ここ数年間で「AR」という言葉をよく耳にするようになりました。この技術はバーチャルメイクや地図アプリの機能として、すでに私たちの生活に影響を及ぼすところまで普及しつつあります。
今回はAdobeが提供するARコンテンツの作成ソフト「Adobe Aero」とは何か、簡単な使い方とあわせて紹介します。
ライター:CLIP編集部
Adobe Aeroとは
「Adobe Aero」とはAdobeが提供するARコンテンツ作成ソフトのこと。コンテンツ作成後はモバイル端末などのカメラを利用して、カメラ越しの風景の中にCGキャラクターなどを出現させられます。デスクトップ版とモバイル版があり、どちらもコンテンツの作成に費用はかかりません。
ARとVRの違い
そもそもARとVRの違いとは何か、簡単に紹介します。
AR
ARとは「Augmented Reality(拡張現実)」の略。主にデバイスのカメラなどを利用して映した現実世界の情報に、バーチャルの視覚情報を加えてデバイス画面に表示します。例えばAR用のQRコードをスマホのカメラで読み込むと、立体の映像がスマホ上に現れるようなものです。現実世界を広げるような働きをすることからこのような名前が付けられました。
VR
VRは「Virtual Reality(仮想現実)」の略です。体験者は視界を完全に覆うゴーグルなどを使用して映像を見せられるため、まるで仮想空間にいるかのような高い没入感が得られます。近年は映像を見るだけでなく、リモコン操作などにより自分の動きを映像に反映させることができるようになったため、よりリアルな体験が味わえるように。
ARの使用例
ARはすでに私たちの生活に身近なものになりつつあります。例えばデジタルとリアルを融合させた体験型イベント、より身近なものでいえばバーチャルメイクやフィッティングができるアプリ、フィルター機能付きのカメラアプリなどでその技術が用いられています。
Adobe Aeroの特徴
Adobe Aeroの特徴を紹介します。
デスクトップ版・モバイル版共通の特徴
コンテンツの作成・実行に費用がかからない
Adobe Aeroはアプリケーションのダウンロードとログインをするだけで、コンテンツの作成や実行に費用はかからず無料で使用することができます。
初心者でも始めやすい丁寧なインストラクション
Adobe Aeroでは順を追ったガイド付きインタラクティブツアーが実施されています。初心者の方はトップページから「チュートリアルを開始」をクリックすれば、ARコンテンツの作成工程を学ぶことができます。
日本語を含む多言語対応
Adobe Aeroの設定可能言語は英語以外にも日本語、ドイツ語、フランス語などさまざま。言葉の壁に阻まれることなく、スムーズに作業することができます。
多種多様なアセット(素材)が使用可能
Adobe Aeroには抽象シェイプやタイポグラフィ、サウンド効果はもちろん、植物・インテリアデザイン、そのほかアニメーションアセットなど、2D・3D、オーディオのスターターアセットが豊富に用意されています。
これら以外にも、自身で作成したものや他の人が作成したものを読み込み、使用することもできます。
さまざまなクラウドサービスと連携
Adobe AeroはAdobe Creative CloudやOneDrive、Dropbox をはじめとしたさまざまなクラウドサービスと連携しています。そのため、そこに保存されているアセットは簡単に使用可能。
クラウドサービス以外では、Apple製端末に搭載されているAirDrop機能からでも、アセットの共有ができます。
専門知識がなくても、直感的な操作で作成
アセットを配置後、動き方を候補の中から選択するだけでARコンテンツが作成できるAdobe Aeroでは、コーディング作業などの専門知識は一切不要。誰でも簡単に作成できます。
リンクの送信など、簡単に作品共有ができる
コンテンツ作成後はさまざまな方法で共有可能。一番手軽な方法はコンテンツ内容を撮影したビデオや写真をSNSで拡散することですが、実際にコンテンツを楽しんでほしい場合は、リンクを共有しましょう。そうすればリンク共有先の端末から実際にコンテンツを開くことができます。
デスクトップ版とモバイル版の違い
2023年4月現在はiOSでのみモバイル版が使用できます。
主な機能はデスクトップ版と同じですが、一部機能に違いがあるので以下にまとめました。
- デスクトップ版:アセットの配置や動きをモバイル版よりも細かく制御できる
- モバイル版:パソコンには無い外向きのカメラを利用して、リアルタイム表示しながら作成できる
デスクトップ版Adobe Aeroの使い方
コンテンツを作成するには、Adobe Aeroのトップページから左上の「新規ファイル」をクリックして、新規プロジェクトの名前をつけます。このプロジェクト名はあとからいつでも変更可能。
編集画面を開くことができれば、まずはアセットとよばれる2D・3Dデータを読み込みましょう。
左側の「スターターアセット」の中から好みのものを選択すると画面の中央に設置されます。画面上にアセットが表示されれば、次は右側の「プロパティ」から位置や大きさを調整。この変更はドラッグでもできます。
理想の位置にオブジェクトを設置後は動きをつけましょう。
編集画面左下「人型のマーク」をクリックし、画面右側の「シーン」から、動きを付けたいオブジェクトを選択。そして「トリガー」からアクションを起動させるきっかけを選びます。選択できるきっかけは以下の通り。
- 開始:体験開始と同時にアクションが起動
- タップ:オブジェクトがユーザーにタップされるとアクションが起動
- 近接開始:オブジェクトに設定しておいた範囲内にユーザーが侵入すると起動
- 近接終了:オブジェクトに設定しておいた範囲からユーザーが離れると起動
次に「アクション」から動きの種類を選択します。
動きの種類が決まればアクションの実行速度やリピートするかなど、より細かい設定をします。複数のオブジェクトを設置した方は、ここまでの手順を参考に必要に応じて他のオブジェクトに対しても動きをつけましょう。
設定後は画面の左上にある「プレビュー」をクリックすれば、動き方を確認することができます。
完成したコンテンツは右上の「共有」をクリックし、「リンクの作成」を行うことで周囲への共有が可能に。
完成!!!
スマホやタブレット端末でここに表示されたURLを開くかQRコードを読み込めば、今回作成したAR作品を実行することができます。
まとめ
今回紹介したAdobe Aeroのように、近年の急速な技術の進歩は、ARやVR、メタバースを私たちにとってどんどん身近なものにしていきます。これからも最新技術にアンテナをはり、楽しみながら生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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