現代の生活に欠かせないWi-Fiは、スマートフォンやパソコンなどの機器をケーブル経由せずともインターネットに接続できる便利な技術です。Wi-Fiを活用することで、データ通信量を節約できるだけでなく、高速かつ安定した通信環境を確保することが可能になります。
本記事では、Wi-Fiの基本知識やWi-Fiルーターの種類、利用のメリットや注意点について紹介します。
ライター: CLIP編集部
あなたにピッタリのインターネットは?
Wi-Fiの概要

ここでは、Wi-Fiの基本知識やWi-Fiの規格·速度について紹介します。
Wi-Fiとは?
Wi-Fi(ワイファイ)は、デバイスとインターネット回線を無線でつなぐ通信技術です。スマートフォンやパソコン、タブレット、プリンターなど、Wi-Fi対応の機器をケーブルなしでインターネットに接続できる点が特徴です。
Wi-Fiの最大の利点は、配線不要でインターネットを利用できる点です。電波が届く範囲であれば、室内やオフィス、カフェなど、さまざまな場所で自由にインターネットを使うことができます。ただし、壁や家具などの障害物があると電波が弱まり、通信が不安定になることもあるため、適切な設置場所を選ぶことが重要です。
規格·速度について
Wi-Fiには「通信規格」と呼ばれるルールがあり、異なるメーカーやデバイスが互換性を持って接続できるように定められています。通信規格によって、最大通信速度(理論値)や使用できる周波数帯が異なります。
最大通信速度の「理論値」は、技術的に達成可能な最高速度を示しますが、実際の速度は利用環境やデバイスの性能によって変わります。そのため、インターネットの通信速度は理論値として表記されることが一般的です。
Wi-Fiの規格は、IEEE(米国電気電子学会)が策定し、新しい規格が登場すると「IEEE802.11」の後ろに「a」や「ac」などの文字が付けられます。2024年には、Wi-Fi 6に次ぐあらたな規格として「Wi-Fi 7」が策定され、無線通信のさらなる高速化が進んでいます。以下は、Wi-Fiの世代別に規格名と最大通信速度(理論値)、周波数帯を表した表です。
世代 | 新名称 | 規格名 | 最大通信速度 (理論値) |
周波数帯 |
第1世代 (1997年) |
– | IEEE 802.11 | 2Mbps | 2.4GHz帯 |
第2世代 (1999年) |
– | IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 |
– | IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 | |
第3世代 (2003年) |
– | IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 |
第4世代 (2009年) |
Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz帯/ 5GHz帯 |
第5世代 (2013年) |
Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
第6世代 (2019年) |
Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz帯/ 5GHz帯 |
第7世代 (2024年制定) |
Wi-Fi 7 | IEEE802.11be | 46Gbps | 2.4GHz帯/ 5GHz帯/ 6GHz帯 |
Wi-Fiルーターの種類

ここでは、Wi-Fiルーターの中でも個人向けによく利用される2種類について紹介します。
固定回線を利用したWi-Fi
固定回線を利用したWi-Fiとは、光回線などの固定インターネット回線にWi-Fiルーターを接続し、無線で通信を行う方式です。自宅やオフィスなど特定の場所で安定したインターネット環境を確保するために広く利用されています。
光回線を使ったWi-Fiは、通信速度が速く、データ容量の制限がないため、動画視聴やオンラインゲーム、大容量のファイル共有なども快適に行えます。また、複数のデバイスを同時に接続しても、比較的安定した通信を維持できる点も魅力的なポイントです。
ただし、光回線の契約には開通工事が必要な場合があり、導入までに時間がかかることがあります。そのため、なるべく早く利用したい場合には通信会社に相談することをおすすめします。
モバイルWi-Fi·ホームルーター
モバイルWi-Fiやホームルーターは、SIMカードを利用してインターネットに接続する方式で、工事不要で簡単に導入できるのが特徴です。契約後すぐに使い始められるため、手軽にWi-Fi環境を整えたい人に適しています。
モバイルWi-Fiは小型で持ち運びが可能なため、外出先や旅行先でもWi-Fiを利用することができます。一方、ホームルーターは据え置き型で、コンセントに接続するだけで利用できるため、自宅やオフィス向けの選択肢として人気があります。
ただし、これらのデバイスは周辺環境に影響を受けやすく、通信が不安定になることがあります。特に建物の構造や近隣の環境によっては、通信が悪くなることがあるため、利用場所の電波状況を事前に確認することをおすすめします。
Wi-Fiを利用することで得られるメリット

