USBメモリの寿命はどのくらい?長く使用するためのポイント

小型で手軽に使用できるUSBメモリは、デジタルデータの外部ストレージとして人気です。ただ、長く同じUSBメモリを使用していると「データが消えたりしないかな?」といった不安をお持ちの方もいるかもしれません。そこで今回は、USBメモリの寿命や長く使用するためのポイントについて紹介します。

ライター: CLIP編集部

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USBメモリの寿命は?

USBメモリの寿命は?

USBメモリの寿命は、データの保存期間と書き込み回数をもとに計算できます。

データの保存期間と書き込み回数の目安

USBメモリのデータの保存期間は、USBの種類によって大きく異なります。保存期間が1~2年で設定されている簡易なタイプから、10年以上保存できる、品質の高いUSBメモリまでさまざまな種類があります。極端に保存期間が短い・長いタイプを除くと、3年程度で設定されているタイプが一般的でしょう。

3年のデータ保存期間は、外付けHDD(ハード ディスク ドライブ)やSSD(ソリッド ステート ドライブ)に比べると短いため、USBメモリは長期保存ではなく短期保存に適したストレージだといえるでしょう。

USBメモリの寿命を計算する指標として、データの書き込み回数があります。書き込み回数も種類によって異なり、500回から10万回以上まで大きく幅があります。

【データの格納方式別】USBメモリの書き込み回数

USBメモリには、TLC・MLC・SLCという3つのデータ格納方式があり、この方式の違いによって、書き込み回数が異なります。ここでは、データの格納方式別に書き込み回数の目安を紹介します。

【TLC(トリプルレベルセル):約500〜1,000回】
TLCは、8つのメモリセル(情報を記憶する最小単位の回路構成)を使用してデータを記録する方式で、市販されているほとんどのUSBメモリはこのタイプです。

より多くのデータを保存することができ、大容量のタイプも多いですが、書き込み回数は約500〜1,000回で、寿命は3つの種類の中でもっとも短いといえます。

ビジネス用途としては不安がありますが、文書や音楽、画像の保存など、プライベートで使用するには使いやすいタイプです。

【MLC(マルチレベルセル):約1万回】
MLC は、4つのメモリセルを使用してデータを記録する方式で、市販されているUSBメモリの中では、TLCの次に数が多いタイプです。

容量はやや少なくなるものの、書き込み回数は8,000~10,000回程度と、TLCに比べると寿命が長くなります。性能と耐久性に優れており、ビジネスユースとしても活用しやすいタイプです。

【SLC(シングルレベルセル):約10万回】
SLCは、2つのメモリセルに使用してデータを記録する方式で、TLCやMLCと比較して高速で耐久性が高い特徴があります。そのためサイズが大きく価格も高額になるため、一般向けというよりは、企業向けの製品です。

容量はもっとも少ないものの、USBメモリの中でもっとも寿命が長く、書き込み回数の目安は90,000万~100,000万回です。寿命がもっとも長く、重要なデータの取り扱いに適していますが、用途が限定的なため、一般の量販店では販売されていません。

なお、データの保存期間と書き込み回数は商品の説明書やWebサイトの商品情報などから確認できます。寿命の目安を確認したい方はチェックしてみてください。

USBメモリが寿命を迎えると何が起こる?

USBメモリが寿命を迎えると何起こる?

USBメモリが寿命を迎えるとどのような症状が発生するのでしょうか? 以下のような症状が出た場合は、USBメモリが寿命を迎えているか寿命が近い可能性があるため、買い替えを検討しましょう。

症状の種類主な現象対処法
保存データの破損・文字化け、レイアウト崩れ
・画像や音声の乱れ
・一部データが読み込めない
・正常なデータは別ストレージへ移行
・破損データは無理に開かず放置する
読み込み・書き込みエラー・保存時にエラー表示
・データの読み込みができない
・保存データが消える
・正常なデータを早めに移行
・復旧は専門業者に相談(成功率は低い)
アクセスできない・PCに接続しても認識されない
・データ完全消失の可能性あり
・アクセスができないため、基本的に対処方法はない
・どうしても復旧が必要な場合は業者に依頼する
(成功率は低い)

USBメモリが寿命を迎えると、このような症状が現れます。一度失われたデータを元に戻すのは難しいため、大切なデータを保存する場合は必ずバックアップを取るようにしましょう。お使いのUSBメモリの寿命を把握し、年数を経過している場合は症状がなくてもデータを移行しておくのがおすすめです。

USBメモリの寿命を延ばす方法は?

USBメモリの寿命を延ばす方法は?

