ジッター値とは?目安・Ping値との違い・改善方法など紹介

オンラインゲーム中にラグが発生したり、ビデオ通話で音声が途切れたりすることはありませんか? その原因のひとつが「ジッター値」です。ジッター値とは、インターネットを通じて送られるデータの到着時間がズレる現象を指し、この数値が高いと通信が不安定になります。

この記事では、ジッター値について、Ping値との違いや測定方法、ジッター値が高くなりやすい理由や改善方法を紹介します。

ライター:CLIP編集部

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ジッター値とは?

ジッター値とは?

ジッター値とは、インターネットを通じて送られるデータが到着する時間のバラつきを指します。数値が小さいほど通信が安定し、大きいと遅延や途切れが発生しやすくなります。

オンラインで音声や映像をやり取りする際、データは「パケット」という小さな単位で送信されます。本来、これらのパケットは一定の間隔で届くことが理想ですが、ネットワークの混雑や回線環境の影響でズレが生じることがあります。これが「ジッター」と呼ばれる現象です。

ジッター値が高いと、「動画がカクカクする」「オンライン会議で音声が途切れる」「ゲームでラグが発生する」といった問題が発生するため、安定した通信環境を維持することが重要です。

ジッター値とping値との違い

ping(ピング)とは「Packet Internet Groper」の略で、ネットワーク疎通確認のために使用されるコマンドです。Ping値はPingコマンドが実行された際、ネット回線の送受信にかかる時間(応答速度)を示す値です。一般的に「ping値」として、単位ms(ミリ秒)で表され、数値が低いほど通信のタイムラグが少なくなります。

ジッター値はping値の揺らぎを数値化したもので、回線の安定性を示します。例えば、ping値が一定であればジッター値は低くなりますが、ping値が大きく変動するとジッター値も高くなります。

快適なインターネット環境を維持するには、ping値とジッター値の両方が低いことが重要です。特に、オンラインゲームやビデオ通話では、ジッター値が高いと遅延や音声の乱れが発生しやすくなります。

・関連記事:ping値とは?回線速度との違い、測定・改善方法も解説

ジッター値の測定方法

ジッター値の測定方法

ジッター値を調べるにあたって、測定方法がいくつかあります。今回はその中でもよく利用される2つの方法を紹介します。

オンライン速度テスト(スピードテスト)

オンライン速度測定サイト(スピードテスト)は、自宅や職場のインターネット回線の速度や安定性を簡単にチェックできるツールです。代表的なサービスには、「Fast.com」や「Speedtest by Ookla」があり、どちらもブラウザーからアクセスしてすぐに測定できます。

また、Google検索で「スピードテスト」と入力すると、Googleが提供する速度測定ツールを利用できます。これらのツールでは、ジッター値のほか、インターネットの受信速度を示す「ダウンロード速度」、送信速度を示す「アップロード速度」、応答速度を表す「レイテンシ(ping値)」などを測定可能です。

ターミナルコマンドツール(コマンドプロンプト・ターミナル)

ターミナルコマンドツールは、コマンドと呼ばれる命令文を入力することで、コンピューターを操作したり設定を変更したりできるツールです。Windowsでは「コマンドプロンプト」、Macでは「ターミナル」と呼ばれ、どちらもOSに標準搭載されています。

Windowsでジッター値をコマンドプロンプトで確認する方法を以下に示します。

  1. コマンドプロンプトを開き、「ping -n 20 8.8.8.8」とコマンドを入力する。
  2. 20回のPingテストが実行され、最大値と最小値が表示される。
  3. ジッター値は、最大Ping値と最小Ping値の差で求めることができる。例えば最大値が7ms、最小値が2msの場合、ジッター値は「5ms」となる。

ターミナルコマンドツールを活用すると、インターネット回線の安定性をより詳しく分析できるため、スピードテストと併用して通信環境をチェックするのがおすすめです。

ジッター値の目安

ジッター値の目安

ジッター値には明確な基準はありませんが、一般的に通常であれば、11ms〜20msが普通とされ、5ms以下であれば良好な通信環境とされています。数値が小さいほどデータの送受信がスムーズに行われ、快適にインターネットを利用できます。

特に、FPSなどのオンラインゲームやオンライン会議では、ジッター値が10msを超えるとラグが発生する可能性があり、操作に影響を及ぼすことがあります。そのため、できるだけジッター値を抑えることが望ましいでしょう。

定期的に回線の状態をチェックし、ジッター値を把握することで、快適な通信環境を維持することができるようになります。

ジッター値が高い理由は?

