Cookieとは？わかりやすく解説。設定や削除方法も

Cookie（クッキー）は、ブラウザーやサーバー間でユーザーを特定して情報を保持したり出し分けたりする際に使われる機能。多くのWebサイトやSNS等のサービスで利用されています。
代表的な例は、ECサイトでの買い物かごです。ブラウザーのタブやページを閉じても、再度ECサイトに訪問すると買い物かごに入れた商品が保持されていることはないでしょうか。この機能はまさにCookieを利用しています。

Cookieが生まれた経緯やどういう働きをするのか、パソコン・iPhone・Androidの代表的なブラウザーでCookieを有効化・削除する方法についてご紹介します。

ライター：CLIP編集部／株式会社TOGL

Cookieとは何か

Cookieとは、Webサイトの利用に必要なユーザーの情報をパソコンやWebブラウザー等に保存する仕組みのこと。例えば、サイトを訪れた日時・訪問回数といったものや、Webページの利用履歴・検索フォームやカートへのアイテム保存など、ユーザーが入力・行動した情報をテキストデータとして保存します。

Cookieの仕組み

皆さんがパソコンやスマホでWebページを閲覧する際は、その時利用しているブラウザーがクライアントとなり、情報を持つサーバーにリクエストを送信します。サーバーはリクエストに応じ、レスポンスを返します。
例えばあなたがWebページで画像を見られているとしたら、それはブラウザーが画像表示のリクエストをサーバーに送り、サーバーがレスポンスを返したためです。

WWW（WorldwideWeb、Web）でのサーバーとクライアントのやり取りのルール、通信規格が「HTTP（Hypertext Transfer Protocol）」です。Webサイトのアドレスバー、ドメインの最初にある「http/https」は「HTTP」での通信であることを示します。

HTTP通信は文書で示されますが、そこにはリクエストを送る「Host（example.comなど）」や、リクエスト元のブラウザー情報「User-Agent」などが書かれます。その中に「Cookie」の項目があり、「有効期限」「Cookieが利用されるサイト」などが設定されます。

元々のHTML（HyperTextMarkupLanguage）文書はテキストを中心とした簡易なものであったため、HTTPのルールも単純でした。しかしそのうち買い物やビジネスへのWebの利用が進むと「リクエスト元ごとにレスポンス情報を保持しておく、情報を出し分けする」要望が出てきました。

そこでCookieが登場するのです。

Cookieの開発と名前の由来

HTTPリクエストそのものにはユーザーを特定する機能がありません。背後でブラウザーとサーバーがユーザーについての情報をやり取りをするために、Cookieが開発されました。
Cookieを開発したのは高名なエンジニアのルー・モントゥリ。1991～92年、カンザス大学在学中にテキストベースのブラウザー「Lynx」を共同開発したモントゥリ氏は、その後ブラウザーの先駆者的存在であるネットスケープコミュニケーションズ社に在籍。同社のプロダクトチームが買い物かご機能を求めていたのに応じ、（HTTP）Cookieを開発したそうです。

Cookieの名前の由来

Cookieの名前の由来には、諸説あります。先述のルー・モントゥリ氏がHTTP Cookieを開発する際、同じような仕組みを持つUNIXのプログラム「Magic Cookie」を参考に名付けた説。中華料理店で食後に出てくるおみくじ入りの「フォーチュン・クッキー」が元という説。その他ブラウザーやサーバーが「食べる」イメージ等、さまざまです。

Cookieとキャッシュの違い

Cookieと混同されがちな機能に「キャッシュ」があります。どちらもデ―タを一時的に保存する機能ですが、Cookieは「ユーザーに関する情報」を保存するのに対し、キャッシュは「Webぺージのデータ」を保存します。キャッシュはWebページを再度開く際に高速化するメリットがあります。

Cookieのメリット

Cookieを有効にするメリットは来訪済みのサイトに再訪問した際、前回入力した内容が再び表示されること。
例えばECサイトで買い物かごに入れたままの商品を再訪問時にすぐ確認できたり、住所やクレジットカードなどの個人情報などを入力する手間が省けたりします。

