【オンライン料理教室】中央アジア料理「プロフ」づくりを体験! 未知なる異国の味が自宅で楽しめる

新型コロナの感染状況が安定しない中、様々なオンライン教室が登場しています。料理教室を始め、音楽講座、川柳講座、一風変わった忍者教室などなど。今回は、多数の教室が開催されている料理にチャレンジです。その中でも普段接する機会の少ない、中央アジアの料理をセレクト。ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンの5つの国で構成されている中央アジアという地域、シルクロードの影響を受け豊かな食文化があるとのことですが、どんな料理があるのか。乞うご期待!

ライター:CLIP編集部

気軽に料理のレパートリーが増やせる! オンライン料理教室って?

オンライン料理教室は、Zoomやスカイプなどのテレビ会議システムを使い、自宅にいながら受けられる料理教室。参加した「中央アジア料理教室」はZoomを使用して開催されています。申し込み方法はイベントやセミナーのチケットをオンラインで購入できるサイトPeatixでチケットを購入。チケットはリアルタイムで参加できるものと、録画動画を視聴できるものの2種類があり、今回は参加チケットを購入。申し込みが完了すると、イベント視聴ページ用のURLがメールで送られてきます。

オンライン料理教室は、材料や調理器具を自分で用意します。チケットを購入した詳細ページに用意するものが記載されていたので確認すると、にんじん、玉ねぎ、牛肉、にんにくなど、普段使っているものばかりで一安心。中央アジア料理とはこれまで無縁でしたが、食材を見て一気に親近感が! スーパーで材料の買い物をしていると、未知なる異国の味との出会いに楽しみな気持ちが膨らんできました。

材料(2~3人分)

○プロフ用

  • 米 2合
  • 牛肉(厚みのあるステーキ用) 200g
  • にんじん 2本
  • たまねぎ 1/2個
  • ニンニク 1玉(注:1かけらではない)
  • クミンシード 小さじ1
  • 油 80cc

○アチチュクサラダ用

  • 材料
  • トマト 2個
  • きゅうり 1本
  • たまねぎ 1/4個
  • 塩 小さじ1/2

自宅でオンライン料理教室体験。晩ごはんを兼ねて作れるのも魅力!

今回挑戦する料理は中央アジアを代表する炊き込みご飯「プロフ」と「アチチュクサラダ」。ピラフの起源と言われる「プロフ」は、普段の食事はもちろん、結婚式でも振舞われる中央アジア人の生活に不可欠な米料理です。まったく味の想像がつかない料理を作るのは不安でしたが、チャレンジあるのみ。材料と調理器具を全てテーブルに並べて準備は万全! 定時の17時になりオンライン料理教室体験がスタートです。

おいしい中央アジア協会「プロフ料理教室」

まずは先生からご挨拶。講師は2017年に「おいしい中央アジア協会」を立ち上げ、協会の代表理事を務める山田有佐子先生。山田先生が中央アジア料理にはまったきっかけは、大学の卒業旅行で行ったウズベキスタンの首都タシュケントで食べたプロフ。その美味しさに感銘をうけ、社会人になってからも中央アジアを訪れてはホームステイをして、現地のお母さんに料理を教えてもらいながらレシピをストックしていったそうです。

まずは先生からご挨拶。講師は2017年に「おいしい中央アジア協会」を立ち上げ、協会の代表理事を務める山田有佐子先生。

今回の作るプロフは山田先生が日本人向けに考案したレシピ。プロフは大きく分けてタシュケント風(ご飯と具材を混ぜ込む)とサマルカンド風(ご飯の上にお肉や野菜を盛り付ける)がありますが、今回作るのは前者です。まずは材料のメインになるにんじんから一緒に切っていきます。お米2合に対してにんじんは2本と多め。目安としてはお米と同量のにんじんを使うそうです。ピーラーで皮を剥き、プロフ切りにしていきます。プロフ切りとは、にんじんを斜めに2mm程度の厚さにスライスし、さらに2mm程度の千切りにしていく切り方のこと。2本分となるとかなりの量ですが、先生がプロフの豆知識を色々と語りながら進行してくれるので楽しく切っていくことができます。中央アジアのにんじんはカボチャ並みに硬いらしく、大量に作るとなるとにんじんを切るのは大仕事なので、現地の市場ではカットにんじんが販売されているそうです。 

まずは材料のメインになるにんじんから一緒に切っていきます。

次は玉ねぎと牛肉を切ります。玉ねぎは皮を剥いて繊維の方向にそって2mm程度のスライスに。牛肉は厚みのあるステーキ用を一口大に切って使います。レシピでは200gと書かれていましたが、お肉は多い方がより美味しくなるそう。肉の部位は炒めても固くならないステーキ用を選ぶのも重要です。

牛肉は厚みのあるステーキ用を一口大に切って使います。

切った材料を炒めていきます。中火と弱火の間くらいの火にかけたフライパンに、サラダ油80ccをそそぎます。普段炒めものをするときは大さじ1杯くらししか使わないので多く感じますが、これでも日本人向けに先生が少なくしてくれています。現地では約1カップ(200cc)使うそうで「油は減らすと美味しくなくなるので、おじけづかずに入れるのが美味しく仕上げるポイント」と山田先生。

