カメラマンの写真データおすすめ保存方法は?プロは外付けHDDに40TB!?

テキスト:平田提

最近、家族写真をプリントアウトせずにデータだけで残している方も多いのではないでしょうか。スマホやデジタルカメラは最新機種になればなるほど、写真1枚のデータサイズが大きくなりがち……。あまり溜め込むと機器の動作にも影響してきますし、故障したときの損失が怖いですよね。

そこで活用したいのが写真データのバックアップ。
クラウドや外付けハードディスク(HDD)の自動保存など選択肢はいくつかありますが、どんなタイミング・形式で残すのが良いのでしょうか。
今回は、高画質の画像を撮り続けるプロのカメラマンたちに訊いてみました。

プロカメラマンの写真データバックアップ方法とは?撮影終了後も6カ月以上は残す

今回は3人のカメラマンさんにお話を訊いてみました。

・映画のスチール撮影やイベント、デパートのカタログなどの写真を手掛ける野田真さん
・人物のポートレートやお店の内観・外観の写真などを中心に活躍する黒川直樹さん
・雑誌やWeb媒体などでの人物撮影が多い佐伯亜由美さん 

Q.1回に何枚ぐらい写真を撮影するの? それはどのくらいのデータサイズ?

――
カメラマンは、軽量のjpeg(約2~3MB/枚)と元画像となる RAW(約20MB/枚)の2種類のファイル形式でデータを残すことが主流。またメモリーカードを2枚も使用するダブルスロット撮影というものを多く活用するらしいです。
グルメやファッションなど、撮影ジャンルや時間によるものの、プロカメラマンは1回につき数百~数千枚、データ量に換算すると数十GBは撮影するそう……。
それぞれの回答を聞いてみましょう。
――

黒川直樹さんの提供写真。

黒川さん 撮影時間によりますが、個室での仕事など撮影枚数が少ないときは100枚くらい。ロケのときは500枚~1000枚ぐらいですね。RAWデータはそのまま現像しなきゃいけないときに、jpegで撮ったものはWeb媒体などで使用。撮影現場でデータを渡すケースもあるため2種類で撮っています。

野田さん 料理の撮影などは美味しそうに見える角度や照明がだいたい決まっているので、写真は100枚ぐらいで済みます。でもイベント撮影だと朝から晩までかかるので、3000枚ぐらいはいってますかね(笑)。そうすると70GBぐらいのデータになっちゃいます。
僕もRAWとjpegダブルスロットで撮っていて、RAWデータはコンパクトフラッシュ(CF)カードに、jpegデータはSDカードに保存。
また撮影現場でクライアントにチェックしてもらうために、カメラとiPadをWi-Fiでつなげて撮影データを飛ばすことがあるんですが、そのときに軽いjpegだけを飛ばせるようにカードを分けています。その場で写真を渡すケースもありますが、SDカードなら最近のノートPCならだいたい読み込めるので、そういう利点もあります。

Q.採用されなかった写真も残している? 期間はどれぐらい?

――
全員が期間によらず全ての写真を残している、という回答でした。
それでは詳細をどうぞ。
――

黒川さん 全部保管していますね。特に期間は決めていません。仕事は仕事なんですけど、写真は記録として残しておきたいものなので。

佐伯亜由美さんの提供写真。

佐伯さん  基本的に今まで撮影した写真は全て残しています。クライアントには「納品後半年は保存期間として保証する」とお伝えしていますが、実際には全てのデータを保存していますね。

野田さん ずっと保存してありますね。これはカメラマンの「血」や「性(さが)」だと思うんです。なんで写真好きなのかって言ったら、カメラが好き、撮るのが好きっていうのもありますけど、何かを記録して残すのが好きなんですよ。もちろんクライアントのために残していることもありますが、写真を撮るというのは、残すことが前提なんですよね(笑)。

クラウドは軽いデータの共有用。重い写真データは外付けHDDにバックアップ

Q.写真の保存方法はクラウド? それとも外付けHDD?

