「Google Workspace」とは?Gドライブ/Gmail等との違い、料金・活用事例

Googleが提供する組織向けの有料オンラインアプリケーションセット「Google Workspace」をご存知ですか? このツールの中には無料でも使用可能なアプリがいくつか含まれています。それでもお金を払って利用するメリットとは? 利用者の声と合わせて紹介します。

ライター:CLIP編集部

Google Workspaceとは

「Google Workspace」は個人でも無料で利用できるGmailやGoogleカレンダーといったツールにビジネス向けの機能を追加したクラウドサービスです。2020年10月6日、Googleが前身サービスG Suiteのリブランディングを発表し、現在の形に。
Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライド、Google Meetなど、すべての機能がブラウザから操作できるため、スマートフォンからも利用できます。個人利用向けや企業向け、教育機関向けなど、ユーザーのニーズに合わせてさまざまなプランが用意されており、どのプランでもGoogleによるサポートが24時間365日利用可能。

申し込みはGoogle公式サイトまたは販売代理店から行えます。導入サポートなど独自のサービスを実施している代理店もあるので、申込時にはどこから登録するのがお得か一度調べるのがいいでしょう。

プラン別Google公式価格と主な特徴

Business StarterBusiness StandardBusiness PlusEnterprise
1年契約の場合のユーザー1人あたりの月額料金¥680¥1,360¥2,040営業担当に問い合わせ
ユーザー数の上限300300300上限なし
主な特徴

●セキュリティ保護されたカスタムのビジネス用メール

●100人まで参加可能なビデオ会議

●ユーザー1人あたり30 GBのストレージ

●セキュリティと管理機能

●Standardサポート

●セキュリティ保護されたカスタムのビジネス用メール

●150人まで参加可能なビデオ会議とその録画

●ユーザー1人あたり2TB相当の共有ストレージ

●セキュリティと管理機能

●Standardサポート(Enhancedサポートに有料でアップグレード可能)

●セキュリティ保護されたカスタムのビジネス用メール、eDiscovery、データ保持

●500人参加可能なビデオ会議とその録画、出欠状況の確認

●ユーザー1人あたり5TB相当の共有ストレージ

●高度なセキュリティと管理機能(Vaultや高度なエンドポイント管理など)

●Standardサポート(Enhancedサポートに有料でアップグレード可能)

●セキュリティ保護されたカスタムのビジネス用メール、eDiscovery、データ保持、S/MIME暗号化

●500人まで参加可能なビデオ会議とその録画、出欠状況の確認、ノイズキャンセル、ドメイン内ライブストリーミング

●必要に応じて増やせる保存容量

●高度なセキュリティと管理機能、コンプライアンスの制御機能(Vault、DLP、データリージョン、エンタープライズエンドポイント管理など)

●Enhancedサポート(Premiumサポートに有料でアップグレード可能)

Google公式サイトでは1ユーザーあたり月額680円〜Google Workspaceの契約が行えます。
また2023年3月現在、Google公式サイトでは14日間の無料トライアルが提供されているので、利用を検討されている方はそちらを試してみるといいでしょう。

Google Workspaceで使える主なサービス

Google Workspaceで使用できるツールをいくつか、無料版との違いを踏まえて紹介します。

Google Workspaceで使える主なサービス-画像

Gmail

「Gmail」は言わずと知れたGoogleのWebメールです。無料で使用できる個人向けサービスのものと比較すると、独自ドメインが使用できたり、保存容量などにも違いがあったりするほか、予備のメールアドレス(エイリアス)を複数追加できることや、複数人への一斉送信に役立つメーリングリストの作成ができます

Google ドライブ

「Googleドライブ」はGoogleが提供するクラウドストレージです。無料でも15GBまでは使用できますが、Google Workspaceであればより高いセキュリティのもとで契約プランに応じた最低30GBから5TBまでの容量が使用可能。ほかにもBusiness Standardプラン以上であれば、オリジナルの共有ドライブの作成が行えます。

Googleカレンダー

「Googleカレンダー」は、クラウド上で予定管理ができる無料のスケジュール管理ツール。Google Workspace内のGoogleカレンダーでは、グループでひとつのカレンダーを共有できるので、同じグループのメンバーは簡単に予定の共有が可能。またBusiness Standardプラン以上であれば、カレンダー上に予約枠を作成し日程調整が行える、予約スケジュール機能が使えます。さらに会議室など共用施設のカレンダーも作成できるので、このツール上で共有施設や設備の予約管理も可能に。ダブルブッキングなどのトラブルを防止します。
ほかにもZoom有料版と連携すれば、Google MeetだけでなくZoomの会議設定も可能になるなど、無料版と比較すると多くの機能が使えるようになります。

Google Meet

「Google Meet」はビジネスでも使えるビデオ会議ツールです。翻訳や自動字幕、デジタルホワイトボードなどの機能が充実しており、プランによって100~500人まで参加できます。さらにBusiness Standardプラン以上であれば録画機能やノイズキャンセル機能などが使用可能。プランによって使える機能が大きく変わるので、このツールを頻繁に使う場合は、どの機能がどのプランから利用できるのか確認してから、プランの契約に進みましょう。