まずは玉ねぎをしっかり炒めて旨みを引き出し、しんなりして透明になってきたら牛肉を投入。牛肉の赤い部分が見えなくなったらにんじんを入れて炒めます。中央アジアではお肉から炒めていくことが多いそうですが、玉ねぎから炒めることで油はねを抑えたり、牛肉が固くならないなど、先生ならではの一工夫が。工程には普段の料理にも役立つ知識が盛り込まれています。

まずは玉ねぎをしっかり炒めて旨みを引き出し、しんなりして透明になってきたら牛肉を投入。牛肉の赤い部分が見えなくなったらにんじんを入れて炒めます。

にんじんがしんなりしたら味付けです。調味料は塩とクミンの2つ。この2つががあれば、中央アジア料理の8割をつくることができるそう。マニアックなスパイスを使うのかと思いきや、シンプルな味付けに想像はますますふくらみます。味付けをしてにんじんが柔らかくなったら炒めは完了です!

あっという間に最後の工程、炊飯です。お米2合を研いで炊飯器にセットします。使用するお米は日本米でOK。コシヒカリや秋田こまち、新米など水分量が多いお米を使うときは、水の量を1.5合くらいに、ほかのお米の場合は1.8合くらいを目安に調整します。

お米2合を研いで炊飯器にセットします。

お釜に炒めた具材を入れます。「このときに油も全部いれるのがポイント」と山田先生。オレンジ色の油はにんじんから出た旨みを含んでいるので、全部いれるのが美味しくなる秘訣だそう。最後に用意しておいたにんにくを1玉まるごと投入! 大量のにんにくを入れて臭いは大丈夫かなと思いましたが、山田先生は心配無用とのこと。その言葉を信じて、外側の取りやすい皮だけむき、洗って炊飯器の中に押し込んで入みました。後は炊飯器にセットして普通にご飯を炊くときと同様にスイッチオン。

最後に用意しておいたにんにくを1玉まるごと投入!
後は炊飯器にセットして普通にご飯を炊くときと同様にスイッチオン。

プロフを炊いている間に、アチチュクサラダを作っていきます。アチチュクサラダは中央アジアでプロフと一緒に食べられているさっぱりとしたサラダです。玉ねぎをなるべく薄くスライスし、水をはったボウルでさらします。次にきゅうりを斜めに2mm程度のスライスに。トマトも切っていきますが、まな板ではなく空中で切るのが中央アジア流。洗ってヘタをとったトマトを、ノコギリで削ぎ切りするようにボウルに切り落としていきます。ボウルの上でするのは、トマトの汁を余すことなく使うため。このサラダは野菜の汁をドレッシング代わりに食べるそうです。

トマトも切っていきますが、まな板ではなく空中で切るのが中央アジア流。

切り終わったら水気を切った玉ねぎを加えて塩小さじ1/2で味付けをして、スプーンで塩がまんべんなくいきわたるように混ぜれば完成です。10分くらいすると塩が全体にまわり、野菜から水分が出てさっぱりとした美味しいサラダになります。

炊飯器から炊きあがりのお知らせが聞こえたらプロフの完成です。

炊飯器から炊きあがりのお知らせが聞こえたらプロフの完成です。蓋を開けるとクミンのエスニックな香りが立ち込めてお腹がグーっと鳴ってきます。炊き込みご飯と同様、炊飯器の中で混ぜてお皿によそい、中央ににんにくをドンっと盛り付ければいよいよ実食。持っているお皿の中でもオリエンタルな雰囲気のものをチョイスして盛り付けてみると、いつもの食卓とは一味違う異国の雰囲気に! オンライン教室は約2時間、終了したのは19時だったのでそのまま晩ご飯としてテーブルに出せて家族も大喜び。料理中は先生の手元がわかりやすいようにカメラアングルを設定してくれていたので、はじめて作る料理でも安心して進めることができました。

画面越しだからこそ、異国の料理づくりは刺激がいっぱい

画面越しなので五感からの情報がない分、一つひとつの工程を進めていく中に新しい発見がいっぱい! 山田先生が食を通してさまざまな中央アジアの歴史、文化、生活を伝えてくれるので、旅しているような刺激的な時間になりました。
完成したプロフは想像以上の美味しさ。塩とクミンだけでは物足りないのではと思っていましたが、シンプルな味付けだからこそにんじんと玉ねぎの甘み、牛肉とにんにくの旨みが活きていて、素材の味を活かす日本料理と近いものを感じました。まるごとにんにくも臭いはまったく気にならず、プロフと一緒に食べるとコクがプラスされていいアクセントに。アチチュクサラダがいい箸休めになって、食が進みました。

完成したプロフは想像以上の美味しさ。

他にもこんな異国の料理が楽しめるオンライン教室が!

◼️外国人が教える家庭料理教室『TABICA』
https://tabica.jp/

◼️料理で世界とつながる『airKitchen』
https://airkitchen.me/host.php

こんな体験が自宅でできるなんて、オンラインならでは。海外旅行へ行けない今だからこそ、現地の味が自宅で楽しめるのはいい気分転換になりますよ。


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