Cookieのデメリットと注意点

Cookieのデメリットは、情報が保持されている場合に、漏えい等のリスクがあることや、サイト閲覧などの履歴のトラッキングを把握されること。
スマホやパソコンを万が一盗まれた場合やハッキングや不正なリクエストがあった場合に、Cookieに残った情報を不正利用されてしまう危険性があります。

こういったセキュリティについてはWebブラウザーと（Webサイト）、サーバー双方での対策が行われていますが、ユーザー自身の対策も重要です。
クレジットカード情報やID・パスワードを入力すると、残った情報を悪用されてしまう危険性があります。共有パソコンなどを使用するときは重要な情報を入力しないようにしましょう。ブラウザーを閉じる際など定期的に履歴を削除することや、自動削除の設定をして、情報を残さないようにすることがおすすめです。

Cookieは2種類ある

Cookieはその性質上、セットされた範囲ならどんな場所で発行されたリクエストにたいしても付与や保存が行なえます。
Cookieは訪問するWebサイト（ドメイン）によって発行され、発行元によって2種類に分けられます。

1．1stパーティCookie

1st（ファースト）パーティCookieは現在訪れているサイトから発行されるCookieで、そのサイトのみで機能します。Webサイトの閲覧履歴やログイン情報、買い物かごの情報や個人情報が保持されます。

2．3rdパーティCookie

3rd（サード）パーティCookieはユーザーが訪れているWebサイト以外のドメイン、第三者から発行されるCookieです。複数のWebサイトをまたいで使用されます。

Cookieの設定方法

普段利用しているパソコンやスマホは多くの場合最初からCookieが有効になっています。もしWebサイトを閲覧中に「Cookieを有効にしてください」という警告が出たときのために、PCブラウザー・iPhone・Androidそれぞれの設定方法を説明していきます。

PCブラウザー（Google chrome）での設定方法

1．Google Chromeを開く

2．右上にある3点のアイコンから「設定」をクリック

3．「セキュリティとプライバシー」の「Cookieと他のサイトデータ」をクリック

4 ． 「Cookieをすべて受け入れる」にチェックを入れます

iPhone（Safari）での設定方法

1 ． 「設定」をタップ

2 ． 「Safari」をタップ

3 ． 「プライバシーとセキュリティ」の項目の「すべてのCookieをブロック」をオフ

Androidでの設定方法

1 ． 「Chrome」を開く

2 ． 右上にある3点のアイコンから「設定」をタップ

3 ． 「サイトの設定」をタップ

4 ． 「Cookie」の項目の「Cookieを有効にする」を選択

他のブラウザーを使用している場合でも多くのブラウザーは「設定」にCookieの項目があるので、「有効」もしくは「読み込む」という設定にします。

Cookieを削除する方法

不特定多数が使う共用パソコンで個人利用のIDやパスワードなどの個人情報を入力しなければならない場合は、第三者に不正利用されてしまう恐れがあるので、利用が終わったらCookieを削除しましょう。PCブラウザー・iPhone・Androidそれぞれの方法を紹介します。

PCブラウザー（Google chrome）での削除方法

1 ． 右上の3つの点のアイコンから「設定」画面を開く

2 ． 「セキュリティとプライバシー」の「Cookieと他のサイトデータ」をクリック

3 ． 「すべてのウィンドウを閉じるときにCookieとサイトデータを削除する」をクリック

iPhoneでの削除方法

1 ． 「設定」を開く

2 ． 「Safari」をタップ

3 ． 「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ

Androidでの削除方法

1 ． Chromeの右上にある3つの点のメニューから「履歴」を開く

2 ． 「閲覧履歴データを削除」をタップ

3 ． 「Cookieとサイトデータ」にチェックを入れる

4 ． 「データを削除」をタップ

まとめ

Cookieはユーザー情報を保持してくれる便利な機能です。IDやパスワードなどのログイン情報などを再入力する必要がなく、インターネットをスムーズに使えるというメリットがあります。Cookieの利用のされ方はユーザーでコントロールできる部分がありますのでCookieの機能を理解して、快適で安全なインターネット生活を送りましょう。

参考文献：米内貴志『Webブラウザーセキュリティ Webアプリケーションの安全性を支える仕組みを整理する』／ラムダノート