ここまでWi-Fiについて紹介してきましたが、Wi-Fiを利用するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、Wi-Fiのメリットについて3つ紹介します。
高速·安定した通信ができる
Wi-Fiは、モバイルデータ通信よりも速度が速く、安定した接続が可能な点が特徴です。ルーターとの距離や障害物、周波数帯の影響を受けることもありますが、一般的には屋内でもスムーズにインターネットを利用することが可能です。
特に最新のWi-Fi規格である「Wi-Fi 6」や「Wi-Fi 7」は、高速のデータ通信に対応しており、大容量の動画やアプリのダウンロード、オンラインゲームのプレイもスムーズに行えます。さらに、複数のデバイスが同時に接続しても、通信速度が低下しにくい仕組みが備わっているため、家族での利用やオフィス環境でも快適に利用可能です。
光回線などの高速なブロードバンド接続と組み合わせることで、Wi-Fiを通じたデータのダウンロードやアップロードの速度が向上し、よりストレスなくインターネットを活用できるでしょう。
スマホのデータ通信量を節約できる
スマートフォンの契約プランには、毎月の「データ通信量」の上限が設定されていることが多く、そのようなプランで契約されていらっしゃる方も多いことでしょう。この上限を超えると、通信速度が大幅に低下したり、一時的に接続が不安定になったりすることがあります。速度制限を解除するには、追加料金を支払わなければならないため、通信量の管理が重要となってきます。
Wi-Fiを利用することで、スマホのデータ通信量を消費せずにインターネット接続できるため、通信制限を気にせず快適にインターネットを利用することができます。特に、自宅やカフェなどWi-Fi環境が整っている場所では、スマホのモバイルデータではなくWi-Fiに接続することで、通信コストを抑えることができます。
自宅の家電をIoT化できる
Wi-Fiを活用して、自宅をIoT化することで、より便利で快適な生活が実現可能になります。IoT機器とは、インターネットに接続し、情報のやりとりや遠隔操作を行う「IoT」技術を搭載したモノの総称です。スマートフォンやパソコン、タブレットやスマートウォッチ、ロボット掃除機、スマート照明、エアコン、電動カーテン、スマートロックなど様々な種類があります。
IoT機器を導入することで、生活の利便性が向上するだけでなく、省エネや防犯対策にもつながります。例えば、スマート温湿度計を使えば、室温や湿度を監視し、エアコンの自動調整や加湿器の設定変更などを自動で調節してくれます。これにより、居住空間を最適化し、快適な環境を維持することができます。
Wi-Fiを活用したIoT機器の導入により、家のあらゆる機器が連携し、よりスマートで快適な生活が実現できるでしょう。
Wi-Fiの利用における注意点

ここまで、Wi-Fiのメリットについて紹介してきましたが、注意すべきポイントもあります。ここでは2つのポイントに分けて紹介します。
有線通信に比べると通信接続に影響がでやすい
Wi-Fiは無線で通信を行うため、電波干渉や障害物の影響を受けることがあり、その場合は接続が不安定になることがあります。特に、電子レンジやBluetooth機器、他のWi-Fiネットワークなどが干渉すると、通信速度が低下したり、一時的に接続が切れたりすることがあります。
また、有線接続と異なり、Wi-Fiはルーターとの距離によって通信の安定性が変わります。ルーターから遠くなるほど電波が弱まり、速度が低下する可能性があるため、設置場所には注意が必要です。
快適にWi-Fiを利用するためには、ルーターの周りに障害物を置かない、適切な場所に設置するなどの方法があります。電波が届きにくい場合には、中継器の導入や特定のエリアに隙間なく電波を届けるメッシュWi-Fiの構築を検討するなど、環境を整えるとよいでしょう。
・関連記事:Wi-Fiが繋がっているのに遅い!原因と対処法を紹介
・参考記事:eoコラム-メッシュWi-Fiとは?中継器との違いやWi-Fiを強くするメリットについて解説
セキュリティーを意識する必要がある
Wi-Fiを利用する際は、セキュリティー対策をしっかりと行うことが重要です。適切に管理されていないWi-Fiは、第三者に無断で使用されるリスクがあり、その結果、個人情報の流出やウイルス感染などの被害が発生する可能性があります。
安全にWi-Fiを使用するためには、ルーターのパスワードを強固なものに設定する、最新の暗号化技術(WPA3など)を導入する、などのセキュリティー設定を行いましょう。
またフリーWi-Fi(公衆Wi-Fi)は誰でも接続できるため、通信内容が傍受される危険性があります。悪意のある第三者によって、入力したパスワードやクレジットカード情報が盗まれるリスクもあるため、特に慎重に利用する必要があります。
フリーWi-Fiでは以下の点に注意し、リスクを最小限に抑えましょう。
- 個人情報や機密情報を入力しない
- Wi-Fiの接続を「手動」設定に切り替える
- 暗号化されていないフリーWi-Fiスポットを利用しない
・関連記事:フリーWi-Fiの危険性とは?安全対策を解説
おすすめのWi-Fiルーターの選び方とは?

