『フォートナイト』『Apex Legends』や『マインクラフト』。最近はこれら人気ゲームを「遊びたい!」思いが先にあって、そのためにプラットフォーム(ゲームが動くハードウェア製品)を買う人は多いと思われます。
さて困るのがどれを選べばいいか?ということでしょう。
はるか昔には、プラットフォームごとに対応しているゲームにかなりの差がありました。例えば『ドラゴンクエスト』シリーズはファミコンやスーパーファミコン、『ファイナルファンタジー』シリーズのⅦ~Ⅸであれば初代PlayStationだけ、といった具合です。
でも、この2つの大物RPGが今やスマホでもゲーム専用機でもパソコン(PC)でも遊べるように。超有名なゲームであれば、どのプラットフォームでもだいたい移植されるのが当たり前です。ゲームメーカーにとっても、できるだけ多くの人たちに遊んでもらう方がビジネスになりやすいですしね。
そして最近では、異なるプラットフォームのユーザーたちがハードウェアの違いを超えて遊べる「クロスプラットフォーム」対応ゲームも増えています。『フォートナイト』でも『マイクラ(略称)』でも、PCプレイヤーがNintendo Switch版ユーザーと同じ戦場で協力も対戦プレイも可能です。
けれど、やはり「プラットフォームごとの違い」はしっかりとあります。
今回はPC版、Nintendo Switch版、PS4版、各プラットフォームのメリットやデメリット、それぞれでの楽しみ方を紹介していきます。
ライター:CLIP編集部
ゲーミングPC。お金を惜しまなければこれ一択
最も映像的に優れているのは、ゲームを快適に遊ぶため組み立てられたゲーミングPCです。お金を惜しまなければ超高速なCPU(頭脳部分)も使えるし、高価なグラフィックボード(PCの画像を表示させるチップ・GPUが組み込まれた基板)だって載せられます。
すでにメーカーが用意した完成品を買うも良し、自分で高性能なパーツに取り替えてもかまいません。
大きなメリットは解像度が高く、画面がキレイなこと……素人考えではそう思えますが、このメリットはオンラインでの対戦では些細なことです。なぜなら対戦では画面に見とれるよりも「敵の動きを追って、正確に捉える」ことが何よりも大事だからです。
それよりもPCの強みはまず「画面の設定を自由に変えられる」こと。それなりのお値段のマシンならば4K表示がラクラクとできますが、ゲームによっては文字が小さくなりすぎたり、表示される情報が多すぎて読み取りにくくなります。ゲーム専用機であればたいてい解像度は固定されているところが、ほとんどのPC用ゲームでは自分に合わせて調節ができるのです。
さらに3D対戦ゲームの場合は、視野角も大事な要素です。視野角とは、画面に映し出されている視野の広さのこと。この値を大きくすると見渡せる範囲が広くなり敵を見つけやすくなりますが、画面の広さに対して敵が小さくなり、攻撃を当てにくくなります。反対に小さくすると視界が狭くなるかわりに、敵が大きく弾も当てやすくなるという、一長一短な設定ですね。
この視野角も一般的にPCでは変えることができ、ゲーム専用機では変更不可。その数少ない例外が『Apex Legends』PS4版です。ちなみにSwitch版は70に固定されています。
ほかにも3D対戦ゲームを数多く遊ぶのなら、ゲーミングPCのほうが自分の感覚なり、ゲームの立ち回りなりに合わせた細かなチューニングがしやすくあります。
また自由度の高さといえば、PCだけの特権としてユーザーによって作られた改造データの「MOD」が使えることも挙げられます。これはゲームのグラフィックエンジンや基本システムをそのまま使いながら、シナリオやグラフィックを大幅に変えられる、というものです。
キャラクターやアイテムなど見かけの変更ぐらいはザラにあり、凝ったMODになると「マインクラフトをフォートナイト風に変身させる」なんてのもあります。今やメジャー大作の『PUBG』も実は『DayZ』や『ARM3』など別のゲームのMODとして生まれたゲームですし、MODは新たなゲームクリエイターが生まれる苗床でもあります。
対戦ゲームでPCならではの「マウスとキーボードが使えること」も強みです。たとえば『フォートナイト』の場合、ゲーム専用機ではコントローラが基本となります。これにはエイム(照準を付ける)アシストという機能が働き、照準が敵に合うように自動的に引っ張られる。初心者のうちはそれでいいのですが、マウスやキーボードは細かな操作がしやすく、熟練したプレイヤーであればエイムや建築の速さはコントローラをはるかに上回ってしまう。勝ちにこだわり出すと自作のゲーミングPCを組む人が多いのは、そのためなんですね。
Nintendo Switch。家でも外でも遊べて、モンハン移植も素晴らしい
あらゆる意味でPCとは正反対なのがご存知、人気ゲーム機のNintendo Switchです。
なにしろ解像度などグラフィック設定もほとんど変更できず、視野角も固定のまま。画面表示の滑らかさの目安となるFPS(frames per second/1秒間に表示できるコマ数)も、ゲーミングPCが60~120fps、高価なグラフィックボードを載せていれば144~240fpsも出たりしますが、Switchはたいてい30fps以外は選べません。
