だけが動く画像」というシネマグラフの効果を最大限に引き出すには、「動き」が目立つようなにデザインをすることが大切です。動画部分が目立たないと、アピールが不十分な仕上がりになり、シネマグラフならではの魅力が半減してしまいます。また、パソコンやスマートフォンを使うユーザーがシネマグラフを目にするのはほんの一瞬です。その一瞬でユーザーに興味を持ってもらう必要があるため、画像を見た瞬間に動画部分が目立つように意識してデザインしましょう。
継ぎ目に違和感がない編集をする
シネマグラフは、画像と動画を重ね合わせて、動画部分をループ再生することで、動きが継続しているように見せています。ループ再生の継ぎ目が分かるような編集をしてしまうと、動きがぎこちなくなり、見る人に違和感を与えてしまうほか、興味をそいでしまう可能性があります。クオリティの高いシネマグラフを作成するためにも、ループ再生の継ぎ目が分からないように編集しましょう。
編集がしやすいソフト・アプリを選ぶ
シネマグラフはさまざまな編集ソフトやアプリで作成できます。操作が分かりやすく、直感的に編集できるツールを選ぶことで、クオリティの高いシネマグラフに仕上げることができます。シネマグラフの作成を検討している方は、できるだけ編集がしやすいソフト・アプリを選ぶようにしましょう。
おすすめのシネマグラフ作成ソフト・アプリ8選
シネマグラフの作成に欠かせない、おすすめのソフト・アプリ8選を紹介します。AIやフィルターを利用して、非常に簡単にシネマグラフを作成できるアプリ・ソフトも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
1. Photoshop
Photoshopは、Adobe社が開発した、世界中のクリエイターに利用されている画像編集ツールです。画像の加工、色の調整、複数画像の合成、テキストの追加や装飾などが自在に行える豊富な機能が特徴で、動画を読み込んでシネマグラフも作成できます。
豊富な機能と使いやすさを兼ね備えており、これからシネマグラフの作成をしてみたいという方から、複雑な編集にチャレンジしたいという方まで、幅広い層におすすめのツールです。無料版はないため初心者の方には少しハードルが高いかもしれませんが、写真や画像編集を頻繁に行う予定がある場合は、Photoshopを選んでみてもよいでしょう。
公式サイト:Adobe Photoshop
2. Filmora
Filmoraは、Wondershare社が開発した動画編集ソフトです。編集初心者でも使いやすいインターフェース、シネマグラフやGIFに簡単に字幕を追加できる「自動字幕起こし」、切り抜きや背景の透過、合成が簡単に行える「AIスマートカットアウト」などの機能が搭載されており、誰でも簡単にシネマグラフを作成できます。Windows・Macで動作するソフトウェア版と、iOS・Androidで使えるアプリ版があり、パソコンでもスマートフォンでも編集ができます。ただ、無料版のままだとすべての出力ファイルにFilmoraのロゴマークがついてしまう点に注意しましょう。
・公式サイト:動画編集ソフトFilmora
3. GifCam
GifCamは、パソコンでの操作や表示している動画をキャプチャして、簡単にシネマグラフやGIFを作成できるソフトウェアです。キャプチャ機能とGIF化機能という2つに特化しており、非常にシンプルなのが特徴です。GIFの編集は細かく行えるほか、テキストの追加などにも対応しています。とにかく簡単に手軽に作成したいという方におすすめです。ただ、対応しているのがWindowsのみのため、Macやスマートフォンでは使用できません。
・公式サイト:GiftCam
4. PhotoDirector
PhotoDirectorは、CyberLink社が開発したAI機能を搭載した写真編集ソフトです。Photoshopの代替ソフトと呼ばれることもあり、多彩な機能を搭載しているのがポイント。写真・動画編集に慣れていない方でも、簡単にイメージ通りの編集ができるAI機能があり、シネマグラフの作成もAI機能を使って簡単に行えます。また以下の動画のようにアニメーションエフェクトを利用しても作成可能。Windows・Macで動作するソフトウェア版と、iOS・Androidで使えるアプリ版があり、パソコンでもスマートフォンでも使用できます。
・公式サイト:PhotoDirector 365
5. Flixel Cinemagraph Pro
Flixel Cinemagraph Proは、Flixel社が開発したシネマグラフ作成アプリです。撮影した動画をアプリに読み込み、動かしたい範囲を指定。さまざまなフィルターで編集を加えるだけで、非常に簡単にシネマグラフを作成できます。直感的に操作できるインターフェースも特徴で、スマートフォンで編集がしたい初心者におすすめのアプリです。なお、Macで動作するCinemagraph Pro macOSも販売されています。
※翻訳を自動翻訳(日本語)に設定し視聴ください
・公式サイト:Flixel Cinemagraph Pro
6. PLOTAVERSE
PLOTAVERSEは、PLOTAGRAPH社が開発した静止画からシネマグラフを簡単に作成できる無料アプリ(アプリ内課金あり)です。シネマグラフは画像と動画を重ねて作成すると紹介しましたがPLOTAVERSEを使えば、静止画の画像のみでシネマグラフを作成できます。動画素材がなくても作成できるので、手持ちの画像を使って手軽にシネマグラフを作ってみたいという方におすすめ。素材の準備時間を大幅に短縮できます。なお、対応しているのはiPhoneとiPadのみで、Androidやパソコンでは使用できません。
・公式サイト:PLOTAVERSE
7. Movepic
Movepicは、フォトエディターとビデオエディターを搭載した、シネマグラフの作成に特化したアプリです。アプリに写真を読み込み、矢印で静止したい部分と動かしたい部分を指定するだけで、誰でも簡単にシネマグラフを作成できます。フィルターやエフェクトも多数用意されており、好みの雰囲気に仕上げることも可能です。ただ、日本語未対応のため、少しだけ使いづらい点と、Androidでのみ使用できるという点に注意しましょう。
・公式サイト:Movepic:動く写真加工メーカー
8. Cliplets
Clipletsは、マイクロソフト社が開発したシネマグラフの作成ソフトです。シネマグラフにしたい動画をソフトに読み込み、静止したい部分と動かしたい部分を指定するだけで簡単に作成できます。なお、シネマグラフにできるのが10秒以内の動画のみのため、あらかじめ10秒以内の動画を撮影するか、ソフト内で編集する必要があります。Windows7以降のWindowsパソコンのみ使用可能、日本語未対応などがデメリットですが、非常に使いやすいソフトです。
・公式サイト:Cliplets
まとめ
シネマグラフとは、画像と動画を組み合わせて、一部を動画、そのほかを静止画で表現するアニメーションの一種です。「静止画のように見えて動いている」という独特の表現が特徴で、Webサイト・LP・メルマガ・SNS・広告など、さまざまなシーンで活用されています。今回紹介したような編集ソフトやアプリを使えば、初心者でも簡単にオリジナルのシネマグラフを作成できるので、ブログやSNSの投稿用に作ってみたいという方はぜひチャレンジしてみてください。
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