自宅でWi-Fiルーターを設置する際、どのようなポイントを踏まえて選択するとよいのでしょうか。ここでは、 5つのポイントに分けて紹介します。
1.通信速度で選ぶ
Wi-Fiルーターを選ぶ際、通信速度は重要なポイントです。通信速度は主に「アンテナの本数」と「バンド数」によって決まります。
アンテナの本数
ルーターのアンテナが多いほど、電波の送受信性能が向上し、通信速度が速くなります。例えば、「4×4」と表記されている場合、受信用と送信用のアンテナがそれぞれ4本搭載されていることを意味します。なお、アンテナは内蔵されていることもあるため、見た目だけで判断しないよう注意しましょう。
バンド数
バンド数は、ルーターが利用できる通信回路の数を示します。2つの通信回路を利用する「デュアルバンド」と3つの通信回路を利用する「トライバンド」があり、バンド数が多いほど、複数のデバイスを同時に接続しても通信が安定しやすくなります。
種類 | 通信回路の数 | 周波数帯 | 表記方法 |
デュアルバンド | 2つ | 2.4GHz・5.0GHz | 〇〇+〇〇Mbps |
トライバンド | 3つ | 2.4GHz・5.0GHz・5.0GHz(もしくは6.0GHz) | 〇〇+〇〇+〇〇Mbps |
また、周波数帯ごとに以下のような特徴があるため、利用する環境に合わせて選択するとよいでしょう。
周波数帯 | メリット | デメリット |
2.4GHz | 障害物があっても電波が届きやすい | 電波干渉を受けやすく、速度が遅め |
5.0GHz | 電波干渉を受けにくく安定しており、速度が速め | 障害物や距離に弱い |
6.0GHz | 5.0GHzよりもさらに電波干渉を受けにくく、速度も速い | 障害物や距離に弱い |
2.使用環境で選ぶ
Wi-Fiルーターは、使用環境に適したモデルを選ぶことが重要です。環境に合わないルーターを選ぶと、電波が届かない部屋やフロアが出る可能性があります。使用環境に合わせたルーター選びの基準は以下のとおりです。
- 2~3階建ての戸建て:電波の向きを調整できる外付けアンテナ搭載モデル
- ファミリー向けマンション:アンテナ3×3以上のモデル
- ワンルームマンション:アンテナ2×2以上のモデル
また、インターネット回線の速度も考慮が必要です。低速回線では高性能ルーターのメリットを活かしきれません。まずは、自宅の回線速度を確認し、環境に適したルーターを選びましょう。
3.接続可能台数で選ぶ
Wi-Fiルーターを選ぶ際は、接続可能台数を必ず確認しましょう。ルーターの対応台数に余裕があるほど、複数のデバイスを接続しても通信の遅延が起こりにくくなります。
ポイントは、実際に接続する台数よりも多くの台数に対応したルーターを選ぶことです。スマートフォンやゲーム機、パソコン、IoT家電など、自宅で使用する機器の数を洗い出し、それを上回る接続台数のモデルを選びましょう。特に家族で複数のデバイスを使用する場合は、接続可能台数が多いルーターを選ぶと快適にインターネットを利用できます。
4.初期設定のしやすさで選ぶ
デジタル機器の設定が苦手な方は、Wi-Fiルーターの初期設定のしやすさも重要なポイントです。通常、ルーターを使用するには、モデムやONUとLANケーブルで接続し、プロバイダー情報(認証ID·パスワード)を設定する必要があります。しかし、この作業が難しく感じる人も少なくありません。
近年では、スマホアプリやQRコードを活用して簡単に設定できるルーターや、LANケーブルを接続するだけで自動設定されるモデルも登場しています。また、回線事業者からルーターをレンタルする場合は、初期設定を開通工事の担当者が行ってくれることもあるため、設定の手間を省きたい方にはおすすめの選択肢となるでしょう。
5.価格で選ぶ
Wi-Fiルーターを選ぶ際、価格と性能のバランスを考えることも大切です。高性能なルーターほど通信速度が速く、同時接続台数も多い傾向がありますが、その分価格も高くなります。しかし、使用環境や目的によっては、高性能なモデルが必ずしも必要とは限りません。
一方で、極端に安価なルーターを選ぶと、通信が不安定になったり、接続台数が限られたりして不便を感じることもあります。自宅のインターネット環境や利用シーンに合ったルーターを選び、コストパフォーマンスの良いモデルを選択することが重要です。
まとめ

この記事では、Wi-Fiの概要や利用のメリット、注意すべきポイントについて紹介しました。
Wi-Fiは、スマートフォンやパソコンを無線でインターネットに接続できる便利な技術です。高速で安定した通信が可能で、データ通信量の節約やIoT家電の活用にも役立ちます。一方で、電波干渉による接続の不安定さやセキュリティーリスクには注意が必要です。
安全で快適にWi-Fiを利用するために、適切な環境整備やセキュリティー対策を心がけましょう。
【関西でネット回線をお探しなら】
eo光は17年連続お客さま満足度 No.1!※
※RBB TODAYブロードバンドアワード2023 キャリア部門 エリア別総合(近畿)第1位(2024年2月発表)
2007年~2023年17年連続受賞
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。