プログラミングとは?子供に説明する前に読んでおきたい3冊

テキスト:平田提

2020年度から小学校で必修化したプログラミング教育。習い事としての需要も高まっており、2023年にはプログラミング教室の数が1万1,117教室となる予想も(※2013年と比較して約15倍)。しかしもし子供が「プログラミングって何?」「なんで勉強しなきゃいけないの?」と質問してきたら、どう説明すればいいでしょうか。
この記事では、まったく知識のない方でもプログラミング教育の重要性やプログラミングの面白さをキチンと理解できて、お子さんに説明しやすくなるであろう本を3冊紹介します。

プログラミングとは?

プログラミングとは、簡単に言うと「コンピュータが動くためのプログラム=指示書きすること」。プログラムはコンピュータが理解できる言語(プログラミング言語)の文法に従って書きます。

今、あなたが見られているこの記事も「HTML」や「JavaScript」といったプログラミング言語で書かれたソースコード(源となるプログラムの文章)でできています。このページに書かれたプログラムを、アプリやブラウザを通してスマホやパソコンのCPU(コンピュータの「脳」。中心的な処理装置)が理解して、画面に画像や文字などを表示させているのです。

なぜプログラミング教育が必修化?

今やプログラミングの活用は、Webページやスマホだけでなく、自動改札機やIoT家電など、私たちの身近なモノの多くになされています。
そう、プログラミング教育が小学校で必修化となった理由は、

今後の社会はコンピュータ技術なしにはありえない。技術の習得と論理的なプログラミング思考が子供たちの可能性を広げることになる

文部科学省『小学校プログラミング教育の手引(第三版/令和2年2月)』より

ということなのです。

何か(誰か)に指示やお願いをするときに、どんな記号やモノを組み合わせて伝えるのが適切か。こういった思考力の育成もプログラミング学習で期待されています。

さて、これで「なんで勉強しなきゃいけないの?」という質問には答えることができると思います。
ここからはさらに「プログラミングはどうやって勉強するの?」「プログラムにはどんなことが書いてあるの?」とお子さんに尋ねられたときの説明に役立ち、読んで楽しい本を3冊紹介します。

1.交流や遊びをプログラミングで理解『プログラミングガールズ!』 

各自、ピーナツバターとジャムのサンドイッチのレシピを書いてください

小説『プログラミングガールズ!』(作:ステイシア・ドイツ)の冒頭で、いち早くプログラミングを学びたい主人公・ルーシーたちに対して先生は上のようなお題を出します。「え? これのどこがプログラミングの勉強なの?」と生徒たちは反応するのですが、やがてこの課題の真意が見えてきます。
子供たちが書いたレシピを元に先生がサンドイッチを作るのですが、先生は子供たちが狙ったとおりには動いてくれず「ジャムはどこに塗るの?」「瓶はどうやって開ける?」「何を使って塗るの?」と質問をどんどんとしてきます。そう、この課題を通して「詳しい動きを指示するレシピを書くこと=プログラミング」だと分かるのです。
そして、ルーシーは物語の途中で、差出人不明のこんな謎の手紙を受け取ります。

“if(プログラミングを学びたいなら){
わたしのいうことを全部やれ();
}”

この手紙は、ソースコードを書く前の下書き「擬似コード」になっており、ルーシーは友だちと一緒に手紙を解読して送り主を推理する中で、プログラミングを学んでいくのです。“if~”などの「条件文」や「ループ」「変数」といった、プログラミングの基本となる考え方を読者も物語を通して学ぶことができます。

『プログラミングガールズ!』は、1巻ごとに主人公が変わる全4巻構成。平易な文章とかわいらしい絵入りなので、お子さんと一緒に読んで感想を共有できそうです。

『プログラミングガールズ!』(作:ステイシア・ドイツ/訳:美馬しょうこ/偕成社)

2.コードを読み下して学ぶ『ふりがなプログラミング』シリーズ

「プログラムにはこんなことが書いてあるんだ」と理解するのに役立つ本が『ふりがなプログラミング』。この書籍シリーズはプログラム(ソースコード)に、日本語でふりがなを振ってあり、コードを日本語の文章に読み下して書いています。

例えばWebサイトやアプリなどにも使われるプログラミング言語JavaScriptの例文では

if( age >= 6 && age <= 15 ){
console.log( ‘義務教育の対象’ );
};
=もしも「変数ageが数値6以上、かつ変数ageが15以下」が真なら以下を実行せよ
{文字列「義務教育の対象」をコンソールに表示しろ。}

※コンソール:ブラウザでプログラムの実行結果やエラーを確認できる機能

のように書かれています。
これは『プログラミングガールズ!』でルーシーが受け取った謎の手紙と同じ「条件文」の構造です。この本ではソースコードを「擬似コード」として翻訳し直して理解しよう、という試みがなされています。

読み下し文を読みつつ、実際にコードをパソコンで入力して結果を試してみることでよりプログラミングへの理解が深まることでしょう。

『スラスラ読める JavaScriptふりがなプログラミング』(監修:及川卓也/著:リブロワークス/インプレス)

3.STEAM教育の背景が分かる『ライフロング・キンダーガーテン』

最後に紹介するのは『ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則』です。著者のミッチェル・レズニックはMITメディアラボの教授で、レゴ・マインドストームや子供向けのプログラミング言語Scratchの開発者です。彼の提唱する「ライフロング・キンダーガーテン」とは直訳すると「生涯幼稚園」のこと。

幼稚園はそれ以降に進学する学校のようなものになってしまっているのです。この本では、わたしは正反対の主張をしています。すなわちそれ以降の学校も(そして残りの人生も)もっと幼稚園に似ているべきなのです

この本は、創造的な学びに「プロジェクト(project)」「情熱(passion)」「仲間(peers)」「遊び(play)」が必要だと説きます。そして、これが実現されている場所が、幼稚園だとも。
1879年にドイツで初めて幼稚園をつくったフリードリッヒ・フレーベルは、従来の一方的なブロードキャスト(一斉放送)型教育ではなく、玩具や工芸品で自由につくり、遊ばせる対話型教育を理想としていました。
これと同じように、レズニックのSTEAM教育への取り組みは、玩具がScratchやレゴ・マインドストームに置き変わったようなものかもしれません。実際に日本のSTEAM教育の現場でも、Scratchが使われることも多くなっています。

この本には実際にMITメディアラボのプロジェクトやScratchで学んだ世界中の子供たちの声が入っています。STEAM教育が進められる背景や、プログラミングを通して子供がいきいきと成長するイメージが付きやすくなるでしょう。

※STEAM教育:Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)、Arts(アートまたはリベラルアーツ)を統合した教育

『ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則』(著:ミッチェル・レズニック・村井裕実子・阿部和広/訳:酒匂寛/日経BP社)

子供と一緒に大人もプログラミングを楽しく学べたら

アメリカのとある学校で、子供が勉強する場に大人が居ただけで、サマースライド(夏休みの学力低下)が改善されたという話があります。大人もプログラミングに興味を持って一緒にお話ができたら、よりお子さんが成長するきっかけになるかもしれません。今回ご紹介した本もぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。


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