ジッター値が高い理由は?

ジッター値が高くなってしまう理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは3つのポイントに分けて紹介します。

1.接続機器の問題

ジッター値が高くなる原因のひとつに、Wi-Fiルーターなどの接続機器の問題があります。特に、古い規格のWi-Fiルーターを使用していると通信速度が遅くなり、データの遅延が発生しやすくなります。最新の規格(Wi-Fi 6など)に対応したルーターを使用することで、より安定した通信が期待できます。

また、Wi-Fiルーターの設置場所も重要です。壁や家具に囲まれた場所に置くと電波が遮られ、通信が不安定になることがあります。ルーターはなるべく部屋の中央や障害物の少ない場所に設置しましょう。

さらに、ルーターとONU(光回線終端装置)の接続が不安定だったり、接続しているデバイスが多すぎたりすると、回線が混雑し、ジッター値が上昇する原因になりえます。また、長時間ルーターを使用していると通信に問題が不安定になる場合もあります。

・関連記事:ルーターの最適な置き場所は?Wi-Fiを繋がりやすくするには

2.通信回線の問題

通信回線の混雑によってジッター値が高くなってしまうことがあります。夜間などの利用者が多い時間帯は、回線の負荷が増加し、データの遅延や途切れが発生する場合があります。

また、IPv4の光回線を利用している場合、利用者が多いため通信が混雑しやすくなります。この影響で、インターネットの速度や安定性が低下し、ジッター値が上昇することがあります。さらに、契約している回線プランの通信速度が低いと、データの送受信が遅くなり、ジッター値にも影響を与えることがあります。

3.パソコンやゲーム機など端末の問題

使用するデバイスの設定や状態によってはジッター値が高くなる可能性があります。特に、OSが古いままだと、最新の通信プロトコルやネットワーク最適化機能が適用されず、通信の安定性が低下することがあります。それによって、データの送受信がスムーズに行えず、ジッター値の増加につながることもあります。

また、DNS設定が適切でない場合、データのルーティングが最適化されず、通信が不安定になることがあります。DNSとは、Webサイトのドメイン(例:example.com)をIPアドレスに変換する仕組みですが、プロバイダーのDNSが混雑していたり、応答速度が遅かったりすると、通信遅延やパケットロスが発生し、ジッター値が上昇する要因になります。

さらに、バックグラウンドで動作しているソフトウェアやアプリケーションソフトがネットワーク帯域を圧迫していることも、ジッター値の増加を引き起こす可能性があります。特に、クラウドストレージの同期や自動アップデートがバックグラウンドで実行されていると、予期せぬタイミングで通信が発生し、データの送受信が不安定になりやすくなります。

ジッター値を改善するには?

ジッター値を改善するには?

高くなってしまったジッター値を改善するにはどのようにしたらよいのでしょうか。ここでは、その方法について5つのポイントを紹介します。

1.有線接続に切り替える

ジッター値を改善する方法のひとつとして、Wi-Fiから有線接続に切り替える方法があります。Wi-Fiは電波干渉の影響を受けやすく、壁や家具、他の電子機器が障害となることで通信が不安定になることがあります。そのため、無線接続ではジッター値が高くなりやすい傾向があります。

一方、LANケーブルを使用した有線接続は、外部からの干渉を受けにくいため、通信が安定し、ジッター値を低く抑えることができます。特に、オンラインゲームやビデオ会議などリアルタイム性が求められる通信では、有線接続が推奨されます。

LANケーブルを選ぶ際は、規格に注目することが重要です。最低でも「CAT5e」以上の規格を選ぶことで、より高速かつ安定した通信が可能になります。合わせて、通信速度が最大10Gbpsや5Gbpsの超高速の通信を利用することで、オンラインゲームをストレスなく楽しみやすくなります。