なぜなら、Switchは決して高くはない性能に抑えられているからです。別に製造コストを減らしたいからではなく「家では据え置きゲーム機として、外では携帯ゲーム機として」遊べることを両立しようとしているためでしょう。
一般にゲーム機やパソコンに積まれたプロセッサ(頭脳部分)やGPU(グラフィック処理の部品)は、高性能であるほど消費電力が大きくなります。ずっと電源に繋ぎっぱなしのパソコンと同じようにパワフルなものを載せてしまうと、あっという間にバッテリー切れ。だから、Switchのプロセッサはわざと処理能力を低めにしていると思われます。
逆にいえば「いつでもどこでも遊びやすい」はSwitchだけの強みです。最近ではゲームパッドを内蔵した高性能なUMPC(小型ノートPC)も出たりしますが、たいていバッテリーが2~3時間程度しか持たないことがままあります。やはり「性能と電池持ち」は両立しにくいんですね。
電車の中やテレビのない部屋でも楽しめるほか、サードパーティ製の(任天堂純正ではない)小型ドックを買っておくと、友達の家のテレビに繋げて「いつものゲーム」を遊ぶことも可能。据え置き機と携帯ゲーム機のいいところ取りするため、表示パワーと画面のリッチさを少し控えめにしているわけです。
かつては、さほど表示能力の高くないゲーム機向けには、他の高性能プラットフォーム向けに作られたゲームはそもそも発売されませんでした。でも、Switchは圧倒的に大ヒットしておりユーザー数も莫大なので、多少無理があっても移植されるようになったのです。
ではSwitchで最近の3D対戦ゲームを遊ぶメリットがないのか?
いえ、そんなことはありません。Switch版は最も遅く移植されているので、つい最近プレイを始めたゲーマー人口がかなり多い。ゲームの腕前は「やり続けた時間」に比例しやすいので、初心者と上級者の差がまだそれほど開いてはいないはず。今から対戦ゲームを始めるなら、スイッチが最も敷居が低くて「敵に何もさせてもらえない」悲劇はない……かもしれません(個人差があります)。
また、最近ならば『モンスターハンターライズ』はスイッチ専用に作られたこともあり、素晴らしい完成度です。先に発売されたPS4/PC向けの『モンスターハンター:ワールド』をベースとしており、グラフィック表現ではそれらに及びません。ですがfpsはある程度安定しており、動きは滑らか。おそらく「プレイヤーの注目を惹きやすい表現は豪華に、そうでない場所は控えめに」と処理にメリハリを付けることで、充実したプレイ体験を実現している。さすが老舗カプコンの底力と唸らされます。
PS4。そこそこ快適にプレイ&実況もしやすい
さて、第3の選択肢としてメジャーなのがPS4でしょう。すでにPS5やXbox Series X|Sといった最新ゲーム機は発売されてはいますが、しばらく品薄が続いて入手はしにくそうです。
PS4の性能はちょうどゲーミングPCとスイッチの中間といったところ。本体のお値段はスイッチと五分五分ぐらいです(最近は価格の変動が激しいのですが)。
PS4のメリットは、1つにはそこそこの解像度とフレームレートで遊べるということ。『Apex Legends』であれば視野角を70〜110まで変更できますが、これはPC並み。またフレームレートは最大60fps(それ以下になることもある)ということで、どちらもSwitch版を上回っています。
2014年の発売から7年経ったPS4ではありますが、家庭用ゲーム機の「販売台数が巨大だから、その時点での最先端技術を詰め込める」強みを最大限に活かしていて、今なお現役でいられるのでしょう(Switchは「据え置きと携帯機どっちもアリ」という意味での最先端)。
また、ただ遊ぶだけでなくゲーム実況や配信もしたいなら、PS4はお手軽。Switchにもキャプチャー機能はありますが、これは「ゲームを録画する」だけ。その点PS4のシェア機能は生配信もできて、「YouTube Live」と「Twitch」、「ニコニコ生放送」の3つに対応しています。それ以外のサービスを使いたければ別にPCが必要となりますが、割り切れば追加コストもかからず財布にも優しいでしょう。
まとめ
こんな風にゲーミングPC、Switch、PS4にはそれぞれメリットやデメリットがあり、一概にどれがベストとはいえません。
大ざっぱにまとめれば「お金がどれほど掛かってもいい、上級者に勝ちたい」ならばゲーミングPC、「家でも外でも遊びたい」ならスイッチ、「なるべく出費を抑え、できればゲーム実況もやりたい」人はPS4を選べば後悔は少ないはず。
もしも迷ってお金が余っているなら「ぜんぶ買う」のもアリかもしれません。
【関西でネット回線をお探しなら】
eo光は通信速度・安定性で満足度No.1!※
※2020年度オリコン顧客満足度調査による
※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。