オンラインゲームやビデオゲームなど電子機器で対戦する競技・スポーツ「eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)」。近年人気と認知度が高まり、2023年6月には国際オリンピック委員会(IOC)が「オリンピックeスポーツシリーズ」を開催しています。この記事では国際大会でも選ばれるeスポーツの主な種目やゲームタイトルや特徴を紹介します。
ライター:CLIP編集部
eスポーツの特徴と魅力
eスポーツは従来のスポーツとは異なり、身体的な制限が少なく、幅広い年齢層が参加できるのが魅力です。オンラインで世界中の選手と競い合えるのも大きな特徴です。
eスポーツの歴史
1980年代
1980年代に任天堂のファミリーコンピュータなど家庭用ゲーム機が登場してからオフラインのゲーム大会が多く開かれるようになりました。
1990年代
1990年代には『ストリートファイターⅡ』『餓狼伝説』『鉄拳』『キング・オブ・ファイターズ』『サムライスピリッツ』シリーズなどの格闘ゲームが人気になり、欧米では賞金のある大会やプレイヤーのプロ化も進みました。
2000年代
インターネットの普及にともない2000年頃から「eスポーツ」という言葉が広く使われ始め各地でスポンサーシップを元にしたプロリーグが開設されます。
2010年代以降
2011年に第1回eスポーツJAPAN CUPが開催されるように。2010年代以降はYouTubeやニコニコ動画、Twitch等配信サービスを利用したゲーム配信が身近になったことでゲーム配信者の人口が増え、人気eスポーツ選手も多く登場するようになりました。
eスポーツの市場規模と今後の成長予測
世界のeスポーツ市場は急速に拡大中で、2021年には約10億ドル、2025年には約18億ドル規模まで成長すると予測されています。日本市場も2022年には125億円に到達、2025年には217億円の規模に成長する予測も(日本eスポーツ連合/JeSUなどより)。
さまざまなゲーム会社などで運営されるJeSUは経済産業省との結びつきも深めており、より広くeスポーツを普及させようとしています。
IOCが開催するeスポーツ大会の種目は?
2023年6月、国際オリンピック委員会(IOC)は初めて「オリンピックeスポーツシリーズ」を開催。この大会では下記の10種目(ゲームタイトル)が採用されています。
- アーチェリー(『Tic Tac Bow』)
- 野球(『WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球』)
- チェス(『Chess.com』)
- サイクリング(『Zwift』)
- ダンス(『Just Dance』)
- モータースポーツ(『グランツーリスモ』)
- セーリング(『バーチャルレガッタ』)
- テコンドー(『バーチャルテコンドー』)
- テニス(『Tennis Clash』)
- 射撃(『フォートナイト』)
2024年のパリオリンピックでのeスポーツの正式種目としての採用は見送られていますが、2025年に「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」サウジアラビアでの第1回大会の開催が予定されています
eスポーツ種目として選ばれる基準
日本eスポーツ連合(JeSU)によれば、eスポーツ種目として選ばれる公認条件は下記です。
- ゲーム内容に競技性が含まれること(競技性)
- ゲームとして 3 カ月以上の運営・販売実績があること(稼働実績)
- 今後も e スポーツとして大会を運営する予定があること(大会の継続)
- e スポーツとしての大会の興行性が認められること(興行性)。
その他続編の場合や移植の場合の基準もあります。プレイヤーが競技として競えるゲーム性はもちろん、大会が開かれて存続できるほどの販売数・人気(ゲーム人口)があることが背景にあるといえるでしょう。
JeSU公認タイトル規約より(PDF)
eスポーツの主要種目と代表的なゲームタイトル
日本eスポーツ連合(JeSU)プロライセンス公認タイトルや、その他大会がよく開かれるeスポーツの種目を紹介します。
1. 格闘ゲーム
日本では『ストリートファイターⅡ』が90年代に『ストⅡ』の愛称で爆発的人気となり普及しました。格闘ゲームはeスポーツの代表的な種目です。
『ストリートファイター』シリーズ
『ストリートファイター』シリーズはカプコン社の大人気タイトル。2023年に発売された『ストリートファイター6』は世界的な大会「カプコンカップ」の競技タイトルになっています。
『鉄拳』シリーズ
バンダイナムコエンターテインメント社の3D対戦格闘ゲーム『鉄拳』シリーズ。初期からポリゴングラフィックスで表現された立体的な視野で戦う、やりこみ要素の強いゲームとして人気を博しました。最新作『鉄拳8』は初心者も取り込み、世界各国で大会が開かれています。
『ギルティギア』シリーズ
『ギルティギア』シリーズは、アークシステムワークス社の2D(横向き視点)の対戦格闘ゲーム。アニメ調のグラフィックが特徴で、世界大会「ARC WORLD TOUR」が開催されています。
2. FPS
FPS(ファーストパーソン・シューティング/シューター)は一人称視点で武器を使って戦うゲーム。世界的にも競技人口の多いeスポーツ種目の一つです。