・関連記事:LANケーブルの選び方。おすすめカテゴリを用途別に紹介

2.Wi-Fiルーターやモデムを一度リセットする

Wi-Fiルーターやモデムを長時間使用し続けることでジッター値が高くなってしまうことがあります。通信機器は使い続けるうちに熱を持ちやすくなり、内部処理が遅くなることがあります。
そのため、長時間利用しつづけていたり、熱をもってしまったりした場合には、Wi-Fiルーターやモデムの電源を落とし、リセットするといいでしょう。リセットを行うことで、一時的な不具合が解消され、ジッター値が改善されることがあります。

それでも通信の安定性が向上しない場合は、通信機器の買い替えを検討するのもひとつの方法です。特に、5年以上使用しているルーターやモデムは、通信速度や安定性の面で最新機器に比べて劣る可能性があります。また、古い機器はセキュリティーの更新がされない可能性があるため、安全性の観点からも買い替えを検討してもよいでしょう。

・関連記事:Wi-Fiルーターの寿命は?買い替えの目安と不具合時の対処法

3.パソコンやゲーム機のデバイスを再起動する

パソコンやゲーム機の一時的な不具合もジッター値が高くなる理由の一つです。長時間使用していると、デバイスの処理が重くなったり、通信に関わるシステムが正常に動作しなくなったりすることがあります。このような場合、再起動を行うことで一時的なエラーが解消され、通信が安定することがあります。

重要なのは、「シャットダウン」ではなく「再起動」を行うことです。シャットダウンではメモリー上の情報が保持され、内部の不具合が解消されないことがあります。一方で、再起動を行うと、ネットワーク設定やキャッシュがリセットされ、ジッター値が改善される可能性が高くなります。

そのため、ゲーム機やパソコンでオンライン通信が不安定になった場合は、まず再起動を試してみるとよいでしょう。

・関連記事:パソコンだけネットが遅い原因と解決方法

4.ファームウェアを更新する

Wi-Fiルーターやモデムには、ファームウェアと呼ばれるソフトウェアが組み込まれており、これが正常に機能することで安定した通信を維持することができます。しかし、ファームウェアが古いままだと、通信の最適化が進まず、ジッター値が高くなる原因となることがあります。

定期的にファームウェアをアップデートすることで、通信の安定性が向上し、ジッター値の改善につながる可能性があります。特に、最新のセキュリティー対策やパフォーマンス向上が含まれることが多いため、定期的な更新が推奨されます。

ファームウェアの更新方法は、機器によって異なります。Wi-Fiルーターやモデムのメーカー公式サイトや取扱説明書を確認し、適切な手順でアップデートを行うようにしましょう。特に、不安定な通信が続く場合は、ファームウェアの更新を試すことで改善されることがあります。

5.通信回線の見直し

ジッター値が高い原因のひとつとして、契約している通信回線の速度や種類が関係している可能性があります。特に、通信速度が低いプランを契約している場合、データの送受信が遅くなり、ジッター値の増加につながることがあります。オンラインゲームや動画視聴など、高速かつ安定した通信が求められる場合は、より高速なプランへの変更を検討するとよいでしょう。

また、IPv4接続の回線は混雑しやすいとされています。なぜならば、同じネットワークを多くのユーザーが利用するため、回線が混み合い、通信の安定性が低下しやすくなるためです。このような場合、IPv6接続に切り替えることで、比較的スムーズな通信が可能になります。ただし、通信会社によってはIPv6接続に対応していない場合があるため、公式サイトやカスタマーサポートで確認することをおすすめします。

・関連記事:IPv6とは?メリットやIPv4との違いをわかりやすく解説│CLIP

まとめ

この記事では、ジッター値について、Ping値との違いや測定方法、ジッター値が高くなりやすい理由や改善方法について紹介しました。

ジッター値が高いと、オンラインゲームやビデオ通話が不安定になり、快適なインターネット利用が難しくなることがあります。そのため、スピードテストで現状を把握し、Wi-Fiルーターの適切な管理や有線接続への切り替え、通信回線の見直しなどの対策を講じることが重要です。

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