管理コンソール

Google Workspaceでは、すべてのアプリケーションに関する設定を一元管理できる「Google管理コンソール」が使用可能。
管理者権限を持つユーザーは、このツールでユーザーアカウントの追加や削除、指定ユーザーに管理者権限の割り当てなどを行えます。また必要に応じて、アクセスできる情報や実行できる操作を、ユーザーごとに制限することも可能です。
ほかにもユーザーのアカウントステータスやメール履歴をはじめとしたユーザーの使用状況を管理コンソールで監視もできるため、潜在的なセキュリティリスクを低減させられます。さらにセキュリティを強化したい場合は、このツールから2段階認証の義務付けや、パスワードの長さ指定、重複するパスワードの使用禁止を行い、パスワード強度の指定が可能。簡単に内部セキュリティの強化が行えます。

そのほかの利用可能ツール

Google Workspaceを契約すればこれまで紹介したもの以外にも、「Google ドキュメント」や「Google スプレッドシート」はもちろん、簡単にメモやリストの作成ができる「Google Keep」やプレゼンテーション用の資料を作成ができる「Google スライド」、アンケートなどの入力フォームを作成できる「Google フォーム」、チャットツール「Google Chat」など、数多くのツールが利用できます。

Google Workspaceの活用事例と感想

Google Workspaceを活用している企業の方に、導入後の感想をお聞きしました。

Google Workspaceの「Gmail」導入による変化

Google Workspaceの「Gmail」導入による変化-画像

無料版Gmailのドメインは「@gmail.com」が基本です。しかし、企業などでGoogle WorkspaceのGmailを使用していれば、管理者アカウントでメンバーのドメイン変更をまとめて行うことが可能。また、連絡先なども管理者アカウントから簡単に共有できます。

〈利用者の声〉
ドメインに企業名があると取引先に安心感を与えることができると思います。また以前は、取引先の連絡先に変更が生じると社員それぞれが登録し直す必要がありました。しかしGoogle WorkspaceのGmail導入後は、その作業を管理者1人が行うだけで済むので、変更の手間と変更忘れによる誤送信のリスクが減りました。これまでに直接のやり取りがなかった方も、社内の誰かがやり取りしていれば、連絡先に登録されているので、メールアドレスを手打ちしなくて済むのもありがたいです。

「Google管理コンソール」で社内セキュリティを強化

Google Workspaceを契約すればユーザーを一元管理できるGoogle管理コンソールが利用可能。これによりファイルへのアクセス権限や公開範囲をユーザーやグループごとに制限したり、ユーザーの行動履歴の確認ができたりします。

利用者の声〉
Google Workspaceであれば、社内のデータ共有方法をドライブにまとめてもファイル送信者や管理者がデータそれぞれの共有範囲の指定・制御が行えるので、必要以上の情報拡散を防ぐことができます。またセキュリティトラブルが生じた際も、Google管理コンソールを使用すれば社員の利用履歴を確認できるので原因特定がすぐに行えます。

「Googleカレンダー」でスケジュール調整を効率化

無料版の場合はアカウントが独立しているため、お互いの予定を確認するにはそれぞれが予定を共有する必要がありました。しかしGoogle Workspaceの場合は、事前に設定しておけば簡単にグループのメンバー同士で予定の共有が可能。メンバーがいつ空いているのか一目瞭然です。

〈利用者の声〉
これまでグループで予定を立てるときはメンバーそれぞれのスケジュールを個別に教えてもらう必要がありました。しかしGoogle Workspace導入後はメンバーの予定をGoogleカレンダーで確認し、ピンポイントで日程を提案するだけ。ミーティングの予定などがスムーズに決められるようになりました。さらにGoogle Meetを利用したオンライン会議の場合は、カレンダーのデータから簡単にメンバーの招集ができます。業務効率が格段に向上しました。

膨大なデータもGoogleドライブにまとめて保存

無料版のデータ容量の上限は15GBですが、Google Workspaceの場合は30GBから5TB。これにより各ユーザーはストレージ消費量を気にせずに業務を行えるでしょう。また契約プランによってはチームで共有ドライブを使えるので、資料の引き継ぎも簡単に行えます。

〈利用者の声〉
無料版のGoogleドライブでも15GBは使用できていましたが、高画質の写真や動画を保存するとすぐにデータがいっぱいに。都度データの整理が必要でした。しかし、Google WorkspaceのBusiness Standardプランに加入後は、1人当たり2TBも使用できるので、データ量を気にせずにドライブへの保存ができています。

まとめ

勤務先などでGoogle Workspaceが導入されている方もいると思いますが、すべての機能を使いこなせていましたか? もし今回紹介した機能のなかで使用したことがないものがあれば、試しに一度使ってみてはいかがでしょうか。


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