――
仕事用のRAWデータなどは重いため、外付けHDDに保存すると3名ともが回答。クラウドは共有やプライベートでの活用しているのだとか。
――

野田さん 仕事用の写真はデータ容量が大きいので、外付けHDDに保存しています。クラウドだと、ネット回線の速さや容量制限が気になるので……。クライアントとのデータの受け渡しはGigaFile便などのオンラインストレージサービスを利用することが多いですね。

黒川さん 仕事で使った写真データの保存はHDDを使用しています。クライアントと画像を共有する際には、写真をダウンサイズしてクラウドサービスで共有することがありますね。納品するときはGigaFile便を使うことが多く、クライアントがDropboxなどクラウドの保存場所を指定するときは、そちらを利用します。
プライベートでは、Androidのタブレットと連動できるのでGoogleDriveを活用しています。

佐伯さん 外付けHDDに保存しています。RAWデータも現像済のデータも両方とも。納品が済むまではCFカードのデータは消さず、デスクトップと外付けHDD、合わせて三重に保存しています。納品が終わるとカードのデータは消去、デスクトップのデータは半年後に消去、ハードディスクにはすべて残すというやり方にしています。

写真データは外付けHDD15台にバックアップ、計40TB。消さない工夫も

Q.保存している写真データ、総容量でいうと何バイトぐらい?

――
皆さん、かなりの容量を保存されていますが、外付けHDDの値段も下がってきているので以前よりはやりやすくなったとのこと。保存方法は経験や性格によっても変わってきそうです。それでは聞いていきましょう。
――

野田真さんの写真データをバックアップした外付けHDD。不透明ケースに撮影期間のラベルをつけて保管している。

野田さん デジタルで撮り始めて13年ぐらいですが、写真データを入れた外付けHDDがいま14、5個あります(笑)。だいたい1つ1~3TB(テラバイト)なので合計すると40TBぐらいですかね。 

黒川さん 常にデスクトップと外付けHDDにコピーして写真データを保存しています。3TBの外付けHDD2つに入っているので合計すると6TBですね。

佐伯さん 外付けHDD4台分なので、8TBは写真データがあると思います。

Q.フォルダ分けなど、保存法の工夫は?

黒川さん フォルダ名は撮影日で分けています。以前はクライアント名やジャンルで分けていたんですが、煩雑化してきて……。取材日がわかれば後から探しやすいので、今のやり方に落ち着きました。

野田さん 工夫は、RAWデータと一緒にXMPファイル(写真の編集情報などのメタデータファイル)も作成するんです。このメタデータは10KBぐらいと軽いので、加工した最新のXMPファイルをデスクトップに置いておき、最終納品が終わったら外付けHDDのRAWデータと一緒にXMPも保存。そうすれば修正済のRAWデータをデスクトップと外付けHDDで同期するより早く、間違いが起こりにくくなりましたね。

それでも家族写真は紙に印刷したほうが良い理由とは?

――
外付けHDDでのデジタルデータの保存が主流になりながらも、家族写真は紙に残したほうがいい、と野田真さんは語ります。
――

野田さん これはプロのカメラマンじゃない方にもよくお伝えしているんですが、家族写真を撮ったらぜひプリントアウトしていただきたいんです。何のために写真を残しているかといったら「数十年後でも家族や子供が見られるように」じゃないですか。データで残していると、故障や規格が変わって後から見られなくなることもあります。それにどのHDDに何の写真を入れてあるか、本人以外は分かりにくいですよね。50年後はCFカードが再生できないかもしれないし、HDDの電圧や電源アダプタが変わっていることもあるかもしれない。
でも紙に残しておけば、そんな心配は必要ないんですよ。

どのカメラが良いとか、そんなことよりも家族の写真は紙に残すことが一番大事。カメラなんてなんでもいいんです。スマホで写真を撮るのが簡単になっただけに「撮っておしまい」と写真を見返すことが少なくなった方も多いんじゃないんでしょうか。「あの時何してたかな」とか「この子はこれが好きだったな」って見返す喜びのためにも、家族写真はぜひ印刷してみてください。そう導くのもカメラマンの役割だと思っているんです。

まとめ

最大40TBの容量の大きさにもびっくりしましたが、カメラマンの皆さんは「記録を保存したい」という思いが根本にあって、撮影データを消さずに残していたことに感動しました。また、クラウドや外付けHDDだけでなく、紙に残すことの意味も改めて知ることができました。
データ保存には、RAWデータも自動でバックアップできる「あんしんデータ保存 for eo (AOSBOX)」がおすすめ。クラウドにファイルを超高速アップロードし、10世代分のファイル履歴を残してくれるサービスです。大事な写真の保存に検討されてみてはいかがでしょうか。

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

関連記事