大切なデータを守るためにも、寿命が近い、あるいは寿命を迎えたUSBは買い替えるのがおすすめ。ただし、以下のようなポイントに注意することで、少しでも長く使用できます。

USBメモリを正しく取り外す

USBメモリには正しい取り外し方があります。手順を踏まずに取り外すと、故障の原因や寿命を縮める原因になるため注意しましょう。正しい取り外し方については以下をご確認ください。

【Windowsの場合】

【Windowsの場合】
  1. タスクバーのリムーバブルディスク(USBメモリの名前)にアイコンを合わせて右クリック
  2. 「取り出し」を選択してクリック
  3. 接続中のUSBメモリを外す

【Macの場合】
Macは以下の2通りの方法で安全に取り外すことが可能

  • USBメモリのアイコンを選択した状態で[Command]キー+[E]キーを押す
  • デスクトップ上のUSBメモリのアイコンをゴミ箱へ移動させる

データの書き込み回数を節約する

USBメモリは、データを書き込めば書き込むほど寿命が縮まります。むやみにデータを書き込むのを避け、書き込み回数を節約することでより長く使用できます。

特に容量の大きいファイルは負荷が大きいため、書き込み回数をできるだけ減らしましょう。動画や画像などの大容量データは保存した後、無駄に編集したり移動したりしないようにすることも大切です。

USBメモリを接続したまま作業しない

USBメモリをパソコンに接続したままパソコンを長時間使用すると熱がたまり、内部が高温になってしまいます。

USBメモリは熱に弱いため、内部がダメージを受けて、データの読み込み不良などが発生しやすくなります。寿命を大幅に縮めてしまう可能性もあるため、使用後は速やかにパソコンから取り外すようにし、長時間接続し続けないように意識しましょう。

保管環境や衝撃に注意する

USBメモリは精密機器のため、温度や湿度などの外的環境の影響を受けてダメージが蓄積します。

特に、端子部分から湿気やホコリが侵入するとトラブルが発生しやすくなるため、キャップなどで保護しましょう。高温多湿を避けるために、できるだけ風通しの良い日陰に保管することも大切です。

USBメモリは衝撃や振動にも弱いため、ケースなどに保管して、本体に直接衝撃や振動が伝わらないように注意しましょう。

ウイルス感染に注意する

USBメモリがウイルスに感染すると、保存していたデータが消失したり破損したりする恐れがあります。

感染したUSBメモリを別のパソコンに接続すると感染を広げてしまう可能性があるため、ウイルス対策が行われていないパソコンでの使用は避けましょう。

USBメモリ以外のバックアップ方法は?

USBメモリ以外のバックアップ方法は?

USBメモリは「短期・少量」のデータ保存が適しています。USBメモリをメインのストレージとすると紹介したようなトラブルの可能性があるため、必ずバックアップを準備しましょう。USBメモリ以外の保存、バックアップ方法について簡単に紹介します。

【外付けHDD(ハード・ディスク・ドライブ)】
外付けHDDはパソコンやテレビなど、データの保存方法として広く普及しています。1TB以上の大容量保存が可能で、写真・動画・業務データなど、大容量データを保存することができます。衝撃や振動に弱いというデメリットはあるものの、コストパフォーマンスが高く、持ち運びをしない場合は外付けHDDを検討してみてください。

【外付けSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)】
外付けSSDは、内部にあるフラッシュメモリを使用してデータを記録する保存形式です。HDDと同様に大容量に対応しているほか、「読み込み速度が速い」「衝撃や振動に強い」といった特徴があります。

HDDに比べるとやや高額ですが、データの持ち運びが必要な場合は、外付けSSDを検討してもよいでしょう。また、USBメモリのように扱える、スティック型SSDという商品もあります。

関連記事:USBメモリとスティック型SSDの違いは? SSDでパソコンの動きを高速化しよう

【クラウドストレージ】
クラウドストレージは、インターネット上にデータを保存できるサービスです。代表的なサービスには、Google ドライブやOneDrive・Dropbox・iCloudなどがあり、スマートフォンやパソコンなど複数のデバイスからアクセスできます。

外付け機器を使わずに済むため、物理的なデバイスの寿命や紛失リスクを気にせず利用できます。
「容量を増やすには課金が必要」「オフラインでは利用できない」などのデメリットがありますが、外部端末を準備せずにバックアップができることから、データの保存方法として主流になりつつあります。

関連記事:パソコン・スマホにおすすめのバックアップ方法とは?
関連記事:SSDとHDDの違いとは?それぞれのおすすめの利用方法

まとめ

USBメモリの寿命は保存期間と書き込み回数から、おおよその年数を計算することができます。市販されている一般的なUSBで約3年が目安とされていますが、実際は商品によって異なるため、くわしくはお使いのデバイスの説明書などを確認しましょう。

寿命が近づくとデータの破損やエラーが起こるため、正しく取り外す・書き込みを控えるなどの対策を行うことが大切です。ただし、故障のリスクはゼロではないため、今回紹介したように、USBメモリの買い替えや他のストレージへのバックアップを検討しましょう。


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