『カウンターストライク』シリーズ
『カウンターストライク』はSteamを提供するValve社が開発・運営する人気FPS。2023年9月に『カウンターストライク2』がリリースされ、さらなる盛り上がりを見せています。世界中で大会が開かれています。
『ヴァロラント』
Riot Games社が2020年にリリースした比較的新しいタイトル『ヴァロラント』。「VALORANT Champions Tour」という世界大会が開催されています。
Apex Legends
Electric Arts社より配信されているバトルロイヤル形式のFPS『 Apex Legends』。基本無料のためプレイヤー人口が多い人気タイトルです。3人1組のチーム戦が特徴で、「Apex Legends Global Series」という世界大会が開催されています。
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3. TPS
一人称のFPSとは違い、視認できるプレイヤーを操作するシューティングゲームTPS(サードパーソン・シューティング/シューター)。若年層にも人気で、eスポーツ大会も多く開かれます。
『フォートナイト』
Epic Games社のバトルロイヤルゲーム『フォートナイト』。建築要素が特徴で、「Fortnite Champion Series」という大会が開催されています。米津玄師やBTS(防弾少年団)がゲーム中でライブを開くなど、メタバースとしても注目されるタイトル。
『PUBG』
『PUBG(PlayerUnknown’s Battlegrounds)』はPUBG Corporationにより開発されているバトルロイヤルゲーム。PC版とモバイル版があり、それぞれ世界大会が開催されています。リアルな世界観が特徴。
『荒野行動』
『荒野行動』は中国のNetEase Gamesが開発・運営するTPSゲーム。100人のプレイヤーが無人島に降り立ち、バトルロイヤルを繰り広げます。『KAGOSHIMA GAMES/FLAG』などの大会があります。
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4. MOBA
MOBA (マルチプレイヤー・オンライン・バトルアリーナ)は2チームに分かれて味方と陣取り合戦を行うゲームジャンル。e-スポーツの中でも人気の高い種目の一つで、賞金総額が「億」単位の大会も開催されています。
『League of Legends』
『League of Legends』はRiot Games社の人気MOBAゲーム。世界中で1億人以上のプレイヤーを抱え、「League of Legends World Championship」は毎年大きな注目を集めています。
『Dota 2』
『Dota 2』はValve社のMOBAゲーム。「The International」という世界大会の賞金総額は、2021年に約4000万ドルという高額を記録しました。
『ポケモンユナイト』
ポケモン社の比較的新しいMOBAタイトル『ポケモンユナイト』。「ポケモンワールドチャンピオンシップス」の中で世界大会が開催されています。
5. スポーツゲーム
『FIFA』 シリーズ
EA社のサッカーゲーム『FIFA』シリーズ。国際サッカー連盟(FIFA)公認のゲームシリーズで「FIFAe World Cup」という世界大会が開催されています。
『eFootball』シリーズ
コナミデジタルエンタテインメント社のサッカーゲーム 『eFootball』。「eFootball Championship Open」という世界大会が開催される人気シリーズです。
『プロ野球スピリッツA』
『プロ野球スピリッツA』はコナミグループ社の野球ゲーム。日本国内で「プロスピAチャンピオンシップ」などの大会が開催されています。
6. レースゲームなどその他の種目
レースゲーム
ソニー・インタラクティブエンタテインメント社のレーシングゲーム『グランツーリスモSPORT』が有名で、全国都道府県対抗eスポーツ選手権やオリンピックのeスポーツゲームなどの種目になっています。
パズルゲーム
セガによる人気パズルゲーム『ぷよぷよ』。『ぷよぷよeスポーツ』がJeSUの公認タイトルとして採用されています。
デジタルカードゲーム
デジタルカードゲームでは『遊戯王デュエルリンクス』などが人気。『シャドウバース』は全国都道府県対抗eスポーツ選手権、『ハースストーン』がアジア競技大会のeスポーツ種目になっています。
音楽ゲーム
『ビートマニア2DX』などが有名で、『BEMANI PRO LEAGUE(ビーマニプロリーグ)』などの大会が存在します。
まとめ
多様なジャンル・種目があるeスポーツ。インターネットの普及とともに広まり、ゲーム配信の人気やオリンピックへの参入の動き、市場規模の拡大など今後も注目が高まることが予想されます。またeスポーツ大会は単なるゲーム大会ではなく、スポンサーがついたり多額の賞金が出たりとプロスポーツの一つとして今後もさらなる発展が期待されるでしょう。
この記事を読んで、興味を持ったジャンル・種目が見つかった方は、プレイしてみてはいかがでしょうか?今後腕をみがくことで、将来eスポーツ大会出場も可能になるかも?!
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