システムエンジニアは文系・理系問わず活躍する人が多い職種ですが、そのキャリアパスはさまざま。ずっと同じ会社で働き続ける人や、活躍の舞台を求めて転職を続ける人もいます。
そして、最新の技術情報がすぐアップデートされるこの業界では常に勉強が欠かせません。今回は大手外資系企業で11年間も働く理系学部出身のエンジニア・松本さん(30代男性、仮名)にご自身の仕事内容や勉強法、元・同僚がGoogleに転職したとのことでその方がどんな勉強をしていたかを聞いてみました。
ライター:CLIP編集部
Linuxのサポートエンジニアは「サーバのお医者さん」
――松本さんの仕事内容を教えてください。
大学院卒業後、大手システム開発の外資系企業にシステムエンジニアとして就職。今年で11年目になります。仕事内容はLinux(※注1)のスペシャリストとして、様々なサポートを行っています。クライアントのサーバで問題が起こったときは、営業担当を通じて僕に問い合わせが来るので、その原因を調査して解決するのが仕事ですね。
※注1:Linux……無料かつオープンソース(誰でも改変可)のOS。無料であることなどから、サーバに利用されることも多い。
――問い合わせの内容はどんなものが多いんですか?
本当に様々ですね。
例えば「サーバが急に止まってこんなエラー出てるんですけど、どうすればいいですか?」とか「サーバの設定がうまく設定できないんですけど」といった質問です。問い合わせをいただくのは企業のIT担当者の方が多いので、サーバやシステム周りに詳しい方がほとんど。
ただLinuxに特化した問題となると、解決が難しい場合があります。そういったときに僕に問い合わせが来るんですよ。
――お客さんと同じ環境を再現することもあるんですか?
最終的にそうする場合もあります。ただまずは、発生しているエラーや障害などの原因は、何が考えられるかを絞っていくことが多いです。「初めて起こったのか」「いつ、どんな状況で、何の作業をやっていたときに再現するのか」などをお客さんにヒアリング。それから問題を絞り込んでいくんです。
――お医者さんの問診みたいですね。
まさにそうですね、僕も「サーバのお医者さん」のような仕事だと思います(笑)。
難しい問題を解いて、原因が「これだ」って突き止めて、狙い通りお客さんの問題が解消されたときは最高に楽しいんですよ。今の会社にずっと在籍し続けているのも、そうやって人の役に立てる瞬間が多いからだと思います。
大学でシステムを勉強。エンジニアのキャリアは自然の流れで
――小さい頃からコンピュータに触れていたんですか?
父親がパソコンを好きで、僕も影響されて中学3年生ぐらいのとき自作パソコンを作ったりしていました。まだダイヤルアップの時代でしたが、インターネットに繋いでみたり(笑)。
――コンピュータは身近にあったんですね。プログラミングも早くからやられていましたか?
中学校のとき、BASIC(※注2)の本を読んで、その通りに打ち込んでゲームを作ったことはありましたね。オリジナルのプログラムを作ったのは大学に入ってです。
※注2:BASIC……Beginners’ All-purpose Symbolic Instruction Codeの略で、1970年代以降教育や趣味の目的で広く利用されたプログラミング言語。容易に覚えやすい設計がされている。
――エンジニアになろうと思ったのはいつごろですか?
具体的にエンジニアという職を考えるようになったのは、大学のときです。高校のときは理系教科のほうが成績は良かったので、大学も理系学部を志望していました。大学のシステム工学部に合格して、ソフトウェア開発を研究。大学2、3年生になって研究室の先輩の就職先や仕事内容を聞くと、IT企業のエンジニア職が多かったんですよ。なのでエンジニアになるのは自然の流れでした。
Googleに転職した文系エンジニアの特長は「英語」
――大学時代からLinuxを使っていたんですか?
大学時代からC言語は書いて覚えていっていましたが、Linuxは会社に入ってからですね。
――どのようにして、新しいプログラミング言語を覚えられたのですか?
うちの会社は1年目でも、11年目の今でも研修をガッツリやってくれるんです。そのこともあって勉強に多くの時間を割いています。外部の研修にも気軽に行かせてくれたりもします。また、仕事の上で必要な資格試験があるので、そのために本を買って読んだり、研修に出たりして勉強することが多いですね。
――なるほど。ところで松本さんの同僚の方は文系・理系どちらが多いですか?
意外と文系が多いんですよ。同期や同僚でも、半分くらいは文系じゃないかな。
――仕事ぶりで文系・理系の違いってありますか?
仕事内容は基本的に違わないし、文系の人でもすごいエンジニアはたくさんいます。もちろん入社直後は多少理系にアドバンテージはあるかもしれませんが、その会社の仕事を覚えていくのは文系・理系も一緒ですから。めきめき成長してGoogleに転職した文系出身の先輩もいます。
――そういう方ってどんな勉強をされていたんですか?
その先輩はもともと英語が堪能で、英語の情報がどんどん入っていたのが大きいと思います。海外のエンジニアとも積極的にオンライン・オフライン問わずコミュニケーションしていましたし、実際にアメリカに学びに行ったりもしていましたね。
最新技術の情報は英語で書かれているものが多いし、プログラミング言語で使われる変数も含めてエンジニアが読み書きするものは、英語が中心だと思うんです。Udemyなどのオンライン講座も英語が理解できたほうが選択肢も広がるし、吸収も速いと思います。
エンジニアとしてのキャリアのため、英語の勉強は続けたい
――普段の生活でエンジニアのスキルが活きることってありますか?
例えば、趣味で友人とゲーム実況をしてるときパソコンがエラーになっても落ち着いて調べて直す……といったところには活きているかもしれませんね。家でも仕事してるみたいになっちゃってますけど(笑)。
――エンジニアならではの悩みってありますか?
やっぱり腰痛ですね。バンドや小説執筆など趣味は多いんですけど、エンジニアの仕事と一緒で、ずっと座るものが多いんです。それで腰痛がひどくなってきてしまって……。立ってできる趣味として最近ハマっているのが、釣り。近くの川でフライフィッシングができるんですよ。川にいるおじさんと仲良くなったり、子供と一緒にできたり、リフレッシュにも良いと感じてます。
――お子さんはコンピュータに興味を持ってるんですか?
娘はいま10歳ですが、今のところはまだですね。iPadを触るのは好きなので、プログラミング教育は娘の興味があればやらせてあげたいです。あとは英語をちゃんと覚えてほしいですね。エンジニアだけじゃなく、いろんな仕事に役立つと思うので。
――これからのエンジニアとしてのキャリアパスは。
今の会社での仕事が楽しいし向いていると感じているので、より高いスキルや解決のクオリティを上げていきたいと考えています。あとは英語ですね。社内でも社外でも活躍するエンジニアは英語ができる人が多いし、キャリアの選択肢が広がっているように思います。僕の専門分野のLinuxも新しい技術がどんどん出てくるので、引き続き海外の情報も含めてキャッチアップをしていきたいと思います。
エンジニアのキャリアに、英語の勉強はきっと役立つ
文学部から新卒でエンジニアになった中井さん(仮名)もエンジニアにとっての英語の重要性を話されていました。松本さんのようにずっと同じ会社で働き続けるエンジニアにも、大手企業に転職していくエンジニアのキャリアにも英語の勉強は役立つようです。
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